- Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478732809
作品紹介・あらすじ
優れた企画書は、最高の推理小説だ。社会変革のビジョンを描き続けてきた著者が、ビジネス・スキルの真髄を初公開。実務との妥協なき格闘から培われたノウハウを、著者自らの体験をもとに語り尽くす。
感想・レビュー・書評
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営業であれば、なにげにあつかっている「企画書」
アメリカのシンクタンクにいた筆者が企画力、企画書を掘り下げたのが本書です。
企画書=提案書について、これまで、雑な扱いをしていたことを本書を読んで後悔しました。
気になったのは以下です。
■企画力
・「企画力」とは何か。人間と組織を動かす力、それが「企画力」です
・採用されない企画書は、「紙くず」にすぎない。「企画はよかったのに、上司の意識が遅れていた」「企画は優れていたが顧客が理解できなかった」は、やはりその担当者の「企画力のなさ」なのです。
・「企画力」とは、「企画を立案する力」ではなく、「企画を実現する力」のことだからです。
・「理論選考型コンサルタント」「知識偏向型コンサルタント」と、「実務経験型コンサルタント」「現場実践型コンサルタント」を見分けるか。それは、「言葉」が軽いかどうか。
・言葉が軽くなる理由は、①実務経験の乏しさ、②無意識の無責任さ です。
・企画とは実行されて初めて、企画と呼ぶ。「実行力」とかかれているのです。
・「知行合一」、知ることと、行うことを1つにするという意味の言葉です。この「知行同一」とは、プロが身につけるべき、まず最初の心得なのです。
・Think Tank ではなく、Do Tank をめざすという戦略です。
・プロは何によって人を動かすのか。それは、「物語」を語るということです。その「物語」を魅力的に語ることです。
・「企画力」とは「物語のアート」です。 では、その「アート」とは何か。それは、「技術」と「心得」の結合です。正確にいえば、身に着けた「技術」の奥に、しっかりとした「心得」が具わっていなければならないのです。
・安易な発想は捨てよ。「知識」を学ぶことと、「智恵」をつかむことは違う。「知識」を学んだだけで、「智恵」をつかんだと錯覚しない。
・「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」を語れ
■企画書
・企画書は、表紙の「タイトル」が勝負 タイトルを見た瞬間にページをめくりたくなるか
何が大切か、信念と情熱です。その企画書を書く人間の信念、そして、情熱、それが最も大切です。
・表紙をめくった最初のページで、何を語るべきか。「ビジョン」を語るべきです。
・企画書の第二ページでは、なにを語るか。もう一度「企み」を語ります。「企み」を明確な言葉でかたるとは、どのような意味か。「構造化された目標」として語る。です
・企画書の第三ページでは、何をかたるか。「目標」を「戦略」に翻訳します。
・企画書に必要な自問自答と問題提起。自問自答のスタイルの企画書は、読み手に対してまず、「問題提起」を行い、それに対する「解答」を一緒に考えていくスタイルの企画書なのです。
・企画書というものの隠れた重要あ役割は、「問題を提起すること」なのです。
■読み手中心の企画書
・「欲張り提案書」をやめよ。それは、「書き手中心」の企画書なのです。
・では、「読み手中心」の企画書とは何か。 ①読み手は一瞥して目に入る文字しか読まない。②読み手の思考は、立体的でなく、直線的である。
・3つの原則を活用する。それは、すべての項目を3つに整理して書くということです。
・箇条書きにして書くとき、注意しておくべきことがあります。それは、かならず番号を打つことです。
・「企画書」と「節女資料」を混同しない。
①企画書 本来それ自身が1つの自立的な役割を果たすもの
②説明資料は、補助的な役割を果たすものです。それ自身ではまとまったメッセージは伝わりません。
・企画書はそれ自身で一人歩きするものです。
・企画書とは、顧客企業の担当者を説得するものではない、顧客企業の組織を説得するものである
・顧客企業の担当者は同志です。我々と一緒になって、顧客企業の組織を説得し、その規格を実現する同志です。だから同志に、できる限りの支援をするべきです。
・同志を支援するための企画書の進化、それは「表の企画書」だけでなく、「裏の企画書」をつくる。社外でなく、社内に向いた企画書をつくる。
・戦略とはどういう意味か。戦いを略(はぶ)くとかく。「戦わずして、勝つ」それが、もっとも優れた策と言われています。
・企画書とは「営業の品質管理」です。
・組織のマネージャーにとって、大切なこと。それは、個人技に頼らない、その前にまず、「組織戦」です。組織戦の追い風の中で、個人技を鍛える
・没にした企画の数が、企画のすごみ。1つの優れた企画書が生まれるためには、その背後に、企画に盛り込まれなかった数々のアイデアやコンセプト、企画メモや企画書が必要なのです。
・企画書が「よく考え抜かれたもの」でないことは、企画書の何気ない部分が伝えしまいます。それは、誤字脱字。一度見直せば必ず気がつくはずの誤字脱字。「当社」に提出する前に、たったの一度もみなおさなかった。その印象を与えてしまいます。
・企画書の勝負の瞬間、それは、最も大切な勝負の瞬間と言ってもよい。それは、何か。顧客が企画書を閉じた瞬間です。顧客が企画書を読み終えた瞬間に、何を感じるか、何を思うか。それがもう一つの勝負です。そのとき「面白い、もっと話を聞きたい」と顧客が感じるか否か。それが勝負です。
■結論
・人間を売り込むこと
・企画書の目的は「企画」を売り込むことではない。
・その本当の目的は、企画の奥にある「人間」を売り込むことなのです。
目次
人間と組織を動かす力 それが、企画力
企画とは、実行されて初めて企画と呼ぶ ・
企画力とは「物語のアート」である
最高の企画書」とは「最高の推理小説」である
「知識」を学んで「智恵」を?んだと錯覚するな
企画書では「企み」を語れ
「何を行うか」よりも「なぜ行うか」を語れ
タイトルで「企み」を語る それが、最高の「?み」
これから何が起こるのか その「ビジョン」を語れ
「企み」を「戦略」に翻訳せよ
読みやすい企画書は「自問自答」のスタイル
読み手の「思考の流れ」を導け
「三の原則」を用いて企画書を削れ
企画書は「一人歩き」すると思え
顧客企業の担当者は「同志」である
「攻め」だけでなく「守り」に強い企画書をめざせ
「表の企画書」だけでなく「裏の企画書」をつくれ
企画書とは「営業の品質管理」である
営業担当者を企画会議に参加させよ
没にした企画の数が企画の凄み
顧客の心を読み、言葉を選び 迷いを捨てよ
企画書は読み終えた一瞬が、勝負
謝辞
ISBN:9784478732809
出版社:ダイヤモンド社
判型:4-6
ページ数:176ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2004年03月
発売日:2004年03月11日第1刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
★読む目的
企画力をUPさせる!
★読書レベル
シントピカル読書
★メインブランチ
『企画力』 『タイトル』 『読みやすいとは』
★INPUT
・企画力とは、人と組織を動かす力。立案する力ではなく、実現する力(実行されて
初めて企画。企画書は計画書ではない、企みを語るもの)。
・企画は1つの魅力的な物語として語る。ベストは推理小説(表紙を見て手に取りたく
なり、1ページ目を読むと続きを読みたくなり、パラパラ面白いのでめくってしまう)
・企画提案の活動の本質は、企画を売り込むのではなく、人を売り込む
・掴みだけでは、不十分。スタイルは自問自答。見出しで問いかけ、本文で答え語る
・×欲張りな企画書=書き手中心 ○読み手中心=人間の心理を理解
★ウガンダの感想
企画力は物語のアート、優れた企画書は最高の推理小説である。企画書とはこういう
ものだ!という視点で書かれています。企画書の書き方のサンプル例とかは、あまり
ありませんが、非常に勉強になりました。
★一言で言うなら
『推理小説を書くように書く!』
★OUTPUT
・表紙のタイトルにこだわる。見た瞬間にページをめくりたくなるか。
・最初の1ページに注意する(これから何が起こるか、掴みの導入部で、読み手の
気持ちをつかめるかどうか)
・読み手の心理を読んで、言葉を選ぶ
・基本構造理解:表紙のタイトルで企み。1ページ目で企みの背景にあるビジョン。
2ページ目で企みを目標に翻訳。3ページ目に目標を戦略へ。そして、戦略を戦術へ、
戦術を行動計画へ
・顧客企業の担当者は同志である。まずは賛同してもらわないと、話にならない。説得
したら見殺しにしないようにする
★BookCrossingしたい度
『★★★★★』
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20080212
○企画力とはなにか→人間と組織を動かす力
・採用されない企画書は 「ガベッジ(garbage)」紙くずに過ぎない
・プロフェッショナルの世界において「企画力」とは「企画を立案する力」のことだけでなく、「企画を実現する力」のことです。
・身に着けるべきは「企画力」と「実行力」をひとつにする「知行合一(ちこうごういつ)」という言葉が最初の大切な心得です。
○どうやって人間と組織を動かすのか?それは「物語」を語ることです。
・これから企業や市場や社会で、何が起こるのか。
・そのときに、我々に、いかなる好機が訪れるのか。
・では、その好機を前に、我々は何を為すべきか。
・その結果、我々は、いかなる成果を得られるのか。
○企画力の真髄はなにか?それは「物語のアート」です。「アート」とは、「技術」と「心得」の結びついたものです。
・一つ目の技術とはスキルやセンス、テクニックやノウハウと呼ばれるもの。
・もう一つ「心得」とはマインドやハート、スピリットやパーソナリティと呼ばれるもの。「最高の企画書」とは「最高の推理小説」である。
・「知識」を学んで「知恵」をつかんだと錯覚するな。「安易な発想」を捨てよ。
・「企画書」を書くために、最初に身に着けなければならない「心得」とは「企画」の字である「企み(たくらみ)」を語れ。
・「企み」とは「世の中を、より良きものに変える」戦略である。
・この「企み」がないと「企画書」ではなく、「計画書」に成り下がる。
・企画書においては、企みを語れ!企みを、面白く、魅力的に語れ。
○「人間」面白くないと、「企み」を面白く語れない。「面白みのある人間」とは「生き様が面白い」。心に明確な「夢」をもっていないと「生き様も面白くない」
・二つ目の心得は「何を行うか」よりも「なぜ行うか」を語れ。
・この二つの心得を理解すると「企画書」最も大事な部分「表紙(タイトル)」の書き方がわかる。
・表紙タイトルで「企み」を、短く、力強い言葉で語る
・第1ページで、その「企み」の背景にある「ビジョン」を語る。
・第2ページで、表紙で語った「企み」を「目標」に翻訳して語る。
・第3ページから、この「目標」を「戦略」へ、、「戦略」を「戦術」へ、「戦術」を「行動計画」へと順を追って翻訳し、語っていくわけです。
・企画書は「一人歩き」すると思え
・没にした企画の数が企画の凄み -
「人間がおもしろくないと、企みをおもしろく語れない」
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企画のスキルが書かれているが、個人的にはプロフェッショナルとしての心得に共感した。自分の専門は企画ではないが、プロとして通ずるものを感じた。社内で1番のプロに似てると感じたが、どんな領域でも極めていくと似てくるのかもしれない。
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田坂さんの本には珍しく、アマゾンの星印が3つ程度。たしかに、企画書を書くためのインスタント・ノウハウを知りたい人向きでないため、このような評価になったのかもしれないが、内容はすばらしい。ちゃんと書かれたと思える企画書がなぜボツになるのか知りたい人にはお勧め。
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精神論的な気がする。
企画は小手先の技術じゃないということを著書は言いたかったのだと思うが…私には、あまり得ることがなかった。