本質を見通す100の講義

著者 :
  • 大和書房
3.53
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本棚登録 : 498
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392781

作品紹介・あらすじ

遠回りすることで、初めて辿りつける面白さがある。人気ミステリィ作家による「考えて生きる」ための静かで鋭い視点。

感想・レビュー・書評

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  • 納得出来るところと、差別化のために敢えてきつめな表現としてある部分があると感じた。
    40番目位の言葉の解釈は面白い、電車の中で吹き出しそうになった。

    以下、印象に、残った部分

    繋がりたがっている多くのことは、繋がる事で金が儲かるからに過ぎない。
    人によってリスクの評価は異なる。
    可能性をあれこれ考えているうちに、腹の虫が収まってくる。
    トータルとして今は昔より良くなってきている。
    人が発する言葉の理由を考えて行くと面白い。
    こうすれば売れる、を知っていればそれを避けることで新しいものを生み出す助けになる。
    物事をぼかして本質を見る、くだらないものも反面教師としてみる。
    まずは自分がどう感じるかを拾い上げるのが大事で、その後に他者とか世間とか。
    質問によって相手の気遣いを図っている場合がある。
    世の中は一部から全体を判断する、私は餡子が嫌いですか、私の嫌いな餡子があるか。
    スタートの音は走るべき人間にしか聞こえない。
    天才の計画は一次元的でなく、平面的、立体的、さらに失敗した時の心構えもある。
    何を作るのか、だけではなくどう作るのかも大事、人生においても何をするのかよりも、どう実現するのかが大事。
    人の目でなく、自分の目をどう意識するか。
    少し考えれば、もう一段効率的な方法があるかもしれない。
    少しずつベターを選んで行ってもベストを得られない事がある。
    価値を見つける目があれば得ばかりする。
    人生の締切に対しても余裕を持って進めておけば安心して迎えられる。
    感情を離れることで正しい判断正しい観察に役立つ。

  • 自分の価値は自分しかしらない。

  • 2.5
    ほへぇーと思った。

  • 自覚について理解することがタメになった。

  • 森博嗣さんのエッセイ。
    見開き1ページをひとつの講義とし、社会構造、情報、言葉、創作、生きる姿勢をあらゆる面からその本質に迫る。
    普段の生活で表れる事柄から思考を巡らせ、何が核となるのか。
    社会構造編では多くの人が当てはまる制度や価値観、情報編では情報と接する態度について、言葉編では日頃何気なく使用されているフレーズを取り上げている。続く創作編では働く姿勢に注目し最後は生の姿勢で締めくくる。


    最初のあらすじが面白い。
    本を書く人よりも読む人自身に目を向けよ、というお話を光に例えているのが新鮮で納得した。やっぱりこの人おもしろい。

    箱入りが量産品。なるほどなぁ

    「負けられない」は「負けることができない」ではなく「負けが認められない」「許されない」の意味なのではないかなぁ
    られない、の部分は負け自体にかかっているのではなくて、周りの人の期待を裏切ることが出来ないという意味だと思う。

    読めば読むほどなるほどなぁと思う部分が増えて、いかに日頃考えていないかが浮き彫りになる。

    まずは自分がどう感じるかを丁寧に拾い上げることが大事。ほんとにそう。
    すぐ他人の目や感想を追い求めようとする姿勢が最近目立ってきていることに反省。

    馬鹿にされる、を見くびられるという表現に変えるのはなんて知的なんだろうと感動した。

    みんな自分を少しでも良く見せようとしている。自分の悪い点、醜い点は自分が一番知っている。それに比べて他人の悪い点、醜い点は表に出てこない。結果として、そのまま比較すると、自分の方が低く見える。
    この文そっくり頭に入れ続けたいくらい得心した。
    他人と比べて落ち込むことを無意識にしてしまう自分にとても必要な言葉だ。

    自覚とは自分のあり方をわきまえること、自ら悟りを開くこと、
    そこまで高尚なことが出来ているかはいざ知らず、感情を自覚するのは自分に大いに役立っている。特に怒り。
    鏡で自分の顔を見るのも納得。号泣した時の自分の顔なんて見ると興が削がれて泣く気も失せる。

    きっかけはYouTubeの動画だけど、森博嗣さんのエッセイおもしろいな。今は図書館から借りてるけど、図書館に無い本やまた読みたい本は買って手元に置いておきたいと思ったほどおもしろい。

  • 679

  • 小説でしか読んだことのなかった森博嗣さんの
    エッセイ集的な1冊。知識が豊富な人の考え方を知ることができるのはとても面白い。

    ピックアップして流し読みをしたが、まえがきの、''本というのは、貴方の部屋に窓から差し込む光のようなもの''や、''何かに没頭し、一心不乱で打ち込んだ人だけが世間知らずになれる''という表現が好きだった。

  • この著者の本を初めて読んだ。
    図書館で見つけるまで、著者について知らなかったが、メディア化された作品も多く有名な人だということを知った。
    自分が学生時代に所属していたゼミの先生と考え方が似ているなと感じた。

  • 問題と答えをスパッと書いてあるのが小気味良い。
    わりとすぐ納得するほうなのでとても面白く読めました。あと、ちょいちょい出てくる「奥様」のエピソードが好き。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    1限目 本質を問いかける「社会構造」編(ロケットを作ってから載せるものを募集する、メディアの歪み。-言葉は悪いが、詐欺と同じシステムだと思う。/格差が問題になっているが、資本が目指すものは格差なのでは?-人々が夢見ているのは、客観的に全体を眺めれば、「格差社会」なのである。 ほか)/2限目 精確な事実を導き出す「情報」論(学問が教えてくれるのは、生きる方法ではなく、生きる価値だ。-生きていくことが大事だというが、それは何故なのか?/本が嫌いだったけれど、すべてを本から学んだ。-この頃はネットが本に代わろうとしている。しかし、本のように一冊に纏められているわけではないので、「世界」を感じることが難しい。 ほか)/3限目 人間の真意を読み解く「言葉」論(自動詞で非難する奥床しい日本人。-つまり、人格者は相手を罵倒したりしないのだ。/「私これが好きなんだけど、貴方は?」という物言い。-相手がどう思っているのかを尋ねているのではなく、相手の気遣いの具合を測っているのだ。 ほか)/4限目 働く“源流”を探す「創作」論(はっきり言って、作家の仕事の三十倍は、大学で働いた。-世間知らずであるためには、なにかに没頭し、一心不乱に打ち込まなければならないだろう。/やるべきことをできない、という人間に誰がしたのか?-スタートの音は、走るべき人間にしか聞こえない。 ほか)/5限目 自分を自由にする「生の姿勢」論(「近づく」だけでは、「辿り着けない」場合がある。-楽しいことをしようと思ったとき、目の前にある楽しさから選択していたのでは、大きな楽しさは手に入らない。/ベターを選ぶだけの人生には、ベストがない。-今日は少しだけ損をしても、少しだけ我慢をしても、明日にはもっと望む状況があるのではないか。 ほか)

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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