チームのことだけ、考えた。――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか

著者 :
  • ダイヤモンド社
4.17
  • (109)
  • (104)
  • (44)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 1086
感想 : 107
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478068410

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • チームや個人としては在り方、理想とチームからの共感、ここから逆算されたチームや組織づくりの考え方を学んだ。
    理想やビジョンにどれだけ熱くなれるか、覚悟を持って取り組めるかなど、自分自身のこれからの理想や在り方についても見直していきたい。
    理想の未来の中を生きているなと強く感じられた。

  • チームのことだけ、考えた。――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか
    著:青野 慶久

    本書は、「サイボウズ」という会社について書かれたものである。サイボウズは、1997年に3人で創業された会社で、「グループウェア」という情報共有ソフトを開発している。中小企業から大企業まで業種を問わず広く利用されており、日本ではトップシェアである。

    著者は、サイボウズというチームを通じて、その変化を引き起こしたいと考えている。チームワーク社会はこれから始まる。グループウェアはチームワーク社会のインフラとなる。これから社会に発生する無数のチームワークを支えていくことを改めて決意している。

    構成は以下の6章から成る。
    ①多様化前のこと
    ②共通の理想を探す
    ③会社のインフラを作る
    ④多様性に対応した人事制度
    ⑤制度を活かす風土を作る
    ⑥多様化の成果

    2015年に記された本書。多様性を当たり前に受け入れないといけない今の時代より10年近く前からしっかりと考えられるだけではなく、組織として運営されているその凄さにまず驚いた。

    サイボウズという企業の多様性への対応についてきれいごとだけ書かれているような会社の宣伝本ではない。社長を含めた社員の方の奮闘記が記されている。

    あらゆる制度の取り組みに対しては、光と闇も描かれており、そしてその闇への対処法や社長としての赤裸々な考え迄もが展開されている。

    希望を満たす中での緩さへの対応であったり、権利と義務の関係性迄もが代表者の視点で企業の落とし込み迄が惜しげもなく実例と共に紹介されている。

    読み物としても最高であり、多くの企業・組織がこれから対峙しなければいけない事象についていち早く経験しそれを公開している素晴らしさを感じる。

  • 流行に乗っただけの表面的なダイバーシティや多様性を謳う企業が多い中で、失敗を繰り返し本質を考え続けて出して答えは迫力が違う。

    心に残ったところメモ。
    仕事では何より先にコンセプトを明確にする事が重要。
    コンセプトとはターゲットと価値。つまり「誰」に「何」と言わせたいか。
    今日は◯◯さんに、◯◯と言ってもらえる提案を持ってきました。

    モチベーション3点セット。
    やりたいこと、できること、やるべきこと。
    これが揃ってる時がモチベーションが高い状態。
    コントロールできるもの。

  • 成長を目指さなくて良い。
    うむ。

    新自由主義に対する言論が増える今、あって良い会社だな、と思う。

    課題図書。

  • いまの同社の姿が、変化の結果であること、
    否変化の過程であることがわかる。

  • ●「覚悟」には大きく二つの意味がある。
    1.リスクを受け止める心構え
    2.あきらめ

    理想を実現するためならどんなリスクも受け止める
    理想以外の全てを諦めること

    ●チームワークがいい状態
    「効果」「効率」「満足」「学習」の4要素が全て揃っている状態のこと。

  • 働き方で有名なサイボウズ。様々な革新的なサービスを生み出す上で、人材が何よりも大切であるとわかる本。ブラック企業と呼ばれるような組織は、人件費をコストとしか考えていない経営者も多い。参加する人の適性が最も発揮できる形を作る投資が、結果的に利益を生む

  • 著者の講演会に参加して、そのお話しのあまりのわかりやすさと凄さと面白さに魅了されすぐ買ってしましました。しゃべり口調が関西弁であることの影響か、講演はぶっちゃけ感あふれるフレンドリーさが溢れていましたが、本書ではもうちょっと気づきのストーリーと整理が冷静にされていて、この順番で著者の考えに触れられたのはよかったと思います。まあ本だけでもじゅうぶんにエンターテインされてしまうはず。9月23日にオンエアされたNHK BS1『欲望の資本主義 特別編「生き残るための倫理」が問われる時』ではコリン・メイヤーって先生が「企業にはパーパスが必要だ。」ということを威厳を持って語っていましたが、サイボウズの「チームワークあふれる社会を創る」というビジョンは、まさにパーパスそのもの。そういう揺るがないものが、コンサルっぽい上から目線じゃなくて日常の現場の倒けつ転びつから生まれているのが、凄いところ。小さなところでやってみる。うまくいかなかったら直していく。楽しそうに語るけど、それを自分事にするのは実はとても大変なのだと思います。それを続けて今や株主総会はファンクラブの集い、みたいだなんて。日本の宝物のような会社。だからこそ「利益は人件費を払った残りカス」(伊那食品工業塚越寛会長の言葉)で乗り切り続けられるか?社長が創業者でなく、関西弁でベタにコミュニーケーションできる人じゃなくなった時、サイボウズはどうなるのか?まだまだサイボウズの冒険は続くのだと思います。なお本書を読んで、なぜ青野社長が夫婦別姓の訴えを起こすのかもよくわかりました。

  • 選択と集中を実行して成果を出したことがよく理解できた。

  • p.54〜 グループウェアに絞った経緯や理念の話。超熱い。

    p.42 頑張るのと命をかけるのではレベルが違う。私はこれから真剣に取り組む。社長としてこの会社の成功に命を懸ける。失敗したら死んでも良いと覚悟を決める。そう考えた途端、気持ちに迷いが無くなった。

    p.51 人は理想に向かって行動する

全107件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

サイボウズ株式会社代表取締役社長。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。総務省等における働き方変革プロジェクト外部アドバイザー、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会副会長を歴任。選択的夫婦別姓の実現を目指して、2018年1月、国を提訴(ニュー夫婦別姓訴訟・原告)。
著書に、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社、2015年)、『「選択的」夫婦別姓──IT経営者が裁判を起こし、考えたこと』(ポプラ社、2021年)など。

「2022年 『選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青野慶久の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×