考える生き方

  • 397人登録
  • 3.81評価
    • (21)
    • (50)
    • (31)
    • (5)
    • (0)
  • 42レビュー
著者 : finalvent
  • ダイヤモンド社 (2013年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478023235

考える生き方の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 最近ヨブ記を思うことがあって、そういえばfinalventさんのブログでヨブ記を知ったなと、久しぶりに思い出したのをきっかけに読んでみた。
    これからの人生について、ふわっとしたヒントというか示唆というか得られたような気がした。逆に明日から役立つ知恵みたいなものは読み取れなかった。
    あと、大学時代に読んでいた極東ブログの書き手はこんな人だったかという思いや、今の自分は多少なりとも影響されてたなとか気づきもあった。
    出版当時に読んでもつまらなかったと思う。自分の人生でちょうど良いタイミングで読めたなという満足感はある。それでも古本価格がちょうど良いとは思った。

  • 著者の人には申し訳ないけれど、この本はとりあえず、“finalventファンブック”という位置づけから始まってしまう。

    日頃から極東ブログ、メールマガジン、cakesなどを読んできた人が真っ先に手に取るだろう。

    そして彼ら(僕ら)は衝撃を受ける。「うわ、finalventさんってこんな人なんだ!」と。普段のイメージからすると、意外なんだ。本当に。内容が。

    僕はfinalvent氏を、世捨て人の仙人のようなイメージで見ていた。漢詩なんかに出てくる仙人だ。極東ブログにおいて、世界情勢を、英語を訳しながら、自らの考えを含めつつも淡々と解説する。そういうイメージと、現実の暮らしは真逆だった。



    著者は自身の人生を「空っぽ」と表現している。しかしその中身といえば驚きの連続で、それが最後まで続く。

    「世間的な有名人にはならなかった」という意味か、「一財を築くことはなかった」という意味か、もしくは「何かを成し遂げ損なった」という意味なのか、自らを、「55歳にしてこの先の見込みもなくなった失敗者」であると言う著者。

    それでも考えながら生きてきた、なんとかなった時も、ならない時もあったけど、考えて生きることで、納得したり整理をつけながらここまで生きてこれましたよ、考える生き方とはどういうものか、という風に、この「考える生き方」記されている。

    正直、これが空っぽな人生だったら自分の人生なんてゴミ屑じゃないか…と思った人も多いはず。



    さて、finalventファンよる「考える生き方」紀行1週目は、どうしてもこういう形で終わってしまうんだ。驚きの1週目。

    そして2週目。ここからがファンじゃない一般読者と同じ目線で内容が頭に入ってくる。

    各章では、著者の人生経験に基づき、各シーンで考えたことやそのプロセスが書かれており、先ほど書いたように1週目ではその内容が面白くて考えるところまで行かない。2週目であれば、いろいろと考える事が出てくる。



    例えば、働くこと、市民であるということの意味とか。

    市民というのはヨーロッパの概念で、シティズンシップ、市民革命とかの市民にあたる。町を構成する構成員が、その共同体の理念や秩序を維持するために寄与する義務を果たす。とか、そういう意味だったと思う。それは特に、利益よりも正当性、正しさを追求するという場面にて顕著に現れる。正しさというのは、行動規範としての正しさであり、僕はそのあたり調べ切れていないので、なんとも言い難い。今後の課題。

    著者が言うには、ざっくり言うと、市民として社会に寄与する事は、お金を稼ぐ事よりも大切ですよ、道義に反してお金持ちになっても、それは市民の義務を果たしているとは言えず、あまり意味のないことですよ、という内容。ざっくり過ぎるか。



    他には、書評にもよく挙がっているテーマとして、大学教育について。

    外国の大学ではリベラルアーツの教育が行われており、リベラルアーツとはどういうものか、というのが解説されている。

    大学教育とは本来どういうものか、どういう形が理想なのか。

    大学は本来、技術や知識を教える場ではなく、科学の体系、筋道をたどって物事を把握する訓練、解決する訓練、応用する訓練を行う場である、と。

    そして、本来の大学教育を受けた学士であれば、専門分野を問わず、その方法論、リベラアーツを持ってして、どの分野においても道順を持って体系を把握し、解決し、応用する事が出来る。そういう教育こそが大学教育であり、それを体得する事は知識や技術を得る事よりも尊いことである。という内容。

    今求められているような即戦力なんてものは、ひとたび状況が変わると何の役にも立たないもので、あれは専門学校で教えるもんである。大学ではリベラアーツを学びましょう、リベラルアーツを習得した人材こそがどんな場面においても解決策をひねり出し、応用が効き、新しい物事にも正当な目線で対峙できる、とかそんな内容だったと思う。

    そのリベラアーツを持ってして、著者が人生の局面にて解決してきた例が、この本にも散りばめられている。



    本を読んだのは発売当時で、今その本を手元に置きながらも参照せずにこの感想を書いている。記憶違いや間違いがあれば、ごめんなさい。感想というよりは本の紹介になってしまった。

  • 極東ブログで有名なfinalventさんの本。

    この人のBLOG、twitterを読んでると、語学に詳しくかったり、プログラミングやってたり、沖縄で暮らしたことがあったり。。。と、すごく職業が想像しずらくて、どんな人なんだろうって多くの人が気になってたはず。

    本書はその種明かし本で「なるほど、それでか」って納得しながら面白く読めた。ただ大学以前のことはまったく書かれてないし、結婚&恋愛のこともすごくあっさりとしか書いてない。
    アイドルのヌード写真集買ったら、なんだあんま脱いでねえじゃん、みたいな感じもある。

    やっぱり意外だったのは4人の子持ちだったことで、沖縄で避妊せずに暮らしてたら自然とできたとか書いてあって、ビッグダディじゃんと突っ込まずにはいられない。
    あとはクリスマスはしょぼーんとしてた、とかハゲに悩んだとか意外と人間味にあふれた人だったんですね。

    文章はブログよりだいぶ簡単で読みやすい。
    2ちゃんの「~だけど質問ある?」みたいなスレッドに似た感じでサクサク読める。「沖縄住んでたけど質問ある?」「難病になったけど質問ある?」みたいな感じ。
    内容としては沖縄の結婚式の話やリベラル・アーツの話などが面白かった。

    あとは料理の話をもっと読みたかったなあと。

  • 読みかけ。

    対象年齢層は大学生から若手社会人あたりなのか、やわらかい文体で、
    これって同一人物?と疑うほどブログの文体と異なる。最初は違和感があったが、読み進むにつれて気にならなくなる。

    普通の人(世間的に成功していない人)が、それでもよく生きるには、というテーマは、数多ある成功者のものした自己啓発本や、ライフハック本とは違った味わい。

    山形浩生評(↓)も、ごもっともとは思うのだけど・・・。
    「他人の、特に華やかではなくそれなりに挫折やトラブルはあるにしても、まあ普通の人生。どうでもいいや。知らない人の、特に変わったものでもない結婚や子供や仕事の話をきいてもなあ。」

    それにしてもこの御仁、料理好きの独身かと思ってたら、まさかのビッグダディ(嘘)だったとは!

  • 失敗という人生ということで25歳から詳しく書かれているエッセイ。
    こういう自由な生き方もいいんだなと身が軽くなった。けれど、結局のところ著者の勉強家具合は並外れたものだと思うし、一般人が同じ経歴を真似しても上手くいくのは難しいのではないかと思ってしまう。

  • 仕事、結婚、育児、病気、そして学問。

    55歳になる極東ブログの運営者が、自分の人生で節目となった出来事を綴った本。

    大学院(ICU)を中退たあと、エンジニアやテクニカルライターを経験し結婚。沖縄に移住し4人の子供を育てる。

    この人に特徴的なのは、タイトルにもなっている通り、全ての出来事に対して徹底的に考え抜く姿勢だろう。
    大学院に入りなおしたりしているところからも、学びつづける彼の心性が伺える。
    「教養」というのは別に直接何かに役に立つハウツーのようなものでは決してない。
    だが、独立できるだけの能力を身につけたり、育児では海外の最新手法を取り入れたり、原因不明の病気にかかったときも自力で病名を見つけたりと、考え続ける彼ならではであろう逸話が多いのが印象的だった。

    これをやってこんな成功をしました、という進研ゼミのマンガよろしく有名人の成功譚は世に溢れている。
    だが本書はそのような本とは一線を画す。
    考え続けてきたfinalventさんの人生の悲喜こもごもを、友人に向けてゆっくりと語る、そんな印象の本だ。

    彼は自分を敗者だと言っているが決してそうは見えない。だが派手な人生というわけでもない。
    1人の内省的な日本人の自伝として、他にない味わいのある本だった。

  • 勉強したくなった。

  • finalvent『考える生き方』を読む。

    55歳のアルファブロガーさんが「人生の失敗者」としての半生を語ったもの。

    一浪してICU、そのまま大学院に進むもどうしても論文が書けずに中退。英文翻訳などをしながらフリーター的な生活を続けるも会社生活に合わず、大学院に戻ったり、フリーランスになったり。

    聖書学から言語学、神経学、医学、歴史学。広がり続ける知的好奇心と内省的なスタイルはまさに知識人そのもの。自己に対する「失敗者」の感覚すらも知識人の自省と思われます。

    やがて30代後半になった著者は沖縄出身の10歳歳下の娘さんとつがいに。沖縄に移住し、四人の子供を育て上げます。

    人生を流れに任せながらも、自省の目を持ち続けた在野の老学者の香りがします。55歳の自己をして「昔なら定年の歳」としているのもよい枯れ方。

    【本文より】
    ◯大学時代、そして大学院時代、毎日毎日、来る日も来る日も宿題があった。リーディング・アサインメントといって、読まなければならない書籍や資料が山ほどあった。それが大学院を辞めて働くようになったら、もうしなくてもいいのである。/なんなんだろう、この知的な空虚感は?

    ◯思い返すと、私は、ICUの図書館に6年間住んでいたような気がする。夏も冬もじっとキャレルから芝生を見ていた映像が浮かぶ。フランス文学者・渡辺一夫の全集を全部読んでいた日々もあった。太宰治が自殺したころの新聞を取り出して読みふけっていたこともあった。いつもキャレルに座っていた。

    ◯私の場合、言語学と医学との隣接に関心をもっていた。最終的には人間の精神と脳の関係に関心をもっていた。学部時代は、聴覚障害者など言語機能に障害のある人の言語の表出を扱い、大学院では、それを具体的に脳と結びつけようとした。ある程度、神経病理と言語の関係に法則性が見えたら、その先は、いずれ医学に転向したいと思うようになっていた。

  • 極東ブログの人が半生を綴った本。
    すごい色々なことを考える人なんだなと。そんな筆者の赤裸々?な思惟に触れられて面白かった。

  • ブログに掲載しました。http://boketen.seesaa.net/article/406045796.html
    哲学するブロガー、不思議な味わいの半生記
    こういう装丁の本は初めて読んだ。なにしろ、表紙から本文がはじまるのだ。
    ソフトカバーとはいえ、ちゃんとした表紙がついている。その表紙からいきなり本文が始まって表紙裏につながり、そのまま本文になだれこむ。
    ブログの人間は活字の人間とは違うんでヨロシク!というようなご挨拶か?
    書き出しから「自分の人生は…からっぽだった。特に人生の意味といったものはなかった」(表紙=p1)とはじまる。
    著者名はfnalvent(ファイナルベント)。どこにも本名はでてこない。1ヶ月30万人が閲覧する著名ブロガーの由。
    かなり不思議な感覚で読み始めるが、本題にはいると実に面白い。「大学院を中退してからつまずき続き」という若き日の精神的葛藤、悩みすぎて離人症の症状がでてくる。一生独身だろうなとあきらめていた36歳に突然結婚することになる。妻の実家の沖縄で暮らすことになり、2年おきで4人のこどもの親になる。10万人にひとりという難病にかかり、治療のため東京暮らしにもどる。45歳からブログをはじめ、多くの人がよんでくれるようになり、この本をだすことになる…。現在55歳。
    ま、ざっといえばそういう本なのだが、そのいちいちが面白い。どんな体験も深い考察=哲学の対象になり、分かりやすいことばで掘り下げられる。
    なかでも呆け天には、沖縄体験とその考察が格別に興味深かった。

全42件中 1 - 10件を表示

finalventの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
クリス・アンダー...
ジョン・キム
佐々木 圭一
有効な右矢印 無効な右矢印

考える生き方を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

考える生き方を本棚に「積読」で登録しているひと

考える生き方の作品紹介

仕事・家族・恋愛・難病・学問、そして「人生の終わり」をどう了解するか。ネット界で尊敬を集めるブロガーが半生と思索を綴る。

考える生き方のKindle版

ツイートする