しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する

制作 : 茂木健一郎 
  • ダイヤモンド社
3.71
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478020944

作品紹介・あらすじ

なぜ、同じ姓というだけで好意を抱くのか?なぜ、楽観的すぎる納期を設定してしまうのか?なぜ、目の前で話し相手が入れ替わっても気づけないのか?人の心をウラから操る無意識の真の姿を解き明かす、知的興奮必至の1冊!

感想・レビュー・書評

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  • すごい面白かった…無意識って奥が深い…。心理学って、心の理を学んでいるものだとばかり思ってたけど、本当は脳の働きや無意識の領域に裏付けされたものだったんだなあ。自分の記憶の不鮮明さが怖くなって、でもそれでちょっと謙虚にも慎重にもなれたりとか、自分の拘りや正義感がいかに自分の人生に合理化されたものなのか分かって、少し柔軟になれたりとか、とにかくこれ自己啓発本以上の自己啓発を誘引する本じゃんね。帰属意識のサブリミナルとか、まさにブランディングに使えそう。無意識ってすごいわ。知らんけど。

  • fMRIによって脳の働きが明らかになる。
    脳を調べれば、何の画像を見ているかを推測できる。

    人は似たものを好む。同じ名前の人と結婚する。
    人が自分の感情を理解することに対して、能力は低く自信は高い。

    ペプシパラドックス=ブラインドテストではペプシが美味しいが、名前でコカ・コーラに負ける。
    発音しにくい会社の株は買われない。

    ぼーっとしているときとチェスをしているときの脳の活動エネルギーの差は1%程度。

    顔はほかの物体より重要なので、人間は他の要素より多くの注意力を充てている。
    目が見えなくても、画像に感情が動かされる。
    国際情動画像システム(国際感情画像システム)に480枚の画像が収められている。

    記憶は無数のでっち上げでできている。
    記憶はサムネイル=ディテイルは間違いだらけで変化する。記憶は滑らかになる。
    人生を首尾一貫に生きるための工夫。無意識に行われる。

    社会的苦痛と肉体的苦痛は繋がっている。失恋の悲しみも鎮痛剤が効く。

    タッチは、社会的協力や友好を高めるための重要な道具。タッチすると好感度が高まる。

    固定観念=ステレオタイプは、単純化して世の中を理解する手助けをする。

    人はみな多重人格。
    偽の手術で狭心症の痛みさえ消える=プラセボ効果。

    幸せなフリが人生を充実させる。
    身体を落ち着かせることで、心も落ち着く。
    左脳は秩序を求めるので、何とか理由をこじつける。
    決断の理由はいつでも後付け。
    地がは、自らの面目を守るために激しく戦っている。

    現実歪曲空間を作り出す能力は、ことが大きければ大きいほど必要な能力。楽天的というより途方もなく楽天的。
    非現実的な楽天主義は、溺れないための救命胴衣となる。

  • 無意識という意識なしにはわたしたちは生活できないっていう事実。

    そして、この無意識に左右されて過ごしてる事実。

    わたしたちは悲しくて泣いてるんではなく、コンマ何秒か先に泣いてるらしい。
    泣いてから、泣く理由をこじつけて自分を納得させたり、
    怒ってから、怒る理由をこじつける。

    無意識の反応が先に来る。

    子どもは3歳あたりから、他人の心を読む能力を鍛え始めるらしい。
    このチカラが強い子は人気者に。

    まぁ、当然といえば当然な。
    社会的状況を円滑に進めるためにも、相手の気持ちを理解できない人はうまく溶け込めないわな。

    対人がうまくいかない人たちは、この能力が低い。

    ちなみに、天才馬と呼ばれる馬も、言葉を理解してるわけではなく、人の微妙な表情の変化や、無意識のシグナルを読むのに長けてたから、いろんなことができたらしい。

    どんな人間も、わずかな無意識レベルでシグナルを発しており、本人は全く気がついてないところで、相手に発信している。

    これ、シグナルを受け止められる人はうまく世渡りできるけど、わからない人は、
    なぜ?わたしばかり?
    なぜ?そんなふうにいうの?
    なんで?え?どうしてそうなるの?
    わからない。。。

    と、なって生活しずらいらしい。

    これってセンスとかにも影響あるんだろうな。と。
    無意識に、ここの隣にこの色はなんか引っかかるなぁ?っていう気づき。
    これがセンスになるんだろうなあ。

    この無意識レベルを上げることは可能かどうか?っていうのはこの本になかったのが残念。

    ただ、みんな自分を思った以上に過剰に評価してるという事実。笑笑

    これだけは、普段から頭に入れておかなければならないな。と、心から思った一冊でした。

    #無意識
    #支配される
    #自分の知らない自分
    #ここにあり
    #泣くから理由をこじつける
    #先に無意識の反応がくる
    #あとから理由こじつける
    #これは人類が得意としてるらしい
    #すごいよね
    #悲しいから泣いてると思ってた
    #数々の実験で明らかに
    #まじか!

  • 「あなたの9割を支配する無意識」というキャッチコピーに惹かれて読んだ。
    見ているようで見ていないこと。同じことを聞いても人によって記憶していることが違うことなど、納得の内容だった。
    進化して生きていくのに無意識が必要だったという内容は驚きであった。
    印象に残った文章
    ⒈ 人間の行動は、意識と無意識両方のレベルで途切れることなく連なる、知覚、感情、思考の産物である。
    ⒉ 「ペプシパラドックス」人間の脳は、味などの経験を単に記憶しているのではなく、それをつくりだしているのだ。
    ⒊ 進化によって人間が無意識の心を獲得したのは、これほど膨大な情報を取り込んで処理する必要のある世界のなかでも、無意識のおかげで生き延びることができるからだ。
    ⒋ 記憶は無数の「でっち上げ」でできている。
    ⒌ 人間の集団の大きさは約150人
    ⒍ 文化など行動学的に現在の特徴を持つようになったのは、およそ5万年前である。
    ⒎ 前頭前野皮質は、目的に合わせて思考や行動を計画して調和させる役割や、意識的な思考、知覚、感情を統合する役割を担っていて、人間の意識が存在する場所だと考えられている。
    ⒏ 進化によって人間の脳は、自分自身のことを正確に理解するようにではなく、生き延びるうえで役立つように設計されている。
    ⒐ 人間の無意識がもっとも本領を発揮するのは、自己に対する前向きで好ましい感覚、つまり、権力がはびこる世界のなかで、自分はただの人間よりもはるかに大きな能力と統制力を持っているのだという感覚を抱かせてくれたときだ。

  • 自分のものの見方は無意識に影響されやすいと意識しておくことが大切。

  • 「無意識を意識する」つまり「潜在意識をいかに使いこなすか」といった内容を期待して読んだもののこの本の大筋はそこにはなかったように思う。 日常や誰もが経験するようなことの不思議を無意識という観点から科学的に解き明かすといった内容が多かった。 これはこれでとても興味深かったし、やっぱり人間てすごいなおもしろいなと感じた。 科学的な内容に重きを置いてはいるものの、心理学や哲学の観点からの解釈も提供されていて、読み応えがあった。 知識は最大の武器である。 哲学は絶対的真理ではなく道具である。

  • [出典]
    「柔軟的思考」 レナード・ムロディナウ

  • へぇー、て感じ。
    人間の脳はいいかげんなもんで、でもそのおかげで普通に生活ができてるのがよくわかった。

  •  レナード・ムロディナウ氏の本は、以前にも2冊ほど読んでいます。本書は、まずはタイトルが気になって手に取ってみました。テーマは「無意識」です。
     人間の認知能力に係る「無意識」のとても興味深い機能が紹介されています。せっかくなので、その機能がどんな仕掛けで発現するのか、もう少し脳科学の基礎的なところも素人分かりする程度に触れてもらえればありがたかったですね。

  • 武田鉄也のラジオ 朝の三枚おろし で紹介。

    下記は、出版社のサイトより転載
    https://www.diamond.co.jp/book/9784478020944.html

    科学書+エンタメ+人生の教訓!
    『たまたま』で絶賛された傑出したサイエンス・ライター、ムロディナウの最新作
    本書をより魅力的にしているのが、著者であるムロディナウ氏の類まれなる取材・執筆力です。
    カリフォルニア工科大学(カルテック)で教鞭をとる傍ら、サイエンス・ライターとしても活躍しているムロディナウ氏は、あの車いすの天文学者、ホーキング博士のライターも務める(過去にはハリウッドで脚本も書いていた)という才人。
    前著『たまたま——日常に潜む「偶然」を科学する』(小社刊)も、全世界20か国以上でヒットしました。

    今回、無意識というテーマを書くにあたって、あのDNAの二重螺旋構造を発見し、その後意識の研究に邁進したクリストフ・コッホ氏のもとで研鑽を積み、自らも被験者になったりと体当たりで取材して執筆しています。

    そんな彼の著作の大きな特徴は、無意識についてただまとめた本にはなっていないことがあります。
    どうすれば無意識の「支配」から脱し、よりよく無意識の力を使っていけるか、という「知識の活かし方」にもページが割かれているのです。

    つまり、そのまま読めば「無意識」にまつわるおもしろくてためになる科学書、よくよく読めば「無意識に振り回されずに生きる」ための指南書、という「エンタメ性」と「人生の教訓」を両立したサイエンス・ノンフィクションなのです。

    無意識を「脳内ビッグデータ」と喝破!
    茂木健一郎氏の解説「サブリミナルを耕す」にもご注目ください!
    いまや心の科学に、脳についての研究は不可欠ですが、その最前線も描く本書の日本語版の解説を執筆してくださったのは、日本における第一人者、茂木健一郎氏!

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著者プロフィール

レナード・ムロディナウ
カリフォルニア大学バークレー校で理論物理学の博士号を取得し、マックス・プランク研究所でアレクサンダー・フォン・フンボルト・フェローを経て、カリフォルニア工科大学で教壇に立った。著書に『ファインマンさん 最後の授業』(安平文子訳、メディアファクトリー、2003年、現在ちくま学芸文庫)、『たまたま:日常に潜む「偶然」を科学する』(田中三彦訳、ダイヤモンド社、2009年)、『しらずしらず:あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』(水谷淳訳、ダイヤモンド社、2013年)、『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』(水谷淳訳、河出書房新社、2016年、現在河出文庫)、『柔軟的思考:困難を乗り越える独創的な脳』(水谷淳訳、河出書房新社、2019年)などがあり、スティーヴン・ホーキングとの共著に『ホーキング、宇宙のすべてを語る』(佐藤勝彦訳、ランダムハウス講談社、2005年)、『ホーキング、宇宙と人間を語る』(佐藤勝彦訳、エクスナレッジ、2011年)がある。

「2023年 『「感情」は最強の武器である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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