日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017159

感想・レビュー・書評

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  • 外資系金融機関に勤めて、傍らで金融日記というブログを運営する筆者による経済学の本

    現代の諸問題について述べるイントロから始まり、マクロ経済の理論、そして現代経済へのその応用、そして停滞する日本への処方箋まで、一気に述べている。

    特にマクロ経済理論の現代経済への応用について、異分野の著者が書くと漫画チックになりがちだ。しかし理論物理・計算科学に素養のある筆者により数式を用いた普遍的な理論構成となっており、その点が他のビジネス書と大きく違う点だ。

  • 経済学部で経済を学んでも閉鎖系の理論が多すぎて実体経済を解明するのには不十分過ぎます。
    この著書を読めば、その目の前にかかった実体経済への靄を取り払ってくれるでしょう。

    一物一価の法則、金利平価説、貨幣数量理論、比較優位、マンデル・フレミング・モデル、モラル・ハザードなどの理論に基づき、時代の潮流に沿った経済へアプローチしていく内容です。
    平易な文章で書かれていると同時に、著者ならではのユーモアの効いた言い回しや軽妙な語り口は学術的な内容を感じさせない程面白く、とても読み易いものになっています。

    非正規労働者に象徴される現代の格差社会や過剰な農業保護、ライブドアの堀江貴文氏や村上ファンドの村上世彰氏の異様な逮捕劇の背景などから日本の既得権益層の実態を暴いていき、著者の新たな提案は一読に値します。

  • ミクロマクロ経済学、国際金融の導入部分を分かりやすく解説してくれている本書。本書をきっかけにさらなる深掘りをしていくと経済学の知識が身につきそうな印象を覚えた。

    経済学は日本では軽んじられている印象があるが、それゆえに為替変動など、真因がよくわかっていない人が多い気もする。

    本書を皮切りに経済学の知見を深め、世の中の動きを経済学の視点からも理解していきたい。

  • Twitterやメルマガで現在でも精力的に発信を続ける、藤沢数希氏の著書。
    どうも経済学に苦手意識があったので、Twitter上で認知していた氏の本を手に取ってみた次第。

    基本的に氏は完全なる資本主義経済の信奉者であり、それに対して「代案はありません」とさえ述べる。その具体的な主張は最終章(第5章)に述べられており、自分としては態度を決めかねる極端な思想であった。ただ、読み進める中で、自分としても「基本路線は小さな政府と市場原理」という形では納得。その上で、それをどこまで基本に忠実に実行し、どこから政府の介入・規制等を行うべきなのか、そのバランス感覚の醸成して私見として持つことが、今後の課題であると認識した。

    なお、最終章以外(特に第2章〜第4章)は基本的な経済学の知識を平易に解説しており、所々クセはあるものの、とても分かりやすいと感じた。これらの部分は、マクロ経済学の初心者にもお勧めできる。

  • 1.経済学を実体経済に活かすためにはどのように世界を見ていけばいいのかを考える

    2.既得権益を徹底し、資本主義に徹してフェアな市場を作りましょう、というのがこの本の言いたいことです。
    日本は既得権益が特に強い国なので安定した経済成長ができません。そこで、解決策として資本主義が出てくるのですが、キーワードは、資本主義の徹底、雇用の流動化を促進、教育の更新です。今までと同じような生活ないし教育しか受けてないようだとこれからの時代に対応できません。実際に、大学の経済学は現実とかけ離れた部分が多かったり、海外の現場を知らない人が英語教師になったりしているため、間違えた教育を施しています。
    このようなことが起きないよう、自分自身で経済学を身につけて、自分でグローバル社会を生きる力をつけることが大事です。そのための世界の見方として学ぶことができる1冊です。

    3.資本主義が大切なのは理解してます。例えば、使えない社員をクビにして新しい社員を雇ったり、官僚の既得権益を徹底することも必須なのですが、日本では実施されないなと思ったのが感想です。人間が合理的に動かないのは行動経済学でも示されているので、中々難しい問題です。特に変化を嫌いやすく、効率をあまり重視しない日本ではなおさらです。
    私自身、経済学を学びましたが、全てが適用できると思ってません。人は合理的に動かないということを常に考えているので、経済学って本当に使える学問なのか?と思うこともしばしばあります。また、行きすぎた資本主義は、韓国や中国のような結果をもたらします。富裕層に稼いでもらってそれを再分配するのが原則ですが、できてないのが現実です。
    資本主義を取り入れて既得権益を徹底すること、現実に活かせる教育を施すことに関しては賛成でしたが、資本主義に任せましょうというのはいささか楽観的だと思いました。

  • 少しだけ難しい印象を受けた。

    やはり、勉強をしていがなければいけないなと感じた

  • 式が出てくるとわからなくなることが多々。ただ、非常に楽しく読めた 競争を作り出すこと 自由化 グローバル

  • なかなか面白かった

  • 経済について、非常にわかりやすく勉強になりました。代替案では、それを実行するためには具体的にどのようにするかが書かれていたらもっと良かったと思います。

  • 経済学の基本的教科書です。グローバリゼーション華やかなりし頃の本なのですが、グローバリゼーションは自然現象という主張は印象的。

著者プロフィール

金融日記管理人。恋愛工学メルマガ発行。

「2017年 『ぼくは愛を証明しようと思う。(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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