挑戦の時―P.F.ドラッカー・中内功 往復書簡〈1〉 (往復書簡 (1))

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制作 : Peter F. Drucker  上田 惇生 
  • ダイヤモンド社 (1995年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478330456

挑戦の時―P.F.ドラッカー・中内功 往復書簡〈1〉 (往復書簡 (1))の感想・レビュー・書評

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  • 第1章中国への挑戦

    日本がいろんな意味で、ぎくしゃくしているのは、
    成長し続けるという「安定の時代の終わり」を迎えている。
    そして台湾をはじめとした東南アジアの諸国と、
    中国沿岸部の急速な成長速度にあわてているのが現状である。

    現状の課題
    (1)予測不能な突然の経済変動と通貨危機の脅威;
    「安定の時代の終わり」
    (2)世界経済の構造と力学が根本的な変化;発展途上国のパワー
    (3)企業の組織構造や戦略の変化
    情報のもつ力が、これまでの対応や組織を大幅に変えてきている。
    アウトソーシングされた仕事の増加
    肉体労働から、機械を操作する技術労働への変化
     知識労働者の生産性をどう評価するのか
    (4)生産活動のための主要資源が、「知識」になった。

    このような大きな変化の中で、
    いかに、自らを再生するかが問われている。
    「問題の理解」と「成果をあげるための行動」が必要。

    巨大市場・中国の明日はどうなるのか。

    成長する中国沿海部;この10年の急速な進展→
    世界第3位の経済力を持つ
    このままいけば、2000年には、日本のGNPと肩を並べる。

    これからは、「多元的世界」への進展;
    ある意味では、先進国会議の意義がなくなった。
    日本的経営の秘密は、近代企業を家族にしてしまう能力。
    家族を近代企業にしてしまう中国人の能力。
    家族、親族の絆で結ばれた目に見えない経済的ネットワーク
    華僑は、見えざるインフラを中心に投資している。
    中国の問題は、教育ある人材の不足そして
    「生産的な仕事と解されているものには
    一切ふれないことを最大の誇りとする。」

    中国に必要なのは、
    「見えるインフラ;工場、道路、港湾、
    物流施設、鉄道、通信網など」ではなく
    「見えざるインフラ;金融のネットワーク、
    流通システム、流通のロジテックスの構築、
    店舗の設計、商品の陳列など」である。

    「トップマネジメントは、海外から投入することはできるが、
    ミドルマネジメントや専門家や技術者は、
    その国に生まれ育った人間、あるいは少なくとも、
    同じ文化の人間でなければならない。」

    中国の急速な発展とそれに伴うバブルの破壊、
    そして高まるインフレ。
    インフレからいかに切り抜けていくのか。

    今後、インフレを急速に整備するニーズ、
    電気通信を急速に整備するニーズ、
    中間層に限定しても、3億人から4億人いるという現実。
    そこから生まれる市場機会の増大。

    製造業におけるコストの低減のための海外進出。
    より大きなコストの優位性を求める。
    中国に進出ができるのは、
    アメリカ、日本、台湾のうちどこにあるのか。

    「国民が、買いたい商品を、買いたいときに、
    買いたいだけ、買える価格で
    買えるようなシステムを作る。」

    経済発展の原動力となるものは、
    生産よりも、むしろ流通である。
    流通主導の経済発展は、人材を開発する。

    第2章 ボーダレス時代への挑戦
    ボーダレス時代の、日本の「空洞化」「役割」をとう。
    国際的な水平分業は、日本産業の中核を弱体化する。
    →製造業の仕事を、中国やタイへもっていくことは、
     日本の製造業の基盤を強化する。

    (1)製造業の生産は、製造業の雇用と同じではない。
     製造業の雇用が小さいほど、製造業は強く大きくなる。
     オートメ化によって、過剰の設備投資となり、
     コストの上昇と、生産性と品質の下落が起こった。

     重要なのは、製造工程に、頭脳を投入すること。
     製造工程に、革新をもたらす。

     工場の肉体労働者を知識と情報に替えるような、
     基本的な製造の再設計にのさなかにある。
     肉体労働者の直接労働コストが、10%ないしは、
     12%を越える製造業は、
     競争力を維持することができなくなる。

    (2)日本は、ドル安の影響を受けている。

    1次産品の世界最大の輸入国で、それをドル建てで輸入している。
    やすいドルで、膨大な恩恵を被っている。

    (3)生産を海外に移すと、輸出が減る。

    海外直接投資は、輸出を創出する。
    海外生産に代替される製品よりも、
    高付加価値の製品の輸出を増大させます。

    (4)低賃金国には競争力があるという考え方。
    肉体労働者の賃金コストが40%も占めていると、
    賃金格差による競争力は重要であり、かつ決定的である。
    現状では、賃金コスは、15%よりも低くなってきている。
    言い換えるならば、発展途上国にとっては、
    もはや低賃金を武器に世界市場で
    競争することはできなくなっている。

    ドラッカー氏;日本の欧米への過剰依存を脱し始めている。
    労働人口は、急速に減少し、
    30%が、15%に減っていくことだろう。

    サービス分野は、経済活動における最大の分野になる。
    経済発展は、お金の問題ではなく、人的資源に関わる問題である。
    「未開発国」は存在せず、
    「マネジメントが間違っている国」と
    「マネジメントがおこなわれている国」の違いにある。

    ボーダレスのトップマネジメントをいかにおこなうか。
    グローバル化、リージョナル化、ローカル化のバランスをとること。
    必要なのは、多国籍型マネージメント。

    生産性の低い生産活動の海外への移転は、その国の製造業を強化する。

    コンピュータやPOSシステムは、
    重要であっても、道具にすぎなかった。
    肝心なのは、道具を使う人間の構想力と決断力です。
    マネジメント上の知識と技術を惜しみなく投入し、
    育成し、地域の発展に貢献する。

    知識社会の到来を迎えている今日、
    従業員が自分の強みをのばすことを助けることこそが、
    企業の役割である。

    第3章 知識社会と教育への挑戦

    「知識社会において真に教育のある人間であることは
    どういうことか。
    現実的には、自己責任の感覚の不足が気になる。
    教育ある人間とは、現実に影響を与え、
    社会を変革するようなイノベーションを
    起こすことのできる能力を持つ人間である。」

    「日本の教育は、画一性をもたらし、独創性や創造性をそぎ、
    意志決定ができず、イノベーションができず、
    自分で考えることができない「組織人」を生んでいる。」
    という考え方には、根拠がない。

    45歳を過ぎてようやく、
    自分自身の原則やスタイルや考え方を持つ人間が誕生する。
    (1)日本の教育の現場は、暖かい人間関係がつくられている。
    (2)日本では、教育の目的は、学習ではなく、
    就職後とその後の昇進である。
    (3)12歳から14歳の熱中期のシステムのあり方。
    (4)個人の自由度、自立性

    知識社会では、継続的学習が不可欠である。

    コンピュータは、限りなく忍耐強く、
    使い手のスピードやリズムに完全に合わせてくれ、
    決して、「馬鹿」などといわない。
    そして、コンピュータは、
    学ぶことと教えることの分離を可能にしてくれる。

    知識が、これからの経済の中心的な資源となる。
    知識を自分の仕事や自分の自己啓発や、
    自分の人間形成にに結びつけることが大切。

    企業の組織は、情報を中心に組織される。
    製造業だけでなく、サービス業でさえ、
    コスト計算ができるようになった。
    人間を移動させられるようになったことが、
    19世紀の偉業。
    20世紀は、考えや情報を移動させることが
    できるようになった。

    顔を合わせることのなくなった同じ組織の人たちに、
    どのように一体感をもたせるのか。
    新しいものは古いものに取って代わるものではなく、
    新たに追加される。
    伝統的な階層型の組織構造は、急速な有効性を失っている。

    第4章 企業家精神とイノベーションへの挑戦。

    創造的模倣の有効性
    イノベーションと企業家精神
    イノベーターは、チームプレーではない。
    「個性的で、孤独な作業」
    成熟した産業から、新しい産業へと重心が移行する時代となる。

    ケネディの消費者の4つの権利の実現
    ①安全である権利 
    ②知らされる権利 
    ③選ぶ権利 
    ④聞き届けられる権利

    アメリカの企業は、「消費者と社会への奉仕の精神」を大切にする。

    「事業の目的は、顧客を創造することである。」
    震災の問題は、情報の伝え方、とりまとめ方、
    判断の仕方、支持の仕方など、
    ソフトの情報の処理の問題である。

    以上 要約 でした・・・

  • ドラッカーさんの丁寧な、洞察力のある、中内さんへの回答は、今でも普遍的に考えさせてくれる。

  • 今は亡き、カリスマたちの往復書簡。

    1:19世紀における真の偉人福沢諭吉は「教育ある人間とは、継続して学ぶことができ、継続して学ぶことを欲する人間のことである」と考えていました。

    2:経営者が自らの知識の「結び付け方」を知り、自らの責任において変化をもたらし、現在に対して影響を与えなければならない。

    3:ルネサンス期における、偉大な16世紀哲学者エラスムスは「本が印刷されるようになって、誰も手紙を書かなくなる」といった。しかし、現実には逆のことが起こった。西洋文明において、手紙を書くことが盛んになったのは印刷された本が普及し始めた1600年以降のこと。

    つまり、新しいものは古いものに取って代わるのではない。新たに追加される存在なのだ。情報についてもそういえる。

  • 内容(「MARC」データベースより)

    経済、社会、企業の大いなる変化に対し、エグゼクティブはいかなる挑戦を課せられているのか。東西の雄が、「理論」と「実戦」の立場から、書簡を通じて論戦を展開する。*
    目次
    第1章 中国への挑戦
    第2章 ボーダーレス時代への挑戦
    第3章 知識社会と教育への挑戦
    第4章 企業家精神とイノベーションへの挑戦

  • ダイエーの中内さんもドラッカーを読んでました。

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