孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術
- ダイヤモンド社 (2017年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478100950
作品紹介・あらすじ
仕事のスピードと結果は、PDCAの回し方で決まる--仕事がうまくいかない、時間がかかってしまう、その問題がすべて解決するソフトバンクの仕事の技術を集大成。ソフトバンクの人は何を考え、どう仕事を進めているのか。6万を超える社員が実践する仕事のやり方がすべてのビジネスパーソンの仕事を加速させる。
感想・レビュー・書評
-
興味深かった!
孫さんの仕事振りをPDCAの観点で分析して、解説してくれている本。
PDCAの話ならば冨田和成さんの「鬼速PDCA」も具体的で実践的でした。
しかし、どちらも実践できてなんぼの世界。
語られている事は似たり寄ったりとしても、それを実践できる人と出来ない人で結果がわかれているのだと思います。
筆者は孫さんの仕事の特徴として
「目標へのこだわり」が異常につよい
目標を達成するために「ありとあらゆる方法」を試す
「数字で厳密に」ためした方法を検証する
「常にいい方法」がないかと探っている
とPDCAに忠実に仕事をしていると分析しています。
その中で、本書のPDCAでの特徴は
毎日の目標を設定し、毎日改善する
同時にすべての手段を試す
結果を数字で厳密に検証する
一番いい方法だけを磨き上げる
といったところだと思います。
一般的にPDCAと言えば、計画しっかり練って、これを実行して、1ヶ月後に結果をチェックして、改善につなげるというイメージですが、本書では高速にPDCAを回すことが、成長のキーとしています。
なので、試せるもの、実行するものは、全て同時に実行する。そのうえで、大きな目標を決めて、それを日々の行動の目標にまで落とし込み、その日々の行動を毎日ふり返り、改善することで、PDCAを高速に回し、集中すべき事柄に絞り込んでいくというスキーム。
これを8つのステップとして解説しています
①大きな目標を立てる(週、月単位)
②小さな目標を立てる(1日が原則)
③目標達成に有効な方法をリストアップする
④期間を決めて、全ての方法を同時に試していく
⑤毎日、目標と結果の違いを検証する
⑥検証をもとに、毎日改善する
⑦一番優れた方法を明らかにする
⑧一番優れた方法を磨き上げる
とりわけ、
毎日の目標と勝ち負けを明確にし、振り返るとか、
期間を決めて、全ての方法を同時に試すとか、
一番いい方法を磨き上げるとか
は新鮮。
一番いい方法を磨き上げるについては「6:3:1の法則」を用いて、リスクをおさえながら新しい施策を取り入れていくとのこと。
これらを実践している人だけが勝ち残れるんだよなぁ..詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【感想】
「ソフトバンクってそんなに厳しいの?」っていうのがリアルな感想。
PDCAって素晴らしいメソッドの反面、凄まじい拘束力のある「悪魔の契約」だと思う。
まぁ、だからそのサイクルを回しきれていない人が世の中におおいんだろうけども・・・
スピード感と、二の足を踏まないチャレンジ精神が必須なんだと思った。
勿論、それに至るまでの計画も必要だけど。
「まずはやってみる」というチャレンジ精神とフットワークの軽さはどの会社でもMUSTだろう。
あと、正直厳しいが、1日ごとにPDCAを1回転させてAdjustする事も確かに大切だな。
1回転させないにしても、振り返りと改善の時間を設ければ、確かに成長するだろう!
とは言え・・・
この本のことを全て実践するとなると、正直仕事人間になってしまうだろうな。
Softbankに入社しなくて良かった。孫正義の部下じゃなくて良かった。
【内容まとめ】
1.高速PDCAの内訳
「PLAN」
①大きな目標を立てる(週・月単位)
②小さな目標を立てる(原則1日)
③目標達成に有効な方法をリストアップする
「DO」
④期間を決めて、すべての方法を同時に試していく
「CHECK」
⑤毎日、目標と結果の違いを検証する
「ACTION」
⑥検証をもとに、毎日改善する
⑦一番優れた方法を明らかにする
⑧一番優れた方法を磨き上げる
2.SoftBank三原則
①思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する。
→スピード重視!まずはチャレンジ!そして得た目の前の結果を元に分析し、戦略を立て直せばいい。
②1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する。
→毎日必ず自分の仕事を振り返り、毎日改善していく。
③目標も結果も数字で管理する。
3.働いていて最もストレスが溜まるのは、「人から言われたことをただやるだけ」という状態。
4.目標は年・月・週よりも毎日ベースで。
毎日の勝ち負けを知る!それは自分が思う以上に大きな変化を与えてくれる!
週に一度、月に一度しか自分の勝ち負けを意識しない人たちと比べれば、その差は歴然です。
5.「6:3:1の法則」
6→1番いい方法
3→次にいい方法
1→全く新しい方法
ポートフォリオ的なもの。
【引用】
・高速PDCA 8つのステップ
【PLAN】計画
1.大きな目標を立てる(週・月単位)
2.小さな目標を立てる(原則1日)
3.目標達成に有効な方法をリストアップする
【DO】実行
4.期間を決めて、すべての方法を同時に試していく
【CHECK】検証
5.毎日、目標と結果の違いを検証する
【ACTION】改善
6.検証をもとに、毎日改善する
7.一番優れた方法を明らかにする
8.一番優れた方法を磨き上げる
自分で考えて、時間をかけずに、予定通りの成果が出る。
p8
・孫正義の仕事の特徴
1.目標へのこだわりが異常に強い
2.目標達成のために、ありとあらゆる方法を試している
3.数字で厳密に試した方法を検証している
4.常にいい方法がないかを探っている
p26
・SoftBank三原則
1.思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する。
→スピード重視!まずはチャレンジ!そして得た目の前の結果を元に分析し、戦略を立て直せばいい。
2.1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する。
→毎日必ず自分の仕事を振り返り、毎日改善していく。
3.目標も結果も数字で管理する。
p52
・高いモチベーション
働いていて最もストレスが溜まるのは、「人から言われたことをただやるだけ」という状態。
社員一人一人が自分で考えれて、日々の成果を実感できれば、前向きに仕事に取り組める!!
→どうすれば取引先のモチベーションを高めることができるか?
p72
ソフトバンクには厳密な本業というのがありません。
「自社が優位性を獲得できる可能性のある新しい市場を探索・選択し、その優位性を確立するためのヒト・モノ・カネ・情報の経営資源を交渉によって短期間に調達し、一気にナンバーワンを目指す」
→新規事業をどんどんつくっていき、その事業を成長させることで企業規模拡大を図る。
p82
高速PDCAでは、いかに多くの方法を試すことが出来るかが重要です。
そのためにはアイデアを豊富に出すことが第一です。
そしてそれを上司や同僚を巻き込んで実行に移す。実行したことを記録し、検証して改善していく。
また、正確な分析も必要!
p89
・ソフトバンクが急成長を遂げたのは何故?
→まず実行を決めている
→目標へのこだわりが強い
ソフトバンクは「実行ありき」です。
他の人がやりたくないことを、誰よりも先駆けてやっただけ。
孫正義「人がやりたがらない笑売ほど儲かるんだぞ!」
p116
目標は年・月・週よりも毎日ベースで。
毎日の勝ち負けを知る!
それは自分が思う以上に大きな変化を与えてくれる!
週に一度、月に一度しか自分の勝ち負けを意識しない人たちと比べれば、その差は歴然です。
p152
「数字で語れない者は去れ!」
どんな報告や相談にしろ、数字に基づいて話せない人間は評価されません。
なぜこの数字で、その理由や原因、そこから見える今後の予測は何??
数字に基づいた分析はMUST!!
p186
・6:3:1の法則
6→1番いい方法
3→次にいい方法
1→全く新しい方法
・メリット
1.成果を確保しつつ、更に上を目指していける。
2.不測の事態、世の中の変化に柔軟に対応できる。
3.新しく試した方法が失敗しても、大きな痛手にならない。 -
2024/01/31読破
一言:数字を使いながら自身の行動を見える化することが大切
感想:著者の本は初めて読みました。(おそらく)もっと自分をブランディングしても良いのにと思いつつ、孫さんの思考の経緯やそれに伴った読者への一助になれば、というメッセージが印象的でした。
普段の行いを意図的に行うこと、数字を用いること、毎日の行動まで落とし込むことを的確に言語化されていて非常に読みやすい本でした。
下記は印象に残ったこと
p133
「上司に失敗と思わせないこと」
→初めから失敗を念頭に置くときは上司へメッセージを伝えておくこと
p139
「マクドナルドしよう」
会議の場で、1stペンギンとして、粗のあるアイディアを出して、会議の場を盛り上げるように発言すること
p171⭐︎
「T字勘定」
お金や資産の流動の考えを「部品」や「商品」に置き換えて考える概念。業務フローで増えたタスク、減ったタスクを考えて行えばどこで業務フローが止まっているかを視認化できる考え。
p193⭐︎
「交渉は相手が自分から望んで寄ってくるような状況を作る」
自分がやりたいことをやり続ける傍らで、実績を出して、論破でもなく、議論でもなく相手から寄ってくるような状況を作り出すことを意識して動いていくと、交渉がスムーズにいく。
これは最近読んだ読書を血肉に変える本の、トップ3人と新人3人を狙ったあとに、中間層が自ら依頼にくるという考えに似ている印象でした。 -
【概要】
①考えられるアイデアをすべて同時並行で行う
②行った内容を細かく分析数値化
③最も結果が出るものにお金と時間のコストを投下
【内容】
当たるか当たらないかの一発勝負ではなく、考えられるすべてのアクションを実行・分析して、最も効率が良いものにコストを投下するので、成功確率が飛躍的に高まる。数字をもとにしているので大きなコストも賭け事ではなく、当てるべくして当てられる。
【こんな人にオススメ】
・細かな数値化の方法がわからない。
・ビジネスの戦略を立てられない。
・ソフトバンクの戦略の立て方を学びたい。 -
毎日、数値的目標を立てて達成したかを評価する。
SWOT分析しても、自社には何も無いという結論が出てくるだけ。よって、実行あるのみ、そして、何も無いのでどうしたら必要なリソースを手に入れられるかに頭を使う。
トップが粗い意見を出すと、部下から豊富な意見が出やすい。 -
良書。ソフトバンクのしごとのやり方がよく分かる。とにかく数値が重要。計画じゃなくて実行。準備じゃなくて実行。
計画を建てるのがすべて、とかいってる会社じゃだめだろう。 -
孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術
著:三木 雄信
PDCAはいい仕事をするうえで欠かせない、目標設定、計画立案、実行、検証、改善の5つのポイントを押さえている。この5つのポイントが、もっと速く、機能的に実行できるようになるのが本書で紹介されている高速PDCAである。
本書は、孫社長のもとで鍛え上げられてきた著者によるPDCAのひとつ上の概念である「高速PDCA」について記されている。
孫社長の仕事の特徴として、①目標へのこだわりが異常に強い②目標を達成するためにはありとあらゆる方法を試している③数字で厳密に試した方法を検証している。④常にいい方法がないか探っている。
その集大成が高速PDCAにつながっている。
本書の構成は以下の7章から成っている。
①なぜ高速PDCAなら超スピードで仕事が片付くのか
②高速PDCAを動かす8ステップ
③月間、週間ではなく毎日に目標を設定する
④ひとつひとつではなく、同時にすべての手段を試す
⑤結果は数字で厳密に検証する
⑥いちばんいい方法だけを磨き上げる
⑦人の力を借りて、もっと早くなる
貪欲でもありストイック。そこがすごくかっこいい。
同じ仕事はできないし、したらぶっ倒れてしまう。でも憧れる。そこまで数字と結果にこだわるからこそ著者と孫社長の今があるのだと思う。
自分の価値観や周りの価値観によりそれが果たして最善なのかはわからない。しかし、本気で取り組んで苦労している様には尊敬の念しかない。果てしない熱量にもっと深く知りたい知るべきだと思った。全ては自分にはできないにしろ不足しているピースを補ってくれる考えを得るに至った。