金融に未来はあるか―――ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実

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制作 : 薮井 真澄 
  • ダイヤモンド社 (2017年6月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478068403

金融に未来はあるか―――ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実の感想・レビュー・書評

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  • 「金融に未来はあるか」は実体経済に対して以上に発達しすぎ、投資銀行同士でお金を回すことで彼らが不当に利益を得ており、投資対象への目利きは劣化し、投資家や企業がないがしろであることを指摘する本です。

  • 原題は、『他人の金』w

    金融機関が、今、なぜこうなっているのか?についての考察が書かれていたが、面白かったのは、冒頭にある「雄牛の寓話」。

    雄牛の品評会の体重当てコンテストから、推計値平均が実際の体重に近い事を発見、後年、秤が壊れた主催者は、平均を答えにしようと考える、ズルがないようにプロセスが厳格化され、雄牛の生育についての情報公開、アナリストが出てきて、更に頭が切れる連中が、雄牛の状態を把握することには意味が無くてコンテスト参加者がどう推量するかを正確に見定める事だと言い、老農夫バフェットが不満をいうが、田舎もんと馬鹿にされる。バフェットの牛は丸々と肥えて良い牛なのに。 そして、雄牛の体重評価をめぐる規則を決めるための国際基準が作られ… 雄牛の体重を当てる人数がいなかったり少ないケースにもシカゴ大学の数学者たちが計算モデルを開発、他の推計値から計算が出来るようになり、畜産学についての知識は無用、強力なコンピュータさえあれば事足りる様に…
    更に、体重当てのプロや推計の精度を上げられるようにアドバイスする顧問など一大産業が出来上がっていた。秤を直した方が安上がりなんて言える雰囲気はもう無く、これほど大勢の賢い人々の知恵を結集し恩恵にあずかれるのに?と。そして、雄牛は死んだ。誰もが餌やりのことをすっかり忘れてたから。


    内容的には、金融の世界にいる人ならすっと入ってくる内容なのかもしれないが、門外漢からするとちと歯ごたえありだった。雄牛の寓話を詳細に追いかけて行く流れ。

    そして、以下の一文。
    「今日の預金、投資チャネルはどちらも、よほど腕に覚えがあって財布の紐の固い貯蓄者ではない限り、満足のいく実質リターンを得られない仕組みになっている。」


  • 金融危機からはや10年。第Ⅰ部は金融業界の異常性をゼロベースで再検証する意義はあろうが散々使い古されたテーマだけに陳腐さは否めない(原著は2015年刊行)。こうした書籍のような自己反芻をしても、金融マンとその仲間たち(象牙の住人も含む)は再びバブルを引き起こし活況のなか世界経済を崩壊させる過ちを繰り返すのだろう。そうした観点で捉えると、本書は金融経済誌で幾つかA book of yearを獲得しているものの金融業界の免罪符的スタンスに思える。

    第Ⅱ部・第Ⅲ部の金融の役割と提言は興味深い。結局は世界経済を崩壊の危機に追い込んだ投資銀行は、本質的な必要性はなく我々は決済機能のみ望んでいることを浮き彫りにしている。ジョン・ケイ氏の語るところを見るとトレーディング業務で自己肥大化していった金融機関はToo BigではなくToo Complexであることがよくわかる。

    本書自体は金融危機を起こした金融の非常識や不毛な複雑性を真摯に解きほぐして分析している良著ながら、当方が平行して読んでいるタレブ氏の『反脆弱性』のほうが分析に切れ味があり面白い。(タレブ氏自身も本書を絶賛)

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