墓は、造らない 新しい「臨終の作法」

著者 :
  • 大和書房
4.22
  • (4)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392101

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お墓を造るべきか否か、迷う中でとても参考になる意見が多かったです。
    お墓参りは当然のことで、一家に一つお墓があるのは当たり前。そう思っていたけれど、現在のお墓のシステムは実はごく最近のことで、その背景には火葬が普及したからなんだと。
    近代になって生まれたこのシステムも、環境や社会背景に無理が生じている事を客観的に指摘しています。今の社会に合った埋葬法(自然葬・樹木葬・散骨・骨仏・・・)も紹介されており、とても参考になりました。
    お墓を造る造らないは別にしても、お墓について考えるいいきっかけになると思います。

  • ここ最近『死』について考えることが少なくなかったです。『自分は死んだらだどこに行くのか…。』この本の中で筆者が説く家墓に必ずしも入る必要はない、と主張する箇所は僕にとっては衝撃的なものでした。

    この本は僕にとっては結構面白かったですね。またここに書かれていることが衝撃的でした。帯にある「『家墓』に縛られる必要はない」というのも僕にとっては目から鱗が落ちる体験でした。それは僕自身が(その役目をすべて放擲したとはいえ)一家の長男であるということと、そして僕の家族はこういうことにすごくご執心で、あんまりこういうことには執着がない自分とはずいぶんとまぁそりが合わなくて。正直な話、今でも合わない飯なんですけれど。この本を読んでからは、そんなことは別にいいやなんて、ある意味開き直ってすらいる自分がおります。

    そもそも、人間が育った土地や自分の家、死んでからは墓によって縛られることはまったく必要がないんだと個人的には思っていて、そもそも墓にしたって定期的に墓参りに行くよりかは、海か川にでも流してくれればいいだなんてそんなことを標榜していると、また白い目で見られてしまいますが、それでいいです。

    そして、終わりのほうにある「エゴ葬」ではなくて「エコ葬」というのも面白かったですね。こういう柔軟な考え方が必要になるときがきっと来ると確信しております。とにもかくにも、日頃こういうことにもやもやとした疑問を少しでもお持ちの方は読んで決して損はないと思います。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

島田裕巳(しまだ・ひろみ):1953年東京生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任し、現在は東京女子大学非常勤講師。現代における日本、世界の宗教現象を幅広くテーマとし、盛んに著述活動を行っている。 著書に、『日本人の神道』『神も仏も大好きな日本人』『京都がなぜいちばんなのか』(ちくま新書)『戦後日本の宗教史――天皇制・祖先崇拝・新宗教』(筑摩選書)『神社崩壊』(新潮新書)『宗教にはなぜ金が集まるのか』(祥伝社新書)『教養としての世界宗教史』(宝島社)『新宗教 戦後政争史』(朝日新書)等多数あり。

「2023年 『大還暦 人生に年齢の「壁」はない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島田裕巳の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×