「失われた名画」の展覧会

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 126
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392866

感想・レビュー・書評

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  • 天災、消失、戦争とテロリズム、人為的な破壊(改修と切断)、人為的な破壊(修復・加筆・塗りつぶし)、盗難、消失によって失われた西洋画・彫刻は多い。運よくそれらを逃れて残ったものの方が少ないのだ。失われる前の写真、模写、レプリカ、スケッチ、下絵などがカラーで豊富に載せられているのが嬉しい。こんな名画があったのかと目を開かれる思いだ。絵画そのものについての解説はなく、失われた時の事情が述べられている。パリのオペラ座の天井画はジュール・ウジェーヌ・ルヌヴーによって描かれたものだったが、その上にシャガールの絵が被せられてしまった。実際に失われたのではなく、奥に隠されているわけだが、見ることは叶わない。レプリカを見る限り、著者の言うように絶対ルヌヴーの方がふさわしいと思うな。格調の高さが違う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      宜しくお願いします!
      2022年は生誕160年ですから、、、
      goya626さん
      宜しくお願いします!
      2022年は生誕160年ですから、、、
      2021/08/08
    • goya626さん
      猫丸さん
      さいですか、生誕160年ねえ。宜しくって、酷なお願いを!
      猫丸さん
      さいですか、生誕160年ねえ。宜しくって、酷なお願いを!
      2021/08/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      にゃー
      goya626さん
      にゃー
      2021/08/09
  • 「失われた名画」の展覧会 [著]池上英洋 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/514006

    池上英洋インタビュー ? だれかで終わるな。 ? 東京造形大学
    https://www.zokei.ac.jp/darekadeowaruna/interview/02.html

    「失われた名画」の展覧会 - 株式会社 大和書房 生活実用書を中心に発行。新刊案内、書籍目録、連載エッセイ、読者の広場。
    https://www.daiwashobo.co.jp/book/b210429.html

  • 様々な原因で“失われた”名画の数々を画像と共に言及。
    第1展示室 天災で失われた作品  第2展示室 焼失した作品
    第3展示室 戦争とテロリズム
    第4展示室 人為的な破壊[1]改修と切断
    第5展示室 人為的な破壊[2]修復・加筆・塗りつぶし
    第6展示室 盗難  第7展示室 消失-行方不明の作品
    特別展示室1~7  主要参考文献有り。
    災害や火事、戦争、盗難、人為的な行い等で
    “失われた”数々の名画をその経緯と共に紹介する。
    こういう芸術作品があったという事実もさることながら、
    文明や民族、国が生まれ、消失するまでの過程で消えた、
    芸術作品は果てしない数だと想像すると、言葉を失ってしまう。
    価値観の違いは、人によってそれぞれだけど、
    国家や宗教、信条で膨れ上がると、破壊や損失へ繋がること。
    天災だけでなく、自然の手により破壊や劣化へ導かれることも。
    人の手による破壊の悲しさ。《エッケ・ホモ》の修復後の絵は、
    報道された当時、啞然茫然となったことを覚えています。
    それでも、素描や習作、模写や写真画像で、元の姿が想像出来る
    媒体が残されていることは、喜ばしいことなんだなと、
    改めて感じました。
    次は、文化庁/編の『戦災等による焼失文化財』を読んでみたい。

  • とても面白かった。盗難といえば、私はすぐにフェルメールの「合奏」を思い浮かべる。この「合奏」と同時に盗まれたものが何点もあったが、30年以上見つかっていないことに驚愕する。レンブラントの「ガリラヤの海の嵐」も見てみたいなあ。どこからか、出てくることはあるのだろうか。
    人の思想によって絵画、美術品が破壊、焼却されることは悲しいが、人の世の流れのひとつなのだろうか、とも考えてしまう。もちろん、私はそれらのものを見ていたい、後世に残してほしいと思うけれども、そもそも、それらを芸術だと考える人は後世にもたくさんいるのだろうか、とも思う。
    芸術的な価値の高さからテロリストが目をつけて活動の資金源になるという事態には憤りを感じる。
    子供のころから美術全集で親しんできた、バーミヤンの顔が半分なくなっていた大仏が完全にタリバーンに破壊されたことを知ったときは、とても悲しかった。

  • 美術品に一切の敬意を持ち合わせていない人々による、
    ぞんざいに扱われる美術品の数々に胸が締め付けられる。

    「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」のエピソードが良い。
    時代に翻弄されて、
    絵画としての地位が上がっていったのか。

  • なにげなく手に取ったが、とてつもなく面白い。
    西洋美術と歴史、どちらかに興味がある人は読んでみて損はない。巻措くあたわざる面白さである。
    カスパー・フリードリヒなる画家の存在を知れたのも、個人的に収獲。

    2018/8/4読了

  • 戦争や天災で作品が失われるのは悲しい。美術品の盗難って未だにあるのだね。保呂草さんみたいな自分のために盗む人もいるんだろうか。修復の加減に関してはとても難しいことだろうなと思う。年月を含めた現状の状態が私達にとって正しい作品な気がする。

  • 様々な原因で失われた芸術作品,特に絵画,彫刻などに特化した面白い本だ.未だに盗難にある絵画があることに驚くが,それだけ盗む価値があるのだろう.芸術に対する感覚はどのような過程で育まれるのか,学校の役割は非常に大きいと感じている.

  • 天災や火事でなくなってしまった絵画だけでなく、人為的に消された、改変された作品などを写真と共に解説する。
    記憶に新しいところでは、タリバーンに爆破されてしまったバーミヤンの遺跡がある。
    最近「ミケランジェロプロジェクト」という映画を見たけれど、そこに取り上げられていた作品や隠し場所も多々ありました。
    宗教的な対立も問題だけど、個人的な価値観で破壊された略奪されたりするのは悲しい。
    今回の地震による熊本城の石垣なども含め、平和で安心できる世の中であってほしい。

  • なるほど、という感想。
    しかし、それ以上の感想は特に無いかな。
    資料も多くて、しかもカラーで、
    親切だなとは、思いましたが。

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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