成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポート

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  • ダイヤモンド社 (1972年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478200018

成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポートの感想・レビュー・書評

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  • 大学1年の時、英語の授業でこの本の一部を読むことになった。当時は義務的に読まされたので特に面白いとも思わなかったが、その後マイコンでシミュレーションが流行った時に雑誌の別冊でこの成長の限界で示されたワールドモデルをマイコンで再現した記事がのり、興味がのって再度読み直した。そしてその指摘している内容が今の社会に良く適合しているのに驚く。資源は無限ではない。人間は自分の都合の良いように自然を操作し、環境と資源を喰らい尽くしていく。それが自然の反作用をもたらし、成長に限界が生ずる。そのワールドモデルが示している人口のピークが2013年頃だ。2015年の今、そのシミュレーションと現実を比較して見るのはとても面白いだろう。ローマクラブからこのフォロー本として二冊出版されているので、それも併せ読んでみたい。

  • 1970年頃のレポートのため、どうしても新鮮味に欠ける。最新のデータで読みたいと感じ途中で閉じた。

    とはいえこの時代に人類の危機を問いかけた意義は深いと思うし、分析手法の多様さには驚いた。

  • ■要約
    人口と工業資本がこのまま成長し続けると、食糧やエネルギーその他の資源の不足と環境汚染の深刻化によって、2100年までに破局を迎えるので、成長を自主的に抑制して「均衡」を目指さないとヤバい。

    ■感想
    消費や生産を考えるときに、時間的そして空間的想像力を働かせることが、持続可能な社会のためには必要なように感じた。つまり、この消費・生産が未来の人々の生活にどのような影響を及ぼすのか、また地理的に離れた人々の生活にどのような影響を及ぼすのか。この”二次元の想像力”を働かせることが、「均衡」を目指すためには必要ではないか。加えて、長時間労働など行き過ぎた働き方が問題になっている今、個人の実存まで射程に入れた”3次元の想像力”まで拡大すべきだと思う。

  • 予測手法は当時の限界を感じるが、成長に限界があるという指摘に疑いは感じない。

  • 面白い。この本の面白さは予測の結果そのものよりも、
    予測の過程、特にモデルの作成だろう。
    システムダイナミクスの考えに基づく世界モデルは
    見ごたえがあった。

    資源が無限大であっても、どれだけ技術が発達しても、
    幾何級的な人口の増大がある限りいずれ限界を迎える、
    というのはちょっとショックだった。
    良く考えれば地球自体は有限なのだから。

    現在の人口は本書が書かれた当時の約2倍である。
    だいぶ増えたと思うが、世界全体で見ると幾何級的に増えたと言えるのだろうか。
    しかし、その割にはまだ大丈夫なように感じてしまう。
    もちろん、この本出版後の技術、資源、汚染対策などの要因が
    変化しているからなのだろうが。

    次は「限界を超えて―生きるための選択」を読む。

  • リンさんのソウルオブマネーに掲載あり

  • あまりにも有名なために、読んだ気になっていたり、今更読む気に
    なれなかったりで、ついに読まれることのない本、というものがあ
    ります。古典と言われるものの多くはそういうものかもしれません。

    本日おすすめする『成長の限界』も、まさにそんな位置づけの一冊
    だと思います。初版は1972年。学識経験者や企業経営者からなる民
    間のシンクタンク、「ローマ・クラブ」のレポートとして、世に問
    われたものでした。

    当時、本書がどのように受け止められたのかはリアルタイムで経験
    していないため、わかりません。しかし、例えば、アメリカでは、
    発売後一週間で2万部を売ったと言いますから、よほど話題になっ
    たのでしょう。「このままいけば、100年以内に地球は深刻な危機
    に陥る」という本書の警告は、先進諸国にとって、それほど衝撃的
    だったのだと思います。翌年にはオイルショックが起きましたから、
    資源枯渇の危機も、よりリアルに感じられることができたはずです。

    しかし、喉元過ぎれば何とやらで、何だかんだ言って石油はなくな
    らないし、原子力はあるし、ということで、危機感は薄れていく。
    70年代には問題になっていた人口爆発も、今は沈静化し、先進国で
    はむしろ人口減少が問題になっている。食料や水不足の危機も、あ
    まりまだ実感はない。異常気象は気になるけれど、温暖化の影響と
    は限らない。一方で、ITなどの技術革新が進み、驚くほど便利で快
    適な世界が実現するようになっている…。

    100年以内に破局とか言ってたけれど、40年たった現時点は、全然、
    オッケーじゃん、というのが、正直なところでしょう。そう思うと、
    『成長の限界』はいたずらに危機をあおるような本に見えて、ます
    ます読む気がなくなります。

    井上自身もそうでした。でも、読んでみると、これが実に面白いの
    です。まず、とても冷静な分析で、ジャーナリスティックな危機を
    あおるような論調は皆無。これだけで信用がおけます。それと、人
    口、工業化、食糧、資源、汚染という5つの要素でつくったシンプ
    ルな世界モデルによるシミュレーション結果が大変示唆に富みます。

    このままの趨勢で行くとどうなるかをシミュレーションした上で、
    無尽蔵にエネルギーや食糧があるとした場合、とか、技術が汚染の
    問題を解決した場合、など、条件を変えながら、シミュレーション
    を繰り返していくのですが、その結果わかることは、技術も無尽蔵
    の資源も根本的な解決にはならない、ということです。結局、成長
    を目標とすることをやめ、均衡=定常状態を目標とする社会へと舵
    を切るほかない、というのが、本書の結論なのです。

    じゃあ、その具体策は?というのは書いていません。そうしようと
    いう長期的な「目標」の設定と、その目標を達成するための「意志」
    が必要、ということが書いてあるのみです。御意。

    なお、本書の執筆者の一人が『成長の限界』の続編と言える『2052』
    を2012年に出版しています(邦訳は2013年)。これは、2012年か
    ら40年後の2052年の世界を予測した本で、やはり実に興味深いです。
    是非、この機会に併せて読んでみてください。

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    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    一般に、問題の空間的な広がりが大きいほど、また時間的な広がり
    が長いほど、その問題の解決にほんとうに関心をもつ人の数は少な
    くなる。

    作業がまだ暫定的な状態にあるにもかかわらず、われわれはモデル
    とわれわれが見出したものを今、発表することが重要であると信じ
    ている。毎日、世界のいたるところで決定が下されており、それは
    今後何十年にもわたって世界システムの物理的、経済的、社会的状
    態に影響を及ぼすであろう。こうした決定は完全なモデルと完璧な
    理解を待つことはできない。

    大部分の人々は、成長を線形過程として考える傾向がある。

    ある量が、一定期間内に、その総量に対し一定の割合で増加する場
    合、幾何級数的成長を示すという。

    幾何級数的増加は、非常に急速に莫大な数を生み出すので、人を欺
    くのである。

    人間によって使用されるエネルギーのすべては最終的に熱の形でま
    き散らされる。エネルギー源が、入射するエネルギー以外のもの
    (たとえば、化石燃料や熱エネルギー)であるならば、その熱は、
    一方では直接的に、他方では冷却水からの放熱を通して間接的に、
    大気を暖める結果となる。局地的には、放出される熱、あるいは
    「熱汚染」が、水生生物の均衡を破壊する原因となる。

    汚染を吸収する地球の能力の限界がわかっていないということは、
    汚染物質の放出に対して慎重でなければならないことの十分な理由
    となるであろう。

    おそらく、なんらかの害がすでに発生してしまってから制御をかけ
    るような汚染制御システムでは、改善に向かう以前に問題が、必ず
    やはるかに深刻化してしまうにちがいない。この種のシステムは、
    その制御がとくに困難である。なぜならば、それは、はるか将来に
    予測される結果にもとづいて現在の行動が決定されることを必要と
    するからである。

    われわれが世界モデルを用いるのは、行動様式に関する疑問に答え
    るためであって、正確な予測をするためではないから、われわれは
    まず第一に、フィードバック・ループの構造の妥当性を問題にする
    のであって、データの正確さは第二義的な問題である。

    2100年よりはるか以前に、成長がとまるということは重要である。

    われわれがある程度の確信をもっていえることは、現在のシステム
    に大きな変革が何もないと仮定すれば、人口と工業の成長は、おそ
    くともつぎの世紀内に確実に停止するだろうということである。

    成長をとめる第一の力は、汚染の急激な増加で、その原因は、環境
    の自然浄化能力に過度の負担がかかることにある。

    技術的解決策の適用のみでは、人口および工業の成長の期間を延長
    するにとどまり、成長の究極的な限界をとり去ることは不可能であ
    った。

    技術的解決とは、「人間の価値観や道徳律をほとんどあるいはまっ
    たく変えることなく、自然科学上の技術の変化のみを必要とするよ
    うな解決である」と定義できよう。現在、このような意味で技術的
    に解決できない問題は、数多い。核兵器戦争、民族間の緊張、失業
    等はその例である。

    「進歩に盲目的に反対するのではなく、盲目的な進歩に反対する」
    (シェラ・クラブのモットー)

    もし最初に到達した限界が食糧生産の限界ならば、非工業国は大き
    な人口減少をこうむるであろう。もし最初の限界が再生不可能な資
    源の枯渇なら、工業国が最も影響を受けるであろう。

    均衡状態は、停滞状態を意味するものではない。

    成長によって引き起こされる多くの問題と戦うことから開放された
    社会では、より多くのエネルギーと創意が、他の問題を解決するの
    に使うことが可能になるように思われる。

    とくに、多数の人々が最も望ましくかつ満足を与える人間の活動と
    して数えあげるであろう教育、芸術、音楽、宗教、基礎科学研究、
    運動競技、社会的交流が盛んになるであろう。

    均衡社会は、現在の人間の価値を考えるだけでなく、未来の世代を
    も考えながら、地球が有限であるために生じるトレード・オフ関係
    を重視しなければならないであろう。

    何もしないという決定は、破局の危険を増大させるという決定であ
    る。

    人類は、まったく新しい形の人間社会--何世代にもわたって存続
    するようにつくられる社会--を創造するのに、物的に必要なすべ
    てをもっている。欠けている二つの要素は、人類を均衡社会に導き
    うるような、現実的かつ長期的な目標と、その目標を達成しようと
    する人間の意志である。

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    ●[2]編集後記

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    この間、藝大で「未来」についての講義をしました。

    最初に、未来に希望を持っているかどうかを学生達に聞いてみたと
    ころ、「未来に希望がある」よりも「希望がない」と答えた人のほ
    うが多かったです。クリエイティブを志す学生でも、「希望がない」
    なんて思うんだなと軽くショックを受けたのですが、まあ、それだ
    け日本の社会の先行きは暗い、ということなのでしょう。

    確かに、いつ大災害が起きるかわからないし、アベノミクスだって、
    いつ崩壊して経済が滅茶苦茶になるかもわからない。未来が確実に
    良くなるなんて、夢見れないですよね。先の見えない時代です。

    でも、先の見えない時代って、そんなに悪いことではないと思うの
    です。確かに、ずるずると衰退していくだけの、閉塞感に満ちた時
    代が続くのは勘弁ですが、震災後、それも変わったように思います。
    新しい風が吹いているのを感じます。その風は、東北を初め、これ
    まで辺境と思われてきたところから吹いてきています。

    これから面白い時代になる。そう勝手に予感しているのですが、ど
    んなもんでしょうね。

    「100年後の人達が見たら、あんな時代に居合わせたかったと思う
    ようなとても刺激的な時代に、僕らは居合わせているのではないか」

    講義の最後、学生に「先生は未来に希望はありますか?」と問われ
    て、そう答えたのですが、本当にそういう時代にしたいものです。

  • 推薦者 機械工学科 佐々木正史 先生

    *図書館の所蔵状況はこちらから確認できます*
    http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB50028634&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 幾何級数的に増える消費と、等差級数的にしか増やすことのできない生産の将来に対するバランスについて書かれた本。
    地球環境にフィードバックされる5つの基本的な水準である、人口、資本、食料、天然資源、汚染そのものに対して使用の減少を図ったり、生産量を増やすことを図っても、将来的な負のフィードバックが拡大するだけである。
    世界を構築する、世界システムそのものを最適化させなければいけないが、具体的な案があるわけではなく直感力に頼るしかないというのが現状。

  • 地球の限界について1970年代に書かれた本。
    当時すでに成長を続けると資源は枯渇する、汚染は増大するということを言っているというのはすごいと思う。
    汚染には当時は気づかなかったCO2の問題などは入っていない。
    2000年と2100年を節目ととらえている。
    現在では資源価格の上昇は問題になっているものの枯渇についてはそこまで危機的に考えられていないのではなかろうか。この上昇は枯渇を意識してのものだと言えるのかもしれないが、その割には省資源という観点からの意識が低すぎると思う。

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