生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

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著者 : 伊賀泰代
  • ダイヤモンド社 (2016年11月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478101575

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるものの感想・レビュー・書評

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  • 生産性とはなにか→生産性を高めるための仕事の方法としてどのようなものがあるか、わかりやすく例示されている。カイゼンによる生産性向上とイノベーションによる生産性向上は別物であること、付加価値増加とと投入リソース削減による生産性向上も別物であることもわかりやすく解説されていた。



    以下、とくに気になった点。
    ・イノベーションを起こすためには、社員に「問題認識力=課題設定力」と「その問題を一気に解決したいという強い動機付け」をもたらすことが不可欠。そのために大きな役割を果たすのが、「生産性という概念を日常的に強く意識させておくこと」
    ・上司は部下に「資料はよくできている。すばらしい。ところでこれは、いったい何時間かけて作ったんだ?」と問うべき。「次はこのレベルの資料が15時間くらいでできるようになったら1人前だな。そうなったらすごいと思うよ」とほめるべき。
    ・人事考課において、今の自分は1年前の自分からどこがどれほど成長したのかを言語化させ、その成長レベルが十分かどうかという振り返りを行う。目標についても「1年後にはどういう点において、今よりどれほど成長したいか」という具体的な目標を立てさせる。
    ・マッキンゼーでは人事評価の際、その人の「Distinctive」な能力や分野と「Development Needs」がセットで本人に伝えられる。「Distinctive」とは卓越したという意味で、その人の長所、強いところを意味する。一方の「Development Needs」は本人の弱いところを意味する。
    ・多くの人はAかBかという評価ではなく、仕事に対する具体的で詳細なフィードバックを与えられると、きわめて真摯にそれを受け止める。言動や仕事ぶりがポジティブに評価されていると知れば、たとえ報酬に反映されなくてもやる気につながる。反対にネガティブなFBを受けられればそれが給与や役職に影響を与えないものであっても重く受け止める。
    ・「目の前の成果を上げるためには、部下の育成に時間を使うより自分が頑張るほうが早い」と考える人が出てきてしまうが、管理職がそんな発想のままでは、組織の生産性が上がることはない。
    ・「A bad decision is better than no decision」(誤った決断でも何も決断しないよりはマシ)とさえいわれる経営の政界では、「最高の判断をするために数か月も考え続け、その間は何の判断もしない」というのは受け入れられない。
    ・ビジネス関連の英文メールは、その多くが定型化されている。ゼロからビジネスメールを”クリエイト”している人など存在しない。手紙は英語であれ日本語であれ、基本はテンプレート仕事であり、書くのが早い人はその定型文をあらかじめ頭の中に持っていて、正しく使えるだけ。毎回頭を抱え、ウンウンうなりながらゼロから文書を書いているなんて、本当に無駄な(生産性の低い)時間。
    ・「マネージャーの仕事とは、トレードオフが存在する状況において判断を下すこと」だと理解すること
    ・マネージャーの仕事とは、”決断をすること”、”リスクに備えておくこと”
    ・自分で結論を出すことを避け、上司であるパートナーに相談するという選択肢もあるが、ほとんどの場合「間に合わない」「決断が遅くなって問題が悪化する」といった状況に陥る。
    ・RollPlay研修を設計するには、部内で何かトラブルが起こるたびに、「起こったこと」「原因」「どうすれば防げていたか」「対応時のポイント」を簡単にメモしておき、蓄積しておく。その実際に起こったトラブル事例を使って、RP研修を設計する。
    ・完璧主義な人は「中途半端なままで投げ出すのはよくない」と考えがちだが、そういう人は、必要十分なレベルと中途半端なレベルの違いが理解できていない。中には(今回の意思決定に必要かどうかにかかわらず)完璧に仕上げること事態に快感を感じる人もおり、仕事の生産性を落としてしまいがち。
    ・大半の会議の達成目標は次の五つのうちどれか。1:決断すること、2:洗い出しすること(リストを作ること)、3:情報共有すること、4:合意すること=説得すること=納得してもらうこと、5:段取りや役割分担など、ネクストステップを決めること
    ・配られた資料に黙って目を通せば、たいていの資料は2分ほどで読むことができる。冒頭に「今から2分間、資料に目を通してください」と言って住むのであれば、10分かけて作成者の説明を聞くのに比べ、生産性は5倍も高くなる。
    ・「なぜ今日の会議では結論が出せなかったのか」を記録しておくだけでも、今後の会議の生産性を上げるヒントが得られます。
    ・意思決定が必要なタイミングで「場合による」という答えを返してくる人には、「どういう”場合”なら、イエスという判断になるのか?」と、「場合による」の”場合”を明確化させる。

  •  元マッキンゼー社員が、ホワイトカラーにおける「生産性」を上げるにはどうしたらいいか、本質に迫った本。
     日本企業の場合、製造現場における改善が注目されてきたため、ともすると生産性の方向性は「オペレーションの効率化によるコスト削減」ばかりに集中してしまうという。
     確かに、昨今ニュースで取り上げられている「働き方改革」でも、残業抑制や価値を生まない時間の短縮、およびそれに伴うワークライフバランスなど、時間量のものさしで測っていることが多い。

     著者の主張は、仕事が早く終わったという効率面・時間面の事象ではなく、仕事を早く終わらせることができるようになった質的な面、特に「成長」の部分に着目すべき、というものである。読んでいるうちに、生産性とは要は自分自身や組織の成長の結果だということがわかってくる。
     中盤から人材育成や、コンサルの仕事の仕方のようなノウハウに脱線してしまうのだが、働き方改革という言葉になんとなく違和感を感じ、どう取り組んでいいのか悩んでいる人には有益な本だと思う。

  • これまで生産性というものを、気になっていたけれども漠然としたイメージしか持っていなかった自分にとって、まさに目から鱗の著書だった。
    働き始めて数年になるが、自分が今までいかに生産性の低いことをしていたかを認識した。そして、最近になっても生産性が低いことを多々やっていることを恥ずかしく感じた。
    生産性とはよく聞くが、それを漠然と実行している段階では、ある意味思考停止になっている状況ではないだろうか。実際に、具体的に生産性を高めようと考え、行動をして初めて、生産性というものの重要性に気づく。
    自分自身本書に記載のある通り、仕事中は常に時間を計測している。例えば文書作成の場合、目標時間を設定した上で資料作成を行い、時間がかかりすぎた場合はその原因を振り返ってメモしたりしている。ただ、本書ではそんなことと比べ物にならないほど生産性をあげるための多くのアイディアが載っている。
    また、本書には「人を諦めない」という表現が何度も出てくることからわかるように、著者は人間に対して絶対的な期待を持っていることを感じた。ダメな社員は教育してもダメ、一時期自分はそう思っていたことがあったが、それは傲慢の極みであった。評価されていない社員、出世競争から落ちてしまった社員であっても、生産性を少しでも上げることによって会社の役に立つことができる。
    著者の度量の大きさというか、器の大きさを感じた。

  • 生産性に関する本。メッセージが明確でわかりやすく、コンセプトからtipsまで幅広く網羅されている感じ。
    たまたまビジネススクール等で学んでおり、既知の内容が多かった。

    <メモ>
    ・技術分野のイノベーションは知的好奇心や研究中の偶然からも生まれる。ビジネスイノベーションは強い希求心が必要。
    ・モチベーションが下がるのは、自分に期待をしていないと感じた時。現状認識の共有が行われなければ、自分の状況を客観視できず、変わらなければならないと切実に感じることができない。
    ・組織に全く成長しない人たちを多数抱え、成長を諦めてしまったら、組織全体に与える悪影響は計り知れない。反対にその人たちの生産性を少しでもあげられたら、長期的には組織全体の生産性は大きく向上する。その切り札になるのが詳細で具体的な成長支援のためのフィードバック。
    ・一年に一度仕事の閑散期に部門内の仕事の洗い出しと不要な仕事の廃止を行うことを慣習化すれば、様々なメリットがある。
    ・ブランク資料を使えば、資料作成だけでなく、意思決定の生産性をも大幅に向上することができる。
    ・大半の会議の達成目標は次の5つ
    1決断すること 2洗い出しすること(リストを作ること) 3情報共有すること 4合意すること=説得すること=納得してもらうこと 5段取りや役割分担など、ネクストステップを決めること

  • 日本企業に足りないものは「リーダーシップ」と「生産性」であり、そのうち生産性について書かれた本。
    読んでみると、生産性に無頓着な思考の癖に気づかされる。具体例とともに説明してあるため、分かりやすく、実践的である点が良い。

  • 個人としての生産性
    組織としての生産性
    どちらについても触れられていて、広く生産性というものについて考えるために良いキッカケになる本ではないか。
    個人としての生産性向上及び非技術的なホワイトカラー的イノベーションの創出という意味では、
    ①問題認識力=課題設定力
    ②問題を一気に解決したいという強い動機づけ
    が重要であることを知る。
    ・明確な優先順位づけ
    ・迅速な意思決定
    ・スキル向上
    が個人としての生産性を上げるために必要。

  • 『最近よく耳にする「働き方改革」という言葉にも危うさを感じます。経済成長には女性や高齢者、外国人など新たな働き手が不可欠と考えるのもまた、労働投入型の発送だからです。

    長時間労働の是正に関しても、「低い生産性の仕事を長時間、社員に課している企業」と「極めて高い生産性で朝から晩まで働き、圧倒的なスピードで世界を席巻してゆく企業」の違いが理解されているようにはみえません。』

    まぁ、あまり新しいことは書いていないけど、なかなか実践できないことが書かれていて歯痒い。

  • 読んでいて耳が痛い内容である。
    生産性といえば効率化やコスト削減と言った言葉が思い浮かぶが、それはあくまで結果である。それを追い求めるためにかえって長時間を費やすとなると本末転倒。
    生産性の要はアウトプットイメージを持つこと。それに伴った準備をすること。例えば何かを意思決定するのにおいて手ぶらで進める/闇雲に情報を収集するのではなくて、「〜になれば〜をする」というロジックを持ち収集すべき情報もポイントを絞ること。
    完璧な選択肢をいつまでも探し続けるのではなく、リスクに備えた上でどこかで決断することも生産性向上につながる。
    言うは易しで実行するのがまたむずかしいのですが。。。

  • ちきりん氏の「自分の時間を取り戻そう」と両方読んだ。おんなじテーマで、ターゲットを変えて2つの本を出すなんて相当すごいなこの人。
    ロープレ形式の研修を受けてみたい。

  • 2017年15冊目。日々の忙しさにかまけて蔑ろにし続けていた「生産性」。販売業とはいえやはり考えないわけにはいかないな、と決心して読み進めた。
    まずは問題を見誤らないこと、問題解決法を強く求めること。生産性を上げることで自らも成長し、さらに上を目指す。人を活かし、仕事の質を上げ、プライベートを守る。何事においてもキーワードは「生産性」だ。使える資源は限られているのだから、諦めることなく向上を目指そう。

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