たった三行で会社は変わる―変化と行動の経営

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478375310

感想・レビュー・書評

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  • 経営変革を担う中堅社員でも読める本かと思っていたら、経営トップ向けの本だった。取締役でも副社長でもダメ。社長向けの本と言える。少なくとも組織のトップ向けである。二番手以下の人向けではない。

    筆者は、マネジメントとリーダーシップを区別している。マネジメントとは、計画的・管理的・分析的・客観的・論理的など。リーダーシップとは、直感的・主観的・感覚的・変化と行動のこと。

    会社全体を考えた場合、社長が取るべきはマネジメントではなくリーダーシップであるべきとし、マネジメントは副社長以下に任せる、部単位であれば、部長がリーダーシップをとり、マネジメントは課長以下に任せる、つまり、変化と行動を主導するのは組織のトップである。

    しかし直感に基づく変化と行動だけでは場当たり的で
    経営は不安定になる。よって、トップ以外の者がすべきことは、客観的・論理的に補完し、バランスを取ることである。

    客観・論理的だけであれば、安定はするかもしれないが、衰退の道を歩むことになる。

    リーダーシップとマネジメントの両者のバランスが取れたとき、企業は最も成長し、マネジメントのほうが強すぎると企業は衰退し、リーダーシップのほうが強すぎると企業は不安定となり、両方ないと破綻する、としている。

    経営トップが直感的・主観的に行動をできるようにするための仕組みは、本書のタイトルにもなっている、全社員が三行以下で毎日報告する制度であるとしている。ライン経由の報告ではなく現場の生の報告こそが重要である。筆者はこれを創発インフラと呼んでいる。

    社員1600人、出張者を除き、全員毎日三行の報告をする。6人の若手スタッフが、これもまた直感的に振り分け、40件を社長に報告する。その40件に対し、社長自らがアクションを取る。

    似たような報告が上がってくると、気づきを得ることがある。その気づきは直感である。そして情報の裏を取るように、指示を出し、上がってきた情報をもとに、さらに判断を繰り返す。

    筆者の会社の主要製品は、小売店などで使われているラベラーである。三行報告で気づいたこと&取ったアクションとして、次のことがあげられう。
    ・競合会社の事業撤退予測&買収提案
    ・消費税内税表示義務に対して、法律を先取りし小売業界が表示切替に雪崩こむを予測し対応製品の増産対応をしたことなど。結果的に他社の追随を許さず、一人勝ちできたこと。

    この全社員三行報告の義務付けは、社長自らが決断し実行しなければ、実現できない。部署単位でも実行可能だとは思うが、影響範囲が限定的にならざるをえない。

    社員1万人を超えるような企業では無理という気もするが、現実的に実行しているのが、全社員にTwitter利用を義務付けた孫正義と言えようか。

    Amazonマーケットプレイスで1円購入。1月25日読書開始。3月15日読了。

  • ・物事は一度言えば済む話しではない。相手が理解したかどうかが死活問題である。倒産する倒産すると伝える
    ・変化を求める経営こそが必要
    ・すぐやること
    ・変化を求めると、社員を常に前向きの姿勢にする。企業環境の変化を捉える。
    ・変化を求める経営とは、物事を客観的に見て主観的に行動するということ
    ・物事をありのままに見るという姿勢や態度は素直な心になるということ
    ・戦略は行動に従う。
    ・変化を起こし行動することこそがリーダーのリーダーシップ機能の発揮
    ・社員一人一人の意見や思い、日常普段のコミュニケーション、をもってトップが思いつききらめきに沿った行動をする。そのフィードバックをもらい、常に柔軟に考えを変化していく。
    ・小さな変化を継続し、変化を喜ぶ体質を形成し、大きな変化を受け入れる。
    ・個の中にこそ全体がある
    ・物事をありのままに見て、当然なすべき事を成す
    ・環境の変化は読みきれない。そこで管理的マネジメントに頼らないトップのリーダーシップによって、各社員と三行の短文を用いて普段に会話し、環境のいかんにかかわらず大小の変化を主導して、行動と結果の連鎖の中から環境適応=持続的成長を果たす意外にない。

  • 企業トップのまま大学院で経営学を学び、その勉強と実践の結果が書かれている。
    経営者の覚悟の重要性、変化を喜ぶ社風の大事さなど「本当にそうだよな」と思える内容がたくさんありました。

    【長崎大学】ペンネーム:コモンルーン

  • 県立図書館。

  • 強い意志を持った経営者がいれば、会社が変わるのを何度も見たことがあります。
    経営者の意志が弱ければ、会社は衰退していくことは確実です。

    暴走と「変化と行動」の違いが分かるかどうか心配です。
    経営者の中には、周りの意見に聞く耳を持たない人もいて、自分は「変化と行動」だと思っているかもしれません。

    何も行動しない経営者と暴走する経営者、その間の最適なところはどこかは分かりません。
    会社の目標、取り扱い製品、規模などによって様々だと思います。

    一番知りたいのは、自分の周りに取り巻きを作って情報が入らなくなるのをどういう心構えで防ぐかかもしれません。

  • サトーのカルロスさんから頂いた本

  • 著者は㈱サトーの会長藤田東九夫氏。

    2010年に一気にブームになった「ツイッター」。

    ㈱サトーでは、社員一人ひとりが毎日提案や意見を三行127文字に
    したためてトップあてに報告し、トップはそれを読んで何らかのアクションをとるという経営方針をとっている。

    しかもそれは1976年から。

    30年以上も前から社内「つぶやき」を実践しているなんて
    すごいの一言です。

  • 三行提報が知りたくて買いました。
    が、タイトルと違い本題は筆者の経営手法であり、期待以上に勉強になりました。もちろん三行提報についても書かれており、もっと売れてもよい本だとおもいます。いかんせん、装丁が・・・

  • 自分は経営者になるチャンスはないかもしれないが、経営者になったらこうありたいと思える事が多々あった。経営者でなくとも、仕事をする時はこうしたいと思えるヒントがあった。簡単な内容ではないが、読み易いのは著者の考えがシンプルかつ筋が通っているからだろう。

  • ◆リーダーシップ(ひらめき・変革)とマネジメント(安定・管理)のバランス
    ◆すぐやろう。区切りの良い日からなんてどうでもよい。
    ◆創業者は会社を賭ける、サラリーマンは自分を賭ける。だから、会社を賭け  ている創業者は大事なことは繰り返しなんどでも言う。サラリーマンは、「一
      度言う」。なぜなら”言った、伝えた”という事実が大事なだけだから。

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