評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 158
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478015889

作品紹介・あらすじ

twitterのフォロワーが100万人いるひとなら1億円を稼ぐのは難しくない。逆に、1億円を持っていてもtwitterのフォロワーを100万人にするのは難しい。"評価">"お金"時代をやさしく強く生き抜くためにはどうしたらいいのか。

感想・レビュー・書評

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  • 先日TwitterとFacebookで宣伝したら20冊も売れてた。岡田さんが16年程前に書いたものをリライトしたもの。すごい先見性だ。改めて読み直して、気づきと刺激をもらえた。ここ最近の僕の活動を後押ししてくれてる本。先日シェアした記事とあわせて読むといいよ。読みやすいしオススメ。

  • 確かに現代はモノが充足してカネも極端に不足していない状況の中で、最低限の収入とグッズがあれば生活ができる。このような「豊か」な時代に生まれた若者世代からするとバブル世代が持つ見栄っ張りな物質重視の価値観がダサく映る一方で、供給不足なのは精神的な充実である。その中には他者から評価されることによる満足も含まれ、昨今のSNSの隆盛などを見るにつけ非常にこの点を感じる。この評価されることによるモチベーションが創造性を掻き立てることで、従来の規格大量生産経済から多種多様なサービスコンテンツ社会へと変化する流れを加速させていくのだろうと感じる。

  • 狩猟・農作の時代から現代に至るまでの思想・価値観の変化の解説が秀逸。非常に単純化していてわかりやすく、本質をとらえていると思う。

    評価経済社会は非常に面倒だと思うが、もう元に戻ることもないので
    どう付き合っていくかを真剣に考えないといけないと思わされる。

    自分の価値観、考え方、これからを見つめ直すにあたって
    とてもいい指針になる本。

  • 困った、大事なところが何だか腹落ちしなかった。

    ーーここのところ評価経済社会という言葉をそここで目にするので、原著に当たっておこうと手にとった。

    前の半分が農業革命と産業革命のパラダイムシフトで起こったことの解釈。少しモデルを単純化しすぎているきらいがあったけれど、視点そのものは非常に面白くって、素晴らしいまとめだと思った。後ろの半分になってようやく本題の情報革命に入る。

    情報を受け取った側は価値観も同時に受け取り影響を受ける。受け取側は出し手に評価のフィードバック行う。そうやって「評価」と「影響」を交換するのが「評価経済社会」だという趣旨はわかるし、実際にそれが以前よりも行われていることもわかる。だけど、社会全体の有り様にまで、自分自身の想像を展開するとどうもぼやけてしまう。
    その点、本書は一番大事なところでまだ言葉が足りないんだとも思う。でも、ぼやけてしまう一番の理由は、私自身がまだ本書で言う従来の価値観を軸にしていて、且つ、そこが基準にならないことが怖いからなんだ、ということがわかった。私にはそれが一番の収穫。

  • 人類の歴史は、3つの革命によって、引き返せない楔を打ち込まれた。
    農耕革命、産業革命、情報革命
    それぞれの時代に生き残る(サバイバル)のに必要なスキルを人々は学んできたが、現代社会ではどのような基準で生きるのがベストなのかを「評価経済社会」というキーワードを切り口に明快に分かりやすく現代を読み解くす良書。

    面白かったポイント
    人類の歴史には「引き返すことができない楔」が打ち込まれたポイントがある。というところが面白かった。

    農耕社会では、作物の生産量が絶対で、それを左右するもの、例えば大地の恵みや水、太陽を「カミ」として崇める社会

    自分たちが生き残るために食料を作る必要があり、その生産量に応じた集団が形成される。
    その小集団は「自分たちが生産できる作物の量」に絶対的な価値を置き、それが達成される要素を守ろうとする仕組みを絶対とする社会

    産業革命は、生産量が劇的に高められた世界で、それを生産できる工場やそこで働く労働者が中心になる社会

    そこではどれだけ効率よく生産できるかが善となり、そのために社会インフラが整備された(例えば義務教育のような教育システムなど)その社会は、効率や科学技術の発展が善となり機能している

    情報化社会では、社会全体が「情報」というネットワークで繋がり、一気に世界がひとつになっていく。
    その中では工場労働に適した人材が善となるシステムの上で効率よく物や金を得るより以上に、情報の質や信頼性が善となる社会になる。

    このパラダイムの違う世界ではそれぞれの価値観は混ざり合うことがないし、お互いがお互いを理解できる共通認識がずれてしまっていて、コミュニケーションの断絶がおこる。

    いわゆる「幸せの尺度」が違うのである

    このようなパラダイムシフトによる社会の断絶を、うまく解釈する提言として、堺屋太一が提唱する「やさしい情知の法則」が使える

    その法則とは
    「どんな時代でも人間は、豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にすることは美しい、と感じる」

    現代社会で豊かに存在しているのは「情報」そして、不足しているのは「心の豊かさ」である

    評価経済社会とは、お金よりも物や人がその他大勢からどのように評価されているかが重要になる社会。

    どれだけ自分自身が「私はこういう人だ」と主張しても、その他大勢からの評価と比べて何処かに違和感があると受け入れられない世界である。

    大きなパースペクティブで歴史や地球全体を見つめて、社会全体を推し量る尺度のような提言をキーにすることで、これほど明快に現代社会を浮かび上がらせる事に成功している本も珍しいと思う

  • 「評価経済社会」は精神性を重んじ過度な労働を戒しめられた中世の人々が、ある時期を境に産業革命に邁進したのと同じように、合理性と科学信仰を柱とした近代の経済優先型社会が終焉を迎えつつあり、変わって双方向に影響力・評価をトレードする社会が始まるといったお話。

    私が子供の時、来る21世紀に胸を踊らせながら未来都市東京と、ネコ型ロボットの到来を夢見るSF野郎が沢山いた。科学技術が人を幸せにしてくれると誰もが考えていたのだ。
    しかし。21世紀。
    私の子供を含めて未来技術に胸トキメかせているものはほとんどいない。下手に未来技術を語ると怒られることすらある。あの頃(あ、私世代よりちょっと前か)未来の力の象徴だった原子力は今やあんな感じだし、希望でいっぱいだった未来は、案外不安いっぱい。国の経済成長なんかもどう考えてもマクロで豊かになるなんてことは、今後考えにくい。「モノと合理性を追求してもいいことないんじゃね?」と私たちはどこかで理解してしまっている。

    昨年、一部の界隈でこれがバズワードになったのはパラダイムシフトというよりも、行き詰まりを感じた人々の新しい希望となったからかもしれない。

  • 農業革命・産業革命に次ぐ、情報革命により1000年に一度のパラダイムシフトが起きており、どのように変わるのか、我々はどう生きていくべきかといったことが書かれています。
    過去の革命から順を追って説明されており、文章も平易で非常に読みやすいです。
    (自分の中で)理論的に話がつながらず疑問に思う箇所もありましたが、大筋で同意できる範囲でした。

    内容について一点だけピックアップすると、
    貨幣経済社会から評価経済社会への移行にあたり、企業がイメージのために、寄付やボランティア活動などをするが、そんな表面上のものでは意味がないと、バレバレだと。「なぜ」その企業がそのような活動をする必要があるのか、企業の価値観, 世界観を明確に示す必要があると。
    この話はすごく納得しました。
    ただ、ちゃんと経営理念(=価値観)に沿って運営していれば企業としては、やらなければならないことはあまり変わらないのかもしれないですね。

  • 実感としては5年くらい前から。義務教育に欲しい一冊。

  • 今までの自刎のインプットがリンクした本。サイコーです。

  • 既存のパラダイムにどっぷり浸かっている自分には、筆者の言うこれからの未来がなかなかイメージしにくいが、
    もしかしたら10年後、20年後はここに書かれているような未来が来るかもしれない。
    そう予感させるほど、新しいパラダイムへシフトしつつある今の世界の潮流をわかりやすい言葉で説明している。

    テーマはなかなか難しいけど、これをここまで読みやすく書ける筆者はスゴイ。

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。通称、オタキング。1984年にアニメ制作会社ガイナックス創業、社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーに。その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を超える。現在はYouTuberとして活動し、チャンネル登録者数は90万人を超える。

「2023年 『誰も知らないジブリアニメの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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