ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ
- ダイヤモンド社 (2016年2月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478026625
作品紹介・あらすじ
IoT、ビッグデータ、ソーシャルメディア、シェア――時代の変化は、イノベーションのプロセスを永遠に変えてしまった。たった数日で市場を破滅に追いやる超破壊的変化「ビッグバン・イノベーション」を生き残る方法とは?『イノベーションのジレンマ』『キャズム』『ブルー・オーシャン戦略』を超える新世代の経営戦略論
感想・レビュー・書評
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学術的内容ではなかったが興味深かった。
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Vol.345 破壊的な変化から生き延びる方法とは?ビッグバン・イノベーション!http://www.shirayu.com/letter/2016/000698.html
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■書名
書名:ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ
著者:ラリー・ダウンズ、ポール・F・ヌーネス
■概要
なぜシャープ、任天堂、ソニーは急激に衰退し、アマゾン、富士フ
イルム、Airbnbは勝ち残ったのか?『イノベーションのジレンマ』
『キャズム』『ブルー・オーシャン戦略』を超える新世代の経営戦略論。
(amazon.co.jpより引用)
■気になった点
なし -
ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授による基本戦略「差別化」「低価格」「集中」をイノベーションの第1の波とすれば、レイトン・クリステンセン教授の「破壊的イノベーション」は第2の波、W・チャン・キムとレネ・モボルニュの「ブルーオーシャン戦略」は第3の波、そして、第4の波が「ビッグバン・イノベーション」である。
ビッグバン・イノベーションでは、製品のライフサイクルは「ベル・カーブ」から「シャークフィン」になる。シャークフィンは、①特異点、②ビッグバン、③ビッグクランチ、④エントロピー、という4つのライフサイクルからなり、急速に商品が売れ、ひとり勝ちが起き、ピークを迎えた途端に需要が落ち、製品ライフサイクルは短命化する。
ビッグバンイノベーションの世界を生き延びるために、各ライフサイクルで、以下のような行動を取る
特異点では、
①「真実の語り手」の声に耳を傾ける
②市場に参入するタイミングをピンポイントで選ぶ
③一見ランダムな市場実験に着手する
ビッグバンでは、
①「破滅的な成功のシグナル」を見逃さない
②「ひとり勝ち市場」で勝者になる
③「ブレッドタイム」をつくる
ビッグクランチでは、
①市場の飽和に先んじる
②負債化する前に資産を処分する
③リードしているあいだに撤退する
エントロピーでは、
①「ブラックホール」を逃れる
②他の企業の部品のサプライヤーになる
③次の特異点を目指す -
爆発的に成長するビジネスモデルについての話。
『はじめに』からして、スマートフォンのすごさがよく分かる。いろんな物がスマホによって犠牲になってきたんだなと。ここに、携帯ゲーム機も含めていいかもしれないと思った。
ただ、正直、ムーアの法則が今でも機能しているかというと、頷けない。5年前とくらべても明らかにパソコンの価格が高くなっている気がしてならない(当時は円高だったというのが理由らしいけど、それを踏まえても高く感じる)。
ところで、翻訳本で時々見るカルチャーショックだけど、アメリカのエアコンの価格は1997時点で299ドルらしい(この書き方だと、いまでもこれぐらいか安いぐらいなのだろう)。日本のエアコンってもっと高いイメージがあるのだけど、何でこんなに安いんだ……。
なお、台湾のファミリーマートではスマホの写真データからコーヒーのラテアートを行う『レッツカフェ』というものがあるんだとか。なぜ、日本に導入しないんだ……。
後、iPodの誕生は東芝が開発した1.8インチのHDDがあったからということを初めて知った。なんだかんだあるけど、シャープも東芝も技術力はあるんだよなぁ。どうしてあんなことに……。
ところで、uDrawというゲーム機用のペンタブレットを初めて知ったのだけど、日本未発売なのだろうか。いろいろ応用が聞きそうな気がするのだけれども。と思ったけど、Wii Uはコントローラーがペンタブレットみたいなものだから、必要ないか。
AOLの加入者が未だに多い理由が悲しかった。ほとんどの人は必要ないはずなのだけど、解約してないだけらしい。まずいだろそれ。 -
ありがちな現在進行形の経営解説書。
今のイノベーションの内容は、既存技術の組み合わせであり、またその評価はWebで一瞬で広まる。その結果、需要が一瞬で顕在化、また供給も比較的容易である。しかし需要の急増には耐えられず、売り逃してしまい、あるいは後出しで供給してももうトレンドは変化してしまって、在庫の山となり損失となるという結末が頻発する。
規制業種はイノベーションに弱いが、規制自体は参入障壁になるので、既存プレイヤーはこれを利用してイノベーションの浸透に対する時間稼ぎをするのが良いというのはこの本の唯一の良い提言。
なので気をつけろという経営書。 -
【ビッグバン・イノベーション】
A.ビッグバン・イノベーションとは、「安定した事業を、の数カ月か、時にはほんの数日で破壊する新たなタイプのイノベーション」のことである。
B.ビッグバン・イノベーションをもたらした原因の1 つは、IT革命である。「性能と価格の両方が倍々で改善する」指数関数的技術が、破壊的製品やサービスを生んだ。
C.ビッグバン・イノベーションは、次の3 つのコスト低減によって、産業組織や競争、戦略を本質的に変える。
1.製造コストの低減:指数関数的技術がコストを低減させることで、高品質の製品を低価格で提供できるようになる。
2.情報コストの低減:インターネットで多くの情報を得られるようになった消費者が、「とめどない成長」を促す。
3.実験コストの低減:既存の部品を再利用するという、安価でリスクの少ない方法で、自由奔放な開発を行う。
D.今や消費者が、情報不足のまま製品やサービスを購入することはない。自分が購入を考えている製品を、友人や好みの合う消費者がどう思っているのか、その本音を知りたければ、ソーシャルメディアやレビューサイトを見ればすぐにわかる。
よって、不完全な製品に高い金額を支払わされるリスクは減った。また、製品の特徴や購入のタイミングがわからないために、買うかどうかという決断に無駄な時間を費やすリスクも減った。このように、ほぼ完全な情報が簡単に手に入ること。それが、爆発的な売れ行きの背景にある。