本屋さんで待ちあわせ (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
3.52
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本棚登録 : 1452
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479307419

感想・レビュー・書評

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  • 本について三浦しをんさんが思っていること。
    ・本を読めば人格が磨かれ、情緒が豊かになるわけではない。
    ・読書以外の楽しみを知っている人に、無理に本を読めと勧める必要はない。
    ・本は、時間と空間を越えた異世界へ連れて行ってくれる。
    ・本は、求めるものの呼びかけに必ず応えてくれる。

    しをんさんの本棚には「ヤクザ本」のコーナーがあるそうだ。
    この手の本は買い逃すと入手がむずかしいらしく、貪欲に強気に攻めている。
    マンガ、BLの話題も盛り沢山だが、私が読まないジャンルの本をいっぱい読んでいる。

    『クラシックCDの名盤』はパラパラと眺めた記憶があるので、しをんさんの言ってることがよく分かる。
    「ティーカップの底に数センチもの愛という砂糖の沈殿するマーラーを堂々と飲み干せ」
    といった、なんだか分からないがすごいらしいことが伝わってきて、
    どうかしてる度が感じられる、音楽愛を自由に語っている姿勢が面白いらしい。

    萩尾望都さんも取り上げられていて、一番読み返しているのは『マージナル』で、読み返すたびに新しい発見があるのだとか。
    私がまさに今、読んでみようかとチェックを入れた作品だったので、これは絶対に読む!
    あと『ポーの一族』を未読なかたがいらしたら、ぜひ通して読むように!と激推しだった。

    西加奈子さんの『ミッキーかしまし』も出てきた。
    これは、今読み始めたばかりの『この話、続けてもいいですか。』の元本だ。
    「著者の体験や生活臭や考えがページから迫ってくる」
    「世の中にまっとうなひとなど一人もいないのだなと、深く感得した」
    そんな「いいエッセイの条件を満たしている」本だと紹介している。
    とんがっているが嫌味がないとも言っている。
    村田沙耶香さんが、『私が食べた本』の中で、西加奈子さんは純粋無垢だと言っているのと同じことなんだろう。

    「三章 本が教えてくれること」、に私の好みに合う本が多かった。三章だけなら★5。
    守備範囲が広すぎて、私には読めないと思われる本の紹介が大半だったので★3にした。

  • ありがとう!しをんさん。と
    駆け寄って頭を下げたくなる。

    もっと本を読みたくなった。
    自分では手を出すことのないジャンルの本なのに、 
    同じ作家として評することなく、面白かったところ
    発見したところを掬い上げ感動を伝えてくれる本


    本当に本屋の前で待ち合わせして、
    はー、とか、へー、とか言いながら聞きたい。

    ひとまず紹介されていてブクロブにもあるものは早速 『読みたい』に入れておいた。

  • ホンモノのホンヨミーは凄いな。
    古今東西ジャンルを問わぬ雑食っぷり。
    好きを叫ぶことも、技術や想いを深く考察することも。

    言葉や文章、物語に耽溺する著者のブックエッセイ。

    そういえば、小さい頃繰り返し読んだ『キュリー夫人』の伝記で、キュリー夫人が貧しかった頃、すきま風の入る寒いアパートで食べていたバタ付きパンに憧れていたのを思い出した。
    本って、読むとお腹減る。


    『東海道四谷怪談』のあれこれはコミックでだけど、手に取ったばかりなので、ふんふんと読んだ。

    「大人になっても本ばかり読んでいるとごくつぶし扱いされる」
    →わかる。仕事なんだからしょーがないじゃんと小声で抗議するも、食ってけない仕事なんで反論になってない。
    「本を読めば人格が磨かれ、知識が深まり、情緒が豊かになるかというと、そうでもないということは我が身で検証済みだ。」
    →私が仕事なのに「読書」の効能なるものを声高に主張できないのは、自分のアホさ至らなさ度が天元突破しとるからなのだ。私に限るだけど。
    ええやん。本って、おもしろいねんもんさ。

  • どんな本を勧めるのか、というのはその人間の人物性が出る。
    そして、それが合うというのは趣味が似ているようで、嬉しかったりする。
    しをんちゃんの紹介する本は面白い。

  • 出先でちょこちょこ読むのにちょうど良かった。読み終わっちゃって残念。

    これ読んだら、自分が本好きって言えなくなる。未読のジャンルの本が沢山紹介されてて楽しかった。

  • しをんさんは凄い!
    フィクション、ノンフィクション、ジャンル問わず職業本からハーレクイン、BLまで幅広く読んでいて隙がない。

    何にでも興味を持ち、広い視野で読むことはそんなに簡単ではないと思う。私ももう少し世界を広げられたらと感じた。

  • 三浦しをんの読書量とその幅に驚かされる。
    小説だけでなく、あらゆるジャンルの本を読んでいるんだなぁ。
    今回本書で複数人の評伝というものを初めて知った。
    テーマで評伝を集めた本ということだが、早速探してみたい。
    本を読まないと知らないことがまだまだあることが発見出来て嬉しい。

    また、中島敦の山月記について私も高校で学んだが、著者の人生についてまで知ろうとは思わなかったので、この本で彼について知れてよかった。
    中島敦の文学全集欲しくなった。

    • きぼりねこさん
      はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      「真綿荘の住人たち」、しをんさんの書評からどんな話なのか気になってました。
      是非とも探してみ...
      はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      「真綿荘の住人たち」、しをんさんの書評からどんな話なのか気になってました。
      是非とも探してみたいと思います。
      最近まだエッセイのみですが三浦しをん作品を読みはじめて、どれも読みやすくユーモアがあって引き込まれています。
      博物館の方も気になります!

      さてさてさんは読まれた本全てに感想を書かれていてすごいですね。
      私は読みたい本が多すぎて全く追いつきません。
      子供の頃は読書感想文が嫌いだったのに、こうして好きなように書けると感想文も楽しいです。
      こんなふうにお話も出来て、読書って良いものですね。
      2021/03/01
    • さてさてさん
      きぼりねこさん、お返事ありがとうございました。
      私の場合、読書というものを始めてまだ一年ちょっとなので、まだまだ色んなことが新鮮で、読書を...
      きぼりねこさん、お返事ありがとうございました。
      私の場合、読書というものを始めてまだ一年ちょっとなので、まだまだ色んなことが新鮮で、読書を楽しめているなあ、と感じています。しをんさんの作品群に出会えたのも幸運でした。また、こういった交流の場があるのもありがたいです。
      今後ともよろしくお願いします。
      2021/03/01
    • きぼりねこさん
      こちらこそよろしくお願いします。
      私もコロナで自粛をきっかけに、学生の頃以来久しぶりに読書を再開してまだ3ヶ月ほどなんですが、本屋さんや図書...
      こちらこそよろしくお願いします。
      私もコロナで自粛をきっかけに、学生の頃以来久しぶりに読書を再開してまだ3ヶ月ほどなんですが、本屋さんや図書館に行くと無限に本があって、読もうと思えばいくらでも読めてどんどん世界が広がっていくのが楽しいです。
      自分語りになりますが、小学校の頃に学級文庫を制覇するぞ!と意気込んでいた頃を思い出します。
      またよい本があればぜひ教えてください。
      2021/03/01
  • 三浦しをんさん。
    舟を編む以来でしたが
    図書室で少し読んだら
    全部読みたくなりました!
    いわゆる三浦しをんさんの
    お気に入りの本紹介の本。

    舟を編むの時
    なんて言葉を愛してる方なのだろうと
    思ったけど
    言葉だけにとどまらず
    本もこれだけ愛していたのですね!!

    古典や文豪たちの本、四谷怪談、
    角田光代さんからのBLそして辞典まで!
    どんだけ幅広く本を読んでいることでしょう。
    そして
    気になるように紹介してくださること。
    私もいくつかメモさせていただきました!

    本は知識。
    知識は人間形成。
    成長のために
    知らないことを知るために
    私もまだまだ本を読むぞーー!
    って
    思わせてくれる本でした笑

  • タイトルから勝手にエッセイだと思っていたらがっつり書評本でした。
    三浦しをん氏だから語り口のノリが良く軽く読める書評もあるけれど、取り上げている作品のバリエーションが多彩で好みではないものに関しては私の力不足ながら文章が頭に入らなかった。
    四章・読まずにわかる『四谷怪談』(著者も参加の『罪と罰を読まない』を思い出す)は面白く伊右衛門なんてお茶の名前にしてる場合じゃないのでは?!と思った。
    漫画・BLの書評もあり多読作家なんだなと初めて知った。

  • 愛を感じた。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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