[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する (Harvard Business Review Press)

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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478065136

作品紹介・あらすじ

ブルー・オーシャン戦略とは、血みどろの戦いが繰り広げられる既存の市場を抜け出し、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場を生み出す戦略である。新市場を創造する方策を体系化した本書は、企業、非営利組織、公的セクターなどあらゆる組織や人、さらには国にも寄与するものである。世界350万部43カ国語で出版されたベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • ブルーオーシャン!なんとなく知ってると思ってたけど、けっこう知らないことばっかりあった❗差別化だけでなく低コストの両方がブルーオーシャンなのだ。ほとんどの企業がコストか品質のどちらかを他社の上をいこうとする戦略をとっているが、これでうまく行くならいいが上には上がいるので大きな効果を得ることを少ない。というか考え方のなかで他社と比較することが今までの考え方の大半であることがとても多くあった❗現在地を知る意味では良いが、ブルーオーシャンを実行するに当たっては競争は無意味であるということ。一番大事に思ったのが何を基準に選んでいるか、顧客が戦略グループ間を移動する場合の理由ここをしっかりとらえられることができれば戦略の中身を増やすことと削ることができる。つまりは現場の声、顧客の声、その回りの声を冷静に把握できることが大切なんだと感じました。こちら目線ではなく、それぞれの立場から物事をみたときの理由が大事。こうだと思うを決めつけないで、実際の声を聞く姿勢がなければこれはできない。このことは人の声をしっかりと聞くことの大切さであるとと私は置き換えて考えることができる‼️大胆にかつ冷静に自分の事業を未来に向けて見直していきたい

  • とにかく面白い!わくわくして読める。少し読みにくい。

  • 伝統的経営戦略(競争戦略)とは真逆の視点で、ブルーオーシャンを目指す具体的な方法が述べられている。競争戦略の一般常識と分かりやすく対比しながら、競争を避けて利益を生み出す視点を理解することが出来た。

    【メモ】
    ・「イノベーション=技術革新」という先入観。求められるのは、顧客に新しい価値を提供し、新しい市場を切り開く「バリュー・イノベーション」。
    ・ブルーオーシャン戦略は競争という足枷からの自由
    ・伝統的な経営戦略とはレッド・オーシャンでの競争が焦点。ブルーオーシャンをいかに創造すべきかという実用的な指針がほとんどない。
    ・「エクセレント・カンパニー」「ビジョナリー・カンパニー」が挙げた企業はほどなく変調をきたし、産業全体の好調に起因していたものもある

    ◆ブルーオーシャン戦略の8原則
    策定の原則
     Ⅰ市場の境界を引き直す
     Ⅱ細かい数字ではなく森を見る
     Ⅲ新たな需要を掘り起こす
     Ⅳ正しい順序で戦略を考える
    実行の原則
     Ⅴ組織面のハードルを越える
     Ⅵ実行を見据えた戦略
     Ⅶ価値提案、利益提案、人材提案を整合させる
     Ⅷブルーオーシャン戦略の刷新

    ・戦略キャンバス:価値曲線でポジショニングを確認
    ・四つのアクション(減らす、増やす、取り除く、創造する)
    ・ERRCグリッド:四つのアクションを補う分析手法

    ◆Ⅰ市場の境界を引き直す、6つのパス
     1. 業界:代替産業に学ぶ(iモード)
     2. 戦略グループ:業界内の他の戦略グループから学ぶ(カーブス)
     3. 買い手グループ:別の買い手グループに目を向ける(ブルームバーグ)
     4. 製品サービス範囲:補完材や保管サービスを見渡す(ダイソン)
     5. 機能志向と感性志向:志向を切り替える(スウォッチ、ボディショップ)
     ※保険、バンキング、投資業界は顧客リレーションから機能志向へ転換しつつある
     6. 時間軸:将来を見通す(iTunes)
      トレンドを見通すための3原則(①事業への決定的意味合い ②後戻り無し ③明確な軌跡を描く)に基づいて、「予想通りにトレンドが展開した場合、市場はどのような姿になるだろうか」と自問してみる

    ◆Ⅱブルーオーシャン戦略はメリハリ、独自性、訴求力という補完関係にある3つの特徴を持つ
    ・戦略をビジュアル化する4つのステップ
     1. 目を覚ます
      自社の価値曲線を書くことで変革への意識が芽生える
     2. 自分の目で現実を知る
      自社の製品サービスがいかに使われているかを外部委託せずに確認する
     3. ビジュアル・ストラテジーの見本市
      複数の戦略キャンバスをステークホルダーと確認
     4. 新戦略をビジュアル化
      投資判断は新しい価値曲線に応じて行う
    ・PMSマップ(パイオニア、移行者、安住者)
     事業ポートフォリオの成長可能性を見極める

    ◆Ⅲ非顧客層の3つのグループを確認し、既存需要のセグメンテーションにとらわれず、出来るだけ広大なブルーオーシャンを目指す

    ◆Ⅳブルーオーシャン戦略の策定手順
     買い手にとっての効用⇒ 価格⇒ コスト⇒ 実現への手立て

    ・買い手の効用マップにより、単なる技術イノベーションに留まらないように確認する
    効用(顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リスク、好ましいイメージ、環境配慮)× 顧客経験(購入、納品、試用、併用、保守管理、廃棄)

    ・排他性に応じた戦略価格設定を行う。高価格ではなく、買い手にとって手ごろな価格設定で総需要を押さえる
    ・コスト削減策(業務オペレーションの合理化、他者提携、業界の価格モデル変更)

    ・ステークホルダーの3グループ(従業員、事業パートナー、消費者)の理解を得るために、オープンな話し合いの機会を設ける
    ・BOIインデックス(効用、価格、コスト、導入)でブルーオーシャン戦略の有用性を検証する

    ◆Ⅴ組織面のハードルを乗り越えるため、ティッピング・ポイント・リーダーシップを用いる
    ・4つのハードル(NYPD改革)
     従業員の変革に対する意識のハードル
     経営資源のハードル
     士気のハードル
     社内外の抵抗、政治的なハードル

    ・悲惨な現状を幹部に直接見せることで意識改革を行う
    ・重点領域に集中投資する、経営資源を交換する
    ・「中心人物」「金魚鉢のマネジメント」「細分化」
    ・アドバイザー、大敵、守護神を理解する

    ◆Ⅵ 公正なプロセス(関与、説明、明確な期待)で実行する

    ◆Ⅶ 顧客価値(価格)、利益(生産・流通コスト)、人材(公正なインセンティブ)の整合を取る

    ◆Ⅷ 模倣の壁(整合性、意識、組織、ブランド、経済、法律)によりブルーオーシャンの持続性を保つ
    ・単一事業型企業は、戦略キャンバス上で自社他社の価値曲線を時系列で比較し、ブルーオーシャン再開拓の時期を知る
    ・多角化企業は、時系列のPMSマップで事業ポートフォリオの位置付けを確認する

    ◆レッド・オーシャンの罠
    ・新規市場は遠くではなく、基幹事業の中から生まれる
    ・利用者がサービスを愛顧するのは最先端テクノロジーそのものではなく、むしろテクノロジーの存在を忘れさせてくれるから
    ・低コストと差別化の二兎を追うのがブルーオーシャン戦略
    ・業界の非顧客層が購入する代替品を意識して値段を決める
    ・イノベーションによって独創性と有用性を備えたサービスを生み出すだけではブルーオーシャンを創造・支配できない
    ・ブルーオーシャン戦略はニッチ戦略ではなく、買い手グループ間の大きな共通点に注目して市場の脱セグメンテーションを図り、出来る限り大きな需要を取り込もうとするもの
    ・ブルーオーシャン戦略≠破壊的イノベーション
    ・バリューイノベーションは技術の簡素化をテコに実現した例が少なくない

  • 僕が一番しっくりきたのは「変える必要性を認識してもらう」ということ!!
    ここなくして、企業の改善はありえない。社長が本気になっていなければどんなにコンサルがついてもうまくいかない。
    これは本当に本当に本当に大事!!
    表面的な悩みには本質はない、
    なぜそう思われますか?
    〇〇という理解でいいですか?
    もう少し具体的に教えてもらえますか?
    そのような問いかけで、ここを丁寧に解きほぐす必要がある!

    もう一点は、「顧客の声をきくこと」
    うちの商品は~、みんな言ってるから~、
    世の社長はよく、一人のお客さんが言ったことを1,000人くらいが言っているように話す。
    それって本当にお客さんの声ですか?
    何人言ってます?
    実際聞けませんか?
    どうやったら聞けますか?
    聞いてみませんか?
    ここの事実確認を丁寧におこなうことで、より良い商品開発につながります。
    この2点が世に出て、共通認識として多くの人が持てるだけでも、星4つ!!

    ↓メモ備忘録

    ブルーオーシャンの土台は、バリューイノベーション
    コストを下げながら、価値を高める

    新市場を見つける、とともに、新しい需要も掘り起こす

    戦略キャンパス、既存市場の分析、7要素位ピックアップして
    価値曲線を描く

    ①メリハリ②高い独自性③訴求力のあるキャッチフレーズ
    の要素追加が必要

    4つのアクション(減らす、取り除く、増やす、創造する)

    イエローテイル(アメリカのワイン)、飲みやすさ、選びやすさ、楽しさ意外性、の3要素を追加した
    タンニン、深み、熟成の要素は思い切り削った

    代替産業に学ぶ、レストランと映画館は、「外出して楽しい夕べを過ごす」という同じ目的がある

    機能志向と感性志向をチェンジする
    スウオッチ→機能を感性に(ファッション性追加)
    QBハウス→感性を機能に

    ☆思いつきや直感から生まれた奇想天外な事業アイデアを試行錯誤で実行しても、実りはない

    ☆目を覚ます、変える必要性を丁寧に認めてもらう

    顧客以外の層に目を向ける、キャロウェイ→ゴルフは難しそう→ボールに当てやすいビッグバーサを開発
    最大のヒントは、非顧客層に潜んでいる

    ☆価格設定、形態の最も近い製品やサービスを参考にする

    ☆思うように売れない、顧客に会って心の声を聞くのが重要

    ☆レッド・ノーズ・ナイト
    哀れみなど捨て去ろう。大切なのは、世の中を変えるために楽しみながらお金を集めることだ。

    事業パートナーとの意思疎通の重要性
    ナップスターは「レコード会社なしで発展する、と喧嘩を売ってしまった」

    ☆コア事業以外の分野に進出しなくてはならない、という誤解

    できる限り大きな需要を取り込みたい

  • 色々なことに応用が効きそう
    ブルーオーシャンは見つけるのではなく作り出すという考え方が良かった

  • ・ライバル企業に対して優位性を取ろうとすればするほどライバル企業との差異が小さくなっていくという矛盾がある

    ・コストを下げて、価値を上げることで競合を寄せ付けなくなる

    ■戦略キャンバス
    ・既存の市場についての現状を把握する
    ・競合が何を売りにしているか
    ・競合の顧客は何をメリットに感じているか
    ・価値曲線(価格、デザイン、味等の要素でどこに力を入れているかの比重)
    ・差別化や低コスト化は従来の考え。代替産業(ワイン業界でいうビールとか)、や非顧客層(ワインを飲まない人)を分析する

    ■4つのアクション
    ・業界常識として定着してるものの中で取り除くべきものは何か(供給側のコスト減)
    →必要ないのに当たり前すぎて気づいていないもの

    ・業界標準より思い切り減らすべきものは何か
    →競合を意識しすぎて不要なものを入れてないか(供給側のコスト減)

    ・業界標準より思い切り増やすべきものは何か(顧客の価値向上)
    →少なすぎて顧客の不満になっているものはないか

    ・今までて影響されていなかった創造すべき要素は何か(顧客の価値向上)

    ・価値曲線にメリハリがあり、独自性があり、分かりやすいキャッチフレーズのあるモデルがブルーオーシャン戦略の基本

    6つのパス(アプローチ)
    ■代替産業パス
    ・映画館とレストランは全く別物に見えるが、「2時間くらい時間潰す」という目的では代替関係になりうるので、代替産業の戦略を部分的に真似したりするべき
    →売り手側(映画館)からしたら競合の映画館しか意識せず、レストランとか他の代替関係を軽んじる傾向が非常に高い

    ・顧客が代替産業と自社を比較するときに決定打になるのは何か考えるべき

    ■他の戦略グループの戦略をみるパス
    ・高級カーと軽自動車では同業界だが戦略が異なる。そう言う場合も他の戦略を分析し、顧客はどのように選択するのか考える

    ■他の買い手グループをみるパス
    ・製薬会社の場合、注目する書いてグループは医師だが、患者に注目するなど、他の書いてグループに注目できないか分析する

    ■補完財・保管サービスのパス
    ・顧客が自社サービスを使うときの文脈や前後の流れを分析する。
    →映画館ならそこにたどり着くまでに駐車場や子供を預けるためのベビーシッター手配などがあり、補完サービスが実は影響している。けど誰もそこは自分たちの責任ではないと軽視している

    ■感性思考と機能思考のパス
    ・美容院ではマッサージとかドリンクのサービスとかおもてなし(感性思考)がされてるが、髪を切りたいだけの人にとっては不要。
    →感性思考が強いところは機能思考を取り入れてみる。逆に機能思考が強いところは感性思考を取り入れてみる

    ■将来を見通す
    ・違法音楽DLが流行ったことから音楽の電子データ化流行を先読みしたiTunes


    ・顧客のセグメンテーションにこだわりすぎす、新旧の顧客で共通点がないかなども探してみる

    ・非顧客層には3グループある。
    →1:淵にいる状態で、いつでも使うのをやめようと思ってる客
    →2:あえてそのサービスは使わないと決めた客
    ここの2つに関しては、客の共通の不満を分析して、解消するべき

    →3:そもそもサービスを知らない客
    一番無視される存在。


    ■ただのアイデアから商用のビジネスモデルへのチェックポイント
    ・買い手にとって効用があるか
    →顧客経験のサイクルを意識すること(使用ばかりが注目されがち)
    ・購入(すぐ買えるかとか)
    ・納品(簡単に梱包を解けるか、すぐ使えるか)
    ・使用(使用に知識はいるか、無駄な機能がないか)
    ・併用(他の部品が必要か、その場合それは手に入れやすいか)
    ・保守管理(簡単か、外部委託できるか)
    ・廃棄(楽に廃棄できるか、コストがかかるか)

    ・手の届きやすい価格か
    →映画館とレストランみたいに同業界でなく代替産業の価格を参考にする
    →業界の密集価格帯(平均ゾーン)で決める。(真似されやすい事業の場合はその中で少し安めにする)

    ・利益が出る水準でコストを下げれているか
    →業務オペレーションの合理化(仕組み化)、アウトソーシングなと

    ・実現までの障害、ハードルに対して対策をとっているか


    実行に当たっての自分の組織を巻き込んでいく方法みたいなのは一旦いらないので飛ばす(組織マネジメントとか評価とか)

    ・ライムワイヤーとiTunesでは整合性の有無で違った。iTunesはレコード会社とwinwinを目指したが、ライムワイヤーたちはそもそも違法だし、レコード会社を敵に回し、長く生き残れなかった。

    ・ブルー・オーシャン戦略を実践すると、遅かれ早かれ模倣者が現れるので、模倣されにくさ、いつ模倣されるかを事前に分析しておかないとだめ

    ・マーケティングとブルー・オーシャン戦略は同一ではない。後者はパートナー会社や組織内外のwinwin等実行に当たっても考慮されていることを忘れない

  • 大企業向けの戦略かと想像していたが、個人レベルでマーケティングを実践するにおいても、ヒントとなる部分が多々あり、読んで損することはないと感じた。

  • ワークマンの躍進の本関連でのチョイスだったが正にワークマンの戦略を詳しく書いてあった。きっとワークマンの土屋氏はこの本も読んでいるのではないだろうか。

    ブルーオーシャン戦略というとまだ誰も手をつけたことがない市場を見つけ出すという発見の要素が強そうだが、この本を読んでどちらかというと未開拓の市場を創るというイメージを持った。
    この本で様々な事例が載っていたが私の頭に浮かんだのはスーパー銭湯アイドル純烈だった。普通は売れるはずがないグループが見せ方や市場を変えたことで紅白まで出場できるようになる、正にブルーオーシャン戦略だったのではないだろうか。

    この本にはブルーオーシャン戦略を成功へと導くため、組織について等、経営についても触れられているが個人的には、ブルーオーシャン戦略をつくるには!という部分に集約されるともっと読みやすく、理解しやすかったように思う。

    自分の会社はニッチな産業だが元々ニッチな市場であっても創意工夫により広大なブルーオーシャンへと変化する可能性も感じたので自社でもブルーオーシャン戦略を考えてみたいと思う。

  • 「世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた(KADOKAWA)」
    に紹介されていた本の中で面白そうだったので読んだ。

    一定の市場空間の中で競争をするよりも、
    市場の構造や境界を変えて、競争を無意味にする
    というのがブルーオーシャン戦略の核心。

    この戦略を知っているだけで、より広い視野で問題解決や意思決定をできるようになると思う。価値とコストのようなトレードオフになりがちな関係のものも、市場構造を変えることで両方を満たすことができるという考えは大事。可能性が広がる思考の仕方、考えである。

    今後社会人として自分の価値を高める戦略を練る上で、同期や社内の競争だけに目を向けるのではなく、ブルーオーシャン戦略をとるのも手かも。

    この戦略をビジネスで使うのはかなり先になる気がした。

  • 考え方「競争よりも新規市場の創出を重視して、競争を無意味にしよう」
    ブルーオーシャン戦略の基本フレームワークは、バリューカーブを使った戦略キャンバスを描くことであり、何かを取り除いたり、付け加えたりする事を他社とのベンチマークで考えていく。そのなかで、自社のターゲット領域の周辺を代替案やそこに使われるコストなどを考えて、境界を引き直すアプローチが必要。

    初版がでたころにブルーオーシャン企業として挙げられている企業も現在の姿から考えると、追い付かれてレッドオーシャン化しているものや、淘汰ないし自然消滅に近いものもある。

    本書の中では、戦略をたててから実行に移す際の組織内部での注意点として根回しや、公正なプロセスに関する記述も多い。新版では、増補が行われており、例えば境界を引き直すといっても基幹事業以外に行かなければ行けないと言ってるわけではないとか、先進テクノロジーが必須という訳ではないとか、低価格・低コスト、差別化など、これまで言われてきた事と同じと一括りにされることに対して、解説が入っている。

    実務として、このブルーオーシャン戦略を取れる読者は多くないと思うが、投資家として企業を見る目を養うと考えると、色々な示唆がある。要は、事業ポートフォリオを定期的に見直している企業と言える。結果が出せるのは素晴らしいが新たな取り組み自体をしているのか否かが企業の姿勢として重要。

    ブルーオーシャン戦略は、バリューイノベーションを”継続的”に行う必要がある事が、アップル社の例から明らかであり、そのアップルは、iTunesによって作ったブルーオーシャンを2019/6時点のニュースによると閉鎖するらしい。ただ、閉鎖するだけなのか次の一手が有るのか期待が高まっている。また、本書の中ではマイクロソフトの苦境が書かれていたが、サティア・ナディラをCEOにしてからのマイクロソフトは、事業ポートフォリオを見直し、戦略として強みのあるオフィス製品をテコにクラウド対応にフォーカスし、復活した感がある。

    ある特定の領域のみでブルーオーシャン企業として生き残るのは、競合が出ないくらい旨味が少ない領域か、株式公開していないか…
    日本の老舗企業も失敗を許容しつつ、どんどんチャレンジしてブルーオーシャンを作って世界と戦えるようになってほしい。

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著者プロフィール

W・チャン・キム(W. Chan Kim)
韓国出身。INSEADブルー・オーシャン戦略研究所(IBOSI)の共同ディレクター。主な著作に『ブルー・オーシャン戦略』、『ブルー・オーシャン・シフト』。
米ミシガン大教授などを経て現職。欧米、欧州連合(EU)諮問委員、世界経済フォーラムのフェローなどを務めており、“Thinkers 50”(世界で最も影響力のある経営思想家)の第2位に選ばれている。

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