幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478102480

感想・レビュー・書評

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  • 出だしは読みやすかったけど、だんだん頭に入らなくなっていった。とりあえず読み切った感。

  • 人的資本、社会資本、金融資本の3つの資本という考え方は参考になりました。

    偏った見方というか腑に落ちない点も多く参考にならない点も散見しました。

    あくまで自分はです。

  • 北欧は個人主義が極限までに徹底されたきわめて特殊な社会。

    本書は、「金融資産」「人的資産」「社会資本」という3つの資本=資産から、「幸福に生きるための土台(インフラストラクチャー)」の設計を提案。


    経済的独立という考え方をはじめて日本人に教えたのは、投資家のR・ターガート・マーフィーとエリック・ガワーの『日本は金持ち。あなたは貧乏。なぜ?』(毎日新聞社1999年)


    筆者が将来の人生について悩んでいたころ、大きな影響力を受けた本『となりの億万長者』(早川書房1997年)トマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコ


    アメリカでは年収7万5000ドル、日本では年収800万円を超えると幸福度はほとんど上昇しなくなることが分かっている。

    お金と幸福度のアンケート調査では、金融資産が1億円を超えると幸福度が増えなくなることが示されている(『日本の幸福度』日本評論社)


    すべての富は差異から生まれる

    例、株式取引で利益を得るのは安く買った株を高く売る。

    『読まなくてもいい本」の読書案内』筑摩書房


    資本主義が人間の欲望によって自己増殖していくシステムであれば、長期的には株式市場に投資することによって、銀行預金や債券投資より多くの利益を手にすることが出来る。


    マイナス金利の世界では、賢いひとは利潤を最大化するために金融資本よりも人的資本を有効活用する、すなわち「動く」


    市場経済の長期的な拡大を前提とすれば、金融資産を株式市場に投資した方が有利だと考えもある。
    そんなひとには、投資対象を選別する費用対効果も含めれば、東証の「上場インデックス世界株式(1554)」に積み立て投資するのがお勧め。

    これは円建てのETF 投資対象が(日本株を除く)世界の株式なので特定の国や企業にリスクを集中させることを避けられるし、円が下落すればその分だけ株価は上がる。証券会社や銀行の店で販売されているファンドとちがって販売手数料は不要(株式の売買手数料のみ)でインデックスファンドなので、運用手数料も安く、海外株に投資する際の円から外貨への両替には大口割引が適用されている。

    「タマゴをひとつのかごに盛るな」の格言を実行するなら、これほどすぐれた国際分散投資の金融商品はない。


    もっとも重要な「富の源泉」は人的資本である。


    人的資本には、金融取引にはないきわだった特徴がある。それが次のルール

    同じ収入なら(あるいは収入が少なくても)自己表現できる仕事がいい。


    私たちは無意識のうちに「働くこと」に2つの目標を設定している。
    ①人的資本からより多くの富を手に入れる
    ②人的資本を使って自己実現する


    新しい働き方を理解するキーワードは次の3つ

    ①知識社会化
    ②グローバル化
    ③リベラル化


    クリントン政権で労働長官を務めたリベラル派の経済学者ロバート・ライシュは、いまから約25年前(1991年)に世界的ベストセラーとなった『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』(ダイヤモンド社)で、21世紀のアメリカ人の仕事はクリエイティブクラスとマックジョブに二極化すると予言した。

    より正確には、
    ①ルーティンプロダクション(定形的生産)
    ②インパースン(対人)サービス
    ③シンボリックアナリスト(シンボル分析的)サービス

    に分かれると述べた。


    『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ、楠木新著)(大手生命保険会社で人事、労務、経営企画、市社長などを経験したのち、サラリーマン勤務のかたわら、「働く意味」をテーマに取材と執筆を始めた)

    その楠氏の『サラリーマンは、二度会社を辞める』の第1章は「仕事で自己実現を目指してはいけない」となっている。


    働くために生きているのかわからなくなってからが人生

    『超一流になるのは才能か努力か?』文藝春秋、アンダース・エリクソン著


    「変化の厳しい環境ほど弱者にはチャンスがある」
    世界が複雑になればなるほど、ニッチは増えていく。


    イノベーションをすべてアウトソース(外注化)する

    リスクをとるのは外注先で、失敗すれば勝手につぶれるだけ。


    プロフェッションを持つ個人(プロフェッショナル)が組織に対して優位性を持つようになることが知識社会の必然であるならば、どうすれば「収益の最大化」と「自己実現」を両立できるのか。

    その基本戦略
    ①好きなことに人的資本ほすべてを投入する
    ②好きなことをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチを見つける。
    ③官僚化した組織との取引から収益を獲得する。


    何歳になろうとも、人生の土台は金融資産、人的資本、社会資本の3つしかない。


    「西洋人は世界を名詞の集合と考え、東洋人は世界を動詞で把握する」(『木を見る西洋人 森を見る東洋人』ダイヤモンド社)


    西洋人の認知構造が世界をもの=<個>へと分類していくのに対し、東洋人は世界をさまざまな出来事の<関係>として把握する、ということ。

    この世界認識のちがいが、西洋人が「個人」や「論理」を重視し、東洋人が「集団」や「人間関係」を気にする理由。
    すなわち西洋人は「個人的」で、東洋人は「間人的」である。


    「個人」と「間人」という発想は社会学者・浜口恵俊氏が1980年代に提唱したもので、個人主義の西欧と間人主義の日本を対比し、日本の特殊性を精力的に論じた(『間人主義の社会 日本』東洋経済新報社)


    ジャパナイゼーションに適した職場というのは、ISE社のような製造業や、レストランや物販、あるいは看護や介護の現場などの広範にわたる。

    こうした労働現場では、あらかじめ仕事の内容を契約で決めておくよりも、労働者が自分たちの判断で臨機応変に(ときには1人何役もこなしながら)対応したほうがずっとうまくいくことは、ちょっと考えれば誰でもわかること。


    アメリカの政治学者ロナルド・イングルハートなどが中心となって1980年代から5年ごに行われている「世界価値観調査」は、「もっとも信頼度が高い国際比較調査」とされている。
    「自分の人生をどの程度自由に動かすことができるか」という調査項目では、日本人は調査対象57か国中最下位。(2010年)


    『日本人の考え方 世界の人の考え方』池田謙一著


    職業別の幸福度を調べると、多くの研究で、自営業と公務員の幸福度が高いことが知られている。

    自営業の方が、時間(いつどれだけ働くか)と人間関係(誰と働くか)が選べれば、それだけで幸福感は大きく上がる。
    公務員は安定も求めているから。


    国民年金や国民健康保険のないアメリカでは独立は大きなハンディを負うことになるが、それにもかかわず「インディペンデント・プロフェッショナル」と呼ばれるフリーエージェントが急増しており、法人成りした企業家も含めればその総数は推計3300万人にもなる。

    フリーエージェントはコンピュータ・プログラマーやコンサルタントなど、さまざまな分野で活躍していて、その収入は会社員より平均で15%多く、年収7万5000ドル以上の人が占める割合は給与所得者の倍に達する。


    ジャーナリストのディビッド・ブルックスは、アメリカに台頭する新上流階級を「BOBOS(ボボス)」と名付けました。
    ブルジョア(Bourgeois)とボヘミアン(Bohemians)を組み合わせた造語で、天気絵的なBOBOSは夫婦とも高学歴で、リベラルな都市かその郊外に住み、経済的に恵まれているもののブルジョアのような華美な暮らしを軽蔑し、かといってヒッピーのように体制に反抗するわけでもなく、最先端のハイテク技術に囲まれながら自然で素朴なものに最高の価値を見だします
    (『アメリカ新上流階級ボボス』光文社)


    BOBOSの多くは弁護士やコンサルタントなどの専門家か、独立したプロジェクトを任された会社内のクリエイティブクラスで、自分たちをスペシャリストよりもクリエイターだと考えています。
    彼らの憧れは有名企業の社長や富豪ではなく、詩人や小説家、テレビキャスターといった 知的有名人 すなわち本物のクリエイターです。


    BOBOSたちはすでにじゅうぶんなお金を持っているので資産の額にはあまり関心がない。高級ブランドではなくユニクロの服を着て、銀座の料亭ではなく近所のビストロで家族でのんびり食事をするのを好むようなひとたちでもある。

    そんな彼らがこころの底から手に入れたいと願っている希少な宝石ー彼らにとって真に価値があるものーは、知的コミュニティの中での評判。


    「強いつながり」を恋人や家族にミニマル(最小)化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換える。

    人生100年時代を考えるならば、年齢にかかわらず弱いつながりを維持しつつ、フリーエージェントとしてプロジェクト型の仕事をする「生涯現役戦略」の方がはるかに効果的なことは明らか


    幸福な人生への最適戦略は3つに要約できる。

    ①金融資産 「経済的独立」を実現すれば、金銭的な不安から解放され、自由な人生を手にすることが出来る。

    ②人的資本 子どもの頃のキャラを天職とすることで、「ほんとうの自分」として自己実現できる。

    ③社会資本 政治空間から貨幣空間に移ることで人間関係を選択できるようになる。


    3つの資本=資産を一体としてとらえる「幸福の統一理論」

    ①金融資産は分散投資する。
    ②人的資本は好きなことに集中する
    ③社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する

    幸福な人生を目指して頑張っているときが、もっとも
    「幸福」なのかもしれない。


    ひとは、自分と似ているひとからの助言がもっとも役に立つ。

  • 専門用語や哲学的な文章がつらつらと出てきて
    途中で読むのをやめました。
    私には難しすぎた、、、

  • 正直あまり良くなかった。
    論文+そこから読み取れること+筆者の意見を繰り返すような構成で、本やその章全体で何が言いたいのか結局分からなくなることも多かった。あと論文からの示唆も恣意的な視点から語られることが多く、結論としては正しいことを言っているのかもな、と思いつつも、理論の組み立て方に説得力があまり無いため信頼する気が起きなかった。この本でも少し参照されているライフシフトや嫌われる勇気とかを読んだ方がよっぽどためになるのでは無いだろうか。

  • 金融資産、人的資本、社会資本。幸福度はこの3つの有無8通の組み合わせで分類できると言う本。

    マイルドヤンキーはプア充

    愛情空間,友情空間,貨幣空間
    家族・恋人→友人→知人→他人

    金融資産は分散投資
    人的資本は好きなことに集中投資
    社会資本は小さな友情空間と大きな貨幣空間でポートフォリオを構成

    するといいらしい.

    人間は幸福度を相対的にしか感じられないから,低空飛行を心がけ,少しの変化も楽しみという姿勢が大事だと思う.

  • 筆者の主張までに色々な話題が出てくるのだが、結論に至るまでの論理構成がわからない。論理が飛躍している気もするが、自分の理解力不足なのか…?

    印象に残った内容は以下にメモ
    ○年収800万、金融資産1億までは増えるほど幸福度は増す。
    ○好きなことをビジネス化できるニッチを見つける。組織との取引から収益を獲得する。
    ○サラリーマンは定年退職で人的資本と社会資本の大半を失う。人生100年時代、弱いつながりを維持しつつ、フリーエージェントとしてプロジェクト型の仕事をするのが効果的。

  • 全体的に難しくて読んで納得できなかった…
    人的資本(仕事)
    社会資本(友達)
    金融資産(お金)
    これら全てを高めて幸福になりたいと思った。
    特に、人的資本に関しては、今後高齢になっても仕事を続けられるようにするため(老後必要資金を考慮すると足りない)自分が心から好きな事に全投資することが大事である。また、社会資本が著しく低くても幸福になれないので、人生の伴侶と長い友達は大事にしようと思った。

著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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