- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478013397
作品紹介・あらすじ
リーダーシップ教育のグールーがハーバード・ビジネス・スクールをはじめ、GE、コカ・コーラ、グーグルで教えてきたリーダーシップ講座の核心。すべての翻訳を一新し、2章を追加。
感想・レビュー・書評
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・リーダーとマネジメントは違う。リーダーとは、ビジョンと戦略を策定し、戦略に相応しい人員を結集し、障害を克服しビジョンを実現するために社員をエンパワーメントすること。生身の人間や企業文化が相手であり、ソフトで熱い。一方、マネジメントは組織の階層と制度を介して実行される、ハードで冷めたもの。
・経営者には、依存関係という、ソフトで、情緒的で、双方的な課題も伴う。
・優秀なリーダーは、課題作りと人脈作りに力を入れる。人脈作りは、就任後の1ヶ月間において集中的に行われる。恩義や義務を負っているという意識を人々に植え付け、また時間をかけて仕事が出来る人という評判を高めていく。仕事の合間の雑談や意見交換の中からも大事な情報を入手している。その意味では、会社や職場のことを良く知っている生え抜き社員は重要。
・上司をマネジメントする。出来る管理職は、部下だけでなく上司との関係にも労力を割く。上司との関係は、単なる性格の不一致と片付けるべきではない。上司を理解し、自分のスタイルを理解する。そして、自身のニーズにもスタイルにも合い、互いに期待し合い、上司にはたえず情報を提供し、信頼を得るために確実な仕事をし、上司の時間や資源を上手く使い分けること。自分が依存している人達と良好な関係を築き、それを管理するのは大事なことである。
ざっと掻い摘んで読んだが、自分が管理職になる頃にまた読み直したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
変革リーダーシップで有名なコッターの本。最初にあるリーダーとマネージャーの違いはよくある話だが、組織改革の実行面に関するかなり具体的なアドバイスが実用的。特に、ボス・マネジメントは普段意識することがなく、目からウロコナ内容だった。確かに非常に重要である。
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リーダーにはならない、なれないと思ってます。
組織はこうあるべきなんて、広大な理想を描いていません。同僚を一つの方向に導くなんて気概もありません。
ただあるのは、徹底的な業務の円滑化、効率化です。そういう意味では、自分はマネージャータイプであることを知ることができました。自分は設計者でなく施工者であると。 -
本書を読むと自分はリーダーに向いていないとつくづく思うが、泥縄で勉強中。
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これを求めていた。根拠に裏打ちされて、私がなすべきことが理路整然と示される。もはや誰かの経験談など聞きたくない。この書に沿って仕事に邁進する。
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一般に混同されているリーダーシップとマネジメントの違いについて整理。
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『リーダーシップ論』 J・P・コッター
2022年10月―12月期 グロービス参考図書
言わずと知れたリーダーシップ論の名著。
冒頭はリーダーシップとマネジメントの違いについて、次に変革のマネジメント、そしてボス・マネジメント、最後に優れたリーダーの特徴について記載がある。
個人的に面白かったのは最後の優れたリーダーの特徴であるが、こちらのメモは順番に書いていく。
リーダーシップとマネジメントは目的が異なる。前者は変化に対応するためのものであり、後者は複雑な状況に対処するものである。変化に対応するためには、独自の状況分析、危機感と価値観の共有、粘り強い動機付け等、エネルギッシュな活動が主である。情報収集を分析から、未来図を描き、メンバーにビジョンを示す。そして階層に関係なく縦横無尽にコミュニケーションを取り、人間として信頼されるに足る言動やインテグリティが重要になる。常に結果を追い求め、価値観を訴えて、権限移譲し、チームを活性化する。これが変革に立ち向かうためのリーダーシップである。マネジメントは、計画と予算、資源(人・モノ・カネ・時間)のアロケーション、統制がメインである。優れたリーダーはこのどちらも兼ね備えており、マネジメントとリーダーシップは相互に補完関係にある。
変革のマネジメントは、グロービス講座の最終日でも触れていたが、実際のケースの分析から8段階にまとめられている。①危機感の共有・醸成➁強力な推進チーム作り③ビジョンの策定④ビジョンの伝達⑤ビジョン実現へのサポート⑥短期的成果を上げるための計画策定・実行⑦改善成果の定着とさらなる変革の実現⑧新しいアプローチを根付かせる。この8段階である。特に、①と➁が改めてケース問題でも重要であると感じた。危機意識は常に外を見ていなければ醸成されない。まずは、リーダー自身が開放的に組織外の情報を収集し、自ら学習し、変革し続けるという意識が肝要と認識した。さらに、➁ではシンパを作る。危機感を共有し、志を同じくして互いに刺激し合うメンバーがいなければ改革は尻すぼみになってしまう。そして、初めて変革に向けたビジョンや戦略に命が吹き込まれる。大概はやらされ仕事や○○推進チームは任命されて③から始まってしまうが、①➁を言われなくても行っている熱量高いリーダーでありたいと感じた。①➁の重要性は、レヴィンの変革の3段階「解凍→移動→再凍結」の解凍の部分であり、同じく序盤で躓くと成果を上げることは難しくなる。
抵抗への対応策においても①教育とコミュニケーション➁参画と巻き込み③援助と促進④交渉と合意⑤操作を取り込み⑥直接的強制と間接的強制がある。前半の3つがうまくいかなければ、④以降の手段を取る。①➁③の流れは、やはり解凍フェーズを無事完了させるための方策でもある。
ボス・マネジメントは、いかなる組織でも優秀な人間は誰が上司でも成果を出しているという事実から始まる。環境ではなく、自分に矢印を向け、状況に挑むには、勿論上司も環境の一つである。
常にボスがどのような目標を持ち(目標を課され)、何が懸案事項であるのかと把握せよというものである。そして、その上司の強みと弱みを把握することも同程度に重要である。なぜ、ボス・マネジメントが重要かと言えば、これは個人的な意見でもあるが、イノベーションの種、改革の端緒は組織間にあるからである。
そして、組織間を結ぶのは階層が上位の人間、つまり自らのボスである。組織間のポテンヒットを拾うこと、さらに組織間で自らの部署の常識の脱構築と再構築を行うことは企業という組織全体を見た場合に最も重要な仕事であり、トップマネジメントの目下の目標でもある。トップマネジメントの目標にアプローチする上でも自らのボスに働きかけ、組織間の仲介役を依頼しなければ、組織変革は達成できない。ゆえに、ボス・マネジメントは非常に重要である。
最後に、優秀なリーダーシップについてであるが、目から鱗であった。本書ではリーダーの仕事は課題づくりと人脈づくりにあると看破する。リーダーは短期、中期、長期で目標管理を行っているため、それらを達成する上で、ボトルネックになっている課題設定が最も重要である。そして、ボトルネックの把握や課題づくりに欠かせないのが人脈である。社内外の人々と階層を縦横無尽に動きまわり、コミュニケーションを取り、質問をして、課題を特定する。課題の特定は、部下や社外の人々とのコミュニケーションから行う。そして、物事を多面的に見るために、多くの人々とのつながりが重要であり、その基盤が人脈づくりにある。
そして、このような観点が具体化されている場面として、社内で人とばったり会った際の何気ない会話である。リーダーは常に課題を意識し、課題の特定に努めているため、誰と会っても話題がある。常に誰かにあったらこれを話そうと思っているため、ものの5分程度の立ち話でも多くの質問をする。そして、重要な情報を入手し、次の動きを依頼する。公式にメール等で仕事を依頼することは稀である。こうした多くの立ち話によって仕事を行うため、リーダーは常に会社で自由に過ごしている。細かい予定を組まずに、常に開放的にぶらぶらと歩いている。また、本書では会話は情報収集にとどまると記載もある。つまり、リーダーは75%程度は会社で誰かと話しながら情報を収集しているが、25%の1人の時間で決断を下しているということである。
こうした、組織内での会話が重要であることは、グロービス講師の佐藤剛先生の『組織自律力』や『イノベーション創発論』でも記載がある。さらに、自分自身の会社の社長やリーダーを見ていても、開放的な人物が多く、常にぶらぶらとしている印象がある。会議室に籠るようなことはない。
自分自身、リーダーシップを発揮する際には、本書の内容を肝に銘じ、実践していきたい。 -
新型コロナの感染拡大や、ロシアのウクライナ侵攻を見ても、今はまさに変革の時代だと感じます。
コッターは、リーダーシップとマネジメントの違いについて明確化し、変革の時代に必要なものはリーダーシップであると強調しています。
コッターの示す組織変革の8段階のプロセスも興味深いです。
示唆に富んだ学び多き一冊としておすすめです! -
ハーバードのリーダーシップ研究の大家、コッターの言わずと知れた研究の成果です。
『リーダーシップの役割は、変化に対処することである。』
この一言にすべて尽きるのかな、と思います。
この一言から自分なりに何が必要か、を個々人で考えるいい質問になるかと思います。 -
基本、HBRの記事の寄せ集め。
一つ一つはいい内容であるも、統一感を持ったものではない。
最も面白いのはmanaging your bossで上司を如何に理解することが、その後の仕事効率に大きく関わることが述べられている。反依存か、依存かを自分で理解して、そのバランスをとっていくことの重要性を述べている。 -
何度も読み返すだろう素晴らしい本。マネジャー関連の本はいくつか読んだが、これほど新たな気づきを与えてくれたものはない。
・リーダーシップとマネジメントの違い
これは明確に違う。混同してはならない。マネジメントは手法でありアプローチである。それだけで成果が出るのは問題が明確な場合のみだ。真に取り組むべきはもっと未来の曖昧な機会であり、リーダーシップの領域であるビジョン、エンパワーメント、人脈なくして成果はない。
・権力と影響力
マネジャーの成果はほぼ自分がコントロールできない人間関係に依存するという点で、権力者ではなくむしろ従属者である。一般的に想起されるマネジャーのイメージとはかけ離れた難儀な仕事である
・マネジャーの日常
いかにして課題を定義し、その状況に対応することが仕事の大半を占めるか。その業務内容は、計画を実行することで評価されたスタッフの延長線上には全くない。 -
良いことたくさん言ってる!また読み直したい。
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リーダーシップの具体論が参考になる。
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【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
溝口光男先生の推薦図書です。
<推薦理由>
平成27年11月21日開催のサークルリーダーシップトレーニングの講演における紹介図書。サークルの部長などが部員をまとめようとして悩みを抱えたときに,リーダー,リーダーシップについて考えるきっかけになると期待して推薦します。
図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00355186 -
マネジメントとリーダーシップの違いがまず明確になる。
リーダーに何が必要かということが細かくわかる。 -
「マネジャーとリーダー(マネジメントとリーダーシップ)は異なる」。まさにこれに尽きます。ではリーダーシップとは何か?それを気づかせてくれる良い本です。
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【読書メモ】
ボス・マネジメント
依存関係
優秀なリーダーは「アジェンダづくり」と「人脈づくり」に努める
意見交換を重視
率直な質問を投げかける
人脈づくりは就任後の1カ月間に集中
時間をかけて「仕事ができる人物」という評判を高めていく
指示を出すのではなく影響力を行使する
優れたリーダーは平均週60時間働く
マネジメントよりリーダーシップが不足している
リーダーシップ行動
1 危機意識を醸成する
2 変革チームを組織する
3 ビジョンを具体的に示す
4 変革に巻き込むためにコミュニケーションに腐心する
5 変革行動への権限を与える
6 小さな成功を実現させる
7 変革の歩みを減速させない
8 変革を促し続ける -
偉い人にも若い人にも読んでもらいたい。2013年
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マネジメントとリーダーシップは別物。それだけで目から鱗。