ドラマ「半沢直樹」原作 ロスジェネの逆襲

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478020500

感想・レビュー・書評

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  • ロスジェネとは、バブル後の「失われた年代」に社会に出た世代。僕自身は1994年に社会に出たので、ロスジェネの先鋒と言えるのかも。最後の半沢のセリフにもある通り、社会に不満を持ち続けてきたこの「ロスジェネ」が、正しい仕事をして正しい社会にするために声をあげていかなければならない。

  • 「半沢直樹」の第3弾ですが、僕としてはこれが一番知的サスペンスにあふれていておもしろかったです。ただ、企業買収にからむ、かなり金融のテクニカルな話が出てきて、しかもそれがストーリーに非常に密接にからむので、全2作に比べるとちょっと一般読者には敷居が高いのではないかとも思いました。その分、リアリティ十分という感じで、そこが面白いところなのですが。
    でも、買収のトリック(登場人物たちは「スキーム」と称していますが)の詳細はわからなくとも、絶体絶命に見えた半沢が最後に大逆転で勝利するというこれまでの基本パターンは今回もきちんと踏襲されており、そのカタルシスは十分に味わえる話だと思います。

  • みんな大好きな半沢直樹が帰ってきた!
    ●半沢のこの名言にやられた!
    「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そいう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る。」
    ●中野渡頭取のこの一言に感銘
    「どんな場所であっても、また大銀行の看板を失っても輝く人材こそ本物だ。真に優秀な人材とはそういうものなんじゃないか」

  • 2012年6月刊 週刊ダイヤモンドで2010.8-2011.10掲載

    “人事が怖くてサラリーマンがつとまるか!” が、キメ台詞の
    サラリーマンヒーロー半沢直樹、第三弾
    IT企業の買収劇をめぐり、古巣の銀行相手に、出向先の証券子会社で大奮闘

    設定が2004年とリーマンショック後の今日に読むには懐かしめ。
    敵対的買収とか、ホワイトナイトとか大騒ぎだったあの頃を思い出します。
    ストーリー自体は、現役金融マンはやってらんないくらい甘いんじゃないか?という気はします。まぁ ついタメイキが出てしまうサラリーマンへの応援歌、わかりやすい演出と勧善懲悪はキホンでしょう。

    就職氷河期世代の証券プロパー君と、彼の友達でもある若き起業家が今回のメインゲスト。
    世の中をついナナメに見たり、貧乏くじひかされ 自暴自棄になりそうな彼らを真摯に思う気持ちが温かいです。

  • これぞ、銀行を舞台にした勧善懲悪の真骨頂。
    主人公の半沢に肩入れし過ぎ、大団円には歓喜の涙が出てしまった。
    今後の新たな展開が有りそうな終わり方、シリーズ化して続いていくのだろうか。

  • オレバブシリーズの3作目にあたり主人公でありバブル世代の半沢が出向先で活躍します。タイトルがロスジェネなのは相方を演じる森山がロスジェネ世代であるということからだと思われます。
    ロスジェネ世代の森山がバブル世代の半沢をリスペクトして行く過程も読ませどころのひとつ。
    すべてが予定調和ですっぽりと収まってくれるので日頃の仕事の疲れを取るのには本当にオススメします。

    現実はある程度は長いものに巻かれなければ生きていけなくて真似はできませんが、小説内の半沢には男として理想的で大きく共感できます。
    内容的には企業買収の話で親会社と子会社との関係も面白いですが、個人的にはロスジェネ世代の森山と買収されそうになる東京スパイラルの瀬名社長との友情も素晴らしいですね。
    恋愛模様が全然描かれなくてもこれだけ読ませるのは池井戸氏の筆力の高さ以外には考えられません。
    まさに働く男たちの背中を押してくれる痛快な一冊。

  • 久々の銀行もの。登場人物が多くてややこしかったけど、相関図がついてたから参考になった。
    池井戸さんの原点のような作品で安心して読める半面、ややマンネリ気味か。前半はなかなか進まなかった。
    半沢さんが銀行に戻った所を見ると、まだまだ続編ありか。期待したい。

  • 池井戸ファンであれば絶対読んだほうが良い。バブル組シリーズの最新刊だが、ロスジェネ世代とバブル組世代とが仕事を通じて同じ方向に向かうところが読んでいて楽しい。
    テンポも良いためすぐに読みきれる。

    • tom-magicさん
      花丸&コメありがとうございます!
      ロスジェネ読みたい☆
      でも読書時間の多くが通勤の満員電車の中なので文庫派なんです(涙)
      やっぱり2年は待て...
      花丸&コメありがとうございます!
      ロスジェネ読みたい☆
      でも読書時間の多くが通勤の満員電車の中なので文庫派なんです(涙)
      やっぱり2年は待てないので正月休みに読むことにします!
      2012/11/04
  • バブル入行組シリーズ第3弾。いつも通りやられたら、やり返す半沢さんですが、今回は子会社の証券会社に出向中に銀行との喧嘩に。いつものバブル入行組以外にロスジェネ世代の部下も交えて戦っていきます。
    メインのストーリー以外にも世代論だったり、半沢の信念だったり読ませる部分は盛りだくさん。その上、舞台は2004年ということで、市場外取引にホワイトナイト、支配権を目的にした新株発行の商法違反など懐かしさも感じさせられる舞台で「非常に面白かったですね。

  • 池井戸潤の最新作ですが、なんでこんなに池井戸作品は面白いのですかね!本作は系列の証券会社に左遷されたバブル時代入社の主人公と就職氷河期を体験したロスジェネ世代の部下を中心に、あるIT会社同士の乗っ取りに端を発し、乗っ取りを支援する大手銀行と、乗っ取られる側を支援することになった主人公の属する証券会社との対峙する話です。
    「世のため人のために誇りを持って正しいことをする」という主人公のブレない姿勢に共鳴して、それに惹かれて自分を見つめなおす部下の姿も良く、また、銀行側の人間がそれと極端に対比するように保身にあけくれ、組織内の権力闘争にあけくれるというところが主人公に感情移入してしまい話しにグイグイ引きこまれますね。
    池井戸作品はこのような対決の図式の描き方が本当絶妙だと思います。
    最後は正義が勝つというスカッとした終わり方も本当にスッキリ!します。

    • honno-遊民さん
      同感、「ロスジェネ」は「オレバブ」シリーズの3作目なので、1、2作目もお勧め!
      同感、「ロスジェネ」は「オレバブ」シリーズの3作目なので、1、2作目もお勧め!
      2012/09/03
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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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