原子炉時限爆弾

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著者 : 広瀬隆
  • ダイヤモンド社 (2010年8月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478013595

原子炉時限爆弾の感想・レビュー・書評

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  • 2010年刊。この刊行年が全てを物語る。本書は「フクシマ」を予言した書であったのだ。つまり、一定の証拠に基づいて合理的な推論を行えば、「フクシマ」には帰結しえたことになる。過去形というのが痛すぎる現実であるが…。ともあれ、一読の価値は高い。というよりぜひ読んで欲しい。また、地震・津波以外の原発の問題点も触れられ参考になる。それと本書が「御用学者」と批判する人々の名は心に刻んでおきたい。なお「SF作家」といった他人の揶揄・誹謗中傷に負けず、またあきらめることなく自説を貫徹し続けた著者に心から敬意を表したい。
    先に読破した「ウィキリークス」関連書で、言説の信憑性を検討する上で、主張者の展開する議論の内容やターゲットが要因となって、自身に不利益が生じる場合、その言説は信じるに値するという説を紹介していた人がいたが、本書・本著者はまさにその最たるものとの感を強くする。

  • 原発

  • お湯沸かすためだけに原発やるかどうか、最低限の知識を学んだ上で覚悟決めたほうが良い。ドイツやイタリアにできることは我々にもできるはず。
    この本は福島原発事故の前に書かれたもの。まさに警告どおりのことがおきてしまった。

  • 広瀬隆氏がいかに本気で調べていたかが伝わってくる。この本が2010年8月に出版されていたこと。驚きと同時に広瀬氏の警笛の正しさが実感される。この本のあとがきは「電力会社へのあとがきー畢竟、日本に住むすべての人に対して」と題されていて、広瀬隆氏の願いと叫びが読み取れる。2010年8月6日付けのあとがきが2011年3月11日以降の現在もいまだ有効であることにこの問題の根深さを感じる。この本は原発震災を考える上でとても大切な最新の知識たとえば変動地形学等をとてもわかりやすく親切に書いてくれている。原発がいかに危険な場所につくられているかがスッと理解できます。

  • 原発事故の予言書『東海村が先か、浜岡が先か』福島第一でした。

  • なんと3.11以前の出版。
    原発における地震、津波、電源喪失の問題まで触れられており、3.11以前にもギリギリなケースがあったことがわかる。福島第一原発でおきたことは予測されていたことだった。
    「危険な話」以来、久しぶりに広瀬隆の本を読んだが、当時と同じく文体がセンセーショナルなので、懐かしい感じに。とは言え3.11以降の自分には読み進めるのが辛い。こんなの残しちゃって後世のみんなゴメン。dub master xのwhat the hell do they want any more ?を聞いて反省します。

  • 日本に原子力発電を持ってくるがいかに無理があるか、そして原発推進のためにいかに事実がねじまげられているかがよくわかる。

    震災の前なら眉つばではないかと思えることも、本の中で述べられている懸念が今まさに起こっているので説得力は半端ではない。

    著者はさぞかし原発推進をしようとしている強大な勢力からプレッシャーと妨害を受けているのだろうと推察される。

  • なんともはや、これが現実です!愛すべきとっちゃん坊やの俳優・山本太郎が、積極的な反原発言動のせいで7/8からのドラマを降板させられたとのこと。大震災以降、これほどまでにとてつもない被害が露呈しているにもかかわらず、あいかわらず世の大勢は原発必要派が利権と便利を笠に牛耳っているのです。

    この本、大ベストセラーになっているようです。

    目次を概観してみて下さい。

    序 章:原発震災が日本を襲う
    第1章:浜岡原発を揺るがす東海大地震
    第2章:地震と地球の基礎知識
    第3章:地震列島になぜ原発が林立したか
    第4章:原子力発電の断末魔
    電力会社へのあとがき

    われらが広瀬隆は、東日本大震災の起こる7か月以上も前に、まるで予言するかのように警告を発していたのです。

    反原発・核の恐怖・代替エネルギー問題・原発利権などなど、以前は言ってなかった人もみな口を揃えて、大震災を契機に今では似たような趣旨の本が五万と出ていますが、彼はすでに30年も前から孤立無援の闘いをしてきました。

    この期に及んでまだ原発は必要だと言い張る人がいますが、それならそういう人たちは全員移住して、原発賛成の意見の人たちが住む地域だけに原発を存続させて眺めて暮らせばいいじゃないですか。









    ★2012年1月4日の追記
    読書休めと筆休めのためにネットサーフィンしていたら、われらが松岡正剛が『千夜千冊 番外編』の去年の12月31日の日付で、ラングトン・ウィナーの『鯨と原子炉 技術の限界を求めて』(紀伊國屋書店・2000年)をとりあげて書いているのに出くわしました。
    私も手にとった覚えがあるので、どう書いているのか興味津々で読んでいくと、途中でいきなり関連本のかずかずについて言及していくのでした。
    そこには、下記のようなかなり専門的な本が、ずらずらと並んで紹介されていきます。
    ◆アミール・D・アクゼル『ウラニウム戦争』(久保儀明・宮田卓爾訳・ 青土社 ・2009年)
    ◆山田克哉『日本は原子爆弾をつくれるのか』(PHP新書・2009年)
    ◆アイリーン・ウェルサム『プルトニウム・ファイル』上下(渡辺正訳・ 翔泳社・ 2000年)
    ◆高木仁三郎『プルトニウムの恐怖』(岩波新書・1981年)
    ◆原子力資料情報室『破綻したプルトニウム利用』(緑風出版・2010年)
    ◆吉岡斉『新版 原子力の社会史 その日本的展開』(朝日選書 ・2011年)

    そして、そのあとに、この本も含めた広瀬隆の著作を激賞している箇所に出会って、私だけが思っているのではないことを知り、万感胸に迫るものを感じました。

    感激のあまり、思わず引用してしまいますが、利益追求や私利私欲にかられてのものではないので、許してセイゴウ!

         □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

    ◆広瀬隆『福島原発メルトダウン』(朝日選書 2011・5)

     広瀬隆の本はいつも吠えている。また社会的にオーソライズされつつある多くの言動にひそむ欺瞞を暴き、その衣の下に隠れた真実を衝く。その過激な言論活動はマスコミやテレビ・メディアではほとんど取り上げられないが、広瀬によって告発された問題の多くが、数年もしくは十数年後に“社会化”されることは少なくなかった。
     原発関係だけでも、最も早くに原発の危険性を告発した『東京に原発を!』(集英社文庫)、チェルノブイリ事故の直後に各地で講話しつづけたものを収録した『危険な話』(八月書館)を嚆矢として、地震と原発の重なりを説いて3・11をずばり予告した2010年8月刊行の『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)をはじめ、3・11後にルポライターの明石昇二郎と対談した『原発の闇を暴く』(集英社新書)、旧著を増補した『新エネルギーが世界を変える』(NHK出版)など、かなりある。
     広瀬の本は激越である。振り上げた青竜刀を上段から真っ向に斬り落とし、そのまま止めるのではなく、最後まで振り切る。いや、下から切り上げて、そのまま天空に向かうこともある。適当なナジリや揶揄など、がまんがならないのだ。たとえば多くの知識人や評論家やマスコミが「原子力ムラ」とか「御用学者」などと言っているのが気にいらない。かれらは「原子力マフィア」であって「原子力シンジゲート」だというべきだというのだ。
     広瀬の本には実名がぽんぽん出てくる。原子力委員会の委員長の斑目春樹を筆頭に、だいたいはすべてぶった切りである。一方で、慶応の藤田祐幸、熊本の医師の原田正純、地震学の石橋克彦、材料工学の井野博満、機械工学の田中三彦、変動地形学の渡辺満久など、心ある研究者たちの主張には真摯に耳を傾けている。
     今夜はフクシマ以降ということもあって、本書『福島原発メルトダウン』をあえてとりあげたけれど、ぼくが最も納得したのは『原子炉時限爆弾』だった。もっと解説したいとは思うものの、広瀬の本にかぎっては、その毒舌とともに読者も返り血を浴びたほうがいいだろうから、直截に手にとって読まれることを勧める。

         □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

    まだこのあと、内橋克人『日本の原発、どこで間違えたのか』(朝日新聞出版・2011年)などにも言及したのちの深夜、われらが松岡正剛は

    「われわれは原発を作ってはならなかったのではない。原発のような国家や企業や組織を作ってはならなかったのだ。」

    という卓越した箴言を結語としてこの文章を閉じます。

    たとえ世の中がどんなに暗黒で絶望的なものになっても、広瀬隆と松岡正剛とともに同じ時代に生きて、真実から目をそむけないでいることの意味を深く感じます。

  • はっきり言って、身震いします。あぁ、どうしようこれからの日本。

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原子炉時限爆弾の作品紹介

危機は刻々迫っている!世界各地で頻発する大地震は何の予兆なのか?クリーンエネルギーとして推進されている原発は本当に安全か?「原発震災」がもたらす日本壊滅の危機に警告を発する。

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