文明の子

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著者 : 太田光
  • ダイヤモンド社 (2012年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017715

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文明の子の感想・レビュー・書評

  • 大ファンの爆笑問題・太田光さんの小説第2作目・短編集。

    太田さんはテレビでこそ、その毒舌が定着しているけど、
    実際は、人の話はまず信じ、この世の中は素晴らしいものだと考える人。

    そんな性格が表れた1冊です。
    事実、いわゆる「悪い人」は登場しない。
    太田さんが考える、
    「未来ってこんな素晴らしいんだよ。期待していいんだよ。」
    という思想が伝わってきます。

    短編集だけど、1つ1つの物語がリンクしてるのもおもしろいです。

  • 太田らしい物語だった。文章は回りくどいし、まどろっこしい書き方をしているけど、マボロシの鳥よりもガツンときた。目次を見たとき、また短編かと思ったが、それぞれが繋がっていき、ひとつの大きな物語になっていった。パラレルな世紀への跳躍でみせたショートストーリーに近づいているのか、孤独からの立ち上がりを書かせたら心底上手い。

  • 前作のマボロシの鳥では、何かのオマージュ短編で構成され、全体として何か物足りないものを感じた。
    だが、今回の文明の子では、ちりじりにみえる短編が、ある大きな物語として展開していることに違いがある。
    私たちがつくりあげてきたこの世界を、終わらせるのか、それとも続けるのか、問うことからこの物語は始まる。文明は破壊され、そして次に繋ぐことの意味を最後には訴える。文明を光のようにとらえることによって、この世界を強く肯定する。そのことに強く心打たれた。今、見えている星の光のその星は存在しないかもしれない、という言葉をくつがえし、いま、見ている星の光は永遠に続いてゆくことの美しさに焦点を当てる。美しい作品だった。

  • 意外に面白かった。
    自分の読解力の無さか、何かの風刺だろうがなにを伝えたいのか分からない話もあったが、「大いなる計画」の辺りからは話の展開に引き込まれていった。
    次回作に期待できる。

  • 最後の根拠無き確信の章では、特に忘れていた大切なことを思い出させてくれ、励まし勇気づけられるようなストーリーでした。ファンタジーの中にも、現代社会に通じるテーマが散りばめられあり、楽しめる小説だと思います。また、ストーリーの1つ1つが完結しているようで、それぞれが時間と空間でつながっている構成もとても良かった。

  • ■解説
    地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語! 斬新なスタイルで描かれる太田光、渾身の書き下ろし小説。
    ■感想
    「ダーウィン」を読むと、今の自分を「それでいいんだ」と肯定してくれる優しさが感じられる。太田さんの小説は、人類愛が感じられ、今回は特に被災者への眼差しがより一層やさしい。

  • 直ぐに世界観に引き込まれるSFだけどとても身近な話が満載!
    小説を初めて読む方にも是非オススメ!

  • 評価:★★★★★(5/5)

    太田光の書き下ろし。2作目になる。
    もはや「爆笑問題の」と付けなくてもいい、太田光の世界観がにじみ出たよい作品だ。
    今回は処女作「マボロシの鳥」にあったようなテレは省かれている。

    一つのストーリを22の短編で編み上げてげている。
    キーワードとなるのは、文明、光、子供、時間・・・。

    大人も子供も、老人も登場するのだけども、誰もが無垢な心を持っていて、大人大人していなくて、童話のようにも感じた。

    一冊を通して、始まりも終わりもない不思議な物語で、読者を惑わすような巧妙な謎掛けがあるわけでもなく、かといって短絡的でもなく、心に響く物語だった。

    いくつもの短編が見事に絡み合っているので、一度読んだ後で、また読み返したら印象も変わってくるんだと思う。
    何度でも楽しめそう。

    太田光の思想のごり押しではなく、彼の見た、彼の見える世界を覗かせてもらえる話がいくつもある。
    (ちなみに、僕は彼の政治思想は好きではない。)

    時に胸を締め付けられるような悲しい話も登場するのだけども、またそれを中和するような道筋もあり、落ち着いて読めた。

    読了後に何ともいえないよい気持ちにさせられる本だった。

  • なんだろう、この読了感。終始、心地よくて、ずーっと浸っていたい感じだった。僕的にブレイクスルーな一冊だった。短編の良質な童話、SFの短編集が連鎖して終わったら最初にループしているような、また読み返したくなる構成。今度こそ、是非、賞を取っていただきたい。

  • 未来を担う子どもたちに、老人が希望を託す話し、と読む。彼方の星で、飛べなくなった翼を持つ老人とピピの会話から始まる。短編集?と思わせるバラバラの話が、ページを捲るにつれ、関連を持ってくる。お気に入りは「プレゼント」と「贈り物」。この二篇だけでも、読む価値あり。若い人々に何を残せるのか?先週観た、園子温監督『ヒミズ』にも繋がるテーマ。

  • 未来の視点から、「今」を「過去」として見ているのが面白い。

    多様な価値観が認められうる今の社会に、どんな価値観を持つのか。絶望を嘆くことは簡単だけれど、私たちは何を望むのか。

    そんな問題提起を受けた気持ちになる。

  • 表題作は、ご存知、爆笑問題太田光の小説第二弾「文明の子」です。

    この小説は、「人間とは」、「生きるとは」、「愛とは」といった事や

    ある種の正義が大勢を占めた時に切り捨てられてしまう何か、

    といったものを著者独特の無垢な感性でとらえ表現しています。

    正直、「小説」としての巧拙は、私にはわかりませんが、

    著者の表現者としてのストレートな愚直さや無垢な感性は、

    巧拙を超えて、読み手を小説の世界に引き込んでいきます。

    また表現の形は小説ですが、著者の想いと向き合う中で

    様々なことを考えさせられる(考えずにいられない)という意味では、

    ある種の哲学書ともいえます。

    名作、手塚治虫「火の鳥」と似たようなの読後感を得られました。

  • 爆笑問題・太田光の渾身の一作.前作「マボロシの鳥」を読んでいなかったので作風にとてもわくわくしながら読んだ.全体の印象としてはお笑いで見せる太田光の顔とはまた違うシリアス,コミカル,創造性が惜しみなく発揮されていた.星新一のようなSFさが本作では表れているように感じたがおそらく星新一に影響を受けたからであろう.爆笑問題・太田光の違う一面を垣間見るために読むのもいいし,SFを読みたいために読むのもいい一冊であった.次回作も期待が高まる.

  •  温かい雰囲気のファンタジーで、それでいて皮肉も含められている。著者のイメージとは違い、無駄なことなくシンプルに描きたい事を書いてある小説。発達した科学の中で人間倫理が追いつかなくなった世界、ロボットの分析能力と想像力の違い等、答えの出せない倫理とSFや、ふわふわしたファンタジーも繋がって、温かな独特の世界観がある。
     設定が本業小説家には及ばないと感じてしまうけれど、その設定からの深堀りの仕方が独特で読者へ語りかける内容になっている。
     科学ではなく精神世界も含めた「文明」というタイトルなのが良い。

  • 「マボロシの鳥」を酷評したら太田光のファンの人から「文明の子を読んでみて」と勧められた、という経緯。図書館では結構人気で、予約が廻ってくるのを長く待った。(正しくは予約したことも忘れていたので待っていない)
    読み始めてすぐ、「なるほどうまくなっている」と思った。前作は小説とはいえないレベルだったが、本作には言葉がある。時折新鮮なイメージが繰り広げられ、引き込まれた。「空を飛ぶ」ことのイメージが、子供のころ、夢の中の憧れを文章化されたようで印象的だった。変わらずSFファンタジーのような作風だが、「3.11後の文明」というテーマに取組んでおり、太田氏の物書きとしての狙いは高いところにあるとみえる。
    とはいえ、言葉の使い方なり話の運びなりは稚拙。依然、職業作家のレベルではない。これを太田光という名前なしで読む人はいないだろう。彼は書き続けるかもしれない、それが芸人本でない物書きになるのか、少なくとも時間はかかりそうだ。

  • 爆笑問題・太田光の小説2冊目。いくつもの世界が複雑に絡まり合うパラレルワールド。星新一の様なブラックさと、カート・ヴォネガットの様な不可思議感を出したかったんだろうなという感じ。作者の繊細な人柄と、子どもっぽい面が同居してる感じ。前作に引き続き好き嫌いはわかれるだろうけど前作よりは良いのではないだろうか。2012/623

  • 短編集
    西加奈子さんのブログに載っていたので読みました。
    童話のような文章、あまり好みなものではありません。

  • ショートショート。太田氏の好きだという星新一ワールドを感じました。

  •  今、マナブとソラまで読んだところです。太田さん(著者)、すごい想像力だなと思っ・・・た瞬間、小さいころ?こんなこと普通に考えてたなと思いました。じわじわくる内容です。

  • 1作目より風刺が強めかな。
    でも相変わらず、まっすぐで温かい作品たち。

  • 地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明に踏み出すために動き始めた子供たち。パラレルワールドが絡み合い紡ぎ出す壮大な物語。

  • 芸人として読書家として、とても好きな太田さんの小説。
    短編SF(星新一さんのオマージュ)形式で、実は話が繋がっているという仕掛けがあります。

    一作目のまぼろしの鳥よりも読みやすく科学的で哲学的。
    僕の好きな感じだ。
    子供の頃の魔法のような想像は現実に起こる。自分の思い次第で、想像次第で、どんどん運命は変えて行ける。そんなことをこの年に(35歳)になってようやく気づきましたが。
    素晴らしい小説だなぁ。もっと売れていいんじゃないでしょうか。
    とかいいつつこの小説は図書館で借りました。
    次回作は購入します。
    あとどうでもいいんですけど、この小説のジャケットはパッと見、「明太子」に見えます。明太子好きですけどね。

    “「大昔の、国も違う人々の書いた書物でも私は共感出来る。時間も場所も超越して共鳴出来る。それは私たちが点と点を繋ぐ能力を持っているからだ。私が死んだら、どれでも良い、一つ星を見つけてそれを私だと思いなさい。私は必ず、その星から君に声援を送っている。そして星と星を繋げて大きなイメージを作りなさい。そうすれば全ての星が君に声援を送っていることになる。私は、永遠に君の友達だ。点と点を繋ぐこと。それが私たち人類が胸を張って、この星の他の生命に誇れる大きな能力だ。君がその気になれば、この世界の全てを繋ぐことだって出来るはずだ。そうすればこの世界の全てが、君の友達になる」”

  • そういう感じでつながってくのね。
    ああ、そういう終わりかたねって感じです。

    わざと簡単に書いているのだろうけど、噛み砕きまくった村上龍ってかんじでした。
    特にちょっとした科学的な側面を書く部分とかあんまりでした。

  • 文章は下手だがパターンを踏襲しようという意識は分かる。決して悪い意味ではなく…

  • 人間に対して優しい人だなあ。

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文明の子の作品紹介

地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明に踏み出すために動き始めた子供たち。パラレルワールドが絡み合い紡ぎ出す壮大な物語。

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