母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479793298

感想・レビュー・書評

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  • 子供はあらゆる能力を持って生まれてきているのに、大人が自分たちのように平均的なつまらないものにしてしまっている、とあった。子供のまっすぐで純粋な言動をよく見て、そこからもっと学んでみようと思う。

    主人公は、立ち上げた塾がうまくいかず悩んではいるが、社会のせいにはせず、自分の何が悪いのか、もっと良くするにはどうしたら良いのかという姿勢を常に持っている。近所に大手の音楽教室ができて頭を悩まされている今の自分にとって、改めて自分の姿勢を問わている気がした。

    子供にもわかるように文章が平易に書かれているからというのもあるかもしれないが、表現が物足りなく、進み方もとってつけたような所や、わかりづらい所が多々あった。主人公が熱血すぎて、(子供が生まれたばかりの父親という設定なので、平常心ではないのはわかるけれど…)ちょっと自分にはついていけない感がありましたが、喜多川泰さんの本は、そういったところに着目するのではなく、この本から何を受け取るかが大切だと思うので、そこには目を向けず大切な所を見落とさないようにしなければ…と読み進めた。

  •  色々なレビューを見て、評価がかなり高かったので喜多川さん初読。
     正直、小説としては「う~ん。」って感じでした。
     
     会社を辞め塾を経営する秀平は、駅の改札で飴を買い、それを舐めるとなぜか先祖の夢を見る。その度自分の生き方を見つめ直していく。っていうような物語なのだが、最後の頃は、珠玉の名言集かと思ってしまうような素敵な言葉が盛りだくさん出てきて、小説というよりは、人生論のような趣に。

     人生訓として読むには良いかもしれないが、小説としてはイマイチかな。

  • 主人公の男性が熱く、正直最後まで感情移入出来ませんでした。ご先祖様の話は良かったのですが著者の方に子供が産まれたきっかけで書いたとあり、読書が置いてきぼりです。

  • 四十歳を過ぎてから秀平は勤めていた会社を辞めて、子どもたちの生きる力を育てるような塾を始めた。
    出産目前の妻が田舎に行き、つかのまの一人暮らしになった秀平は不思議な飴の力で自分のルーツを知る。自分の両親、祖父母、戦争や戦後の困難な時代を生き抜いた世代。

    ---------------------------------------

    ”勉強だけではなく、生きる力を育てたい!”と秀平さんはかっこいいことを言うけど、どんな根拠があって生きる力を育てられるのかがよくわからなかった。
    脱サラして塾開業した熱意は理解できるけど、どこかの塾で修行してから自分の塾を始めたほうがよかったのでは、と思ってしまう。
    もし『マネーの虎』に秀平さんが出て、「生きる力を育てる塾をやりたい!」と言っても誰も融資しなさそう。言ってることは素晴らしいけど、内容が伴っていないような感じ。
    生徒数が5人なのにアルバイトを雇っているところもどうなのかなって思った。どんな経営感覚なんだ。

    戦時下や、戦後の苦しい時代を生き抜いてきた世代の教えはわかるけれど、そんなんじゃ自分の塾が生き残れないんじゃないかな。

  • 欠点は周囲の人の才能に助けてもらえばいい。
    でも、長所はお前だけのものではない。
    母を助け、家族を助け、周囲の人を助けるために使いなさい。
    そして、みんなで世界から愛され、尊敬される平和な国をつくっていくんだぞ。

    全ての人間に使命があり、それを果たすために必要なものはちゃんと持って生まれている。自分が持ってこなかったものを嘆く必要などない。それは、自分の使命を果たすために必要ないと自分で判断しておいてきたものだからね。

    1人だけでなんとかしようとするんじゃない。
    全ては出会いによって実現されていく。自分が何をするかよりも、誰と出会うかだ。そしてその出会いは、自分が今出来ることを精一杯やって行く中で自然とやってくる。同じ志を持ったもの同士は惹かれあって出会うことになってるんだ。
    そして、そうやって出会ったもの同士が同じ方向を向く時、1+1=2ではなくなる。場合によっては10になることだってある。

  • 自分と重なる状況もあり、読み応えがありました。喜多川さんの本は、必要なタイミングで読めている不思議な感覚に包まれます。

    子育て中のパパに読んでほしいですね。

  • 途中までは好きだったけど、最後の方でちょっとくどすぎた。

  • あまりにもフィクションという感じ。主人公がポジティブ過ぎて現実的ではない。ハッピーエンドで良かったがSF的な感じは好みでない。

  • 名言はあるけど… 

  • 人間ひとりが産まれ、生きていくには過去に何千人、何万人の先祖が繋がっている。 10代で1024人、更に30代になると10億人の先祖が必要となってくる。 過去にそれ程の人口がいない状況ではひとがそれぞれ何らかの形で繋がっている。

  • ありがちな設定なのかもしれない。
    でも、そう思っても、胸に迫るものがたくさんあった。
    言い古されたこともたくさんある。
    でも、改めて再確認するいいきっかけにもなった。
    スピリチュアルな香りもする、ちょっと不思議な本でもあった。

    • kuroayameさん
      いつもレビューにて暖かなコメントをいただきありがとうございます♪。
      いつも本棚を拝見させていただき、この度の本もチェックさせていただきまし...
      いつもレビューにて暖かなコメントをいただきありがとうございます♪。
      いつも本棚を拝見させていただき、この度の本もチェックさせていただきました★。
      タイトルからして気になりますね。
      ありがちな設定とありましたが、実際に本を手にとってみたくなりました。
      スピリチャルの香りもするとありましたが、こちらも気になります・・・・
      2012/11/11
  • よかったけど感動は少なかったのはSF的に書かれていたから??自分の欠点と思うものは産まれる前にいらないと判断したからというのはよーく考えると自分1人で生きていこうとするなって言っているのか。他人に迷惑かけたくない、なるべく他人と接触したくないと思っているから眼をそむけて感動しないって思ってしまったのかな。

    今の生活はコロナ禍の次にロシアとウクライナの戦争で物価が上がり歯止めがきかない状態で仕事も少なく、お金の心配も出てきている。戦後はもっと悲惨な状態だったとこの本を偶然、というか作者の本を追いかけている時に読む。なんとかなるよと教えてくれているのかも知れない。そして、いま、時間がたっぷりある時に何ができるか考えろと言われてる気がする。のでこの本も手に取ってよかった。

  • 一人の子どもが産まれるまでに、いろんな歴史があって産まれてきたんだなと気付かされる本であった。

  • やっぱり喜多川泰さんの本って良いですねー。(思い出した・・池井戸潤さんのBT63で似た手法の表現があった、夢の中で過去の出来事が蘇っているとこ)

  • The present age is an era in which the future cannot be seen.
    Those who lived in the time of the war would have felt the same. Still, they have survived.
    There is no reason we can't do it.

  • ●中一男子の孫の誕生日に贈る本を探すため、喜多川泰さんの本をスキャンしている

  • ・タイトルではまったく想像できなかった内容。
    ・塾の教師は著者の経験から書きやすかったのだろうか。
    ・途中からSFっぽい話の展開に期待しそうになったが、最終的には喜多川氏のいつもの感じになった。

  • ★5
    Reserved
    Library

  • 平成24年12月発行のYAだよりで紹介された本です。

  • 昔の人は偉かった
    というだけではなく
    辛い苦労も 家族を守るという
    気持ちをしっかり持ったから
    覚悟をもったから
    というくだりには
    納得しました
    男性のほうが理解しやすい覚悟かな

  • 不思議だけど、必要な時に必要な本が目の前に現れてくる。
    この本も、自分にとって今一番大切な事を教えてくれた。

  • 渡利秀平はノルマに追われる自動車メーカーの営業マンを退職し、思いがあり学習塾を自営することになる。すでに一児の父親だが退職し間もなく妻涼子が長男を妊娠。学習塾の運営は決してうまくはいっていない中、不安ながらも長女寛奈の存在や妻涼子、塾アルバイトの武田顕一の支えで塾を軌道にのせようとする。そんなある日「ルーツキャンディ」を手に入れることになる。このキャンディを舐めて眠りにつくと、秀平の父、母。祖父など近い先祖が夢に出てきて戦中、戦後の混乱の中でのいかにして生き抜き、いまの秀平があるかを物語る。
    一人の子どもが産まれることにはドラマがあり、その親が産まれたときもドラマがあった。子どもを思う親の気持ちはいつの時代も変わらないし、子どもの寝顔やその成長や行動から大人が教わることが多いと改めて考えさせられる。
    ちなみに題名の「母さんのコロッケ」のコロッケにもルーツがあり秀平の母千鶴子の作るコロッケはじゃがいもばかりりでおいしくないが、これも母千鶴子の父の後妻ハツ子が戦後に子育て生活のための副業で営んだコロッケの配達を千鶴子らにお手伝いさせた、そのときの思い出の詰まるコロッケ、ということになる。

  • 子を産み、育て、命のバトンをつなぐとはどういうことなのか。

    今は亡き祖父たちが見せてくれた、家族を守るために命がけで生きていた時代の数々の光景。

    ちょっと不思議なフィクション小説でありながら、僕にとっては最高の育児書です。

  • ご先祖様がつないでくれた、この命。幸せというのは、自分の好きな物を手に入れた時に感じるのではなく、人間は誰かから必要とされていると感じて初めてそれを幸せと感じる。
    ご先祖様達が自分の子や孫、その先の子供達によりよい時代をということで築いてくれたこの時代。私達もこの平和で美しく、世界からも愛され、尊敬される国を子孫まできちんと残していかないといけないと思いました。いつまでも平和でありますように。

    最後に、主人公の奥様が女性の鏡ですね!

  • 自分が生まれたのがいかに奇跡的かを教えてくれる本。

    今まで両親や祖父母の偶然の出会いに感謝したことはあったけれど、さらにその前の世代が第二次世界大戦のときに生き抜いてくれたことはあまり考えたことがなかった。

    医療が発展している時代、国に生まれ育った私は、どこかで「子供を産むのは母子ともに命懸け」ということを忘れていた気がする。
    どちらも命懸けなんだ。

    生む決意をしてくれた両親に深く感謝したい。
    そして、多くの祖先の出会いに感謝したい。


    登場人物が多かったり、突然話が飛んだりするのが少し読みにくかったものの、最初に家系図が書いてあったので助かった。

  • 心があったかくなる本

  • ご先祖様のありがたさ

  • 自分という存在に
    改めて感謝させられる一冊

  • 子どもが生まれてきた時、「この真っ白なキャンバスに自分が色をつけていくんだ」と思った。その果てしなく広がる可能性に感動し、その責任の重さに、身が引き締まった感覚を思い出した。

    「子どもは私たち大人にその使命を伝えるためにやってきた」という言葉が、すとんと心に落ちてきた。

    そう、子どもは、いろいろなことを教えてくれる。
    大人は、矛盾していること。
    大人は、素直じゃないこと。
    大人は、臆病なこと。

    「親になる」「親であり続ける」という、この素晴らしい体験をさせてくれている子どもに、改めて感謝の気持ちを持った。
    そして昨日の夜、やすらかでかわいらしい寝顔を見ながら、この子が生きていくうえで糧となるような「記憶」を残すにはどうしたらいいのかな、と真剣に考えた。

    答えははまだ出ていない。
    子育てにはマニュアルはないので、あの子が巣立つ日が来るまで、「これでいいのかな」という葛藤は続くだろう。

    「自分がどう生きたかが、子どもの生きる力になる」という言葉を胸に刻んで、これからを過ごしていこうと思う。

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著者プロフィール

1970年生まれ。愛媛県出身。東京学芸大学卒。2005年から作家としての活動を開始。『賢者の書』でデビューする。10年『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』が13万部のベストセラーとなり、映画化、舞台化された。「喜多川ワールド」と呼ばれるその独特の世界観は、小学生から80代まで幅広い年齢層から愛され、その影響力は国内にとどまらず、多数の作品が台湾・韓国・中国・ベトナムでも翻訳出版されている。執筆活動だけではなく、全国各地での講演やセミナーも開催している。主な著書に、『おいべっさんと不思議な母子』『One World』『秘密結社Ladybirdと僕の6日間』『[文庫]福に憑かれた男』『君と会えたから……』『手紙屋』『株式会社タイムカプセル社』『運転者』等がある。

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