- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478014035
感想・レビュー・書評
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新しいタイプのマーケティングリサーチ入門本で、非常に参考になった。
この本のはじめにの中で述べられているが、
従来のリサーチ本は調査票の作り方や手法の解説が主であった。
それに対し、この本ではマーケティング課題を解決するにあたって、
どのようなステップでどのような調査を行えばいいか、
調査課題への落とし込みと分析の仕方のところを解説してくれている。
自分はリサーチャーで、リサーチの専門家でなければならないのだけど…、
こういう課題のときにどうしたらいいんだろう?というのが、
しっかりとわかっていないテーマもあったので、そこを学べたので良かった。
ただし、当然ここにあることは唯一の正解というわけでは全然なく、
基本的な考え方のひとつにすぎない。
この本にある基本をおさえた上で、より多様なテーマに応えられるように、
勉強し、経験を積まなければいけない。
また、この本では各分析の考え方は述べられているものの、
具体的にどのような設計で、どのような調査票でいうところまでは、
詳細には書かれてはいない。
ここは各リサーチ会社のノウハウがある部分だろうし、
クライアントの考え方によっても変わってくると思うので、
そこはまた別途勉強しなさいということなんだろう。
それこそ、そういう部分は従来のリサーチ本が詳しいわけで、
巻末のほうに参考本が掲載されているので、これを読んで勉強しようと思う。。
ところで、クライアント側がリサーチ会社に依頼する際の注意点として、
下記2点が最初に挙げられていた。
・誰が何をするための事実を知りたいのか。
・何がわかると自分(たち)はうれしいのか。
調査の背景に何が起こっているのか、何を知りたいのかという目的、
そのあたりを共有してもらえないケースもわりと多く、
上記はリサーチャーとして確かに共有してほしい情報である。
一方で、それを引き出すだけのリサーチャーとしてのコミュニケーション力も必要なんだろうとも思う。
それにしてもこの本をクライアントが読むことを考えれば、
リサーチャーとしての自分はこの本にあるようなことは、
基本としてしっかりと理解しておかなければいけないし、
さらにはここにあるようなこと以上のことをしなければ
プロとして認められないのだろうな、とも思う。
そのことを肝に銘じて、自分のスキルアップをしていきたいし、
組織としてもスキルアップして、リサーチ業界を盛り上げられたらいいなあ、なんて…。
ちなみに、以下目次である。
Ⅰ 既存商品のマネジメント
1 ブランドの健康診断
2 ブランドのリポジショニング
3 ブランドストレッチの検討
4 既存ブランドの価格再検討
Ⅱ 新商品の開発
5 ブランド設計のためのマーケティング・リサーチ
6 生活者の「問題」からのアイデア発見
7 新商品アイデアの探索
8 コンセプトの作成と評価
9 商品の評価と改善点の抽出
10 最適価格の設定
11 パッケージデザインの評価
12 販売量の予測
13 上市後の追跡調査の実施
Ⅲ 効果的な広告展開
14 広告戦略の検討
15 広告の事前評価
16 広告出稿計画の策定
Ⅳ 魅力的な市場の発見
17 新市場把握のための調査
18 既存市場の周辺領域の開発
19 消費動機の探索
20 消費者行動の理解促進
21 海外でのマーケティングリサーチ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マーケティングには役立ちそう。
競合他社との比較の仕方、市場分析の手法が細かく記載されていて、実践に役立ちそうだ。
また、有名なコンサルティングのフレームワーク以外にも、フレームワークを紹介していたり、分析手法を載せてた。
ただ、一点残念なのが、マーケティング戦略の本だから、市場の消費者の声を聞く手法が多く、
実際に数値データや公共データを利用する分析方法についてはあまり書いてない。
その点のリサーチ手法を学びたい場合は、この本では不十分である。 -
マーケティングリサーチの復習のために手にとって見ました。
著者もはじめにで触れていますが、従来のマーケティングリサーチの解説本のように調査設計やサンプリングの方法論を中心とした内容ではなく、主に事業主がどのようにしてマーケティングリサーチを使いこなすかを知ることができるよう、いくつかのケーススタディーをベースに調査課題の導出方法およびマーケティングリサーチを通じた調査課題の解決の流れについて解説しているのがなかなか良かったと思います。
敷いて言えば、個人的には調査票例などもあった方がより理解が深められたのではないかと思います。
(マーケティングリサーチを外部に委託するにしても、リサーチ会社が出してきた調査票が正しいものかを事業主が評価できるようにするため)
リサーチャー志望者の方はもちろん、事業会社の経営企画や商品企画、マーケティングの担当になった方への入門書としてオススメです。 -
自社サービスと連結した構成になっているので、理解しやすいはず。
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帯文:”結果を出す人は、いつもデータで説明できる!” ”仕事の現場で役に立つリサーチの基本と使いこなし方”
目次:はじめに、プロローグ、I 既存商品のマネジメント 、II 新商品の開発、III 効果的な広告展開、IV 魅力的な市場の発見、もっと学びたい人のために、索引 -
Q&A形式でそれぞれの課題をどのような方法で遂行すればよいのかが書かれている。表面上は理解できるがテクニカル面でやや弱いし、なんでそうなるのかのロジックがないので、あまり効果的に得るものが少ない感じがする。
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長期休暇に読もう
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ケーススタディが多く骨太なので個別の勉強よりは輪読とかチームの教材にすると良さげ。
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マクロミルの萩原雅之さんが「調査業界には危険な書物」とツィッターでつぶやいていたのも当然だ。ここには第一線のプロが明かしたリサーチの現場の知恵がすべて込められている。