採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478023419

感想・レビュー・書評

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  • 著者が働いていたマッキンゼーの採用基準を例に、これからの、社会に求められる人材について記載されている。就活生や若手ビジネスパーソンにおすすめの一冊。リーダーシップについて体系化されていてわかりやすい。

  • 「世界から多くの人が集まるアメリカの大学の利点は、アメリカの学生に世界を教えること」
    「未来に対して十分な情報が揃うことはない」

  • 採用に関する本かと思いきや、リーダーシップ論に関する書籍。
    新卒の人も新役職の人も読むべき本。

    第1章 誤解される採用基準
     ・現状分析能力だけでなく、処方箋を書く能力が必要
      →海外製品に比べて価格が高いから売れない
       さらにコストを下げる方策だけでなく、やりたいコストの
       高い日本で利益を出せるほど高い付加価値を得られる
       ビジネスを考える
     ・処方箋を書くための構築型の能力:
      独自性があり、実現した時のインパクトが極めて大きな仮説
      を立てる能力(仮説構築力)であり、ゼロから、新しい提案
      の全体像を描く構想力や設計力
     ・求める人材は「何でもそつなくこなす優等生型人材」では
      なく、「ある一点において卓越したレベルにあるスパイク型
      人材」
     ・マッキンゼー が求める人材は、
      1.リーダーシップがあること 
      2.地頭がいいこと
      3.英語ができること

    第2章 採用したいのは将来のリーダー
     ・1人のリーダーと複数のフォロアーのチームより、
      全員がリーダーという意識を持つチームとなるべき。
     ・フォロアーは、
      「リーダーの後をついていくフォロアーとなること」
       または
      「チームを率いることは自分の役割ではないと割りきり、
       個人として出来る限り価値を生み出すことに専念」
       のどちらかとなってしまう。
     ・求められているのは、
      「自分で決め、その結果に伴うリスクを引き受け、その決断
       の理由をきちんと説明すること」
      であって、上司の指示をすべて聞き入れることではない
     ・マッキンゼー では、上司は、自分の意見通りに動くことを
      想定しておらず、だからこそ彼らは自由に意見が言える
     ・大企業トップでは、自分が先に意見を言うと、みんなが黙っ
      てしまい議論が起こらなくなってしまうし、反対意見も言い
      にくくなるから、会議では自分の意見は最後まで言わないよ
      うにしている

     ・保守的な大企業で劣化する人
      社会人として最初の訓練を受ける場所の影響は絶大で、一定
      の行動様式をすり込まれてしまうと、後から矯正することは
      容易ではない。 
       1.上司の意見には反論せず従うべき
      2.立場を考えて発言すべき
      など、議論にもヒエラルキーを持ち込みがち
      また、前例のないこと、法律で禁止されていることに関して  
      は、完全に思考停止

    第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
     ・成果より和を尊ぶ組織
      他部署が決めた方針にはむやみに口を出さないと言う暗黙の
      ルール
      →たとえ他部署であっても、おかしいことは主張すべき
     ・高い成果目標がチームに課された時、初めてリーダーシップ
      は必要とされる。成果が厳しく求められない状況が多いから
      こそ、日本ではリーダーシップが問われることが少ない

     ・役職の裏付けがなければリーダーシップを発揮できないよう
      な人に、役職は与えられない。常に実績が先で、役職は後。

     ・管理職には、管理だけでなくリーダーシップも求められてい
      る。
      管理職以外には、管理はもちろんリーダーシップも求められ
      ていない。

     ・管理職は、管理能力、リーダーシップ、プレーヤーとしての
      能力の全てを求められている。

     ・リーダーは組織の和よりも成果を優先するため、同じ空間を
      共有するものは必ずしも一緒にいて楽しい人ではない。

    第4章 リーダーがなすべき4つのタスク
     1.目標を掲げる
      達成すれば十分に報われる目標
      魅力的なゴールがあるから辛くても頑張ろうと思える
     2.先頭を走る
      リーダーは先頭を走る人であって、後ろに控えている人では
      ない
      例:プロジェクト責任者が挨拶のみ発言し、後は何も喋らない
      先頭を走る人が一番前で最初に方向性を決めてこそ、メンバ
      ーは安心して走ることができる

     3.決める
      十分な情報が揃っているのなら、リーダーでなくても決断は
      できる。リーダーの役目は、情報も時間も不十分な中で、決
      断をすること。
      A bad decision is better than no decision
    何かを決断すると、問題を浮かび上がらせることができる。
      全員がリーダーなら、「自分がリーダーなら、こう決める」
      と考え行動する

     4.伝える
      それぞれ人は異なる感受性、思考回路なので、異なるアウト
      プットが生まれる。いつのまにか少しずつ違った場所を目指
      していることが起こる。
      リーダーは、何度も繰り返して粘り強く同じことを語り続け
      る必要がある。
      伝わっているかどうか確認せず、「伝わっているはず」とい
      う前提をおくのは、怠慢。

    第5章 マッキンゼー 流リーダーシップの学び方
     基本動作1.バリューを出す
      今自分のやっている仕事は、どのような価値を生むのか
     基本動作2.ポジションをとる
      自分の意見は何か?
     基本動作3.自分仕事のリーダーは自分
      自分仕事に関しては自分がリーダーであり、真ん中に位置す
      る舞台監督
     基本動作4.ホワイトボードの前に立つ
      議論のリーダーシップをとることを示す、象徴的な行為

    第6章 リーダー不足に関する認識不足
     経産省の「社会人基礎力」でさえ、リーダーシップという言葉
     は出てこず、チーム力が出てくる

    第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
     問題発生したとき、
     「それを解決するのは誰の役割か」
     と考えるタイプと
     「こうやったら解決できるのでは?」
     と案を口にするタイプと分かれる。
      

  • ”マッキンゼーに17年勤め、うち12年間を採用マネジャーとして多くの入社候補と接してきた伊賀泰代さん。日本には「リーダーシップ・キャパシティ(リーダーシップをとる人の総量)」が足りないとの主張から、リーダーシップを特別なものととらえずに日常での発揮機会を意識してつくるべしと説く。自分自身の今後にとっても、子どもの将来にとっても、とても考えさせられる一冊となった。

    <実践しよう>
    自らのキャリア、自らの人生。自身でハンドルを握って運転していきたいなら、常日頃からリーダーシップを高める訓練をやっていこう。
    チームでの打合せ、電車内、地域の会合、道を歩いている時 などなど、「自分が解決できる問題」はあふれている。
    →やるべきことは、そのときに声をあげ、行動する。
     たったそれだけのことを繰り返していけるかどうかなのだ。

    <読書メモ>
    ・本書が目指したのは、「これからの時代にグローバル・ビジネスの前線で求められるのは、どのような資質をもった人なのか」という点、ならびに、「日本ではなぜそれらの資質が正しく理解されていないのか」という根本的な原因を救命することです。(p.4:はじめに)

    ★アメリカ人学生に世界を教える(P.20)
     アメリカ人の学生も、最初は必ずしも“グローバル人材”などではありません。世界のどこに行っても英語が通じるし、どの国でも慣れ親しんだハンバーガーが食べられます。(略)一国の中にすべてが揃っているため、海外旅行をする人さえ多いわけでもないのです。
     それでもアメリカにマルチナショナルを呼ばれる多国籍企業が数多く生まれるのは、ビジネスパーソンに対して、常に「世界を見よ」と教える土壌と価値観があるからです。そしてその教育を行う中心的な場所が、ビジネス・スクールなのです。
     #ビジネススクールが世界中から留学生を集める理由 その2.

    ・これは、問題解決や情報収集インタビューのスキルが、語学力の差を埋め合わせるほどパワフルだということを示しています。(p.27)

    ・それほどまでにマッキンゼーの人材関連制度は、よくできていると思えました。「この組織がもっている人材育成の仕組みをすべて学びたい。これを身につければ、コンサルタントとして働き続けるより、よほど大きな価値を将来、社会に提供できるようになるはず」と感じ、生まれて初めて、自らのキャリア形成に関して大きく舵を切ったのでした。(p.28)
     #伊賀さんが、パートナーを目指さず、人材採用・育成担当の実務マネジャーへ進んだ理由。

    ★コンサルタントがすべての決定権をもつ組織において、サポート部門に移ることの意味をよく考えるべき、というわけです。(略)
     当時の日本支社では、研修や採用担当のマネジャーが募集されていたわけではありません。私自身が経営者グループに対して、新しいポジションの創設を提案し、「そのポジションに私を雇うべきだ」と説得したのです。(p.33)
     #おー、KM のときの自分に重なる。っていうか、これが今もう一度必要なんだろうな。

    ・図表1 高い思考力に必要なもの(p.46)
     思考スキル + 思考意欲 + 思考体力
     #面接で確認するのは、後半2つ。特に思考意欲は重要、とのこと。

    ・実はマッキンゼーでは、バランスが崩れていてもよいので、何かの点において突出して高い能力を持っている人が高く評価されます。ある一点において卓越したレベルにある人を、「スパイク型人材」と称し、採用時も入社後も「彼・彼女のスパイクは何か」という視点で人材を評価しているのです。(p.52)

    ★現実に問題を解決するのは、問題解決スキルではなくリーダーシップなのです。
     (略)自分の言動を変えるのは自分一人でできるけれど、自分以外の言動は、リーダーシップなくしては変えられないのです。(p.65)
     #「どうすればいいか、みんなわかっているが、誰も何もやろうとしないために、解決できないまま放置されている問題」の解決には、リーダーシップが必要。

    ・全員がリーダーという意識をもつチーム(p.73)

    ★日本では、本来、成果目標を問うべき状況であるにもかかわらず、その目標が明確にされないために、みんなが“和”を優先し、誰もリーダーシップを発揮しないことがよく起こります。(p.91)

    ・しかし、この人は調整役(コーディネーター)ではあるけれど、リーダーではありません。(略)リーダーとは、「成果目標を達成するために組織を率いる人」です。「成果目標に関しては妥協してもいいので、関係者全員に角が立たないようにする」のは、リーダーシップではないのです。(p.104)
     #そりゃ、そうだ。

    ★なぜ日本では、リーダーが雑用係になってしまうのでしょう?その理由は、日本人が「リーダーは組織に一人いればよい」と考えているからです。「一人のリーダーが、組織運営に必要なことはすべてやるべきだ」と考えているから、リーダーは、本来求められる責務に加え、雑用まですべてを担当させられるのです。(p.104)
     #どきっ! もちろんリーダー自身が原因のところはあるけれど、こういう文化的な背景があるのはわかる。自分のチームでもこの呪縛を解かないと…。

    ・リーダーがなるべき四つのタスク(p.116-)
     その1:目標を掲げる
     その2:先頭を走る
     その3:決める
     その4:伝える

    ★「変化に対応する力のある人」を求めるという言い方がありますが、リーダーシップ・ポテンシャルの高い人を求めるという趣旨から言えば、変化への対応力が高い人ではなく、むしろ、「変化を起こす力のある人」が求められます。(略)社会なり、組織なりを自ら変えられる人という意味です。(p.120)
     #!!!

    ・日本では時に、「リスクを、人ではなく場所に負わせる」というびっくりするような手法が使われます。(p.125)
     #「それはどこで決まったのか」「○○会議で決まった」…。 本来、決めたのは人のはず。

    ・こうした「So What?(つまり、あなたの結論は何なの?)」にフォーカスした議論の方法も、仕事の生産性を向上させrます。(p.143)

    ・入社直後に、コンサルタント経験は私よりも長いけれども、年齢は私よりはるかに若いメンバーに顧客企業の前でそうやって助けられた時、自分の力不足が情けなく、悲しくて落ち込みました。同時に「自分には何が足りなくて、何を身につければああいった仕切りができるようになるのか」と真剣に考えました。「なんとしても次回は自分でできるようになりたい」と思ったのです。(p.157)

    ★日本の人材に関する問題は、優秀な人材はたくさんいるのに、優秀なリーダーが不足していることなのであって、図表11で言えば、必要とされているのは下段の人材ではなく、上段のリーダーなのです。(p.170)
     #リーダーの不在を、もっと深刻な問題と捉えるべき!という主張。

    ・自分たちだけで問題を解決することは、日本では「他人に迷惑をかけない、責任感をもった立派な対応」とみなされます。しかしこういった態度は、関係者の力を結集してチームで解決するのが当然と考える欧米からは、「何かを隠しているのではないか」と見えてしまいます。(p.179)
     #どきっ! でもわかるなぁ。

    ★日本に不足しているのは「リーダーシップ・キャパシティ」だということです。これは、「日本全体でのリーダーシップの総量」を意味します。(p.180)

    ・私はその理由を、国民が「トップ一人を変えれば、短期間で一気に何もかもがよくなるはず」という幻想をもっているからだと考えています。有権者の中には「たった一人で日本の現状を根本的に変えてくれるスーパーリーダーが現れるはず。存在しているはず」という意識があるのです。(略)
     しかし、そんなことは誰にとっても不可能です。(p.181)

    ★国も大企業も変革するために必要なのは、一人の卓越したカリスマリーダーではなく、リーダーシップをとる人の総量が一定レベルを超えることなのです。(p.184)

    ★日本全体のリーダーシップ・キャパシティを増やすために必要なことが、ふたつあります。それは、リーダーシップというものが、
     ?すべての人が日常的に使えるスキルであること
     ?訓練を積めば、誰でも学べるスキルであること
     を理解することです。(p.194)

    ★しかしリーダーシップのある人は、「この問題を自分が解決できるかもしれない」と思えば、声を上げることに躊躇しません。(p.202)

    ・リーダーシップを身につけることで何よりも変わるのは、当の個人のキャリアであり、生き方です。(p.218)
     #自分が人生のハンドルを握り、目的地を決め、コントロールできるようになる。もちろん、運転の負担とリスクを負う覚悟をもったうえで。

    ・私が本書で伝えたいと考えたことは、世間の評価に流されず、自分自身の生き方を追求するために不可欠なものが、リーダーシップだということです。(p.242:あとがき)


    <きっかけ>
     竹倉さんのレビュー(関連リンク参照)を読んで。”

  • 「採用基準」というよりは「今後の世界を生き抜くために必要なグローバルリーダーシップとは何か」という本。が、リーダーシップなんてタイトルを掲げたらそれこそリーダーシップが苦手で意識欠如がちな多数の日本人は手に取らないわけで、このタイトルに著者なのか編集者なのかわからないけど上手くて皮肉めいた戦略を感じるわけでした。

    非常に示唆に富んだ本で、採用する人とかこれから採用されようって人じゃなくて、まさに今もやもやしたり問題意識を抱えながら日々仕事してる人が読むといい本だなと思います。特に事業会社にいる人、ちょっと1回読んでみませんかと薦めたい。
    私自身、そこそこ色んな環境もみてきたので、耳がとっても痛い指摘があるなあと思いました。よくある教訓だけ並べた本かなと思ったらそうではなかった。
    リーダーシップは他人事ではない、と頭ではわかっている気でも、この本で示すようなことができているか?って考えるとなかなか難しいと思うんですよ。言ってることはシンプルなんだけれども。ほんといい自分への喝入れになりました。
    定期的に自分の棚卸し用に読み返してみようかなと思います。

  • 20181028読了。

    部長がおすすめしてたので読んだ。
    リーダーシップについて書いてある。リーダーシップは特定の誰かがもつものではなく、全員が持つべきものという話。

    個人的にずーんと響いたのは途中にあったコラム的な話で、
    自分の成長スピードが鈍ってきたと感じたらできるだけ早く環境を変えること
    ってあったこと。
    最近仕事がマンネリ化して新しいこともなく相対的に遅れてる感じがしていて危機感があったので響いた。

  • ・面接時に見られている思考力とは、MECEやロジックツリーなど思考スキルを使いこなせているかではなく、候補者の「考える意欲」と「考える体力」
    ・構築型の能力とは「独自性があり、実現したときのインパクトが極めて大きな仮説を立てる能力」であり「ゼロから新しい提案の全体像を描く構想力や設計力」。日本ではこういった能力が「頭がいい」ことをイメージさせる要素として認識されていない。
    ・何かの点において突出して高い能力を持っている人が高く評価される
    ・自分で決め、その結果に伴うリスクを引き受け、その決断の理由をきちんと説明することであって、上司の指示を全て聞き入れることではない
    ・リーダーとは和を尊ぶ人ではなく、成果を出してくれる人
    ・リーダーとはたとえ十分な情報が揃ってなくても、決めるべき時に決めることができる人
    ・リーダーがなすべきことは、目標を掲げる、先頭を走る、決める、伝える
    ・結論を出す=ポジションを取る
    ・上司をどう使うのかもあなたの仕事
    ・そうゆうすることをする役割の人がいなければ自分でやろう

    【感想・コメント】
    社員全員がリーダーシップを持つ必要性、マッキンゼーの言うリーダーシップとは、なぜそれが必要なのか、を説いている。日本人が教えられてきたリーダーシップの概念を壊す一冊。

  • コンサルティングファームで採用マネジャーとして活躍した著者が、日本の組織文化、人材育成(学校教育、OJT含め)の致命的な問題点だと考えること、特に、リーダーシップの欠如や、そもそものリーダーシップについての無理解あるいは誤解について述べています。

    前半は、社会で活躍する人材に何が求められているのか、企業がどのような人材を求めているのかに軸が置いてありました。
    例えば採用面接の際、質問に対して正しい答えをしようと、自分の中にある模範解答として教わったはずのストックからただ探すだけの応募者が多いこと、一方で面接官は正しい答えなんて求めておらず、応募者が自分で考えようとする人なのか、どう課題に向き合おうとする人なのかを見ており、考えようとする姿勢、主体的に問題に対応できる可能性を多く持っている人なのかを見極めようとしていることなど、所属する業界に関わらず、採用担当者が共通して考えているのでは、と共感することが多くありました。

    後半は、組織にとって如何にリーダーシップを持つ人材が必要か、それが日本組織では正しく理解されていないということが繰り返し主張されていました。

    リーダーがするべきことは
    ・目標提示
    ・先頭に立って進むこと(最初の一人になることを厭わない)
    ・決断すること
    ・伝えること

    そして、組織に必要なのは、生まれながらにオーラを持つ、天から降ってくるようなスーパースターのリーダー(日本社会でリーダーが欲しいとよく言われるのがこういうスーパースタータイプだが)ではなく、実はトレーニングすることで身につくリーダーシップ性を習得している人であること、組織、あるいはチームにリーダーが一人いればよいのではなく、組織あるいはチームのメンバー全員がリーダーとしての意識を持って行動すること。
    「船頭多くして」の、沢山いてはならない船頭は、決してリーダーではなく、「頑固でわがままな人」。そんな人は一人もいらない、という意味だということ。

    日本的な組織に身を置く私には、全部自分で実践することはなかなかハードルが高い部分があるけれど、リーダー像をもっと理解し、自分が関わるチーム運営の中で少しずつ意識をしてみようと思いました。

    なかなか示唆のある本でした。

    マッキンゼーでトレーニングを積んだであろう、とある人物の言動について、あぁ、そういうことだったのかと思うこともあり、その点でも興味深かった。

  • ★公助はお金ばかりかかるからこれ以上の拡大は困難、これからは共助が必要、は経済学的にも歴史的観点からも同じ結論。そしてそのためには各自がリーダーシップを持つことが必要。

  • ちきりんの「自分の時間を取り戻そう」→「生産性」→「採用基準」の流れで手に取った。

    相変わらず伊賀泰代さんの文章は心をえぐってくる。

    リーダーシップは、今の自分が最も距離を置いているものと言っても過言ではない。
    (なら、なぜ読んだんだ?笑)
    それでも、自分のやりたいことをやるためには避けて通れないと言うことが本書を読んで理解できた。

    ここまで、リーダーシップについてわかりやすい定義が書いてある本には今まで巡り会ったことがなかった。特に、マネジメントとリーダーシップは混同してしまいがちだが明確に線引きがされている。

    もう一度リーダーシップを取り戻そうという意欲がわいてきた。

    それでも、リーダーシップがすべてを解決するというのはいくら何でも言い過ぎだろうという気がしたが…。幾分盛っている気がする 笑

    リーダーシップを生かせる環境に身を移すのもありなのかも知れないなあ。

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著者プロフィール

キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、前半はコンサルタント、後半は人材育成や採用マネージャーを務める。2011年に独立し、文筆・発信活動を続けるほか、リーダーシップ教育や生産性向上のための啓蒙活動にも従事。著書に『採用基準』のほか『生産性』(ダイヤモンド社、2016年)などがある。

「2012年 『採用基準』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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