TOKYO 0円ハウス0円生活

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479391678

作品紹介・あらすじ

ホームレスは理想の家を持っている!?隅田川のブルーシートハウスに住む"都市の達人"鈴木さんに"建築探検家"坂口恭平が密着!理想の家とはなんなのか。

感想・レビュー・書評

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  • 路頭に迷うという想像は私にとってはゲームオーバーに等しい。
    ホームレスになって生きる自分を想像出来ない。

    この本を読んで「0円ハウス」で生活している方達のことを知って、その生活が悲惨だとは言えなくなった。
    でも私にはやっぱり出来ないなぁ…。

    鈴木さんの住まいも生き方も、鈴木さんや他の路上生活者に感銘を受けた坂口さんの考え方も、すごいとは思うのだけど自分のこととして考えられない。

    そういう生き方がある。
    そういう生き方が出来る人がいる。
    そんな印象。
    それは視野の狭さと頭の硬さ故だろうか。
    そうなのかもしれないなとも思う。

    一軒家を建てる、マンションを買う、アパートを借りる、そのどれでもない「自分の空間を自分で作る」という道。
    住みながら作り続ける住まい。

    今の私には選べる気がしないけど、いつか選択肢の一つになる日がくるのだろうか。
    それしか選べないではなくて、他の選択肢と並べて検討するような日が。

    …やっぱり想像出来ないなぁ(^^;)

  •  0円の家、0円の生活。坂口恭平さんが隅田川のブルーシートハウスで暮らす鈴木さん(59歳)と美枝子さん(52歳)を取材した作品です。

  • 著者の熱量がヒシヒシとビシバシと伝わってくる。なんか若さっていいな!とも思う。
    本の内容も興味深く時々吹き出しながら読むもそこに「リアル」がある!ということも感じる=伝わる。

    そして何より著者に興味をそそられる(笑い)
    著者の自分の皮膚感を大事にしてるというか...感性がすごいというか、自分のしたいことを知っているというか...凄い!

    そしてなんていうのかなぁ〜スケール感(グローバル感?)もすごいなぁ〜と思う。縛られない人、枠にとらわれない人動ける人...すごい。

    最初から面白く。興味津々で読み始めたけれど、個人的には第4章〜の展開も面白く読んだ。

    追記//
    今寝る前に読んでいる『生の短さについて』セネカ著の断片が頭に浮かびながら読み進んだ...

  • 今から約20年ほど前の隅田川沿いにビニルハウス小屋を建てて生活している鈴木さんの暮らしを取材し、家や生活の在り方に一石を投じる一冊。

    20年後の現代に本書を読むと、なんだか日本(特に都市)が息苦しくなって、ゆとりが全く無くなった感じがしてて、今も昔と同じように緩い小屋生活ができていればよいけど、どうなってるのかなあと、ふと考えてしまった...。
    (水の使用禁止にするとか陰険なことやりそうな輩が最近本当に多そうで。。。)

    本書やその取材を元にした小説「隅田川のエジソン」を先に読んでから本書を読んでしまったこともありますが、小説のほうが読んでて興奮したかもでした。

  • 鈴木さんを含むホームレスの生活は私が想像する生活より快適でした。
    家はテレビが観れて、調理もできる。さらに鈴木さん家は風呂もある!
    さらに鈴木さんは家でなく、食費が二人で月5万円。(私より高い・・)それは鈴木さんが地域の人と関係を築いてアルミ缶を大量に集められるからで、世間のはみ出しものホームレスのイメージとは、真逆でした。そして、鈴木さんは、生活を満喫していて、絶望感はなく生き生きしているそう感じました。家を工夫して作るは楽しいそうで、恐らく子供のころに秘密基地を作る感覚なんでしょうかね。思い出せないけど、なんか楽しかったのは覚えてる。
    ホームレスも意外と悪くないかもそう思えたので、この本読んでよかったです。


    後半の作者のエピソードと家に対する考え方もなかなか興味深かったです。
    どうやら、TOKYO 0円ハウスの写真集が出てたらしいので今度読みます。

  • お金がなくても「生きているって本当に面白い」とい言える生き方はカッコイイ
    お金が絡むとギブ&テイクになる
    お金が絡まなければギブ&ギブになる

  • 坂口さんの視点、切り口はもちろん面白いし
    それゆえに本書が成り立っていることも分かるが、
    このホームレスの鈴木さんが凄すぎる。

    毎日労働。
    空き缶は1キロ=126円。
    週に100キロ拾えるので、月収は5万400円。
    街をよく観察しながら、歩くので店の繁盛度合いにも敏感。
    さらに安い食材もチェックするので、ライフよりも99円ショップの
    キムチの方が美味しいと言い切れる繊細さ。
    そして、住居、電気、生活用品、全て拾ってきたものでまかなってしまう
    タフさ。
    こういう生き方もある、と勇気づけられる。(もちろん、本書でも
    語られているように自分で進んでやることも出来ませんが)

  • 意外にも快適な路上生活者の暮らしの実態をレポートした、とても興味深い本でした。
    一般的には困窮していると思える状況でも、知恵と工夫で意外となんとかなるものなんだなあと思いました。

  • 法に触れることなく正々堂々と0円でポジティブに生きている鈴木さんやソーラーハウスのおじさん、そして移住ライダーとか提出してる筆者と読んでるだけで元気になります。

  • 何でも東京のゴミから調達する達人のホームレス鈴木さん。
    その生き様は逆に東京という都市だから成立する。
    それを克明に伝える。
    筆致はあくまでも朗らか。
    生活の内容は暗くなく、むしろふっきれた明るさ。
    これでもやっていけるし、楽しい人生。
    みんながみんな真似ることは難しいだろうが、鈴木さんの創意工夫と心意気が伝われば、人生に絶望しての自殺はもっと減るだろう。

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著者プロフィール

1978年、熊本県生まれ。料理家、作家、建築家、音楽家、画家。2001年、
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、路上生活者の住居を収めた写真
集『0円ハウス』を刊行。2008年、それを元にした『TOKYO 0円ハウス 0円生
活』で文筆家デビュー。2014年『徘徊タクシー』で三島由紀夫賞候補、『幻
年時代』で第35回熊日出版文化賞、2016年『家族の哲学』で第57回熊日文学
賞を受賞。著書に『cook』『自分の薬をつくる』『お金の学校』『ゼロから
始める都市型狩猟採集生活』『現実宿り』『よみぐすり』など。

「2022年 『中学生のためのテストの段取り講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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