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この作品からのみんなの引用
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危機意識は、集団化を激しく促進する。群れの結束を目指す。群れの規律や規則に従わないものには、自己責任やKYなどの言葉を浴びせながら排除する。
こうして疑似右翼化が進行する。本質は集団への希求だから、民族への情念などどこにもない。
大切なことは周囲に合わせることではなく、状況への冷静な洞察と、できる限り正確な認知だ。
群れる動物である人類は、多数派に自らを合わせようとの本能的な衝動がある。
その結果、人は時折、あり得ないような間違いを犯してしまう。
集団的な暴走に加担してしまう。
― 224ページ -
人類は適用能力がとても強い。
帰属する集団に自らの思想や感覚を合わせる馴致能力が高い。
僕らは馴れる。違和感を持たなくなる。周囲に同化する。環境の変化を感知できなくなる。
適応や馴致の能力があるからこそ、人類はこれほどの繁栄を実現することができた。
でも時としてこの能力は、方向を間違えたり成長が止まらなくなったりしてしまう。
ところが強い馴致能力は、この不合理をなかなか気付かせない。
無自覚のうちに整合化し、違和感のごつごつを平面にしてしまう。
― 17ページ -
こうしてメディアとマーケットの相互作用により危機管理意識を高揚させたこの社会は、与えられたイメージに見合うだけの邪悪な敵を可視化しようとする。でも見つけられない。見えない。正確に書けば、見えないのではなく、それほどに肥大した邪悪な敵など存在していないのだ。ところが高揚した危機管理意識は、敵が見えないことでさらに恐怖に煽られ、敵を必死に探しつづける。
― 35ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(「BOOK」データベースより)
テロ警戒中・特別警戒実施中・防犯カメラ作動中、これ、多すぎじゃない?やがて規制が変わり、システムが変わる。世相が変わり、法が変わる。そして、意識が変わる。僕たちが知らない間にゆっくりと。
斎藤美奈子の言うところ「それってどうなの主義」的な内容ね。
ちょっと暗い気持ちになるけど。
基本的に、森達也は好きです。
ちょっと暗い雰囲気になるけど。
北朝鮮とのやりとりで、日本が非礼で返したときとかに感じた違和感を、言葉にしていたのが彼だったかと。
「?」と思ったことを声に出していたりするので、なんだか安心するんですよねー
ちょっと陰鬱な気分になるけど。
街中にあふれる「防犯カメラ作動中」「テロ警戒中」といったコピーは、誰が誰に何を伝える目的でそこここに掲示されるにいたったのか。それに慣れ切った私(たち)はどういう状況におかれ、これからどんな未来に巻き込まれるのか。この本で視点を変えることで、受け身の態勢を少し変えることができそう。
街中にあるポスター。それらは、誰が誰に何を伝える目的でそこに掲示されているのか?“特別警戒実施中”、“防犯カメラ監視中”…日常目にしているものの、見過ごしてしまっているおかしなものに焦点をあてている。
連日、数々の事件について報道されている。日本の治安が悪化しているのかと言えば、統計上ではむしろ減少しているそうだ。増えたのは、事件を報じるメディアの報道量…ということらしい。
本当に必要な情報は届くべき場所に届いているのか?不必要に危険だとあおられていないか?この本を見て、そのようなことを考えないではいられなかった。
著者の一貫したスタンス「思考停止の危うさ」がテーマ。
「カメラのファインダーを覗くという行為は、アングルやズームを考えることでもある」
という一文が印象に残った。
それはきっと「新たな視点」が見つかる。
確かに「何かを意図的に切り取る」という作業なわけだから。
「ドキュメンタリーは主観的な作業。客観的ではない」と言いきるのも良かった。
繰り返される意味のない言葉。私も無意識でした。
情報は、歪んでいるもの。それを忘れないようにしようと思いました。
森達也の言うことに私が慣れてしまったせいか、また同じこと言ってるなあ、とか、いくらなんでも穿ち過ぎなんじゃあないの、とか、いつになく冷めた目で読んでしまう自分がいました。まあ、それでもまたきっとこの人の本を読み続けるんだろうけど。『坂の上の雲』ミュージアムのことは(NHKのドラマのことも)なんかひっかかっていたところだったので、いい話が読めたなあ、と満足。
真実を知ること、理解することは難しい。
でも、気づくこと、考えることは 誰にでもできる。
無条件で、多数派に同調すれば楽なんだろうけど、
「みんなの意見は」案外正しい
・・・・とすれば、やはり、しっかり自分で気づき、考えないとね。
世の中の思想、風潮が自分の判断の基準になるのは当然としても、一方に偏ったっているところに属していることに気づかないなんて嫌。だから知らなきゃいけないことはたくさんあるし、疑うことをかんがえなきゃ。だけど偏ったところにいる人たちから外れるって言うことはともすれば誤解されがちってこと。仲間はずれは仕方なくても信じてるものを誤解されるのは嫌。
治安は良くなっているのに、過剰な危機意識を煽られ、不安を植えつけられてることの矛盾。 どこかで耳にしたような話だなーと思ったら、マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」でした。 あれは白人社会の根底にある自らが差別してきた人種からの報復を恐れる恐怖感がアメリカの銃社会を生み出しているという内容でしたが。 日本は先進国ではトップの治安のよさ、しかもそれを毎年更新しているに... 続きを読む »
いつも森さんの本を読むたびに、目のウロコがボロボロ剥がれ落ちる気持ちよさを感じ、同時に、でも大丈夫だよ、これからなんとかしていこうよ、と語りかけてもらっているような安心感があったのですが・・・・。今回は、なんか悲しくなっちゃってね。森さんの声が聞えてくるような穏やかな語り口はこれまでと同じ。でも、日本中に氾濫している「今は凶悪犯罪が多い」という思い込み。「特別警戒実施中」の表示に慣れきって「特別」... 続きを読む »
森さんの本を読むたびに、「ああ思考停止って怖いなぁ」と実感してしまう。こういう感性があるからこそ、ああいう映像を撮れるのかなぁ…と改めて実感しました。
内容は思ったよりも若干薄いかも?ですが…字が大きく感じる…ナゼニ?

同じことを言い続ける。大事。





