茶色のシマウマ、世界を変える―――日本初の全寮制インターナショナル高校ISAKをつくった 小林りんの物語
- ダイヤモンド社 (2016年3月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478017647
作品紹介・あらすじ
世界にまだない、「チェンジ・メーカー」を育てるインターナショナルスクール「ISAK」をつくるため、6年間無給で困難に立ち向かい続けた小林りんと、その仲間たちの奮闘を生き生きと描く感動のノンフィクション。読む者に「世界を変える」勇気と力を与えてくれる本。
感想・レビュー・書評
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非常にエネルギッシュな小林りんさんは、元手も何もないところから、人を説得して少しずつ気持ちを変えていき日本初の全寮制のインターナショナル高校ISAKをつくりました。
この本を読むと、また頑張ろうという気持ちになります。小林さんのように行動的になるきっかけになればよいです。
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この本を読んで、初めて小林りんさんを知りました。学校を作るという壮大なプロジェクトを成し遂げたパワフルさに圧倒された。Tedでもスピーカーとして登壇されていて、プレゼンが素晴らしかった。
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2021.54
日本で初めての一条校の、全寮制のインターナショナルスクール、ISAKを設立した物語。
政策起業家研究として。
法律を変えるということではなかったが、どうがんじがらめに見える結び目を解くか?は、信頼と情念というまとめ方な気がした。 -
小林りんをミヒャエル・エンデの童話に出てくるモモのようだ、表現。うまい表現方法だ。
コンセプト=リーダーを育てる学校
海陽学園のようだ -
【私なりの要約】
日本初の全寮制インターナショナル高校のISAK(アイザック)をつくった小林りんという人の物語。
小林りんは、自身が高校生のときにカナダのピアソンカレッジというインターナショナルスクールに進学し、そこで英語を身につけ、そして様々な国籍の友人を作った。夏休みに友人の祖国であるメキシコを旅した際、そこで初めてスラム街を見て衝撃を受ける。世界の圧倒的な不条理、矛盾、悪を目の当たりにして、そしてそれを他人事ではなく、自分の世界のなかに落とし込んだ。
世界を変えたい、という夢を持った。
その後、東大に進学・卒業して、国際的な大企業や、ベンチャー企業、政府機関など、短い期間で職を転々とし、様々な人から刺激を受けて、日本に全寮制のインターナショナル高校を設立しようと動き出す。
資金・制度・人材・場所などの気の遠くなるような様々な困難を、多くの人の援助・協力や小林りんのまっすぐで熱い信念をもって、乗り越える様が描かれている。
著者の石川拓治は、このサクセスストーリーを決して単調には描かず、ところどころで私見や解説を加えている。それが見事なスパイスとなって、この物語に深みと広がりを与えている。
【この本を読んで感じたこと・考えたこと】
私は留学経験もないし英語も全然喋れないし外国人の友達もいない、国際人とは程遠い人間なので、この本を読んで、学生時代に国際感覚を養える経験ができるのは、非常に「羨ましいな」と思いました。どれだけ世界が広がることか。
これからの世界は、ますますネットの技術が開発され、世界中の人々が交流していく時代になるので、小さいうちから国際感覚を身につけていくというのは非常に大事になっていくと思います。
自分の子供を、ISAKなどのインターナショナルスクールに通わせたくなるような1冊でした。 -
茶色のシマウマ、世界を変える
小林りんさんの話。
何も決まってない状況から全寮制のインターナショナルスクールを一条校として作っていく話。
圧倒的な行動力。
自分が強い意志を持ったから、周りが無理に思える事にも共感して協力したんだ。
だけど、自分で全部やらなければと思ったら周りがついてこなくなるし、自分もいっぱいいっぱいになる。
権限委譲、そして人を信じて任せることは大切。
そして自分を突き動かしてるのは紛れも無い幼少期の原体験である。
ちゃんと考えながら意思決定をしたから綺麗なキャリアになったんじゃ無いと思う。
自分の原体験に基づいて、自分のコンセプトなのか在り方だけは裏切らないようにして生きてきた結果、振り返ると一本の綺麗なキャリアに見えてるだけだと思う。
自分の軸が何か。それが大事だとおもった。
多分、俺の場合は周りの人が笑顔でいること。その笑顔に包まれていたい。
最近、海外の津波のニュースを見て家を失った人がいた。仕事を失った人がいた。妻、友人を失った人がいた。
そんな人のことを見ながらマックを食べてる自分。なんで、何もしなくて平気なんだろうって思った。
富がすでにある世界で、富の最大化だけに目を向けるんじゃなくて、最低限の生活がセキュアされてない人達を持続可能な形で助けてあげられるのか。それが本当に周りの人を笑顔にすることだと思った。 -
小林りんさんの、ISAKを作り上げるまでのドキュメント。実際にお会いできるのが楽しみだ。自身が日本の閉塞的なコミュニティにあわないと飛び出し、日本人としてのアイデンティティに、目覚める。日本に戻り、リーダーシップを育てる、全寮制インターナショナルスクールの開校にもっていくエネルギー。たしかに、情熱とその背景にあるストーリーが、ヒトモノカネを動かしていく様を感じられる。不動産から金融まで、プロ達を味方にしていくのは、何だろう。それは、やりたいという純粋な気持ちなんだと思う。やりたいことをやってほしいと、ちょうど会社のトップから聞いたところだった。哲学でも、死を意識して初めて、過去のやってきたことと、これからやることつながると学んだところだった。それが、りんさんのストーリーで一つにつながる。すごいな。
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あまりに熱量のある小林りんさん。私にとって、彼女は天の上の存在であり、その生き方は全くの参考にならない。これは決して本自体を否定しているわけでない。その行動力と頭の良さの二つに振られた能力値が偶然にも、インターナショナルスクールを作るという夢に合致していただけだ。とてつもない強運を生れながらに持った彼女は、才能を自分の為だけに使うのではなく、全ての人類に還元する方法を模索していた。
単純に言えば、一条学校を作りたいと考えた人が教育実践を積んでいないばかりか、既存の学校法人や業界出身でない。そのために苦労する話である。前半はリーダーを育てる学校を作りたいと考えるきっかけとなった様々な出来事、例えばメキシコでのスラム街を見た経験、カナダの高校生活が紹介され、後半は日本の法律との齟齬やインターナショナルスクールで「リーダーを育てる」というがどんな教育がそれを達成するのか考えていく様子が描かれる。
私はこの本を読みながら、熱量を持って動きたいと感化されると同時に、完全に同意できなかった。彼女はやはり才能に溢れている。一般人の苦悩を経験していないし、何より彼女の学校で学ぶ生徒は、貧しくも知性溢れる特別な子供なのだ。私にも彼女の様に達成してみたい夢がある。しかし大学卒業と同時に外資系の投資企業に就職している可能性はまずゼロだろう。英語一つとってもトイックでしか能力を示すことができない。何と言っても東大生でない。大きな力で物事を大きく動かすのに必要な手を私が持ち合わせていないことを痛感させられた。
人は残念ながら平等ではない。スラム街の子供と比べたら先進国で安全に暮らしている私は地球上で最も恵まれた一人だということは自覚した。しかしながら、この日本においてちっぽけな存在であることを認識せざるおえなかった。ISAKに私は入学するかと言われたら、多分しない。そんな高尚な思いで学校生活を送れるとは思えないからだ。 -
日本の若者が内向きで開拓精神に欠けるとは噂に聞いていたものの、誰かに引っ張ってもらわないとお部屋から出ない… その光景を目の当たりにし、なんとかしたいと思って出会った本
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意志あるところに道は開けるを地で行く。
多様性のある環境が常識の転換を促す。
多様性のない環境では内向きの極端化が,多様性のある環境では外向きの個別化が起きる?もう少し熟考しよう。
そういえば内向きの仕事が最近多いなぁ。