自分の頭で考えるということ

  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479391999

作品紹介・あらすじ

「考えること」こそが仕事である。将棋界と脳科学界を代表する二人が、「考える」ということについて語り合った対談集。

感想・レビュー・書評

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  • 茂木さんが羽生さんの話を理解しきれていないせいか、最後まで本質が引き出せていない感じ。

  • 前人未踏の「7冠」、そして最近は長く「3冠」を保持の羽生善治棋士、先般王位を菅井竜也棋士に奪われ現在「2冠」、王座戦も中村太一棋士に1勝2敗で後がない状態。王座戦頑張って欲しいです。そして何より竜王戦の挑戦者、今月から渡辺竜王との戦いが。期待しています!「自分の頭で考えること」、2010.9発行、茂木健一郎氏との対談、とても楽しく読み終えました。特に「美意識」に関する話、面白かったです。将棋の家元制度の時代は「お茶」「お華」と同じく「様式」が大事と。1年に1回将軍の御前での勝負は見栄えのいい出来レースとw

  • 茂木さんの「君はこうだから、つまり脳科学的にはこうだよね」という、一度体内で咀嚼してから再び吐き出すという話し方が、昔からあまり好きではありません。
    反論したくても、脳科学的にそうであるなら、納得せざるを得なくなっちゃうから。
    けど本著で、天才羽生善治が対等に言い合っているのが面白かった。
    「いいぞ善治、もっとやれ!」な。

    面白かったのは、人間の本質が「逸脱」であるということ。
    コンピュータは全検索により、最も良い手法を常に見つけ出す。
    だから近い将来将棋のプロが勝てなくなった時、果たして彼らに価値はなくなるのかというと、羽生さん曰く否。
    人間には「何かを見つけたい」という気持ち(神経経済学で言えば「必ずしも効用関数を最大化するために行動しない」)があり、そこが人間たる最大の「味」だと言っています。
    競技においてこんな考えを、しかもその道のキングが言っちゃうのは、なかなか無いのではないでしょうか。

  • 人が生きる中にもいろいろな失敗や成功体験があるが失敗の理由を学ぶ事はほとんど心理的にはできない。

    脳の性質からして成功は勝手に強化される。これを強化学習と呼ぶ。しかし失敗から学ぶ事は非常に難しい。失敗の原因を突き詰めて考え、同じことを二度と繰り返さないようにすると言うこともごく単純な場合ならばできる。
    しかしもう少し複雑な場合、論理的に言語化し、推理し、失敗の理由を白日のもとに探さないと学習する事はできない。しかし多くのアマチュアの人間は失敗してもその理由を振り返ることがない。

  • チェスト商業比べてチェスは駒が1時にしても操守って的に音が入ったりしないんだけれど、将棋は寝返るなんてまことしやかに言う人がいますよね。でもあれは実は交易をしているんだ。俺はこの銀はいらないけれどその角を頂戴とか

  • ザーと読んでしまったので、深く内容を理解できていないかもしれない。
    心に残ったのは、美意識。
    人間がコンピュータと違う1番の違いは美意識だったのか。
    小さなプライドって、時にマイナスになってしまうけど、それが人間らしさであり、個性なんだと改めて気づかせてくれた。

  • 本が出たのは2010年ですが、対談が行われたのは、2006年。
    コンピュータとの将棋の対戦の話も結構出てきますが、今読んでも、まったく古臭くないですね。
    そういう意味では、コンピュータと人間の関係は、ある種、普遍的なものがあるのかもしれません。

    この本を読んで面白いと思った部分は(、もしかしたら、この本の本筋からはずれるかもしれませんが)、日本将棋は、ルーツの一つに、交易がある、との説明。
    「金」や「銀」は、まさに交易の対象ですし、「桂」や「香」は、香料や香辛料を意味する、とのこと。
    相手から奪った駒を利用できる点も、交易をルーツにもつことに関わっているようです。

    また、羽生さんは、将棋においては、勝負も大切だけど、それだけではなく、独特の美意識のようなものがある、と言っています。
    谷川浩司さんとの対局においては、とくに強く意識するそうです。
    その内容については、本書を読んで理解いただくのがよいと思います。

    茂木さんのコメントについては、相手の考えを引き出している部分もある一方で、自論の展開も多く、ウザい部分も目立ちます(笑)。
    が、それをうまく受けて話を消化・展開できる羽生さんは、やはり優れた頭脳・能力の持ち主なのだと思います。

  • 逸脱と美意識。
    戦争でなく、交易のゲーム。

  • 図書館本|д゚) 題名が気になって借りてみたけれど、どうも想像していた内容ではなかった。これは個人的に思ったことなのですが、どうもところどころ話が嚙み合ってないような印象を受けました。茂木さんはなんだか自分の思考の船に乗って対談中に旅立っていて、羽生さんはそれについて行っている感じです。もしかして茂木さんの説明の仕方が苦手なのかもしれない|д゚) 羽生さんはシンプルでまとまった話し方で、読んでいてとても好感をえました。やっぱりすごい人なんだなぁと感じました。対談本は余り読まないので、他にも読んでみよう。

  • 95

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著者プロフィール

1970年9月27日、埼玉県所沢市生まれ。1982年、関東奨励会に6級で入会。1985年12月、プロ四段に。1989年、19歳で竜王獲得。これが初タイトルとなる。以降、数々のタイトルを獲得。1996年には、当時の七大タイトル(竜王・名人・棋聖・王位・王座・棋王・王将)全冠独占の快挙を成し遂げる。2017年に、八大タイトル戦のうち永世称号の制度を設けている7タイトル戦すべてで資格を得る、史上初の「永世七冠」を達成した。タイトル獲得は通算99期、棋戦優勝45 回(ともに2022 年6月時点)。主な表彰として、2007 年特別将棋栄誉賞(通算1000 勝達成)、2018 年国民栄誉賞、同年紫綬褒章。さらに2022年、史上初の通算1500勝を達成し、特別将棋栄誉敢闘賞を受賞。将棋大賞は最優秀棋士賞など多数受賞。

「2022年 『改訂版 羽生善治のこども将棋入門 中盤の戦い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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