競争の戦略

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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478371527

作品紹介・あらすじ

企業の再発進は定評あるポーター戦略論から初版刊行後10年、経営戦略論の古典として、本書の地位はますます揺るぎないものとなった。今回の増刷を機に、省略していた原注。参考文献を付し、内容の一層の充実をはかった。

感想・レビュー・書評

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  • 大書 目的は、企業の競争戦略を論じることで、冒頭に、地図である、「本書の概要」が設けられています。3つのパートに分かれていて、パート1,分析技法の本論、パート2、タイプ別競争戦略、パート3、戦略決定のための3つのタイプでの分析手法です。それぞれのパートの冒頭にも、地図が掲げられています。パート1がキモです。

    概要  キーワードを列挙

    パート1 競争戦略のための分析技法:業界構造及び競争業者を分析するための総論
    ・5つの競争要因(図表欄参照)、参入障壁と、撤退障壁、リスクの把握
    ・3つの基本戦略 ①コストリーダシップ、②差別化、③集中
    ・フレームワークの活用、自他の長所と短所の分析、戦略、能力、行動
    ・マーケット・シグナル 企業からのメッセージ、市場の動き
    ・競争行動 協調・非脅威、脅威と反撃、防衛、企業間の約束
    ・買い手と、供給業者(売り手)、交渉力、取引コスト
    ・業界内部の構造分析、専業度と垂直統合度、戦略グループの形成、ブランドイメージと販売チャネル
    ・ライフサイクルの各ステージにおける戦略、競争、予測、行動

    パート2 業界環境のタイプ別競争戦略:具体的な業界環境の中で競争戦略を作り上げるための方法
    ・多数乱戦業界(戦略上チャンス、比較的力の弱い競争相手で、報復の心配も少ない)
    ・先端業界(市場規模が小さい、将来性不明、法規上の対応) 
    ・成熟期(シェア競争、コモディティ化、海外への移転等)
    ・衰退期(衰退の速さ、残った需要、資産処分と固定費)
    ・グローバル業界(技術供与、輸出、海外直接投資、規模の経済性、管理の困難性、制度など)

    パート3 3つの戦略
    ・垂直統合(川上・川下の統合、共同化による経済性の追求、つまりコストの節減である)
    ・キャパシティ拡大(いわゆるスケールアップをいう)
    ・新事業への参入(吸収合併と自社内での事業構築の2つ、ジョイントベンチャー、段階的参入など)

    目次は以下の通りです。

    はじめに
    本書の概要(9頁)
    Ⅰ 競争戦略のための分析手法(242頁)
      1 業界の構造分析法
      2 競争の基本戦略
      3 競争業者分析のフレームワーク
      4 マーケット・シグナル
      5 競争行動
      6 買い手と供給業者に対する戦略
      7 業界内部の構造分析
      8 業界の進展・変化
    Ⅱ 業界環境のタイプ別競争戦略(131頁)
      9 多数乱戦業界(フラグメンテッド・インダストリー)の競争戦略
      10 先端業界(エマージング・インダストリー)の競争戦略
      11 成熟期(マチュリティ)へ移行する業界の競争戦略
      12 衰退業界(デイクライニング・インダストリー)の競争戦略
      13 グローバル業界の競争戦略
    Ⅲ 戦略デシジョンのタイプ’(76頁)
      14 垂直統合の戦略的分析
      15 キャパシティ拡大戦略
      16 新事業への参入戦略

    図表、20あまりありましたが、代表とおもわれるもの10を上げました
    図表1-1 5つの競争要因  ①競争業者 ②新規参入業者 ③代替品 ④供給業者 ⑤買い手
    図表1-2 障害と収益性 X;参入障壁 Y:撤退障壁
    図表2-1 3つの基本戦略 ①コストリーダシップ戦略、②差別化戦略、③集中戦略
    図表3-1 競争業者分析の構成要素 ①現在の戦略、②能力、③将来の目標、④仮説、⑤競争業者の反応プロフィール
    図表7-2 戦略グループ・マップとグループ間の競争手段 X:ターゲット顧客セグメント Y:主要な戦略次元
    図表8-3 技術上での移動障壁と業界展開ノパターン X:時間 Y:技術上での移動障壁の強さ
    図表8-4 業界の境界 ①参入見込企業、②代替品生産企業、③供給業差、④改訂、⑤業界で競争する企業
    図表10-1 脅威を受ける業界の新製品への対抗手段 X:時間 Y:単位当たりコスト
    図表12-1 (衰退期の)戦略一覧表 ①即時撤退戦略、②刈り取り戦略、③拠点確保戦略、④リーダシップ戦略
    図表12-2 (衰退期の)戦略ポートフォリオ X:需要領域の強み・弱み Y:衰退期に有利・不利の業界構造
    (X:横の軸の単位、Y:縦の軸の単位)

  • 年末年始こそ、重厚な古典に挑戦すべきと、戦略論の古典にチャレンジ。これがいざ読み始めてみると、思ったより読みやすく、一気に読了してしまった。

    その業界の魅力度を測るために業界構造を分析する「5つの力」という本書の中核となるコンセプトは今更語るまでもないが、いざ原典にあたって感じたのは、業界構造に影響を与える様々な力学に関する網羅性の高さと、その背後にある経済学的なロジックの説明度の高さである。それ故、刊行から35年以上経過した現代においても、多少の事例の古さはあれど、そのベースとなる理論の力は一切古びていないと感じる。

    そして、これを読むと確かにポーターは優れた経営学者であると同時に、優れた経済学者である(もちろん学位は経済学博士である)ということを再認識させられた。やはり古典は面白い、そして読むべき。

  • 経営の古典、名著である。ファイブフォースの本質的な考え方がよくわかった。40年経っても色褪せていない

  • 古典。初めて読んだ。主張の一つ一つについてかなり丁寧に、かつ淡々と説明する。読み物としては読みやすいものではない。他にもこんな感じで展開する本を読んだことがあるような…『子どもの誕生』か『メディア論』だったかな。
    でも5 Forcesについて理論と背景を知ることができるので、読んでおいてよかった(まだ理解し定着するには至ってない)。

  • 言わずと知れた経営戦略論の古典。めちゃくちゃ内容が濃く、古典といえど(本版は1995年なので25年前)、現代にも大いに有用な内容ばかりで大変勉強になった。定性的な内容ではあるものの、それぞれのケースにおいて事例を紹介しつつ説得的な理論を展開しており、最初から最後まで一読の価値のある本だと思った。
    経営学系の古典は初めて読んだが(厳密にいうと、コトラーの本は途中まで読んだ)、こんなにも面白いものかと痛感した。これを機に今後も他の経営学系の古典、あるいは名著を読んでいきたい。
    蛇足だが、昨今のビジネス書はこういうのに比べると圧倒的に内容が薄っぺらいなぁと思わざるを得ず、なんとも複雑な心境にもなった。。

  • 企業が採用するべき戦略として3つを挙げている
    1.コストリーダー
    2.差別化
    3.集中

    事例は流石に古いものの(チェーンソー業界とか)、理論は全く古びていない。今も昔も企業が生き残るためには、競争環境を分析し、自社の資源を把握し、最適な戦略を決定・実行することに尽きるのだと教えてくれる。

    何度も読み返したい本です。

  • 『星野リゾートの教科書』に取り上げられていたし、まあ一度くらい目を通してみるかと、意を決して読んでみた。
    この本を読むと星野社長の言っていた言葉にもうなずける。

    さすが原典、古典、名著。
    ポーターというと、なんとなく5つの脅威やコストリーダーシップ、集中、差別化などのフレームワーク的なことが浮かんでくるのだが、本書に記されているのはそんな表面的なことだけではない。

    企業経営上の戦略決定場面において、なされるべき分析・意思決定について考慮すべきことがらが微に入り細に渡って網羅されている。書かれた時代的には古いので、現代においてはもっと考慮しなければいけない点が多いのかもしれないが、本書に書かれていることを基本とするならば、まず基本を押さえるだけでも一苦労なのだということが実感できる。

    一回読んだだけでは全くもって嚥下できないほど濃密。
    2回、3回と読んでよく噛み砕く必要がある。
    そんな内容だった。

  • どの業界に勤める方でも、どの職種でも応用可能な戦略のメゾット。古典的な内容ではあるが、今でも汎用性の高い内容となっている。
    内容はやや製造業や大企業に寄った事例が多く、サービス業や中小企業の方は、事例を抽象化して自身の業界に落とし込む作業が一定発生する。

  • 競争の戦略

    競争要因
    新規参入業者、競争業者、買い手、供給業者、代替品

    互いに代替可能な製品を作っている会社の集団が業界

    ーーーbytedancdはアルゴを共有できるからプロダクトの参入がしやすい
    ーーーーー

    二章

    競争
    ーコストのリーダーシップ
    ー差別化

    ー集中

    3章 競走業者分析のフレームワーク




    事業レベルでの視点
    ー業績目標は? 目標間でのトレードオフは?
    ーリスクに対する態度は? そのバランスは?
    ー価値観や信条は?
    ー組織構造は?

    4章 マーケットシグナル

    予告により新製品を匂わせて他の会社の製品を買わせない


    7章   競争戦略

    専門性
    ブランド指向度 Appleとな
    プッシュかプルか
    品質
    流通
    技術のリーダーシップ
    垂直統合
    コスト面での地位
    サービス提供度
    価格政策

    親会社との関係
    国の政府との関係

  • 創刊30周年特別号

  • 経営戦略を図る上でのバイブル的な一冊。

    1980年頃のアメリカの製造業・IT産業を題材にしているため、サービス業や不動産業等には必ずしも当てはまらない事項もありますが、総じて、星5つの戦略指南書だと思います。

    ボリュームがある上に、内容も平易ではないため、ご自身が属する業界における業界構造・仕事内容・特性について、それなりに把握してから読むことをおすすめします。

    常に自分の業界に置き換えて読み進めないと、ただただ字面を追いかけるだけの作業になってしまいます。
    逆に、置き換えて読み進めてみると、「あぁ、あの会社はこういうロジック・戦略をベースに抱えているんだな」というのがおぼろげに見えてきます。


    以下、私なりの解釈・ダイジェスト。

    (1)まずは以下の5つのステップを踏む。

    ①自社が属する業界を広くみて、『5つの競争要因分析』をする。(1章)

    ②13個の次元の中から、自社が属する業界の移動障壁を決定づける要因を選択し、『戦略グループマップ』を作る。(7章)
    ※複数パターン作ると尚良い。

    ③戦略グループ毎に、『5つの競争要因分析』をする。
    これにより、優位なグループがどれであるかを炙り出す。(1章)

    ④自社の長所・短所を明確にして下記を検討。(7章)
    ・自社はどの戦略グループに属するのか?
    ・今後どのグループに参入するのか?
    ・新しいグループを作るのか?

    ⑤選択したグループの中で、どういう戦略を立てるのか『3つの基本戦略』をベースに細分化して考える。


    (2)加えて自社の業界が、以下のいずれには当てはまるか考え、それぞれに適した戦略策定を図る。

    『多数乱戦業界』『先端業界』『成熟業界』『衰退業界』『グローバル業界』
    (9〜13章)

  • ・企業が競争力を高めるには、競合するライバルの動向に気を配る必要がある
     UTは複数代理店制に向かう。よって、勿論気を配る必要がある。

    ・企業の基本的な競争戦略には「コストリーダーシップ」「差別化」「集中」の3つがある
     UTにおいて、コストは難しい。うちの製品は基本そうかも。差別化がうちが取る基本戦略であることが多い。とすると、どこをどう差別化するかを考えなければいけない。

    ・業界構造の成熟度に応じて競争戦略を考えることで、ライバルに勝つ
     UTはこれからの製品。アーリーステージから今年、次のステップにいくくらい。

    ・ライバルの動向を見極めることで、競争を避ける戦略を取ることもできる
     入札したいのかどうか、という話

    ・新規参入の際には、先行するライバルの戦略を見極める
     他の企業はどのような戦略でくるのか、確かにそこを見極めていく必要があるな

  • まずはマイケル ポーターです。まじめに読もうとするとしんどいですが、一応知っていないといけない古典です。元は1980年に出ている本です。読みにくいです。ただ、この本には「ファイブフォーシズ」「3つの基本戦略(①コストリーダーシップ戦略、②差別化戦略、③集中戦略)」など、知っていないとマーケターとして恥ずかしい有名なことが書いてあります。なので、外せないのです。ただ、非常に読みにくいので、No.2、3の要約本が出ているくらいです。要約本でも2はそれなりの内容があります。

  • 2021年で読んでも、通じる内容が多々あり勉強になります。

  • 1982年に30代の若さでハーバード大学の正教授となった鬼才マイケル・E・ポーターが説く、競争戦略論。

    業界の競争状態を決める要因は、次の5つ。
    ①新規参入の脅威
    ②既存競争業者の間の敵対関係の強さ
    ③代替製品からの圧力
    ④買い手の交渉力
    ⑤売り手の交渉力

    5つの競争要因に対処し、他社に打ち勝つための基本戦略は、次の3つ。
    ①コストのリーダーシップ(コスト面で最優位に立つ)
    ②差別化(自社の製品やサービスを差別化する)
    ③集中(特定の買い手や製品、地域市場へ集中する)

    競争戦略の策定においては、豊富なデータに基づく「競争業者分析」が不可欠である。多くの企業は、競争業者についての情報を体系的なやり方で収集していないが、これでは完成度の高い競争業者分析は行えない。

    競争業者分析においては、次の4つの要素を把握する。
    ①競争業者の「将来の目標」
    ②競争業者が持つ自社の立場についての「仮説」
    ③競争業者の「現在の戦略」
    ④競争業者の「能力」

    競争業者分析によって、「今後、その業者が戦略を変えてくる可能性」「その業者は他社のどんな戦略上の動きに弱いか」等々がわかる。そして、それらから、「自社にとって最も有利な競争分野はどこか」ということが引き出せる。

  • 競争の戦略

    ■戦略の重要性
    ・正々堂々と高品質なものを作っていれば、道はおのずと開ける→通用しない

    ■5つの競争要因
    ①新規参入の脅威
    ・規模の経済
    ・製品差別化
    ・巨額の投資
    ・仕入れ先を変えるコスト
    ・流通チャンネル
    ・規模以外の要因によるコスト差
    ・政府の政策
    ②業界内の競争関係
    ③代替製品からの圧力
    ④買い手の交渉力
    ⑤売り手の交渉力
    企業の利益性は、競争循環の厳しさに影響を受ける

    ■3つの基本戦略
    ①コストのリーダーしプ
    ・コスト面で優位であれば競争が厳しくなっても自社の利益制覇相対的に守られる
    ・ただし、コストリーダーシップは技術変化、新規参入などの環境変化に弱い
    ②差別化
    ・特徴により同質的な競争を回避
    ・コストと同じく弱みあり
    ③集中
    ・特定の市場に経営資源を集中して優位を達成すれば、その分野への新規参入は限定され利益性が守られる

    ★現在は生産技術が確立されていて、同業大手は全て、ほぼ同水準のコスト効率を実現できていて大きな差にはなりにくい
    ・旧字体の技術で累積生産量を追うより、新世代の技術を採用した方が、コスト優位を実現できる。
    ・模倣されに口領域をコアとして差別化戦略を追求することが出来れば、長期的に優位をいじしやすくなる。
    ・日本企業に多い「良い物を安く」という思考パターンは差別化とコストリーダーシップの両方を追いかけることになるので、市場が成熟期に入ると成り立ちにくい

  • 競争戦略論は、この本から始まった。1980年に出版。

  • ・toppointで読む
    ・競争者分析が重要
    ・競合が反応しない分野を狙ったり、自己矛盾させたりすること

  • 500p弱あり、2回の流し読みでは完全に理解できていないが、競争戦略の原理ついて網羅的に書かれており、今後も読み直したい。企業事例・世界情勢が80年代の視点なため、現在の状況に置き換えて理解する必要があるが、逆に当時の将来予測を確かめるように読むことも面白い。

    Ⅰ. 競争戦略のための分析技法
    1 業界の構造分析法
    ・参入障壁としての規模の経済性の限界
     ・大規模&低コストメリットも、差別化・新テクノロジーとは矛盾する
     ・既存の生産設備が新テクノロジー適応の障害に
    ・同業者間の敵対関係も、業界の成熟化、新規参入に伴い変化する
    ・労働力も供給業者。労働組合の程度、供給増が可能かで労働力の強さがきまる
    2 競争の基本戦略
    ・5つの競争要因(供給業者、買い手、新規参入業者、代替品、競争業者)に対する3つの基本戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中)
    ・3つの基本戦略どれを選んでも第一の目標として総力投入すべき
    3 競争業者分析のフレームワーク
    ・競争業者の4つの診断的要素(将来の目標、現在の戦略、仮説、能力)
    ・競争業者情報収集システムによるデータ収集が必要
    4 マーケット・シグナル
    ・ハッタリを目的とする予告もある
    ・反トラスト訴訟(独占禁止法)は競争相手の攻撃を遅らせたいというシグナル
    5 競争行動
    ・企業が競争優位に立つために行う3つの約束
     ・断固継続の約束
     ・競争相手の攻撃への反撃の約束
     ・静観の約束
    8 業界の進展・変化
    ・政府の政策変化 e.g.証券取引手数料

    Ⅱ. 業界環境のタイプ別競争戦略
    9 多数乱戦業界の競争戦略
    ・業界内の企業が近視眼的で現状に甘んじている
    ・圧倒的支配を目指す落とし穴;多数乱戦の経済的原因を無視してシェアを伸ばしても能率が下がる
    10 先端業界の競争戦略
    ・金融界の信用が確立されていない;例外は高度技術産業や時代の要請に応える企業
    ・業界を発展させるには競争相手とも持ちつ持たれつの関係になる。競争相手に参入を進めるのが望ましいことさえある。
    11 成熟期へ移行する業界の競争戦略
    ・成熟期にシェア拡大を狙う投資は全くのムダ金
    ・目先の利益を求めるあまり、シェアを安易に諦めすぎる(マーケティング、R&D、必要投資を見合わす)
    ・移行期で組織が最も必要とするものが変わると、トップ経営者に求められる手腕もまた変わる
    13 グローバル業界の競争戦略
    ・新しい大市場が徐々に現れる;アメリカの独占から、中国、ロシア、インドへ。

    Ⅲ. 戦略デシジョンのタイプ
    14 垂直統合の戦略的分析
    ・独立2者間で契約を結べばある程度の統合経済性が入手できる。
    ・垂直統合の落とし穴は、他社取引の利得を無視しわざわざ統合に乗り出して、そのコストやリスクに苦しめられること

  • 【書評】背景:今年の自分が学ぶテーマは経営論とのことで、勧められて読んだ本。
    無知識の状態で読むにはかなりヘビーだったため拾い読み。

    企業の競争要因は主に5つ。
    1.新規参入
    2.既存競争業者の間の敵対関係の強さ
    3.代替製品からの圧力
    4.買い手の交渉力
    5.売り手の交渉力
    そのために重要な要素はコスト/差別化。
    市場が傾き始めると価格競争に走ってしまうため、一定事前にブランディングによる業界内での地位の確立が必要。

    自分はもっと基礎を学ぶ必要があると感じました。

  • 80年代に初版が書かれて重版してきているけれども、全体的に「古典」感がすごい。
    物を作れば売れた時代の話。
    「経済の歴史」を学ぶ人と、団塊世代の古き良き時代を回想したい人向け。

    ビジネス書として読むにあたって、情報産業中心となった現代においては、これを読んだからといって新しい何かは生まれない。(温故知新、、あるかな)
    それどころか、そもそも「競争」が前提だから、技術や情報を守らないといけない、みたいなことが書いてあって、知財戦略は別としてこれを今の企業(とくにスタートアップやユニコーンと呼ばれるような)でやるのは危険だと思う。

    まさにタイトル通りブルーオーシャン戦略の真逆でした。

  • 企業のポジショニングについて書かれています。リソース的考え(アウトソーシング等)については書かれていません。

    1.この本を一言で表すと?
    ・他社や業界の分析、予測をする方法体系

    2.よかった点を3〜5つ
    ・5つの競争要因(p18)
    →競争環境を分析するひな形としてわかりやすい。あくまでも分析方法。
    ・3つの基本戦略(p56)
     →たったの3つ。よくまとめられている。
    ・成熟期へ移行する業界の競争戦略(p311)
     →うちの会社があてはまるので興味を持てた。うちの経営者は本書をよんでない?

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・大企業にしか適用できない理論ではないのか?
    ・業界の分析に主眼を置いているが、自社内の分析は必要ないのか
    ・戦略ばかり考えていると、「お客様や社会への貢献」ということを忘れてしまわないだろうか
    ・環境分析は「5つの競争要因」だけでいいのだろうか

    3.実践してみようとおもうこと
    ・経営者ではない自分にとってどのように戦略をいかすのか。次のように置き換える。
     ◆新規参入業者→新入社員、中途採用者 ◆供給業者→協力会社の人々 ◆買い手→会社の得意先 ◆競争業者→社内の同僚、部下、上司 ◆代替品→アウトソーシング先、機械化、自動化

    4.みんなで議論したいこと
    ・上記つっこみ所に対するみなさんの意見

    5.全体の感想
    ・戦略としては、「低コストは当たり前、差別化が重要」という風に感じました。
    ・図が少なく量も多く大変読みにくい。1回しか読めなかったが本書の価値を十分理解できたかよくわからないのが正直なところです。

  • 自由競争社会における基本書。企業としての競争という視点で読むこともさることながら、個人の競争力という視点で読むのも面白いと思った。冒頭で著者自身が警告しているとおり、この本は斜め読みで理解できるほど底の浅い本ではない。繰り返し、噛み砕き、味わうだけの価値のある本と思う。

  • -

  • 「よくもこんなにほぼ当たり前のことを体系だてて書くな〜」と感心します。この本はヘビー級なので一般にはお勧めできませんが、経営コンサルタントのようなお仕事をされているには読むべき一冊であることは間違いありません。

  • いわずもがなの経営戦略論の古典。
    だが、すべてを読み通す必要性はないのでは?とも思う。

    大学院時代の教科書。会社に保管。

    [more]
    (目次)
    1 競争戦略のための分析技法
    2 業界環境のタイプ別競争戦略
    3 戦略デシジョンのタイプ

  • おすすめ

  • いわずと知れたマイケルポーターの戦略の古典ともいうべき著書です。5 Force modelや基本戦略についての知識はあったものの、改めて460ページにもわたる原典を読んでみて、自分の理解を以下にまとめます。

    ・5 forceのモデルは結局は経済学の基本原理に基づいたものである。完全競争下での業界の収益率は政府長期債の利回りに等しくなるが、各業界の特性によって競争要因が異なるため、実際は収益率も異なる。

    ・3つの基本戦略も不完全競争化することによって収益性を高めることではないかと理解している。コストリーダーシップ:規模の経済性、習熟曲線を活用して障壁を作り、寡占市場化する、差別化:商品を差別化することで実際は独占市場に近い市場を作り上げる状況にする、集中戦略:業界内で競争のない市場セグメントを発掘し、やはり事実上の独占市場を作り上げる。

    ・競争業者のプロファイルなど外部の情報(競争業者がどう行動するかなど)が意思決定に重要だが、簡単には手に入らないので内外の情報収集のための継続的努力が必要。また自社が意識的にマーケットシグナルを発信することも大切

    ・競争構造は業界の成熟度やステージによっても動的に変わりゆくので継続的に5Forceの分析が必要。

  •  ポジショニング戦略の大家による競争戦略についての本。業界(競合、市場)の特性を踏まえた戦い方について述べている。バーニーが企業内部を深堀したのとは対照的。1982年の発刊ながら、今でも読みごたえのある内容。
    (1) 競争戦略のための分析技法
     業界分析の手法や着眼点について非常に多くの内容が記載されており、やりだすとキリが無いという印象。不確実性が高くて変化のスピードが早い世の中であることに加え、業界の垣根が崩れつつある中ではなおさら。やはり戦略を考える上では、3C、SWOTで内外をざっくり俯瞰した上で、まずどんな戦略オプションを取りうるかケイパビリティにベースを置いて考えた方がいいと思う。ただし得られた戦略オプションに対して結論ありきにならず、各戦略オプションに対して業界がどう動くか仮説を立てて検証するのが大事かなと。自社の情報発信により業界の動きに影響を与えるマーケット・シグナルという考え方は初見でおもしろかった。
    (2) 業界環境のタイプ別競争戦略
     業界環境を市場のライフサイクルなどで数パターンに分類し、業界特性や戦略立案のポイントについて述べている。特に成熟業界への移行期、衰退業界など、逆風局面での競争戦略を深堀したものはあまり読んだことがなく参考になった。
    (3) 戦略デシジョン
     垂直統合、設備投資、新規参入などの戦略デシジョンについて述べている。特に気づきはなかった。
    ■キーワード
     5フォース分析、基本戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中)、マーケット・シグナル、製品ライフサイクル、イノベーション(製品、マーケティング、生産プロセス)

  • 現代のマーケティング思想の基盤とでも言おうか。書いてあることがすべて現代の常識になっている。

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