本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 1054
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478029398

作品紹介・あらすじ

本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのかは本棚に関する事が書かれている一冊です。本棚にはルールがあります。そのルールを知ることで効率よく知識を得ることができます。本棚の中身が入れ替えればそれだけ多くの知識が身につき、空いているスペースがあれば新たに知りたい知識を入れることができます。

感想・レビュー・書評

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  • 本棚と本のこだわりについて語った本。本棚について一冊の本を執筆してしまえる本への情熱は尋常ではない。

    著者の思う理想の本棚の条件には
    ・見やすいこと
    ・2割の余白があること
    の二つを挙げている。これは本棚を可視化された「外部脳」として捉えているからである。どのような本を面白いと感じるのか、また、入れ替わる本棚を観察することでどれくらい自分は成長したのか。それらを反映する機能を持つのが「本棚」なのだと言う。
    だから、本棚に入れる本は意図をもって選ぶべきである。ただの本の収納場所にしてはいけないのだ。

    また、本棚以外には本の買い方について紹介されているページがあり、「著者のメガストアの歩き方」は新しい発見となった。大型書店を回る際には重い荷物に耐えられるリュックやカバンを背負い、口の閉じる手提げ袋を持っていき(万引きだと勘違いされないため)そして、長時間店内を歩いても足が疲れないように、底がほどよく柔らかい靴を履いて書店に行くのだそうだ。本を入れるモノに注意を払うのはすぐに思いつくが、靴にまで意識を飛ばせる人はなかなかいないと思う。本に対しての本気度がよく表れているエピソードであると感じた。

  • 元マイクロソフト社長、HONZ代表の成毛眞氏が、本来本棚とはどうあるべきか、「理想の本棚」の作り方、教養の深まる本の買い方・読み方、書評の書き方について、書き綴ったもの。
    尚、“HONZ”は、「HONZは単なる書評サイトではありません。読むに値する「おすすめ本」を紹介するサイトです。たまたま手に取った本の感想をまとめたサイトではありません。厳選された読み手が、何冊もの本を読み、そのなかから1冊を選び出して紹介するサイトです。」(“HONZ”サイトより)という、ノンフィクション物を紹介する有力ブックサイトである。(私も頻繁に覗いている)
    私はこれまで、『本は10冊同時に読め!』、『実践!多読術』などの成毛氏の著書も読んだが、本書は、それらと重複する部分も少なくないものの、本棚の容量を意図的に制限して保有する本を入れ替えることの重要性とそれを実践するための技術、書評の具体的な書き方等について、新たなアイデアを得ることができた。
    前著の内容も含めて、強く共感したのは以下のような点である。
    ◆「本棚には、鮮度が勝負のノンフィクションの本を中心に並べるべきだ。・・・本棚の中の本を最新のものにアップデートすることは、自分の頭の中の情報をアップデートするということだ。」
    ◆「本棚は、外付けできる脳であり、客観的に自分の過去と現在を把握するのを助け、未来の自分を映し出す鏡でもある。そういった本棚の性格を踏まえて本棚を編集すれば、人生さえも編集できる可能性がある。」
    ◆「本棚作りのポイントは、・・・見やすいこと、2割の余白があること、この2つに加え、勝負本のみを並べる、多様性は持たせつつ違和感を排除する、いつも変化していること、である。」
    ◆「定期的に本棚の入れ替えをする時間を設けることが必要になる。・・・たったの30分でも、入れ替えの時間を週に1回取るだけで、本棚はただの本置場にならず、見た目の美しさも外付け脳としての機能もキープされる。」
    ◆「書評を書くときにイメージするべき文章は、書店の店頭にあるポップだ。本の間に並ぶあのカードには、その本を面白いと思い、買ってほしいという書店員の気持ちが凝縮されている。」 等々
    また、ブックディレクター幅允孝氏がセレクトしたスルガ銀行六本木ミッドタウン支店の「d-labo」、代官山蔦屋書店の本棚作りのコンセプト、紀伊國屋書店のWebストアの「コンシェルジュの本棚」、新聞社や出版社が発行している用語辞典など、本好きに有益な情報も多数紹介されている。
    (尚、157頁で、『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』を青木薫氏の翻訳としているが、正しくは青木氏の初の書下ろしである。成毛氏らしからぬ誤り。)
    (2018年2月了)

  • 本棚論。本棚に並べるのは勝負本のみという言葉に共感した。

    目の前の仕事や日常生活からは得られない視点・観点を持ち続け、スケールを広げていくためにも、本棚の余りと厳選した本を置くということに注力したい。

    本棚は小学生のランドセルと同じ。小学2年生に上がったのに、小学1年生の教科書をランドセルには入れない。小学1年生の教科書のままでは成長しない。常に本を入れ替え、より良いものを厳選し、幅出しする必要があるのだ。

  • 面白かったー!!本棚がものすごく雑然としてるので、積ん読をすぐには消化しきれないまでも、せっかく読書が好きなんだからお気に入りのスペースにしたいなと思って買いました。読書術の本はあんまり考え方が好みじゃないことも多いから半分ダメもとみたいに思ったけど、当たりだったなー。
    取り入れたいやり方がいっぱいありました。ガンガン増やせるようなスペースはないので、だったらせめて考え尽くしたマイルールのもとに、素敵なコレクションにしたいなあ。全部とは言わないけど、自分なりに工夫して参考にしてみたいです。

  • 【概要】
    本好きの人がさらに本を読みたくなるための本。
    本棚にルールを設けることで、過去の読んだ本の整理と、未来の読みたい本を意味のあるものにできる。
    3分の1は本の買い方、書評の書き方が書いている。
    【評価】
    82点(本の読み方について一通り自分流を作った人がさらに本を読みたくなるようなときには非常にいい。書評を書く前にはぜひ読みたい)
    【共有したい内容】
    ・「読む本が新しくならず、本棚の中身がたとえば1年前とかわり映えしないようであれば、自分自身が過去1年間まるで成長していないことを意味する」
    ・「書評に個人的な思い入れは不要だ。・・・ただ、面白いという事実だけを伝えることに全力を尽くすべきだ」
    【悪いところ】
    本を相当数読んだ人でないと、今必要な本以外のサイエンス等の話はまだ早いと思ってしまうかもしれない。
    成毛さんの本棚のことだけで、他の本棚の事例がなく可能性が広がらない。
    【どういう時に役に立つか】
    本をもっと読みたいと思うとき
    書評を書き始めるとき
    【ターゲット】
    書評を書くメンバー
    入社2年目くらいになってから
    【自由記述】
    本棚で過去の自分を把握し、未来のなりたい自分になる。ということは共感できる。
    その通りだと思う。
    本棚を眺めるだけでも知の整理になる。
    本の読み方についても、付箋を貼るという方法の提案をしているので、書き込みが苦手な人向けになっており、読み方の可能性は深まる。
    ビジネス本以外を読む必要があるとき気にはさせてくれる。具体的な書評をみて、一つは読んでみたい。
    HONZのサイトも改めてちゃんと見ようかなと思える。
    書評については『』の役割など、具体的な記述があり非常に参考になる。
    【合わせて読みたい】
    本は10冊同時に読め
    多読術
    読書の技法

  • ・一度は自分の脳を通り過ぎた情報を、目に見えるものとして置いておく場所が本棚だ。本棚はあなたの脳の記憶野の代わりに、情報をストックしておける場所である。細かい情報のバックアップは本棚に任せていいのだ。

    ・本棚に並ぶ本は、今の自分の血肉であり、これからの自分をつくる栄養素だ。本棚に置いてあるもののまだ読んでない本は、「自分は将来こんな知識を持っている人間になりたい」という意思表示である

  • 本棚は本置き場ではない。それ自体が強力な武器である。

    本棚以前の基本として、まず、同時に10ジャンルの本を読もう。
    ジャンルの化学反応は、他の人には生み出せない独創的なアイデアの種になる。

    3種類。それらの本を収容するための本棚は3種類だ。
    (1) 新しい(今読んでいる、これから読む)本棚
    (2) 厳選のレギュラー(読み終えた、また読む)本棚
    (3) 参照(辞書、ハンドブック)本棚


    特に (1) と (2) について。

    (1) 新しい本棚について
    自分の好奇心が本棚という形で視覚化されたもの。
    出会いを貪欲に。どんな新しい本でも即座に受け入れる。
    そのために、収容本の新陳代謝を保つ
    (一定期間以内に読み、これぞという本は「厳選のレギュラー本棚」へ。それ以外はサヨウナラ)。

    (2) 厳選のレギュラー本棚について
    これぞという本を、ジャンルごとに収容する。
    本を置いてよいのは本棚の8割まで。大体、週一でメンテナンスする。
    8割を超えてきたら(面白い、新しい、情報量などで)厳選し、選外は処分する。

    ここで、本棚は強力な武器になる使い方の紹介。
    本棚でも、博物館や美術館の「常設展示」と「特別展示」をイメージするのだ。
    すなわち、本棚の一角に、他人に見せることを意識した特別展示枠を設けるとよい。
    ラインナップ、並び順、小物をあしらうなど、それらを考えることで化学反応が生じる。
    これを毎月行えば、毎年12のテーマについて教養が深まる。

    テーマは、手薄な(あるいは、これまで全く興味のなかった)ジャンル、
    本の内容ではなく装丁、たった1つの興味から広がる一連の資料など、
    在り来たりなものからユニークなアイデアまで、制約はない。


    せっかく読書、本棚に手間を掛けているのだから、できるだけ血肉にしたいところ。
    他人に話すほど血肉になる。本好きとの付き合いも広がって一石二鳥。
    1人より2人。2人より10人に、どんなことが書いてあるか、何が面白いかを話すのだ。

    読書の話ができる人がいなければ、書評するのもよい。
    1200〜2000字で、他人にその本を読もうと決断させるのが書評。
    何冊も読み、面白かった本のなかでも、特に面白かった本について書評を書こう。
    具体的には、面白い(=誰も知らない「驚くような事実」「新しい情報」)が
    鮮烈に伝わるエピソードやキーワードを核にするとよい。
    なお、書評はおおむね形式があるので、書評のオリジナリティは選書の方で発揮すること。


    「特別展示」は上手い表現だと思う。

    考えてみると、無意識に雑な「特別展示」をしてきた気がする。
    直近で読む本(新しいもの、再読したいものなど)どんな組合せにしようか考えて、
    数十冊程度を手近に並べているけれど、着想(というほど大げさではないけれど)は
    確かに影響を受けているように思う。

    スペースがなくても、例えば、机上が「新しい本」+「特設展示」で、
    本棚が「厳選のレギュラー」+「常設展示」など、何とでもなる。
    意識的に試してみることにした。

  • さらっと読めるが、面白い。成毛さんの永久保存本やお勧めテレビもわかって参考になった。

    [more]
    本棚はあなたの知を増やす最高の道具
    第1章 本棚は外付けできるあなたの脳である
    本棚に「ゆとり」のない人間は、成長できない
    いい本棚は、頭の中身もアップデートしてくれる
    本は読んだそばから忘れていい

    第2章 「理想の本棚」になる仕組みをつくる
    あらゆる本を拒まず、大量に受け入れるのが「新鮮な本棚」
    特別展示をすると、1年で12の専門知識がつく
    「メインの本棚」に入れる基準は「面白い」「新しい」「情報量が多い」
    ひらめきを生むのが「タワーの本棚」

    第3章 教養の深まる本の買い方、読み方
    書店の歩き方で読書が変わる
    文系人間でもサイエンス本をスラスラ読む方法

    特別付録 HONZ特製 Webで読まれる書評の書き方

  • 口が悪く、なんでも強気で言い切る成毛氏。「本を同時に10冊読め」や、今回のような「本棚にもルールがある」から、なにも知らない私に読書法を指南してくれる面倒見の良いおじさんである。一番笑ったのは、「知の神棚」だ。絶対に捨てたくないのにメインの本棚に入りきらない本は、本棚に祀る。これは知の神棚となるそうだ。成毛氏のおすすめであり知の神棚にも名を連ねる「眠れない一族」、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」は私も読んだ。眠れない一族は面白かったが、読了するまで随分と骨を折った。ご冗談でしょう〜は読了すらできず、処分した。成毛氏とは本の趣味がまだ合わないと実感したのだが、本書で紹介されている本にまた挑戦したくなってしまった。

    以下、本書よりお気に入りの箇所を抜粋する。

    「使いやすく、社会人の持つべき本棚は以下のように構成する。右列上から、サイエンス、歴史、経済、重い本。左列上から、特別展示、社会・事件、文化・芸術、これから処分する本。」

    「知らない人から本をすすめてもらう際には、「面白い本」、「驚いた本」、「知らないことだらけだった本」を聞くようにする」とのこと。確かに、いい本や役に立つ本を聞かれると、どうも構えてしまうのでこの聞き方はいいかもしれない。

    本書では、書評の書き方も丁寧に書かれている。「本棚は本のコレクションではなく、外付けできる私の脳であり、本棚を人に見せることで新しい発見ができる」という、面白くて新しい発想を私にくれた。また、大型書店には歩き方があるといい、なんでも最上階の一番奥から、すべてのジャンルで平積みされている本をチェックするのだ。

  • 新しい本棚を作るに当たって参考にしようと思い購入。
    本棚のルールよりも、どうやって本と向き合うかという内容の方が勉強になった。
    特に、ネット検索と本の情報との違い、他の人と差がつく本の選び方、本屋の歩き方など、これからの読書にかなり影響を与える考え方を取り込むことができた。何度でも読み返したい本の上位に入るだろう。これからも脳の外付けディスクである本棚を増やしていきたい。

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著者プロフィール

HONZ代表

「2022年 『39歳からのシン教養』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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