大前研一の新しい資本主義の論点

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478013724

感想・レビュー・書評

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  • 大前健一監修でハーバードビジネスレビューの記事を、「ニューノーマル(新しい現実)」という視点でまとめた本。
    グローバルと新興経済、技術と環境、金融と経済など、リーマンショックに限らず最近の動向から、これからの経済、企業、社会のあり方をうまくまとめてあり、飛ばし読みでも新たな視点を見いだセルと思う。

    特に気になったキーワードをあげておく

    ・アメリカ、EU、中国の3局化
    ・アジア新中間層
    ・チームは不正の温床
    ・脱経済成長=まっとうである事、持続可能性
    ・規制から誘導へ
    ・脱株主価値
    ・新興市場のリーダー=ブレークスルーリーダーシップ
    (先進国モデルの浸透ではなく、起業家精神)
    ・合従連合⇦新興国企業の豊富な資金、中小企業ターゲット
    ・新興国市場からのリバースイノベーション
    ハイエンドの展開ではなくローエンドのイノベーションと普及をキーとする
    ・ローカルグロースチーム(LGT)
    成長が期待できる地域に権限移譲
    ゼロからの新製品開発
    LGTを直属する(本社資源の活用、グローバル事業との対立の仲裁
    ・フラット化しつつも、集中化
    ・アフリカ投資
    ・イノベーション投資の死守



    目次
    まえがき───世界の何がどう変わったのか、新しい現実(ニュー・ノーマル)を知る必要がある


    序 ポスト金融危機の経営戦略

    大前研一(ビジネス・ブレークスルー 代表取締役社長 兼ビジネス・ブレークスルー大学 学長)


    第1部 経済と金融

    1 合理的経済学の終焉
    ダン・アリエリー(デューク大学 フュークア・スクール・オブ・ビジネス 教授)

    2 どうすれば、危機の連鎖を断ち切れるか
    ダンカン・ワッツ(コロンビア大学 教授)

    3 経済回復ではなく、新しい経済を発明する
    ジェームズ・グスタフ・スペス(エール・スクール・オブ・フォレストリー・アンド・エンバイロンメンタル・スタディーズ 教授)

    4 リーマン・ショックによる不況の原因は何か クルーグマンの分析
    ポール・R・クルーグマン(プリンストン大学 ウッドロー・ウィルソン・スクール 教授)

    5 政府と企業の新しい関係
    ロバート・B・ライシュ(カリフォルニア大学 バークレー校 教授)

    6 モラル・ハザード経済の危うさ
    ピーター・L・バーンスタイン(ピーター・L・バーンスタイン 社長)

    7 個人金融商品における消費者保護 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    エリザベス・ウォーレン(ハーバード・ロースクール 教授)
    アメリア・ティアギ(ビジネス・タレント・グループ 共同創設者 兼COO)


    第2部 企業

    8 ステークホルダー資本主義の再来
    ジェフリー・フェファー(スタンフォード大学 経営大学院 教授)

    9 「脱」株主価値が信頼回復の早道 マッキンゼーが予測する近未来トレンド
    エリック・ベインホッカー(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート シニア・リサーチャー)
    イアン・デイビス(マッキンゼー・アンド・カンパニー マネージング・ディレクター)
    レニー・メンドンカ(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート 会長 兼マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター)

    10 消費パターンの変容 マッキンゼーが予測する近未来トレンド
    エリック・ベインホッカー(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート シニア・リサーチャー)
    イアン・デイビス(マッキンゼー・アンド・カンパニー マネージング・ディレクター)
    レニー・メンドンカ(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート 会長 兼マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター)

    11 競争力のカギは「資源生産性」 マッキンゼーが予測する近未来トレンド
    エリック・ベインホッカー(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート シニア・リサーチャー)
    イアン・デイビス(マッキンゼー・アンド・カンパニー マネージング・ディレクター)
    レニー・メンドンカ(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート 会長 兼マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター)

    12 プライバシーの憂鬱
    ルー・マクレアリー(『ハーバード・ビジネス・レビュー』コントリビューティング・エディター)


    第3部 グローバリゼーションと新興経済

    13 新興市場の未来
    アナンド・P・ラマン(『ハーバード・ビジネス・レビュー』エディター・アト・ラージ)

    14 GEのリバース・イノベーション戦略
    ジェフリー・R・イメルト(ゼネラル・エレクトリック 会長 兼CEO)
    ビジャイ・ゴビンダラジャン(ダートマス大学 タック・スクール・オブ・ビジネス 教授)
    クリス・トリンブル(ダートマス大学 タック・スクール・オブ・ビジネス 非常勤准教授)

    15 グローバリゼーションへの干渉 マッキンゼーが予測する近未来トレンド
    エリック・ベインホッカー(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート シニア・リサーチャー)
    イアン・デイビス(マッキンゼー・アンド・カンパニー マネージング・ディレクター)
    レニー・メンドンカ(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート 会長 兼マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター)

    16 国家資本主義の再来 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    イアン・ブレマー(ユーラシア・グループ 社長)
    ホアン・プジャダス(プライスウォーターハウスクーパース アドバイザリー・サービス部門 グローバル・リーダー)

    17 メガ地域がグローバル経済を動かす
    リチャード・フロリダ(トロント大学 ジョセフ・L・ロットマン・スクール・オブ・マネジメント 教授)

    18 「単国籍化」する多国籍企業
    ジェフリー・G・ジョーンズ(ハーバード・ビジネススクール 教授)

    19 いまがアフリカ投資のチャンス 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    ポール・コリアー(オックスフォード大学 アフリカ経済研究センター 所長)
    ジャン=ルイ・バーンホルツ(オックスフォード大学 アフリカ経済研究センター 研究員)

    20 「移民」という五億人市場 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    マルセロ・M・スアレス=オロスコ(ニューヨーク大学 教授)

    21 サプライチェーンの世界的危機
    ジョージ・ストーク・Jr.(ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー)


    第4部 技術と環境

    22 イノベーション投資を死守せよ マッキンゼーが予測する近未来トレンド
    エリック・ベインホッカー(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート シニア・リサーチャー)
    イアン・デイビス(マッキンゼー・アンド・カンパニー マネージング・ディレクター)
    レニー・メンドンカ(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート 会長 兼マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター)

    23 セマンティック・ウェブの衝撃 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    トム・イルベ(ガーリック 共同創設者 兼CEO)

    24 地球に中枢神経系をつくる 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    R・スタンレー・ウィリアムズ(ヒューレット・パッカード シニア・フェロー)

    25 意思決定もアウトソーシングされる時代 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    トーマス・H・ダベンポート(バブソン・カレッジ 教授)
    バラ・R・アイヤル(バブソン・カレッジ 准教授)

    26 普及が期待されるDSSC 二〇〇九年のパワー・コンセプト
    ジャニン・M・ベニュス(バイオミミクリー・インスティテュート 理事長)
    グンター・A・M・パウリ(ZERI 創設者 兼ディレクター)

    27 電力会社はサービスを売れ
    ピーター・フォックス=ペナー(ブラトル・グループ プリンシパル 兼名誉会長)

    28 六つのクリーン・エネルギー技術
    ガーディナー・モース(『ハーバード・ビジネス・レビュー』 シニア・エディター)

  • 米国中心の評論。マッキンゼーの人たちの論文がほとんど。

  • ハーバードビジネスレビューの内容が凝縮されてます。

  • //2012.12破棄

  • 【要約】


    【ノート】

  • リーマンショック後のグローバル経済の在り方についてHBRの論文がまとめられている。現在日本市場を担当しているがグローバル視点は欠かせないのだ。少し間を置いて再読しよう。

  • リーマンショックの金融危機時に出版され、アメリカのそうそうたる金融・経済専門家の書いたものを集めた本。速読で一気に読んだが、なかなか面白かった。現在から振り返ると同感の点も、予測通りにはなっていない点も多い。過去に大問題とされた未来危機について検証し、その多く(ほとんど)が杞憂に終わったことを示した本を読んだことがあるが、人間の未来予測というのは難しい。多くの予想が時間的に近い間に起こったことに大きく左右され(過ぎ)るという研究もある。そんなことが頭に浮かびながら読んだ。もちろん「世界の頭脳」の論集でありなるほどということもいっぱいだけど。

  • 難しいことが、小難しく書いてある。大前研一氏が編纂されているとは言え、原本は世界的に名の知れた大学の学者先生や企業トップの論考が多い。大前氏の言葉を借りれば、「リーダーたる者、一度は読むべき論考で、ぜひ本書を読みこなしてもらいたい」と言うが、全てを読み通すには少々骨が折れるボリュームだ。今回は全体の内容は斜め読みで、目次から興味のある内容だけを読み進んだ。今後時間があれば読み直すとしよう。それにしても本来は、これらの論考を英文で読みこなすとなると、まだまだ実力不足だと言うことを、骨身に染みて改めて実感…。明日返却日。図書館利用。

  • 論点が多岐に渡り脳が刺激された。
    特にバイオミミクリーという概念に興味をそそられた。
    社会科学と生物科学は独立したものではなく、相互に干渉し合うものだと感じた。

  • 社会主義がシステムとして閉じたものであるのに対して、資本主義は内部の発展を通してそれまでのシステムが逐次リローデッドされていく。資本主義のパワーと変革の中心をなすのは、イノベーションと富の動脈にある。

     冨の動脈は交通機関の発達やコストの低下により、また金融はネットなどにより、ほんの十年前よりも遥に速く駆けまわるようになっている。このことは消費者ベースで見れば格段に生活の質が向上することを意味するが、生産者ベースで見れば地理的にも時間的にも競争相手が存在し、差別化を図ることが困難になることを意味する。

     従来であれば、少ないプレーヤーで競っていたところを多人数でビジネスゲームをすることになる。プレーヤーが増えることはそれまでのゲームの定石を変えるだけに留まらず、ゲームのルールさえも変わりやすくなることになる。野生の王国の弱肉強食ならば少なくともそのルールの範囲内で強者になることだけを目指せばいい。しかし、現代の資本主義では今のルールで勝つことはもちろんそのルールの改変性まで考えた競争戦略を考えなければならなくなる。

     1つだけ間違いなく言えることは、古い業界ルールを保ちながら一定の利益率が担保されることは間違いなくなっていることである。差別化できない業界は常に価格低下の競争に巻き込まれ、特にその商品がサービスである場合には限りなく無料に近づく。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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