マエカワはなぜ「跳ぶ」のか

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 76
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478015124

作品紹介・あらすじ

集団の発想が「跳んだ」とき、イノベーションが起きる。「場所」を掘り下げていくと無競争の「棲み分け」に行きつく。日本のものづくりは、文明から哲学へ。

感想・レビュー・書評

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  • 途中に挟まれている野中郁次郎のポーターの批判がなるほどと感じた。
    競争優位を意識しすぎるとイノベーションが起きないという内容。

    なお、マエカワが「場所」を跳び、イノベーションを起すメカニズムについてそれはそうだと思う。適切に社員にどの程度還元させているのか気になる。
    また、事業形態に独特な「場」への関与の仕方、組織構築となっていることからなかなか模倣することは困難だと感じている。普遍性の点では懐疑的。

  • 読み進めるに従って、「跳ぶ」の感覚がわかってきました。

  • 本日ご紹介する本は、

    前川製作所という会社の、
    ものづくりに関する考え方を紹介した1冊です。

    前川製作所は、冷凍、超電導、ロボット等の
    第一級のハイテク企業です。

    そして定年がないという独特の経営スタイルで
    次々と新しい独自の商品を生み出しています。

    ポイントは
    「生物」


    環境変化にうまく対応し、
    生き続けていくことは生物の本能です。

    生物と同じように、企業も環境の変化に合わせて、
    生きて行く場所(業界)を変え、

    場所の変化にあわせ、
    自分たちの商品を自在に変え、
    オリジナルな商品作りを狙っていきます。


    「跳びたいから跳ぶ」

    本書で”跳ぶ”というのは
    今いる場所(業界)を変えるために、
    新しい独自の商品を生み出し
    目的の場所に移動するというような感じです。

    生物は生きるために食べますが、それは理屈であり
    実際は食べたいから食る。

    企業においても、生きるために「跳ぶ」ことが必要ですが
    実際は”跳びたいから跳ぶ”べきです。


    「棲み分け」

    生物と同様に企業も「跳ぶ」ときに
    棲み分けが必要です。
    跳んだ先の場所に、強い生物が住んでいると
    生きていけません。

    しっかり棲み分けが出来る場所かどうかが大切です。


    「モノからコトへ」

    マエカワの商品である冷凍機は「冷やす」ための機械。
    これがモノです。
    でも、冷凍機は食品を美味しく保つためにあります。
    これがコトです。
    モノではなくコトを考えることが重要です。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    「跳ぶ」=場所の変化にあわせ、自分たちの商品を自在に変え、オリジナルなモノを狙う
    「跳ぶプロセス」=①環境の変化に敏感になる ②環境の変化をチームで共有する ③役割分担、教育 ④自分たちをうまく変える
    「跳ぶ」開発=マルチ型の高度な専門家集団で行わなくてはならない
    社員が跳んで成長するのは、場所を移動しながら仕事を身につける過程においてである。
    自ら変わることを躊躇すると、疲弊する価格競争に陥ってしまう
    ものを見分け、判断するというように、人の知能が関係する作業や、人の手だけで力が及ばない作業に、ニーズの源泉がある
    コンポーネント開発とシステム開発を同時に進める=同時に進めないと場所的開発にならない
    製造業は、21世紀の新しい場所が要求する付加価値の高いものつくりで生き残る以外に道はない
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 無競争のビジネスモデルを生物から学ぶ
    第2章 マエカワはどうやって「跳ぶ」のか(1)―環境変化をうまく察知し、それをメンバー間で共有する
    第3章 マエカワはどうやって「跳ぶ」のか(2)―組織の質を高め、なりたい目標に自分たちを変えていく
    第4章 「跳ぶ」を可能にする十の要諦
    第5章 日本企業本来の生き方に戻れ
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/42a7f7790b4b72c4.png
     

  • マエカワの事例研究を行ったときに読みました。「跳ぶ」という表現は独特で「飛ぶ」との違いについて議論しました。競争戦略とは別の経営論はなかなか斬新。

  •  以前参加していたフォーラムの事務局から頂いた本です。フォーラムのコーディネータであった野中郁次郎氏が監修されています。
     舞台は、ハイテク企業「マエカワ(前川製作所)」、著者は同社顧問の前川正雄氏です。
     マエカワでは米国流の分析的・論理的な企業経営に与しません。分析よりも、今いる「場」を俯瞰的に感得し、その中で不連続な変化を志向するのです。この「不連続性」の実践を、著者は「跳ぶ」と表しているようです。
     最近の多くのビジネス書で説かれているイノベーションに関する主張とは、明らかに一線を画すユニークな内容です。が、ところどころ「哲学的トーン」が立っていて、正直なところちょっと「跳び」過ぎているようにも感じました。

  • 企業生き残りのための企業生態学を提唱。生き残りのためにすみわけを行っている生物のように、企業も固有の特徴を磨き、競争なき繁栄を目指せと説く。「跳ぶ」、「公私」他、キーワードを基に全体の構成が展開される。そのキーワードは、一般的な概念から一歩踏み込んで、筆者の経営哲学を内包する言葉・シンボルとなっているため、言葉の持つ概念を正しく理解しておかないと読み進めるのに非常に苦労する。

  • TOPPOINT 2011年6月号より。


    冷凍、食品、ロボット、超伝導など、
    多方面に事業を展開するグローバル企業の前川製作所。

    その発展の原動力となっている同社の「ものづくり哲学」を紹介。

  • ■前川製作所
    1.競合との競争から生まれる技術や製品は、その企業らしい特徴を削いでしまう。よって前川製作所では、競合と争わず、そのエネルギーの棲み分けの実現に転換させている。
    2.マエカワは自分たちが生きる分野を限定しない。市場環境の変化に合わせて、自らの事業も変化させているのだ。

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