ケータイの未来

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 96
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478321225

作品紹介・あらすじ

「iモード」「おサイフケータイ」を生んだ異端児が贈る通信業界へのラストメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • ケータイは将来こうなる!というのを現状の業界界隈バナシと共に語る本

    目次
    <blockquote>プロローグ 小説「ケータイの未来2020」
    第1章 新たな挑戦「生活インフラ」
    第2章 おサイフケータイによるリアルライフ革命
    第3章 業界志向を捨てマーケット志向へ
    第4章 ケータイ生態系にも変革の波
    第5章 そしてその先にあるもの
    </blockquote>
    DoCoMoの目指す、生活インフラとしてのケータイ志向について、様々な点から語っている。プロローグの小説は未来創造図ではあるが、一部では既に叶っており、また将来を考える上では興味深い。

    生活インフラというのをキーワードに、おサイフケータイ・DCMXへシフトしたんだってのがものすごくよくわかる。
    そして標準化規格についても書いてあって、標準化が利権として使われていて、利用者の方向を向いていないことを指摘している。

    っか、スタートは近い未来について知りたいってのが自分の中にあって、あ、夏野さんならどう考えるんだろーってとこがきっかけなので、現状の分析のところはイマイチ合わなかった。

    ただ、ケータイの未来を思考する際にSF映画などからヒントを得ているのを思うと、なるほど……と思わされる。

    <blockquote>映画の中で描かれる未来の携帯電話には、何ら違和感なく見られるものがある一方で、著しい違和感を覚えるものもある。未来を感じるものと感じないものの違いを簡単に言うと、合理的か合理的ではないかということになる。「理にかなっている」ものは実際の携帯電話の開発のヒントになるし、古い作品であってもアイディアそのものは陳腐化しない。</blockquote>
    ちょっとこれを読んでてSF映画を見てみたいと思った。
    (でも、現実にはジャンル分けしてないとよーわからんのだけども……)

  •  NTTドコモ執行役員の著者が、ケータイとインターネット、さらには生活インフラの構築プランなど、ケータイの将来的な展望について書かれた本。

     2006年に発行された本ですが、7年経った今読むと、このときの夏野さんの展望以上に進んでいるなと思ったこともありました。何しろ日進月歩の業界だから、グローバル化は読み通りだったかと思いますが、これほどまでにスマートフォンが普及しているとは夢にも思わなかったでしょう。
     iモードの成功をうけて、さらにおサイフケータイやケータイがコンシェルジュとして働くサービス(iコンシェルとして、後に実現するのですが)など、さらに生活に溶け込んでいくケータイのイメージが夏野さんにあったのだなと感じました。
     ドコモの執行役員であることもあり、自社自賛(笑)っぷりが良くも悪くも感じられますが、ドコモの人が何を目指していたのかとても興味深く読めました。
     冒頭の近未来想像短編が、2013年の今読むと、微妙にズレてるなあと思います。(笑)
     現実になっているサービスや一度はサービス化されたけど不人気でいつの間にか廃止されたサービスなどやはり未来を読むというのは難しいのですね。

     今、オイラもスマートフォン使いつつ、これって数年前のPCと同じ性能なんだなと思うことも多いです。タブレット型の、少し前には想像もつかなかった技術が実用化されてきているのはすごいなあと思います。

  • さすが、DOCOMOの執行役員だな。
    俯瞰できる能力をもっていらっしゃる。

    で、またDCMX(おサイフけいたい)の話が
    うまい。。。

    -iDというブランド立ち上げる
    -DCMXminiで小口決済を可能にする
     (これこそ本当のLongTail)
    -DCMXはほかのクレジット会社も参加可能
    -DCMXは携帯電話からのサービスだがDOCOMOとして
    クレジットカードも発行する。

    うまいのはほかのクレジット会社はDOCOMO
    みたいなiモードビジネスはできないじゃん。。
    ということは。。。

    これ以上いえません。

  • 業界でも業界外でも言わずと知れたiモードの立役者元NTTドコモの夏野さんがまだ在籍中に書いた本。帯に「未来はすべてここにある」そうなので、とりあえず読んでみました。

    おさいふケータイへの入れ込みがよく伝わってきます。確かに何かが変わるのかもしれないと予感させるものですよね。
    私も少し仕事上絡むこともある国際標準化活動の話が何箇所かに出ていて、まさしくその通りと言う感じでしたが、こんなことをこの本に書かれるんですね、と意外でした。確かに日本人はハンディキャップがありますね。

    最近の業界関連本ではauがよく取り上げられることが多い気がしますが、この本では孫さんのソフトバンクテレコムの方がインターネット流を持ち込むものとして好意的に取り上げられている気がします。

    あとがきに、この本を書くのに3年かかったとありました。やはり(超)お忙しいのでしょうね。

  • 読んだ。
    ビジョンに富む内容だ。想像力をはたらかせよう。

  • こんなにも実現されるとは、
    当時思っても見なかった。

    自分の中でケータイがPCを超える日も近い。

  • この本はとても旬な内容でオススメ。1つは、これからケータイがクレジットカード機能を担う新たな生活インフラとして活躍するというビジネスシナリオの説明が書かれていること。2つ目は、通信「業者」の発想ではなくユーザーの立場を優先して考えていくことの大切さを訴えている点である。社内で新しいビジネスを考えよう、今の不採算事業を立て直そうという時にこの本を読めば、つまらない業界の考えを捨てて発想を豊かに持たなければいけないということを実感できる。3つ目は、通信業界自体の業界図を半導体やコンテンツも含めてさらっと勉強できることである。

    さて、この本を読んでNTTドコモのHPに行くと社長の会見がある。今後の展開が楽しみだ。

    最近スカイプを搭載して公衆無線LAN経由で電話ができる携帯端末が出始めているが、日本の携帯電話業界全体、ドコモにとってどのような影響が考えられるか。

    スカイプ利用の広がりによって、まずは固定電話、そして携帯電話もその影響を受けるとは考えている。多くのお客様に受け入れられていくのかどうか、また世界の通信事業者の動向などを見ながら、検討していくことになるだろう。

  •  ケータイの未来というか、現在といったかんじか。特に面白い点はないので、読む必要はありません。

  • ★ケータイのビジョナリー★通話→データ通信→生活インフラと移り変わる「ケータイ」(電話ではない)の先行きを語る。ドコモとして金融事業などに進出するが、実は将来大きく変わるのは機能より形態だろうと、最後に指摘するのは印象的。ホログラムで画面やキーボードが立ち上がるのはおもしろいが、他人の視線はどうするのだろう。未来を述べる文章の流れはとても心地よく、ビジョンを見せるのはさすがにうまい。しかしビジネスとして軌道に乗せるのはもっとドロドロしたもののはず。著者の別の一面かほかの参謀がいるのではないかと思わせる。検索サイトの導入の遅れや海外買収の失敗、最近はあまり聞かないプッシュトークの成否や世界で通用しない通信規格など、負の側面がさらっと流されているのは手ごたえが足りない。著者の担当外ということなのだろうか。機器メーカーでなくドコモが販売を仕切ることで、ブランドも構築できメーカーにも売れ残りリスクが少ないと利点をあげるが、それこそ盛んに説く利用者側の視線に反しないか。キャリアをまたげるようSIMロックが外せるようになりそうで楽しみだが、そのときドコモらしさはどう表出するのだろう。

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著者プロフィール

1988年、早稲田大学政経学部卒業、東京ガス入社。95年、ペンシルバニア大学経営大学院卒業。96年、ハイパーネット取締役副社長。97年、NTTドコモ入社。榎啓一、松永真理らと「iモード」を立ち上げる。2001年に米国の経済紙『ビジネスウィーク』にて、「世界のeビジネスリーダー25人」に選出される。執行役員を経て08年にNTTドコモを退社。現在は慶應義塾大学特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、トランスコスモス、グリー、USEN-NEXT HOLDINGSほか多数の企業で取締役を兼任。

「2018年 『誰がテレビを殺すのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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