ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478307052

感想・レビュー・書評

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  • ドラッカーのエターナルコレクションの4冊目。

    NPOのマネジメントについて書かれたものです。何人かのNPOの長や学会関係者とのインタビューを間に挟み、NPOのマネジメント論が展開されます。NPOのマネジメント論といっても基本的には通常の企業にも通ずるものが多く、ドラッカー氏の他の著作ですでに書かれている内容が改めて繰り返されます。いわくNPOでも同じくイノベーションとマーケティングが重要である、など。またインタビューではマーケティングのコトラーさんとの対談も載っていて、これは面白いです。

    通常の企業とNPOで違うところとして、成果を定義する必要がある(企業であれば利益が成果になる)ことと、(金銭的利害関係とは離れた)多様な関係者がいることが挙げられています。そのためNPOのマネジメントでは、さらなるリーダーシップが要求される、ということのようです。今のところ何ひとつNPO的な活動に参加をしたことはないですが、人生の満足感を得るための手段としてもこれからはNPOというものを真剣に考えていくことになるのかもしれないですね。たぶん自分はすぐには何もやらないのですが。

  • 非営利組織の経営

  • Missionや成果の部分が非常に参考になった。ドラッカーは徹底して「顧客は誰か。何を提供するのか。」を様々な著書で問いかけているが、この本でも基本は同じ。ただ、非営利組織だからこそ考えなければならないのが、Mission。営利組織は、最終的なMissionは利益を上げることに帰着してしまえばいい。でも、非営利組織は違う。社会に貢献するためにどのような役割を果たすのか、徹底的に考え、その成果の定義をしなければならない。なんとなく、社会に貢献してますでは、正直言って必要性はなくなってしまう。また、他の組織と競争する必要性も特にない。一つ一つの切り口に対して、細かく解説が書いてあるので、バイブル的な一冊として側に置いておきたい本。

  •  経営コンサルをしている社会人院生から勧められた本。僕が非営利組織に興味を持っているせいもあるだろうけど、なかなか楽しく読めた。経営のテクニックみたいなことばかり書いてある訳ではなく、「何によって憶えられたいか」など、かなり考えさせられることも書いてある。さすがはドラッカー。

  • 目次
    第I部 ミッションとリーダーシップ
    第1章 ミッション
    ミッションは行動本位
    ミッションの具体化
    ミッションの三本柱

    第2章 イノベーションとリーダーシップ
    変化は機会
    イノベーションを成功させるために
    リーダーを見つける
    リーダーの役割
    リーダーは自らをつくりあげる
    バランスをとる
    リーダーがしてはならないこと

    第3章 目標の設定
    機会のターゲット
    ボランティアのトレーニング
    人口構造の変化を先取りする

    第4章 リーダーの責任
    人の可能性を引き出す
    機会を提供する
    チームづくり

    第5章 リーダーであるということ
    ミッションを見直す
    長期目標からスタートする
    成果を中心に据える
    組織の規範となる
    市民社会をつくる


    第II部 マーケティング、イノベーション、資金源開拓
    第1章 マーケティングと資金源開拓
    非営利組織のマーケティング
    資金源開拓の戦略

    第2章 成功する戦略
    行動志向の戦略
    改善のための戦略
    定性的な目標設定
    戦略のステップ
    気をつけるべきこと
    イノベーションの機会
    イノベーションの条件
    犯しやすい間違い

    第3章 非営利組織のマーケティング戦略
    マーケティングと販売の違い
    マーケティングの3つのステップ
    非営利組織のニッチ戦略
    マーケティングが求められる理由
    マーケティングの成果を測る

    第4章 資金源の開拓
    気にかけてくれる人たち
    募金を集める名人
    長期的な関係を築く
    マーケットごとの戦略
    ボランティアという基盤

    第5章 非営利組織の戦略
    戦略の重要性を知る
    人をトレーニングする
    廃棄のシステムをつくる


    第III部 非営利組織の成果
    第1章 非営利組織にとっての成果
    成果を定義する
    多様な関係者
    長期の目標への合意
    大義と経済性

    第2章 「してはならないこと」と「しなければならないこと」
    してはならないこと
    しなければならないこと
    権限委譲のルール
    基準の設定
    人を活かす

    第3章 成果をあげるための意思決定
    何のための決定か
    意思決定のリスク
    真摯な不同意
    意見の対立を利用する
    決定が意図に終わる四つの原因

    第4章 学校の改革
    生徒がどう学ぶべきか
    公立学校を救う
    長期の目標と短期の目標

    第5章 成果が評価基準
    成果のあるところに資源を投入数する
    成果を明らかにする
    成果に責任をもつ


    第IV部 ボランティアと理事会
    第1章 人事と組織
    人事の原則
    人を育てる
    強みに焦点を合わせる
    ミッションを感じさせる
    リーダーを育てる
    チームを編成する
    トップの継承

    第2章 理事会とコミュニティ
    非営利組織の理事会
    ツーウェイ・リレーション

    第3章 ボランティアから無給のスタッフへの変身
    パートナーとしてのボランティア
    動機づけ
    理事会の活性化
    人としての尊厳

    第4章 理事会の役割
    理事の役割
    CEOの仕事
    強力な理事会をもつ

    第5章 人のマネジメント
    非営利組織に特有の問題
    仕事と成果を明確にする
    トップの仕事を知る


    第V部 自己開発
    第1章 自らの成長
    責任のある仕事
    成果をもたらすもの

    第2章 何によって憶えられたいか
    働く環境を知る
    所を得る
    強みを生かす
    成長の原理
    「何によって憶えられたいか」という問いかけ

    第3章 第二の人生としての非営利組織
    季節の変化
    世界を広げる

    第4章 非営利組織における女性の活躍
    男性社会での女性役員
    成果の評価
    自己開発に力を貸す

    第5章 自らを成長させるということ
    自ら自分の人生を設計する
    能力向上の方法を知る

  • 我々はなぜここにいるのか。利潤追求ではなく使命により行動する非営利組織。MVV、パーパスといったキーワードが舞う現代の企業体に必要とされているものは、本書でNPOに求められるものそのものだ。そういった意味で非営利組織に関わる人間ではなくとも読むべき一冊に数えられる。

  • アメリカ社会をよく表わしている非営利組織。ボランティアがマネジメントと専門的業務に従事するようになった戦後、発展を遂げてきた。寄付者を参画者にし、コミュニティと目的を共有させるために必要なことを説く。

  • ドラッカー経営理論の応用編だが、基礎を学ぶ上で最適の書と思う

  • 2021.76
    ・非営利組織が生み出すのは変革された人の人生
    ・資金開拓の理想は非営利組織への支援を自らの自己実現の一つにしてくれる仲間を作る
    ・意思決定は現在の資源を不確かな未来に投じること

  • 中途半端にしか読んでなかった本。やっと購入して読了。体系的にキレイに整理されている訳ではないがやはり本質的な言葉は多い。ミッションや成果への志向についてはもちろんのこと、育成や成長についての言及が多いのが良い。人事施策がない非営利組織も多いので。

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