消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオ

  • 93人登録
  • 3.82評価
    • (4)
    • (17)
    • (5)
    • (2)
    • (0)
  • 19レビュー
著者 : 野口悠紀雄
  • ダイヤモンド社 (2012年1月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017814

消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 週刊ダイヤモンド(オンライン含む)の連載がもとになっており、やさしいです。
    消費税の話は少しだけしか出てきません。
    インボイスは転嫁を保証する魔法の杖ではないので、この部分は一面的。リバースモーゲージは実務的には極めてこんなんであり、介護費用をこれで賄うのは難しいのでは。
    医療や介護に対する解決策が「行列に並ぶ」しかない社会主義的状態というのは的確で面白く感じられました。
    国民経済計算の話がいろいろ出てくるので、内閣府のHPや信頼できる基礎テキストでもっと勉強してみたいなと思います。

  • 結論から言うと、支出(社会保障)を抑えることが財政再建への道であるということ。高齢化と共に支給額が増える年金や医療、介護保険。これらの負担を抑える施策を打たない限りは消費税および社会保険料の負担は年々増加の一途をたどる。自動車・電機に代わる新たな産業(介護、サービス etc)の育成がこれからの課題になるということか。

  • 多くの国民は消費税が10%以上も上がることを想定も許容もしないだろうし、年金給付の開始年齢引き上げも反発されてできないと思う。また円高になれば、政府は外貨準備を野放図に増やすだろうし、それを取り崩すこともできないだろう。インフレになれば目減りするとは分かっていても。定期預金をつづけるだろうし、外国人労働者の受け容れも進まないだろう。このままいけばDoomsday(終焉の日)は10年後らしいが、必然とわかっているなら前倒しで起こした方がいいのではないか? 復興するためにも人材は必要なのだから。

  • ほとんど内容を覚えていません。

  • 内需拡大をいうのなら、確かにもっと積極的に介護関係の事業に国は力を入れるべきという主張に納得。

  •  著者は著名な経済学者であるだけに、本書の内容には説得力がある。「消費税を増税しても財政再建できない」「国際消化はいつ行き詰まるか」などは、読んでわかりやすいが、果たしてそうなのだろうか?
     「消費税を五%引き上げても、改善効果わずか二年!」などは、もうすぐ事実でわかるかもしれない。
     また「国債」についての考察は、「資産課税」との処方箋も書いているのだから、裕福者への課税強化の主張なのだろうか。だとしたらば、アメリカのオバマの政策と同じなのか。
     「人口減少」や「マクロ経済」の考察等も、わかり易いとはいえ、具体性は今ひとつのようにも思える。
     「介護は日本を支える産業になり得るのか」の考察も、その視点は興味深いが、「政策提言「にまで思考を結実してくれると、もっとわかり易いとも思えた。
     本書は、政治も経済も混迷を深める現在の日本を、どう見るのかという貴重な視点を提供してくる良書ではあると思うが、まだまだ内容の深化が不足しているようにも思える。 
     素人としてはぜひ専門家に、「失われた20年」からの脱却の「すっきりした結論」を求めたいのだが、まだまだそれは現状では無理なのだろうかとも思った。

  • 難しかったです。
    斜め読みで何となく何が書いてあるかイメージをつかんでから、
    もう一回、今度はゆっくり目を通しました。

    新聞に書いてあるようなことは、
    どこかで見聞きしたこともあるので
    何とか理解できたけど、

    マクロ経済の本を読んでるとよく出てくる式

    国内貯蓄-国内投資=経常収支黒字


    貯蓄投資バランス、あるいは貯蓄投資差額とも言われてるみたいですが、
    これがなかなかいつもすとんと来ないので、
    今回も本の途中でこれがでてきたとき、
    「うへ~、わからんぞ~」となりました。

    上の式は、以下のように変形して導かれます。

    総供給=総需要
    すなわち
    国内生産+輸入+=消費+投資+輸出
    を変形させて

    国内生産-消費-投資=輸出-輸入
    すなわち
    貯蓄-投資=輸出-輸入=経常収支黒字

    となることから導かれる。
    ここまでは、わかる。

    でも変形後の

    国内貯蓄-国内投資=経常収支黒字

    の意味がよくわからなくて、
    いつもここで思考停止に陥ってました。

    でも、我慢して読んでると、

    左辺と右辺が「事後的に見れば必ず等しくなる」けど

    「「国内の貯蓄投資差額が経常収支の黒字に等しい」(上の式)という関係は
    事後的な恒等関係であって、因果関係については何も述べていない」

    ことに注意せよとあり、

    いつも、この因果関係がよくわからず迷路に入り込んでいた私は、
    ちょっと霧が晴れた感じでした。

    「事後的なバランスと因果関係は別のものであることに注意する必要がある」

    なんだ、そうなのか。。。

    この均衡式のどこかが増減すると、
    別の何かが変化して、
    事後的にこの式が成り立つようになるのね~。
    それだけのことなのだあ。。

    「そのメカニズムがいかなるものであるかを分析するのが、マクロ経済学である」

    そうか、マクロ経済学者が考えればいいことなんだ。

    そう思ったら、この式に対する苦手意識が
    薄れました。

    ありがとう、野口先生!

    …しかし、この辺はこの本の本筋の主張ではない。
    ここで感心していては野口先生が書いた甲斐がなくなってしまう。

    で、以下は備忘録。
    私にとってのこの本の収穫は
    主に第7章「高齢化がマクロ経済に与えた影響」から得た知識かもです。

    ・金融緩和政策(低金利政策)が家計の金利収入の減を招いた。
    (そうだよ、金利低すぎ!貯金しても利子がつかない。昔は10年で倍になったぞ!)
    ・金利収入の減と雇用者報酬の減により家計の可処分所得が減少、よって家計の貯蓄が減少
    (2002~2007の「好景気」のときも給料上がってないぞ!だれがもうけたんだ?)
    ・家計の貯蓄減ったのに経常収支黒字が拡大
    ・その原因は、投資が減った。ひとつは住宅投資、もひとつは企業の設備投資
    ・企業は資金余剰状態になってる。
     なぜかというと、金融緩和で企業の支払利子が減少してるから。
    ・そのくせ企業の受取利子はそんなに減ってない!
    ・企業に投資してる人や企業は設けてる。配当の支払は増加してるからだ。
    (日本の働きアリたちは損してるんでは?)
    ・企業が余剰資金で、多額の国債を買ってる。
    (積極的に投資する環境じゃないのはわかるけど、
     余剰資金を給料にまわさないで、国債買った配当増やしたりしてるのか…。)


    上のことを理解すると、下のレポートも何となくわかるよな気がするよ。
    日本総研のレポート→<a href="http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=20938" target="_blank">こちら</a>


    ほんとはマッピングみたいに図にすると
    頭に残るかなあ。
    1週間もすると忘れちゃいそうです。


    ※ウィキペディアによると↓
    貯蓄投資バランスとは、国民経済計算の資本調達勘定におけるバランス項目のこと。日本の国民経済計算では、従来、貯蓄投資差額と表章されていたが、2004年度確報以降は、純貸出・純借入と表記されるようになった。マクロ経済学においては、マクロバランスと呼ばれている。

  • 増税する前に、歳出削減をするべきだという声はよく聞くが、それは歳出の多くを占める社会保障費の削減に他ならない。
    しかし、社会保障費をどう減らすかについて述べている人は、少ないように思う。
    なお、筆者も消費税の増税は必要とのスタンス。

  • 財政再建の御旗の下、消費増税の足音が日増しに高まっている。ただ、社会保障費を賄うためには現時点でも消費税は30%にする必要があり、今後、増税を上回るペースで社会保障費が膨れ上がっていくことを考慮すれば税率はほぼ青天井であることを覚悟しなければならない。また、前途には捕捉率の問題が立ちはだかっている。これを解決するには、事務負担の大きいインボイス方式をとらなければならないなど、課題は山積である。国債発行による財政再建は急場しのぎに過ぎないうえ、その消化も早晩行き詰ることは火を見るより明らか。莫大な対外資産についても、その大半を占める米国債の取り崩しは日米外交上ほぼ不可能。もはや財政再建には、爆増する社会保障費の見直し以外にはないというところまできている。ばらまきを即刻やめ、さらなる歳出の切り込み。これしか術はないと思うのだが。

  • 超整理術の野口先生は経済学者だったのだ。 しかも工学部卒で大蔵官僚という経歴を持つ。 個人の家計、国の会計ではなく、日本全体のマクロでみると、全く違った実態が見えてくる。 
    消費税は広く浅くで法案を通し易いが、すぐ不足する。 消費税の目的税化は実は何のタガもない。
    恒久負担の社会福祉に埋蔵金を使い、一時負担の復興資金に増税するのはあべこべ。
    高齢化社会を迎えて、所得課税に偏った日本の税制を改革し、所有課税を強化すべき。
    等々。
    この本の内容が財務官僚の常識だとしたら、現在の消費税増税国会論戦は茶番ということになる。

全19件中 1 - 10件を表示

野口悠紀雄の作品

消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオを本棚に「積読」で登録しているひと

消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオの作品紹介

5%引き上げの経済効果は、わずか2年で失われる。政府とメディアのごまかしに惑わされるな。

消費増税では財政再建できない -「国債破綻」回避へのシナリオはこんな本です

ツイートする