海のはてまで連れてって

  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 519
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478930526

感想・レビュー・書評

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  •  爽やかでそれでいて人間的な温もりが感じられる冒険小説です。家族の絆を題材にしている作品は個人的には好きですね。

     登場人物は、父さんとふたごの兄弟の3人が中心です。母さんは兄弟が小さい頃に亡くなっていて、男3人の家族です。それでいて汗臭くなく爽やかなのは、父さんの背筋をピンと伸ばした姿勢のおかげでしょう。父さんは豪華客船で働いていて、シニア・スチュワードとして一等船室客向けにサービスを提供する仕事をしています。高級ホテルのホテルマンのように、品位溢れる態度で周囲に接します。

     小説の舞台は、父さんの働いている豪華客船です。長期の航海の時にはいつもおばあちゃんの家に預けられて寂しい思いをしている二人の兄弟が、父さんと一緒にいたいという真っ直ぐな思いから、豪華客船に忍び込もうと計画します。豪華客船で繰り広げられるエキサイティングな雰囲気に、たちまち惹きこまれます。

     ふたごの兄弟の兄の方が主人公のぼくで、ちょっと変わっている弟との掛け合いがまた微笑ましくていい味を出しています。男の兄弟って、いつもはお前はここが悪いと駄目だししてケンカばかりしているけど、いざとなった時はチカラを合わせて協力し合うのです。

     この小説で全体を通して伝わってくるのが、兄弟の父さんへの尊敬の念です。「仕事をしている父さんはめちゃくちゃかっこいい」と主人公のぼくがつぶやきます。子どもに働いている姿を見せるって、子どもにとっても親にとってもいいことだと感じました。

     兄弟で家族でチカラを合わせて壁を乗り越えてゆく、現実の人生もまさに同じです。それには、家族同士の信頼感が必要です。信頼し合える家族を築くことって、何気ないようでもしかするとすごい貴重なことかもしれません。

  • 主人公の名前が出てこなかったところが不思議だった。
    いくらなんでも『ぼく』も、クライヴをいじめ過ぎなんじゃないか?
    お父さんに密航していることがバレた時も
    クライヴにしか怒っていなかったし
    さすがにかわいそうだと思った。けど・・・
    性格はちょっと問題かも!?   
    密航するなんて考える2人も”やるときはやる”というか、
    こわいもの知らずのところがすごい!
    クライヴはさきに生まれてても結局性格は変わってなかった(^_^

  • シアラーの作品は大好きですが、これが一番好きかも。
    豪華客船で働く父親のそばにいたくて、密航するふたご。

    バレないように大人をだしぬき(欺く、というようなタチの悪いのじゃないのがいい)ちゃっかり豪華客船ライフを満喫しちゃう。
    でも、そういう冒険に事件はつきもの。
    どうなるふたご!父親にバレてしまうのか?

    とまあ、子どもが喜ぶ要素がぎっちり。
    でも大人が読んだってわくわくするし、家族愛にほろりとするし。
    読めば元気になれること間違いなし!

    画像は本の帯がないけど、帯こみでおしゃれな装丁ですよー

  • ドキドキ!

  • とってもおもしろかった。アレックス・シアラーの本、一気読みの5冊目だけど、今のところこれが私の中で1位。読んでいる間の感覚は「魔法があるなら」に似た感じでした。双子の弟の「クライヴ」にイライラしながら、みつからないかとドキドキして。でも読後感はずいぶん違うかな。 児童文学では重要な「行って帰ってきて成長している」ってところが、本当によくでていて、いい作品だと思いました。子供が面白がる要素も満載で、うちの息子(小5)も2時間くらいで一気に読んじゃいました。オチも面白かった。ダジャレが多いので、原作がどんな表現をしているのかも気になりました。いつか読んでみたい。

  • アレックス・シアラーの本は、どの本も話のなかに引きずりこまれます。とくにシアラーの本は、家族愛や勇敢にたちむかうことなど、メッセージがいっぱいつまっています。
    この「海のはてまで連れてって」も双子の兄弟が密航という、最初からびっくりな展開。あっという間に読み終わってしまいました。
    兄弟とともに冒険して、ドキドキしたり、思いっきり笑って感動できました。

  • 面白かった。スリルがあって楽しかった。 でもそんなに強く印象は残ってない。

  • 高校時代にアレックス・シアラーの本にはまって
    何冊か読んだっきりだった

    アレックス・シアラーが描く子どもは
    いつも自然な等身大の子どもって感じで
    愛らしいから好き。

    大好きなお父さんの乗る旅客船に乗り込む
    冒険的な物語で、大満足な一冊。

  • わくわくしました。

  • 『魔法があるなら』となんか似てるなー。とまず最初に思った。
    父親にばれたときも、その後の展開がすぐにわかってしまい、つまらなく感じた。
     

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著者プロフィール

英国スコットランド北部のウィックに生まれ、現在はサマセット州に住んでいる。テレビやラジオ、映画、舞台のシナリオライターとして活躍したあと、数多くのヤングアダルト小説を執筆、ガーディアン賞にノミネートされた『スノードーム』(求龍堂)などを生みだした。映画やテレビシリーズになった作品もあり、日本では『チョコレート・アンダーグラウンド』(求龍堂)を原作としたコミックやアニメ映画が制作された。他に、『青空のむこう』、『13ヵ月と13週と13日と満月の夜』『This is the Life』(いずれも求龍堂)、『スキ・スキ・スキ!』(あかね書房)、『世界でたったひとりの子』『あの雲を追いかけて』『骨董通りの幽霊省』(いずれも竹書房)などがある。

「2017年 『ガラスの封筒と海と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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