リバース・イノベーション

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478021651

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス本としてはなかなか面白く、読みごたえがある。

    川上→川下へのビジネス展開がグローバルスタンダードとして理解されている。
    しかし、新興国市場では、むしろ川下→川上への流れが存在する。その上、それらの無名の企業が先進国の大企業を破壊する多大なイノベーションをもたらしかねない。

    GEやP&Gなど世界的企業も新興国市場で苦戦し、現地の人々のニーズを上手く掴みきれていなかった。
    ただ、克服する過程で得たプロセスは、先進国市場などに普及させられる大きな成果をもたらすことになる。

    視点を広げ、柔軟に対応し、行動する大切さがひしひしと伝わってきた。
    事例もさることながら、世界的企業であってもイノベーションを起こす際の問題点を上手く提示し、新たな可能性を示唆している。

  • さすが、ゴビンダラジャン教授。世界はフラットではない。

  • GEの成功は結局現場の声を聞く体制があったからか?インドではプレーヤーにもなっていなかったとか。インドには70万程の診療所。インドでは心臓発作が死因で最も多い。まず800ドルでつくるには?の絶対ベンチマーク発想。

  • 話題になったこの本ですが遅ればせながら。新興国で生まれたイノベーションを成熟国へリバースする、というリバースイノベーションの考え方と実例を紹介するもの。刺激になりますね。

  • 人間の脳は見たいものしか見ない。
    ことを成し遂げるには、抵抗勢力に屈しない熱量が必要である。

    本書の要諦は、この二つだと考える。

    グローカリゼーションにより成功を収めた大企業、その幹部、技術担当者など、それぞれの立場で過去の成功体験にひきずられて現実を見てしまう。
    虚心坦懐に、今起こっていることを直視する。その後のアクションを決定する重要な要素だけに、ここに色眼鏡を持ち込んではいけない。そのためには、数字などできる限り客観的に見ることができる事実を丁寧に集めることが肝要。

    私は、今、新製品を開発する部署には属していない。本書で紹介されているような事例に遭遇する可能性は非常に低い。
    それでも、日常業務の中で成果物を提出する時に、「前はどうやってた?」とよく上司から聞かれることがある。
    先人の知恵に学べという意図であればいいのだが、保険を求めているように思えたり、思考停止に陥っているのではないかと疑問に感じることがある。
    この思考様式には注意しておかないと、失敗することもなければ大きな進歩も期待できないと思う。
    少なくとも、自分が成果物を仕上げる時には、常にゼロベースで考える癖をつけておかないといけない。

  • リバース・イノベーションとは、簡単にいうと、途上国で最初に採用されたイノベーションのことだ。こうしたイノベーションは以外にも重力に逆らって川上へと逆流していくことがある

    インドの病院の開胸手術 2000$ アメリカ2万ドル
    人件費の安さだけでは説明できない。プロセスイノベーション

    マヒンドラアンドマヒンドラ インドのトラクター
    アメリカでは趣味の造園家にぴったり

    GEの超音波診断装置
     中国 低価格、携帯性(バッテリー)、使いやすさ
     中国向けの機械が、先進国の救護員、ER,手術室で役立つ

    ジョージ・サンタヤーナ 過去を忘れてしまう人々は、それをくり返す運命にある

    ムンバイのゴトレジアンドボイスが開発したチョットクール冷蔵庫 69$ 断熱性にすぐれ、一時的に電池で冷やせる。軽量で頑丈
    コンプレッサーのかわりに半導体で使われる特別な半導体チップを使用
    不安定な電力状況でもなんとかなる
    グローカライゼーション
    成長している場所である途上国に、人材、権限、資金を移す

    ロジテック 中国で苦戦 中国の市場でもとめられるマウスの条件を調べた

    GEヘルスケアの心電図計
     携帯性、バッテリー、使いやすさ、修理のしやすさ

  • 感想:ちきりんブログで紹介されていて読むことに。
    先進国から新興国という通常の流れとは逆方向のイノベーションである、通称、「リバース・イノベーション」について書かれた本。
    これからの世界の中心は紛れもなく先進国から新興国へと移っていくことから、イノベーションが逆流していくことは極めて筋が通っている。
    最も印象的だったのは、「リバース・イノベーションは発明ではなく忘れることから始まる」というパート。
    火星に降り立ったと考えるべきと書いてあったが、それくらい全く別物と考えた方がいいということだろう。
    多国籍企業は過去の成功体験を忘れられなからなかなか新興国しんしゅつがうまくいかないのも納得。

    実例も豊富に紹介されていて新興国を相手に仕事をしたい人には参考になる一冊。

  • 一言で言えば、GEでポータブル超音波診断装置を作った話。同じことが繰り返し語られている。もっと薄く安くできるはず。表題のことよりも、社内での新規事業の立ち上げ方、という一般論、およびそれの事例集として読める。実際に、自分が新興国(タイとか)に行って仕事をするか、(衰退する)国内で生き延びれる仕事をするか。

  • 途上国で最初に採用されたイノベーション。新興国市場は大幅に異なる世界であり、既存製品のカスタマイズは通用しない。

    強みが弱みになり、弱みが強みになる。

  • 新興国のイノベーションに着目した本書。とてつもなく可能性に秘めており、今後重要となる概念の一つになる本です。海外マーケット市場に参入する企業は必読だと思われます。
    本書の前半はリバースイノベーションの概念の説明で残りが実際のグローバル企業の事例です。クリステンセンのイノベーションのジレンマに通じる刺激的な本で、挑戦的な本です。
    実際にこのリバースイノベーションを実践するためにも、組織のコンセンサスが必要であるのと、このイノベーションを興すプロジェクトチームが必要となるという記載まで書いてあり、海外だけでなく、自社の組織内にも着目してるところが良い点だと思います。
    苦労している日本企業の海外マーケットへの進出への一つの必要な戦力になるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

<著者>
ビジャイ・ゴビンダラジャン
 世界有数の戦略とイノベーションの専門家。12冊の著作のほか、学術誌や実務雑誌にも幅広く寄稿している。その著作はニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙のベストセラーリストにも登場。現在は、ダートマス大学とハーバード大学の教授陣の一員である。
 ゴビンダラジャンは、フォーチュン500(フォーチュン誌が年に一度発行する総収入に基づく全米上位500社のリスト)企業の25パーセント以上のCEOや経営チームと、戦略やイノベーションについて議論を交わし、思索を深めてきた。また、ゼネラル・エレクトリックで初めての招聘教授、およびチーフ・イノベーション・コンサルタントを務め、当時CEOのジェフ・イメルトと協同執筆したハーバード・ビジネス・レビュー誌(HBR)の記事、「GEはどうやって自らを破壊しているのか」で「リバース・イノベーション」(途上国で先に採用されたイノベーション)の概念の先駆者となった。HBRは「リバース・イノベーション」を20世紀の「経営の重要転機」の一つに挙げている。

「2021年 『イノベーション創造戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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