会社のITはエンジニアに任せるな! ―――成功率95.6%のコンサルタントがIT嫌いの社長に教えていること

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著者 : 白川克
  • ダイヤモンド社 (2015年12月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478067581

会社のITはエンジニアに任せるな! ―――成功率95.6%のコンサルタントがIT嫌いの社長に教えていることの感想・レビュー・書評

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  • D3

  • 基幹システムの刷新を経営層に提案する際に費用対効果がどうしても出せずに悩んでいたところ、本書に出会いました。
    結論から言うと、まさにこうした悩みに応えてくれる内容が詰まっており、大げさではなく先の見えない道に一筋の光明を見出した思いでした。

    IT部門の人間にとって、経営層や業務部門のITに関する誤解や理解不足をひとつひとつ「ほぐしていく」作業は非常に骨の折れるものですが、本書で紹介されている「プラント型IT」「ツール型IT」という分類を念頭において会話をすることで、相手の課題解決に本当に必要なITが何なのか掘り下げることが可能となります。
    「あ、この人(部署)はいまツール型ITの話をしているんだな」といった具合です。

    IT部門のあり方に関する考査も同様で、当面は維持発展型でいくのかそれとも新事業創出型を目指すのか、現状の認識と今後の方向性を考える際に参考になります。

    「熱海の旅館」や「遷宮」など、分かりやすいたとえ話が全体的に散りばめられています。経営層と話すときにフレーズをそのまま引用できると言っても過言ではありません。

    最後に、エンジニアの力量を生かすも殺すもその技術の「使い方」次第、というのが私の考え方ですが、本書に書かれているとおり、すべては経営層の覚悟と優れたITリーダーが生まれるか否かにかかっていると改めて実感しました。

  • 自社の業務や経営から切り離されたツール型ITと自社の業務や経営と密着あるいはそのものであるプラント型ITに分けて、そのプラントITを構築する際の失敗や高コストなどの問題点を提示しその解決方法をそう簡単にできないことも含めユーザ企業に向けて指南する。ITは会社の武器、伊勢神宮の式年遷都型のシステム開発、費用対効果がわからないことこそ経営判断、全社戦略に先んじてITビジョンを明確に、などが印象に残った。やや自社自慢が鼻につくところもあるが、ユーザ企業の成功はSIerの成功でもある。ここまでユーザ企業を説得するのもかなり難しいですが、一読の価値有りです。

  • あるある通り越して、この会社と酒飲んで語りつくしたい。

    著者の白川克氏は、「燃えないITプロジェクト」のコンサルをやっている人。
    これは業界の人でないとその重要さがわからないけど、ITプロジェクトってほぼ失敗するんです。

    その主要な原因は、その難解さや、実体のないわかりにくさもあるが、一番根深いのは「世の中、ITへの理解が進んでないから!」と言わざるを得ない。

    この本では、ITはもはやビジネスに欠かせないよね、ITを使いこなさないと競争に生き残れないよね、だからITは避けて通れないんだよ、ちゃんと向き合おうね、という論調ではじまる。

    そして、ITを導入するのって、それはそれは大変なんだ、素人がやろうとすると大抵失敗するよ、この本では必要な心構えと失敗しない方法を教えてあげるね、というわけだ。

    あっしもITエンジニアなので、「ITプロジェクトは燃える」という主張には激しく同意。
    著者は、その確率を70%としているが、あっしの経験では90%といったところ。
    それぐらい、よく燃える。いえーい。

    ITは、あっしら世代(1970年代生まれ)に突然舞い降りた強力な武器だ。
    それまで年功序列で役職がつき、偉ぶっていた一回り上の世代に対して、立場が逆転したのだ。
    「あのー、○○くん、Excelのここ教えてくれる?」
    まさに革命なのである。

    そんな上の世代が経営者になると、どうなるか?
    んっまー、めんどくさいことしかありゃしない!!
    ITはわからない、しかしカネは握っている。
    説得するのにどれだけホネか!

    ITが重要なのは、言われなくてもわかってるわけですよ。
    なんせ革命が起きてるんで、嫌でも耳にしているわけで。
    だからウチもIT化だ!なんて社長のもっともらしい一言で、じゃあ今期やりましょう、おまえやれ、なんてことになる。

    問題はそっから。
    具体的な話になると、一向に話が進まない。
    「なぜそんなにコストがかかる?」「効果はあるんだろうな?」「コストが下がります?コスト削減には限界がある!利益を追求しないでどうする?利益は無限だ!!」「これで利益があがるわけではない?なぜだ!?」

    ケツだけ決まって、進まない構図。
    あるよねー、あるある。カンパーイ!!

    いちお冷静に、外的要因、内的要因を考えると、
    ・経営者のITへの理解がない
    ・経営者に説得する人の説明がヘタ
    ということになる。

    前者は制御できないんで、もうしょうがない。
    問題は後者。
    これには、ハイなレベルのテクニックが必要。

    承認フェーズをクリアしても、プロジェクトをスタートさせた後も気が抜けない。
    実行フェーズもあるある満載だが、レビューが終わらないのでやめておく。

    業界の人間は、燃えるプロジェクトを経験しながら、その術を身につけていくのである。
    そのテクニックが満載、という本になっている。

    実際には、この本を読んだくらいでは成果は出ないと思う。
    それぐらい、ITプロジェクトを成功させる、ということは大変なことなのだ。
    やれるものならやってみろ、という思いがあるから、著者も自分のノウハウを惜しげもなく出していると思う。

    ITはもう、人によってはアレルギーになってるんで、しょっちゅうアナフィラキシーショックを起こすんです。
    それがある意味、IT黎明期を経験したあっしら世代にとっては今でも食い扶持になってるといえるんだけど、そんな人たちとは正直関わり合いたくはない。

    著者も、よくそんなコンサルやってるな、と関心する。
    需要があるのは間違いないので、お好きな方はオススメです。(オススメはそっちかい)
    きっと一生、仕事ありまぁす!

  • ■書名

    書名:会社のITはエンジニアに任せるな! ―――成功率95.6%のコンサルタントがIT嫌いの社長に教えていること
    著者:白川 克

    ■概要

    「会社にとってITとは何か?」「どうすればうまく使いこなし、利益
    の源泉にできるのか?」「10年後をにらんで、どういう手を打つべ
    きか」―こうした疑問をコンサルタントやITベンダーに丸投げする
    ことなく、自分でも考えられるようになる一冊です。
    (From amazon)

    ■感想

    最近よく読んでいるプロジェクト管理/コンサル系の本です。

    この本をユーザ側の経営幹部/プロジェクト責任者が読んで納得する
    だけで成功プロジェクトの数は飛躍的に上がるでしょうね。
    それぐらい、ユーザ側には受け入れがたい事実が記載されています。

    ですが、本当に残念ながら、この本だけではユーザ側の経営層はと
    もかく業務部の人間には響かないでしょうね。
    響くとしたら、新人か2年目まででしょう。
    業務部の人間で仕事に慣れている人は、自分の仕事がどういう目的
    でこの方法が本当にいいのか?なんて考えません。
    言われたことを言われたままやるだけで、基本ロボットにとって
    変わられる可能性がかなり高い業務となります。
    勿論イレギュラーな業務も多々ありますが、それだってイレギュラー
    をレギュラーかしてしまえばいいだけの話ですから。
    凝り固まった人間がそもそもこういう本を読む事はないですが、読んでも
    まあほぼ無駄でしょう。
    結局業務部を動かすには本ではなく徹底的に話して協力を依頼するし
    かないという感じです。

    あ、業務だけ書きましたが、経営層でも理解できるのは半数いればいい
    方だと思います。
    でも普通、経営層のレベルであれば、ここに書いてある内容理解して正当性
    があると判断できると思うんですけどね。

    この本はユーザ側読んでもらうためこのよう書名にしていると思い
    ますが、ベンダ側が読んでも非常に参考になると思います。

    まあ、結局ベンダ側がやることがこのコンサルタントがやっている事と同じ
    事になるわけですから。
    ユーザの文句を言う前に、ユーザの思考回路、論理体系を理解してユーザ
    と妥協点を見つけていかないといけないな~と感じます。

    書いてあることはベンダ、エンジニアから見れば100%正しい事だと思い
    ますが、ユーザ側からみたら「は?何言ってんの?」という感じでしょうね。
    IT特有の難しさは、ITの内部にいないと分からない部分が大きいですから。

    結局、「ユーザ側の参加者意識の高さは肝である」というのはどの本でも
    言っている事で真実です。
    ベンダから見ると「何で自分の会社/業務の事なにそんなにベンダに無責任に
    押し付けられるんだろう?後で困るの自分たちなのに・・・」というのは
    新人の時に誰もが感じる事ですからね。

    お互い分からない部分があるのだから、そういうの話せる人間関係を作り
    全員で参加するプロジェクトを作っていく必要があるという事です。

    面白いですが難しいものです。

    ■気になった点

    ・経営幹部、業務担当、ITエンジニアが協力しなければITプロジェ
     クトは成功しない。

    ・ITを作る前に将来の業務の姿を描くこと。

    ・ITプロジェクトは失敗するのがふつう。
     それを成功させるには、経営幹部、業務担当、ITエンジニアが協
     力しなければいけない。

    ・悪い報告を聞いた側は決して怒ってはいけない。
     怒られた側は次から報告しなくなる。

    ・曖昧さはITの敵。

    ・日本企業で問題なのはみんな衝突から逃げる事だ。

    ・立場が違えば意見も違う。衝突は当然である。

    ・やりたいこと、欲しいものを明確にする。

    ・現状踏襲で何も変えようとしないプロジェクトはたいてい失敗
     します。

    ・役員は部門間の対立を解決するために本来は存在する。

    ・プログラムは思った通りに動かない。書いた通りに動く。

    ・ITエンジニアは「コストを下げても誰にも褒められないが、一つ
     でもトラブルを起こすとこっぴどく叱られる」状況にいつも置かれて
     いますので、当然、それを考慮しコストを高くします。

    ・「こんなに投資したので今さら中止できない」というのは思考停止
     です。本当に今後続けていくと黒字になるのか、中止にした方が
     長期的に得なのかを経営層が徹底的に議論して判断する必要があり
     ます。

    ・経営のスピードは、プロジェクトリーダーの数で決まる。

    ・社外の人間(SI)にプロジェクトリーダーは務まらない。
     SIはプロジェクトを効率的に進め終了させることを目的とする
     ので、お客様社内の経営視点を基準に物事を判断、調整する
     ことが出来る人は少ないです。

    ・ITは道具ではなく、工場(身体で言えば血管)と同様です。
     だからこそ、経営層の参加が不可欠なのです。
     工場を作るのに建築屋だけに任せる会社はないでしょう。
     ITも同じでIT部門だけに任せていても、会社に必要なITは出来ない
     のです。

    ・技術の継承(PLの育成のため)のために、ITシステムの更改をする。
     (ITレベルや業務レベルは変更しない場合)

    ・効果が数値で示せるならば、社長が判断する必要はない。
     数値で示せない部分を考慮して判断するのが経営幹部の仕事。

    ・プラント型ITはビジネスそのものでありあってあたり前でなくて
     は困るものです。「あるといくら儲かるか」よりも「なくても
     ビジネスは回るのか?」を問うべきです。

    ・いつまでに誰が何をやるを明確にしないと組織は動かないのです。

    ・「俺10年後には会社にいないから」と長期の視点でものを考える事
     を放棄している幹部が多いのも事実です。だから、部長、課長がITの
     長期構想を考え、経営層に提案していくことが必要です。

    ・経営目線の成功プロジェクトを作れるかは、経営幹部次第です。
     悔しいですが外部コンサルタントではそれが出来ません。

  • ITをツールとプラントに分けて、プラント型に対する筆者の考察が述べられている。会社の基幹となるシステムに対して経営幹部の関わり方の重要性がよく分かる。ただ、この本は入門書のためエンジニアの話を理解するにはもうワンステップ必要になってくると思う。

  • 会社のITはエンジニアに任せてはいけない。プロジェクトリーダー型の人材(一般にアーキテクトもしくは設計士と呼ばれる人たち)を、コンサルの力を借りて育て、任せろ!という主旨だろうか?

    企業のITをツール型とブラント型に分類するのは著者独自の視点・持論だろうか?使えるフレームワークと感じた。

    対象読者はCIOを支えるIT部門だと思う。

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