起業のエクイティ・ファイナンス---経済革命のための株式と契約

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028254

作品紹介・あらすじ

巨額増資・M&Aが加速する時代にどう対応するか?ベンチャーのバイブル『起業のファイナンス』待望の続編!優先株・投資契約の実務を網羅した決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 黄色本に続く中級編。かなり実務的な細かい内容も入ってきてレベルアップ。特に創業初期のファイナンス、投資契約、優先株式、みなし優先株式あたりを重点的に見た。まだ日本ではほとんど事例がないアメリカの例を日本流で考案したものとか先端事例も多い、勉強になる。(2014年に書かれた本だから今は割と導入されているのかも知れない、チェックしたい。)

    このレベルになると実際には専門家との相談が不可欠だろうけど、手元にこういう本があるとあらましが理解できて議論のベースになるからありがたい。
    それにしても会社法とか税制とかややこしいな。。弁護士って大変や。。アメリカの例見ると、スタートアップにより好都合な環境が制度から整っているなあと感じる。

  •  著者の前作「起業のファイナンス」が分かりやすかったので、中級編である本書にも挑戦してみた。新しい資本政策が多数紹介されており、消化不良気味ではあるが、資本政策の重要性についてはひしひしと伝わってきた。投資契約や定款のひな型について詳細に解説されており、なぜこのような文言が必要なのかという背景が理解できるのが本書のポイント。難解な分野であるが、平易な口語調で書かれているので、素人でも抵抗感が少なく読める。本書を読むまで資本政策は数学的なファイナンスの世界かと思っていたが、関係者の利害や税務という要素が大きいことが分かった。本書の中で随所に書かれているように、資本政策については専門家に早めに相談するのが一番ではあるが、本書を読むことで専門家とのコミュニケーションをするための下地ができると思う。

  • フレームわーくだけでなく、実務への落としこみや現状制度との関係性、スタートアップ側の資本政策の狙いなども明快で分かりやすい。これ以外にも戦術レベルの変形パターンや方法論もあると思うのでさらなる増補、改訂を期待しています。

  • 2014年当時は理解しきれてなかった箇所も、実務を通して理解が出来てる事が確認できた。

    当時は、日本ではまだ優先株での投資も事例としては少なく、自分も実務で携わる事も少なかったが、今では実務家にとって避けては通れないものとなっているので、ベンチャー投資に関わる法務の実務家は全員読んでおいて損はない一冊。

  • エクイティファイナンスする時にはとりあえず読もうと思う教科書

  • 内容は極めてレベルが高く、およそ1回読んだだけでは到底腹落ちしての理解は難しい。日本のベンチャーの生態系のレベルを上げるのに必須の本であり、より多くの人口に膾炙されることを望む。


    ストックオプション等で行使できる量が勤続年数とともに増えていくのはベスティングと呼びますが、最初に100%株式を与えておいて途中でやめたら返還してもらうのはリバース・ベスティンクと呼ばれます。

    Isologue 減資にまつわる不思議な風習

    米国のベンチャーはほとんどがデラウェア州の法人でデラウェア州の会社法が適用され、日本の特別決議にあたる合併や定義の変更まで含めてたいていは全体の決議権の2分の1以上を確保すればどんな会議でも通せてしまいます。これに対して日本では買う合併や清算もちろん株式やストックオプションの発行や定款のちょっとした変更まで全体の議決権の3分の2以上ないと議案を可決できません。つまりこれ以上は日本の会社の方が米国の会社より少数株主の権利が強いのです。

    共同売却権
    他の株主はほっぽらかして経営者だけ売り抜けと言う事態を避けるため経営者と一緒に売却する権利をつけています(この権利はタグアロング権と呼ばれます。)
    Yah-along rights /co-sale rights

    ドラッグ・アロング権(drag-along)
    一定の条件を満たす場合投資家が主導して経営陣や他の株主も巻き込んでM&Aでエグジットを強制できる権利です。経営陣は会社がうまくいって生活が安定してくるとIPOやM&Aなど面倒なことをしなくてもいいやと思うかもしれませんがそれではリスクを負って投資した投資家は浮かばれませんのでこーゆー運命を入れています。これは他の株主にも売却を強要するものですので株主全員で締結する株主間契約で定めておく必要があります。

    残余財産分配権
    ベンチャー投資で用いられる優先株式の権利中で最も重要なものの1つ。残余財産の優先分配金がついていると優先株式を持っている株主はベンチャーが生産した際に普通株式より優先して残余財産の分配を受けることができます。例えば会社を清算した場合の残余財産(債務者に債務を支払った後の残りの額)がどう分配されるかと言う際に有利に働きます。
    優先株式の問題点
    優先株式を使った実務が非常に複雑だと言うこと。以前株式を発行するときの定義や契約は非常に個別性が強いものになります。いちど優先株式を発行したらその後は原則として株式の種類ごとに種類株主総会を開催する必要があると言うことです。例えば普通株式とA種株優先株式、B種株優先株式と言う3種類の優先株式を発行している場合、株主総会のほかに普通株主総会、A種優先株主総会、B種優先株主総会と4つの株主総会を開催しないといけないことになります。

    投資後の企業価値(post-money、post)

    Dual class
    日本ではサイバーダイン社が導入。
    Class A普通株式とClass B普通株式を発行
    通常Class A普通株式は1株1議決権でclass B普通株式には10倍の1株10議決権といった議決権割当経営陣等の上場前からの株式がClass B普通株式を保有しClass A普通株式を上場して一般株主に売り出すことで経営陣が全議決権の過半数を超える絶対的な多数を隠して買収などを心配することなく経営に専念できるようにします。
    2004年のGoogle 上場時がdual class を利用で当時話題に。
    その後、LinkedIn、Groupon、Yelp、FacebookがDual Class を採用。
    Zyngaは1株で1個7個70個の議決権を持つ3種類の普通株式を使うthree class structure を採用

  • スタートアップのファイナンスの教科書。起業のファイナンスとセットで読んでおきたい。

  • ベンチャーの資本政策について具体的に説明している。
    社内ベンチャーの難しさの解説が興味深かった。

  • ここに書いている「技」以外にも、エクイティ・ファイナンスの世界はとても奥深いことを知ることができる貴重な本。

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著者プロフィール

マザキ動物専門学校非常勤講師。一級愛玩動物飼養管理士。
1997年よりウェブサイト「飼鳥情報センター」を運営。
欧米の鳥類獣医学や科学的飼養管理情報の収集、研究と普及に努める。
弊社『鳥ぐらし』企画監修ほか、『幸せなインコの育て方』(大泉書店)、
『ザ・インコ&オウム』(誠文堂新光社)など著書多数。

「2022年 『とりのほんね 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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