インナーマザー ~あなたを責めつづける心の中の「お母さん」~ (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479303763

感想・レビュー・書評

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  • 子どもを持つ前に出会えてよかったと思う本。自分の母親に読ませてやりたい。親と子はそれぞれ個人。家族の要は夫婦の絆。結婚観とか子育て観とか、曖昧にあったけどこの本読んで「それでいいんだよ」と確立された感じ。
    本当、すべての母親が読めば、不幸は少しでも防げるのではないのか、と思う。でも、それでも難しいのが家族なんだろな、と思う。

  • ●成長したひと、スライバーの特徴

    1.一人でいられる、一人を楽しめる
    2.寂しさに耐えられる
    3.親のことで過剰なエネルギーを使わない
    4.自分にやさしい
    5.他人(世間)の期待に操られない
    6.自分で選択し、決定する
    7.自分の選択したことに責任をとれる
    8.自分は世の中に受け入れられて当たり前という確信を抱いている

    ●スムーズに親離れ、子別れするためのルール

    1.子どもの秘密にふれない
    →子どもの秘密のポケットをすべて暴いて、いつまでも何もかも把握していようとするのはおかしなことです。たとえば、子ども部屋に勝手にはいって机の引き出しをあけて、わざわざ奥のほうに隠してある日記をとりだして読む、ということを平気でやる親がいます。親なら子どもの日記を読んでもいい、当たり前だという感覚をもっているのでしょうか。それは当たり前ではありません。(子どものケータイも同じです)

    2.子どもの性的領域に立ち入らない
    →子どもの性的領域にずかずかと立ち入り、無神経に暴いたり、安易に触れるのはもっとも危険なことです。

    3.夫婦関係にこどもを巻き込まない
    →子どもは親をみて学びます。夫婦関係が親密であれば、子どもも親密な関係を築いていくことを覚えていきます。父親と母親が自分たちの世界をもっていて「おまえたちはもう大人になったんだから、後は好きにやってくれ。私たちは私たちで楽しくやるから。」ということであれば、子どもはサッサと親から離れて自分のパートナーを探すでしょう。

    4.金は出さないが、口も出さない
    →15歳までにとりあえず精神的な親離れ、子別れをし、学校を卒業して働くようになったら経済的な親離れ、子別れをすればいいのです。

    5.物理的な距離を取る
    →親は子どもの世界ができあがり、脱皮する時期がきたら、適当なところで距離をおき、子どもの判断を尊重するように切り替えます。そして子どもが出ていく時期がきたら、「いつでも帰っておいで」といって部屋を用意しておくと、安心してサッサと出ていきます。いつでも帰れると思うから帰ってこないわけで、健康な親離れ子別れができている証拠です。

    6.あれこれぶつかりながらバランスをはかる
    →親子といえども、きちんとノーといえる関係をつくっておかないと、距離が近くなりすぎてしまう。距離の問題は口でいうほど簡単ではありません。「こうすればよい」という一つの解決策があるわけでもありません。

    7.親はある程度の一貫性をもつ
    →アルコール依存症の父親をもった子どもは、子ども時代を喪失します。シラフのときは謹厳実直な父親をやり、母親は父親にあわせておどおどしている。ところが、父親は酔っぱらうと暴力をふるい、母親もそれに対抗して激しい闘争になる。こういう親の姿を見ている子どもは全く混乱してしまいます。酔っぱらったときとシラフのときとでは、二つのちがう人格が出てくるのですから、子どもにとってはモンスターと一緒に住んでいるようなものです。健全に機能する家庭をつくるのはむずかしい。 
    健全に機能している家庭というのは、親にある程度の一貫性があります。一貫性というのは「常に意見が一致している」こととは違います。人間、それほど矛盾なく筋が通った存在ではありませんから、いいかげんならいいかげんでよいのです。子どものほうはちゃんとそれを見ていて、「またそのときの機嫌でしゃべってるよ」と思う。親といってもまあそんなものだと観察して、健全に成長していくわけです。

    8.人との勝ち負けを重視しない
    →比較の少ないひとは生きるのが楽です

    9.自分の人生の不満を子どものせいにしない
    →他人との比較ばかりしていると、すべての欲望をやり残さずに追求するのはとうてい無理です。

    10.等身大のモデルになる
    →子どもが生き方のモデルにし、真似をしていくのは親の生き方です。けれども子どもが仰ぎ見てひれ伏すようなモデルである必要はありません。背伸びしない、等身大のモデルで十分なのです。

    11.あばたもえくぼでいい
    →親の仕事はとにかく子供を「無条件で愛すること」です。子どもをよくしよう、できるようにしよう、きちんとしつけよう、良い子にしようなどと考えなくてよいのです。

    12.「たっぷり愛された」という子どもの確信を育てる
    →親は、その子の個性そのものに目を向け、自信をもたせたいものです。何もできなくても、何か誇りがある、というのがいい。学校に通うようになったり、社会にでると、さまざまなことで比較されたり、逆境におちいることもあるでしょうが、健全な自己愛を持った評価の高い人は、それを良い経験に変換していける「しなやかな感覚」をもっています。誇り高く生き生きと、今ある現実を楽しむことができる。そういう人間を育てるのが親の仕事なのです。

  • 一時期、この手の家族問題絡みの本ばかり読んでいたことがある。
    ACの概念もインナーチャイルドの概念もそこで知った。自分がどうやらACであるらしきこともわかった。
    私の中にも強烈なインナーマザーがいる。いつもいつも私を批判しダメだしする。私を認めない。肯定しない。
    昔はそれがインナーマザーだと知らなかったのでとても苦しかった。今は知っているけど、それでもその声を聞かないでいるのはとても難しい。
    いまだに「世界は敵だらけだ」とどこかで思っているし、「人間は信用できない」と思うことをやめられないでいる。
    そういうことを、ずっと考えていると苦しいので見ないふりをしていたのだが、久しぶりにこのジャンルの本に手を出してしまって、またぶり返してしまった。
    それでも、わかってやっているのとわからないまま苦しむのでは前者の方がまだ楽なのだ。
    結局どうにもできないままここまで来てしまったなあ、としみじみ思う。

  • 星5つ!
    子育てに悩んでいても、悩んでいなくても読んで欲しい
    全ての親、必読の本

  •  心理学の本を読んでいると、(よくあることなのですが)自分に当てはまることが多く感じます。本書は、母親の支配から抜け出せない心理を説いたものですが、自分のアダルト・チルドレン性を強く認識しました。解決法もいくつか書いてあったので、参考にしたいと思います。

  • 【所蔵館】
    りんくう図書室

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000940396

  • 結局読めず。

  • 人の心理は複雑だ。
    親子はゆるく繋がった状態で切り分けて生きるのがいちばん生きやすいのかなと思った。
    good enough mother。人格に矛盾のないほどほどに良い親になりたいなぁ。ハハハ。
    2017/03/07読了

  • そのことで苦しんでる自覚のある人みんなに読んで欲しい。

  • 2012年3月31日購入。
    2013年2月2日読了。

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著者プロフィール

精神科医、家族機能研究所代表。
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。
医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より、国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させ、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。

「2022年 『毒親って言うな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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