- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478017036
感想・レビュー・書評
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泣きたくなるくらい幼稚な考えしか浮かばないのは、その話題に興味が無いから。
本当に好きなことに対しては「メリット」「デメリット」「自分ならこうしたい」「ここを直したい」「こっちの視点はどうだろう」「もっとシンプルにするには…」と自然と考えてしまうし、自分で考えることにこだわらず柔軟に誰かに頼ることもできるのではないか。
と、この本を読んで自分のアタマで考えさせられた。
だから為になる良い本かも知れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思考をするときに、今ある知識という過去の事実の積み重ねに囚われ、思考をせずに知識を引っ張りだしているだけの人がいる
知識は大切だが、思考する際は知識とは分けて考える
大切なのは「自分の頭で考える」こと。何かを考えるときに知識を頭の中から取り出してくるのは、「他人の思考を頭の中から取り出してくる行為」に過ぎない
情報を集める、数値情報をグラフ化することと、考えることは違う。
まずは意思決定プロセスを決めること
意思決定プロセスとは、「どういう情報があればどんな結論を下すべきなのか」ということ。服を買うときに「1万円以下なら買おう」という条件をまずつけるように、決定する際の条件をつければ効率的に情報を集められる。
考える力を伸ばすには、考える時間を増やすこと
数字を見たら、「なぜ?」と「だからなんなの?」を考える
なぜ?→なぜ売上等が伸びているのか?
だからなんなの?→来月の売上も増えるのか?だとしたら、次は何をすべきなのか?
選択肢を漏れがない形で分解しながら、意識的にあらゆる可能性を考える方法
すべての分析の始まりは比較から始まる
比較の基本は縦と横
縦=時系列比較=歴史的な観点
横=他者比較=国際的な観点
何かをなかなか決められないのは、「選択肢が多すぎる」からではなく、「判断基準が多すぎる」から
→判断基準に優先順位をつけ仕分けしよう
判断基準の優先順位をどうつければよいか?→目標を明確化し、それを実現できる策を探れば自ずと優先順位がつく
具体的には、2つの判断基準で、合計が4種類となるような仕分け方がある(あくまで例。シンプルであるのが○)
仕事の4分類
成長の仕事…伸び盛りのベンチャーや新興市場など
支援の仕事…弁護士や会計士、コンサルなど実務支援の仕事
運営の仕事…工場、物流センターなど実際のオペレーションをする仕事
再生の仕事…事業の立て直しや買収の仕事
同じ人事や経理の仕事でも、それが成長分野なのか再生分野なのかで、求められるスピードが違う
このような独自のフィルターで仕事を分ければ、転職のときに自分の適性や志望にあった職を探しやすくなる。大切なのは自分のフィルターで勝負すること
日本は、与えられたフィルターの中で一番になるための商品を開発するのにすぐれているが、新たなフィルターを作り出すのは弱い
データはとことん追い詰め、なぜそう考えたのか?という自分なりの結果を出す
知識は思考の棚の中に整理し、空いている棚に入るべき、まだ手に入っていない知識を常に意識する。それらの知識が手に入れば言えるようになることを、事前に考えておく。 -
あらゆる可能性 あるない
そういうかのうはありえるか、どうするか
レベルはごっちゃにしない
リーダー、失敗への対処
縦 時系列歴史
横 他社比較、国際比較
フィルター 既存のものではなく、自分で設定して提示できるか
思考の棚 その作業をし終わった時に何が言えるのか、を先に考える -
著者流の論理的思考法が、わかりやすく書かれている。コンサルタントや元コンサルタントと称している人が書いている本は、ここ10年で書店で見かけない日はないが、8割は、読む価値のないものだと思う。
この著作は読むに値するものだ。
論理的思考法とは、なんぞやとこれ程噛み砕いた本は、あまりない。ただし、このやり方を、個人が身につけるには、ものすごく時間がかかる。習慣として、ちきりんのようになるためには、もちろん専門のコンサルタントになるのが早道である。ただし、ちきりんのような帰納的かつ演繹的にバランスよく考えられて、それを第三者にわかり易く表現できる人は、1万人に1人もいないと思う。
この本は、わかりやすく論理的思考法について書かれているが、このレベルまでに掘り下げられる読者は、まず皆無だろうと思う。うまいサッカー選手の芸術的なシュートとドリブルをユーチューブでみて、じゃあ、やってみるかと言っているようなものである。この本を読むことで論理的思考法は、身につくことができるだろうか?私は、まず無理だと思う、理由は以下に示す。
第一に、論理的思考法は、訓練で上達するのかという問題がある。実際、沢山の論理的思考法を身につけるセミナーがあるが、これを受けて、実績して論理的思考法が身についた人がいるだろうか?アメリカの研究では、身についたと思っていた人が数日後には、元に戻ってしまったという統計がたくさんある。かなり真実だと思う。人間は、簡単に自分の思考法を変えることなんてできない。これは、ビジネス書の存在意義にも非常に関わる。
第二に、論理的思考法は、主に欧米人が開発したものや、社会的傾向として、思考や表現方法が、論理的にならざるを得ない状況がある。論理的思考法云々と言う人は、ほぼ例外なく欧米の教育を受けている。主に英語とフランス語である。英語で何かを表現する場合、非常にロジックを重視するようになる、自然と。この風習みたいなものは、明らかに文化特性に受けた言語の個性だと思う。その言語を日本語にした場合、果たして、辻褄が合うとは、私は思わない。よって、論理的思考法に関しては、英語で考えた方が、ふさわしいのではないかと思う。日本語で考えると、非常に違和感が出てくるし、これを後天的に日本語で身につけられるだろうか。つまり、英語で論理的思考法を身につけて、それをしょうがないから日本語にすることは、出来るが、日本語で論理的思考法を身につけて、仕事や日常生活で応用は、かなり難しいと思う。よくいるビジネス書読者のように、なんとなく読んで、なんとなく理解して、練習し、そして忘れてしまう。こういう状況にならないだろうか。
最後に、〇〇思考法を身につけるには、自分を取り巻く現実を分析し、問題提起をし、思考し、その過程から、帰納的に考えて、自分の思考とは、どういうものであるのかを知る作業をする必要がある。つまり、〇〇思考法を使って下さいというのは、そもそも無理がある。それは、著者が帰納的に考えた結果、身につけたもので、一般化することなどできないからだ。〇〇思考法が大好きな人や、〇〇発想術の収集が大好きな人は、この点がわかっていない。その思考法や発想術の背景や開発者の思考分析をしないで、やった!これで問題が解決できる!というのは、正直バカの発想だと思う。
以上を整理すると、
この著作は、嘘がない。
論理的思考は、なんぞやということがわかる。
ただ、皮肉にも、この本で、内容をわかって、
練習しても、たぶん論理的思考法は、身につかないと考える。
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知識と思考は違うということ。自分自身、区別がついていなかったなと痛感しました。読書はしているけど、自分の意見がなかなか出てこない、論理的な思考が苦手、記憶に残らないと悩んでいました。それは自分の、「本を読む」ということは作業に近かったんだなと思いました。それは自分の頭で考えるという過程が著しく欠如していたからだとわかりました。本の中に書いてあることは、ほかの人が考えたものであって、それは自分の思考ではないのだと納得のいく話でした。
アウトプットすれば考える力が身につくと思っていましたが、インプット→アウトプットではなく、思考が抜けていたのでインプット→思考→アウトプットっていうのが自分の中でしっくりくるかなと思いました。
話は真面目に聞いているけど周りから意見を求められてもパッと思い浮かばずなにも言えない人はこの本を読んだら改善のヒントがあるかもしれません。
ちきりんさん独特の視点の著書ですが納得のいくことばかりで、読みやすい一冊です。 -
思考のガイドラインとでも言える本。読んでいる途中で「自分はいかに考えていないか」を思い知ることとなった。
ちきりん流ではあるが、だいたいこのフレームで考えてみれば思考が進むと思う。その反復で、自分なりの思考パターンが見つかるのだろうから。
例示された話題が、私が苦手な社会関連なので、途中しんどい時もあったが、「この時間コストを掛けることで、得られるものがある」と感じたので、脳内の上司が読み進めることを承認w
判断に迷ったときに、また読み返したい一冊。 -
「自分のアタマで考える」ということが、どんなことを指すのかが分かった。
何か新しい情報に触れた時、「知識」があることで、無意識的にそれに基づいた判断を下してしまう。ゆえに、「知識と思考をはっきり分ける」必要がある。
だからといって知識を得ることは無駄なわけではない。知識は、自分の頭の中に、「思考の棚」を作るために必要なものなのだ。 -
社会派ブロガーちきりんの第2弾の著作だ。思考の方法論を述べている。本を書くに至ったきっかけは、社会人になりたてのころ上司から、「考えが浅い」「もっと考えろ」と言われたものの、「これ以上どう考えたらいいの?!」という状況で、この本だけ読んでいれば最低限は考えたといえるというものが当時あればどれだけ楽だったか、と思ったことらしい。ブロガーとして、考えること書くことを生業とし名を馳せているちきりんの、思考の秘訣が知れるとあれば、読まない手はない。
冒頭から、知っていると考えるは別物、と看破する。一見もっともそうなデータを見た時に一般的に出そうな結論を上げ、それはもともと知っていた知識ではないかと問いかける。常にゼロから考え、いい面悪い面両方を比較し最良と思われる結論を出すのが思考をするということという。次に、最初に考えるべきは決めるプロセス、だと述べる。レシピを決めてからスーパーに行くのとそうでない場合では、買うものが違ってくるという身近な例を上げつつ、考えるとはインプットをアウトプットに変換することであるという。エクセルに向かっている時間を考えていると思うという、作業を考えることと思い込むワナは、多くの人に思い当たるふしがあるのではないか?
さらに、情報を得た時に、なぜ?だからなんなの?との2つをまず考えるべきという。なぜ、は背景を問う。だからなんなの、は次に何が起こるのか。それに対して自分はどうするのかを問いかける。その際、留意点としてデータを調べた時間と同じくらいはそれに向き合い考える時間が必要だという。
そして、「そういう可能性もあったよね。なんで思いつかなかったかな?」という抜け漏れを防ぐため、あらゆる可能性を考える方法論を説く。分解図を使う、構成要素を組み合わせるということが大事だそうだ。考えるための方法論でもっとも役立つ分析方法として、比較をあげる。まず、比較の対象と比較の項目を決める。その際、縦と横で比較する。
思考の秘訣はまだまだある。判断基準を絞る、レベルを揃えて考えよう、情報ではなくフィルターが大事、データをとことん追い詰めよう、グラフの使い方が思考の生産性を左右する、知識は思考の棚に整理しよう。どの方法論も有益だ。
学んだことを知識にせず、まずは思考の棚に整理して、実際に使えるようにしたい。そして、常に実践していくことが習得するためには必要だ。考えるということができていない。得た知識をさも自分が考えたかのようにいう。そんな思考の習性を直すには、日々の習慣を変えないといけない。情報に触れるたびに、この10の方法を使い、自分のアタマで考えれるようになりたい。 -
自分で考えてるのか不安になり、読んだ本。
知ってることと考えることの違いについては、
理解出来てたし、実践も出来てるかなと思う。
本書では明確には定義されていないが、
仮説思考って作業効率を上げる意味でも大事
だなあと改めて感じる。
連携してもらった資料を見てどう感じるか、
もらった資料を何に役立てることが出来そうか、
資料作成者はどんな意図で作ったのか、
それを考え感じることが大事なんだと思う。
もらったまま、見たままで終わりにせず、
自分だったらって視点で考えることを忘れずに。
【勉強になったこと】
・世の中の事象には必ず良い面と悪い面がある。
どちらか一方の視点だけでとらえるのではなく、
両方の視点から物事を整理することが大事で、
それが出来る人=考えることが出来る人である。
・考えることは、インプットをアウトプットに
変換する作業のことで、腕を組んで悩むこととは
似て非なるもの。
アウトプットが無い=考えていないと言ってよく、
アウトプットにひねりなく出てくる場合も、
なーんにも考えてない証拠である。
・考える力をつけるには、毎日考えた時間を
振り返って記録することが一番の近道。
意外と考えている時間が短いことを知る。
・情報を見たら、「なぜ?」「だからなんなの?」
と疑問を抱くこと。これが考える第一歩。
・比較とは、縦軸と横軸を作って比較すること。
同じ断面で比較したり、時系列で比較したり
と色んな比較方法がある。
・過去の知見よりも先に考える時間を作ったほうが、
結果的に考える力は伸びる。
過去の知見を探すのは、考えてからでも遅くはない。
・考えるときは図で表現すると良い。
同じことを言っていても図で表すと、
全く違う意見だったりする。
逆に図解力が無い=考える力が無い
と言ってるのと同義。
・次に知りたい情報を整理することが出来る人は、
情報感度が高く、色んなことを吸収出来る。
いわゆる好奇心旺盛な人とかが該当する。
・情報収集にいきなり入るのではなく、
その情報を得て何がしたいか・出来るか
を考えることが大切。何のため?が大事で、
それによっては時間をかける必要が無い、
お金をかける意味が無いといった判断も出来る。
・まとめると考えるとは、以下の活動を実践すること
準備編:
①知識とは異なることを知ること
②意思決定のプロセスを自分の中に構築すること
実践編:
③常に「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
④他にないかと必ず問いかけること
⑤他と比較、時系列で比較すること
⑥判断基準を定義すること
⑦検討時のレベル感を統一すること
⑧データを追及・深堀すること
⑨図で表現してみること
⑩自分が持つフィルターを意識すること