レスポンシブル・カンパニー

  • ダイヤモンド社
3.63
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017920

感想・レビュー・書評

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  • ますますPatagoniaのファンになる。Patagoniaとは、思想であり、ライフスタイルだ。

  • パタゴニアの創業者であり現在もCEOをつとめているイヴォン・シュイナードの共著。社会や環境に対する責任を果たすことが結果としてビジネスにもメリットをもたらすという、一見背反する事柄をどう実現するかについての具体的な手法が解説されている。巻末のチェックリストは環境保護に関心ある団体には役に立つ資料になりそう。

    「一歩進むことが、次の一歩を可能にする」「人間とネズミの遺伝子は1%しか違わない。パタゴニアと他の企業も、ほとんど違わないはずだ」「製品が環境に与える負荷の90%はデザイン段階で決まる」「責任ある会社の利害関係者とは、株主、社員、顧客、そして地域社会と自然である」「仕事に意義が生まれるのは、したいと思うことをするからであり、その仕事が正しいことであるからだ。世界に報いることができる」「製品を作っている人々が安全な環境で適正な報酬をもらっているかについて関心を持つ消費者が増えている。」

  • 時代は大量消費社会からポスト消費社会へ。地球は史上6番目に迎える絶滅の危機、企業は地球と向き合い責任ある活動が求められる。これに気づく進む企業は、自然に与える負荷を考慮して経営を考えるべきと説いている。

  • アウトドアブランドとして独自のポジションを確立している、パタゴニア。
    その経営方針や社内運営がユニークであることを漏れ聞いていたので、興味を持っていました。
    最近、そのパタゴニアの創業者による著書が話題になっていたので、読んでみることにしました。
    テーマは「企業の責任」。
    まず、人間が経済活動を続けていくことの限界、自然界の生物が置かれている危機的状況を説明しています。
    その上で、「責任ある企業」の利害関係者として、株主、社員、顧客に加え、地域社会、自然を挙げています。
    そして企業として、企業の一員として取り組むべき「有意義な仕事」とは何かを、パタゴニアの具体事例を挙げて考察し、利害関係者に対する経営責任とはどのようなことか、と展開していきます。
    最後には、これら一連の企業活動を行っていく上での、「透明性」の大切さを強調した上で、終章で総括する、という構成になっています。
    前半の、経済活動の限界については、企業で働いていても生活をしていても感じていることだったので、頭の中を整理してもらえたように感じました。
    そして多くの企業が、「出来ることならやりたいが、今はそこまで出来ない」と足踏みしている取り組みについて、「限界がある」と認識した上で真摯に取り組んでいる、パタゴニアという企業の姿勢には、学ぶべきことがたくさんあるなと、感じました。
    巻末には、責任ある企業として取り組むべき項目のチェックリストもついており、自分が属する企業の、現状レベルを確認することもできるようになっています。
    本編は200ページほどで気軽さを感じる装丁ですが、21世紀を生き抜こうという企業については、参考になることがぎっしりつまった、一冊だなと感じました。

  • 前作を読んでしみじみいいなあと思っていたら、尊敬する人から新作もいいわよ、と言われて早速買ったのがこれ。

    人は正しいことをすると、もっと正しいことをしようとする。

    この一文に、パタゴニアの企業スピリットが凝縮されているような気がします。だから、成長しながら正しいことを推進し続けてこられたんじゃないかと。

    自然資本の経済を読んだときも感動して涙が出たけれど、この本でも、ほらこんな風にできる会社があるじゃないか、と嬉しくて泣けました。

    で、レスペクトの気持ちを込めて、パタゴニアのバッグをひとつ買ったのでした。

  • 事業(株主・取引先)、社員、顧客、地域社会、自然という5つの側面に対する責任ある企業活動がどのようなもので、どのように前進していくかが示されている。
    商品の品質、機能性と価格だけでなく、製造過程や流通過程でどれだけ自然や人に影響を及ぼしているのかという価値基準の重要性に気づく。
    ただし、生物としての活動そのものが環境に何らかの影響を与えることは明白だが、生活するうえで影響はゼロにできるはずもなく、では、極力少なくするべきかと問われると、著者のように明確には答えられない自分がいる。
    実際のところ、品質よりも低価格やファッション性に重きが置かれるような生活や好みも否定できない。パタゴニアの製品が信頼できるからといって長距離の運送が伴えば環境への影響度は増してしまう。
    売り場の製品タグで環境への影響度の情報が提供されるようになるのが望ましいのだろうが、それでも、そうした情報だけの物差しで判断しきれない難しさは残る。
    多様な価値観がある社会にあって、著者の責任ある企業への姿勢の真っ直ぐさに敬意を感じると同時に、自分自身も責任ある生活者であろうと思う。
    13-50

  • 【ひとつの戦略】
    パタゴニアの宣伝でもありますが、これからの企業を見ることができます。
    あくまで、ひとつの戦略ですが、このような方法もありだと思います。

    環境負荷と企業利益は、いっけんトレードオフの関係に思います。
    環境に対して負荷の少ないものを生産すれば、利益は少なくなると感じます。

    しかし、この本を読むとよくわかるのですが、「地球にいいことをしている」と「会社に利益をもたらしている」では、前者の方が社員のモチベーションが高くなります。
    さらに、ブランドイメージが良くなり結果的に高利益企業になっていきます。

    メーカにとっては、いかに安くていいものをつくることが目標になっていますが、高くていいものをつくれるブランディングを考えるところに来ているかもしれません。(←真剣に!)

  • 環境や社会に対する取組みを重視しているパタゴニアが企業として取り組んできたことをまとめた本ですが、多くの気付きを得ることができます。製造されたものは価格以上の代償(自然など)をどこかで支払っているし、例えば美味しいコーヒー豆は違法な労働環境によって作られてるのかもしれない。いち消費者として考えたことなかったけど、製品の背景、ストーリーをもっと知り、自分が好きになれる企業から買いたいと思った。また生産者としても、電気や水、環境に着目し、事業を考えていくことへの意識が出て非常によかった。

  • 2012/12/23
    おれが読まずしてだれが読む!
    明日世界が終わろうとも僕は今日この本を読む。

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