社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

著者 :
  • 大和書房
3.77
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本棚登録 : 2027
感想 : 326
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479793489

作品紹介・あらすじ

自分の足で歩いて、自分の目で見て、心で感じよう!社会派ちきりんが世界を歩いて自分のアタマで考えた。

感想・レビュー・書評

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  • 旅行中、飛行機の中で読んだ本その3。

    人気ブロガーちきりんさんの三冊目の本。
    ちょうどペルー旅行に持っていってていただけあって、
    内容がタイムリーでとても面白く読めました。

    海外旅行好きはとても楽しめる、
    そして自分の頭で考えるきっかけとなる本だと思います。
    特に「格差」に関する箇所は、
    とても考えさせられました。
    世界には、自分が「不平等」な境遇であることを
    感じることのない人も存在するのです。
    そういう意味では、日本人の恵まれた環境に感謝です。

    些細なことですが、本の中でのマチュピチュ情報は、
    ちょっと古くなっているようで正確ではありません。
    時間が経てば旅の情報は古くなっていくので、
    その点は割引ながら読むのが良いと思います。

    それでも、そんなことはどうでもいいと思うくらいに、
    面白くてワクワクする本です。

  • ちきりんが旅行した沢山の国から考えた事。
    世界を旅行する事で気がついた「常識の違い」「価値観の違い」
    旅先で考えた「この社会はどんな仕組みで回ってる?」「なぜこんなことが起こっている?」をまとめた本。

    ちきりんのブログは好きだし本もこれで3冊目ですが、この本が一番面白かった!
    いや、前2冊も面白いんですが結構ブログのネタとかぶるというか、まあ著者が同じなんですが当たり前なんですが、驚きがない感じ。
    「おちゃらけ社会派」と評してますが、時事ネタ、社会ネタってやっぱり読ませる論客が他にも多いので、面白いけれどその中の1つって感じがします。
    が、これを海外旅行と絡めるとこんな形でまとめたの読んだことないよ~!でした。うまく軸ずらしたなーいいよ、ちきりん、これもっとやってよ!なんて思っちゃいましたよ~~

    面白いと感じた点は、旅のスタイルが色々で色んな国に行ってる事。
    ビーチバカンスも行くし、ヨーロッパも行くし、共産国や南米やいわゆる一般旅行者が行かないようなところも行くし。。バックパッカー貧乏旅と普通のツアー旅、どちらも否定してない感じがいい。その分、バリエーション豊かな国の体験が読める。

    あともう一つは同じ国に何度か行っていて、その時系列の比較でものを考えている事。
    そうか~そんな風に変わっていってそれがなぜなのか、がちきりんの頭の整理を通して伝わってきます。

    私はいわゆるフツーの旅行しかしないので行った事がある国もあればない国もあったけれど、この本を通じて何となくその国の背景は変化を感じられました。

    面白かったエピソードは

    ■ビルマ(現ミャンマー)での「現地通貨への両替は国への寄付だ」話。
    →お金とは価値あるモノが存在しない環境では何ら意味を持たない

    ■インドでの「自国通貨をほしがらない人達」
    →国際市場で自由に両替可能な「ハードカレンシー」を持っている国はそんなに多くはない

    ■メキシコでのデノミに遭遇した話
    →通貨が信任を得るというのは国際的な信任だけではなくその国の住人がその通貨を信じているか

    ■紙幣のデザインから見る世界

    ■2つの異なる移民の国、ブラジルとアメリカ
    →「アメリカ人!」を主張するのと「日系人!」を主張するのと。それはなぜ?

    ■共産圏の国の変化
    →動機付けのシステムが変われば、人の行動は短期間にここまで大きく変わる!

    ■シンガポールエアラインがサービスNo1の理由
    →競争せずに顧客も高利益も獲得できる環境があるかないか

    ■格差が意識されない社会
    →格差の有無、よりも格差の認識の有無、のほうが大きい

    ■世界のコカコーラ事情

    ■ビルマのお金持ちと「結婚しない?」話から気がついた事
    →何を持っているか、ということは豊かさとは無関係

    ■世界の美術館の成り立ちの違い

    わー、ちょっとと思ったらこんなに出てきた。他にも色々あります。
    私的にはとってもツボな1冊でした。
    旅好きの人にも、そうでない人にもお勧めです。

  • 第10章豊かであるという実感 
    エピソード1「お金の問題ではない」のミャンマーのタクシーは4人以上でないと運転しては行けないルール(1980年代 経済制裁でガソリンが希少資源だった)や、
    エピソード4戸締り用心! のグアテマラで金のネックレスを友人が強奪されて、逆に警官から説教された話、が面白かった。

    ソ連崩壊後のモスクワの現代史博物館に展示されている『ロナルド•レーガンから見た世界地図』の記憶による復元図(P127)が笑えます。

  • 海外から見た日本を知りたくて読書。

    視点が面白く、海外を拠点にしているためかグイグイ引き込まれる。

    私は著者の半分以下の国や地域へしか行ったことない。それでも、毎回のように刺激を受け、トラブルにも遭遇している。その時は、「あー、最悪だ」と思うも、後からあれはあれで貴重な経験だったと思えるのがいい。

    ソ連とロシア、民主化前の韓国、中国、ベトナム、ミャンマーなど以前とその後との比較が面白い。

    本書を読むと旅を楽しんだり、トラブルを切り抜けるためには語学力が必要だなとチクリと痛む。英語を継続的に学ばないとっと奮い起こしてくれる(中国語も)。

    本文はもちろん一読の価値はあると思うが、個人的には、若者の海外旅行離れについて~あとがきにかえて、はじめに、さいごに旅をより楽しむためにのその4、旅のトラブルが強く印象に残る。

    はじめにのティーパックの紅茶の話は、ネスレのスティックタイプのインスタントコーヒーでも同じことを経験した。確かにその時には、これが途上国の現実かと苦笑したが、読んで、なるほどと妙に納得した。

    旅先で悪い人に騙されない著者のルール。2つ目は、私も経験がある。どう考えてもターゲットにされている。でも旅先での心細さか安心してしまうところが怖い。

    仕事柄、若者の海外旅行離れについて聞いたり、考えたりすることが多い。主要原因として日本での格差問題や不安定な雇用、将来への不安などだと考えていたので、著者の主張は目から鱗だった。

    国内が楽しく満足度が高いので外へ出る必要性が少ないアメリカ、フランス。国内への不満があり、それを外へ求めるイギリス、ドイツ。4か国とも経済的には先進国と呼ばれる豊かな国。ここでの紹介統計は面白い。

    海外へ行くよりも日本の方が安全で食事も美味しく、楽しいことも多い。そうなっているとしたら日本は多少いい国になってきたのかもしれない。

    先週、秋葉原で知らずに訪れたドン・キホーテの上がAKB劇場だったようで、エスカレーターを上がっていくファンたちが実に楽しそうだった。確かに彼らなら海外よりもこっちへお金を使うよなと思った。

    勝間和代氏が著者を以前から知り合いと紹介していた。そのため、2人の文体の違いにもついても考えながら読んでみた。著者は、断定表現を曖昧して避け、読者へ問いかけるような言い回しを多く用いる。不要な敵を作らない文体かなと思った。

    読書時間:約1時間35分

  • 元外資系金融機関の人
    早期退職し海外旅行

    結構うなずくこと多し
    庶民がそのまま砂漠でミイラになるウイグル
    草原がいきなり海になるイースター島
    サファリの食物連鎖

    ぶんどった国別展示のイギリス
    時系列で並べるフランス
    アメリカはその国の全体像を再現
    美術館にもお国柄

    若い人の海外旅行離れは日本国内で楽しめるから?
    ドイツ人、イギリス人、オランダ人などは
    自国がつまらない&日照不足だから海外旅行?

    18 兌換券の廃止は嬉しかった、中国人
    29 メキシコでデノミに遭遇
    32 紙幣の顔。近隣諸国に配慮?

    35 パスタの種類多いイタリア、パスタソースの種類多い日米
    51 国内線の飛行機ターミナル、金持ちだけ利用するブラジル
    68 沈まぬ太陽、ケニア

    77 日本の新聞「赤旗」だけ売っていたソビエト
    128 レーガンの世界地図
    135 落差が生む巨大建造物

    138 トルコのエフェソス遺跡、イイ
    157 南仏など美味しく食べるための料理、欧州北部は越冬するための保存が料理
    167 韓国、地上波で米軍専門ちゃんねる

    179 空港は経済状反映
    185 シンガポール航空、サービスのいい理由
    187 負けてものんびり日本、シンガポールは負けると国が消滅

    194 4人乗らないとタクシーが動かせなかったミャンマー
    218 ビルマの金持ちの豊かさ
    238 トラブル防止
    ・自分から話しかけた人しか信じない
    ・偶然の「再会」はない

    海外旅行、またどこかに行きたい
    自分が海外に行きたいのは、
    得られる刺激が国内とはぜんぜん違うから

    若い人にも海外旅行してもらいたい、と思う。

  • ちきりんさんの引き出しは、こういった旅行先で出会った人たちや出来事からドンドン増えてるんだろうな。

  • 自分は世界を知らなすぎるなと再認識させられた。どんどん世界は変化している。実際に見て体験したいという動機付けになった。

  • 私自身旅行が好きでなんでだろうなーと思ってたんですがそのアンサーブックがこれのような気がしますよ。
    ・美術館の展示に関するくだりには目から鱗。余談ですがSGP在住の友人が現地の文化施設の乏しさを嘆いており、仕方なく街中に飾ってある絵画を鑑賞していたら「その絵はあまり高くないから鑑賞しても意味が無い」的なことを現地人に言われたらしくまじこの国に住むの無理!と怒りをあらわにしていたことを「米国の美術館=資本主義のルール上にあり」というエピソードから思い出しました。(でもMOA美術館は原住民の展示も充実していて資本主義云々以前に面白かったけど。)
    ・さらに余談ですが日本の(国立博物館あたりの)美術館の展示は、知る範囲では世界でもかなり高水準だと私も思う。ただちきりんさんと私の意見の相違点は「地方の寺社仏閣の展示がショボイかどうか」という点。私はあの鄙びたたたずまいも含めて「秘宝を観に来た」感が盛り上がって好きなのです。興福寺ほど展示を頑張られてしまうと若干興ざめ感。
    ・さらなるちきりんさんとの相違点は「豊かな自然だけが売りの観光地を好むかどうか」。私はオーストラリアにもカナダにも好んで行ったしグランドキャニオンも泊りがけで行った経験があるのですが、これはちきりんさんが海に行く感覚(リフレッシュのため)なのかなあ、と。ただオーストラリアもカナダも自ら何かを生み出そうという機運に乏しい国という印象を受けたので、ちきりんさんの気持ちもわかるような気もします。
    ・とりあえず次の旅はセブ島か南米(ペルー)だな、と。
    ・次の次くらいにはロシアに行きたい。たしかに今のロシア人民はうかれまくってて何年か前に猛暑をしのぐためウォッカ飲みながら河にダイブして死亡者続出、なんてニュースがありました。

  • ちきりんさんの本は、どの本も読みやすく、おもしろく、とても考えさせられるので非常に好きです。
    世界を旅行しながら、こんなことを考えているんだと感心させられます。ただ、旅行本としてもおもしろく、ちきりんさんのおすすめの国、美術館に行きたくなります。
    少し古い本ですが、コロナが収まり、旅行を検討している方、世界を歩いてさまざまなことを考えてみたい方にはおすすめの本だと思います。
    本書にもありますが、海外旅行をするたびに、日本のすばらしさを感じ、帰ってきて飲む最初に飲む味噌汁が私は大好きです。
    あとは、円安が収まればいいのですが。

  • 地元の図書館で借りられたので読んでみたが面白かった。
    ちきりんの本はこれで3冊目だが、就寝前に区切りの良いところまで読んでその後寝る時「あー面白い!」という感覚になることが多い。

    着眼点や考え方が面白いし、文章に無駄がないからか内容がスッと頭に入ってくるし飽きずに読める。

    私も海外旅行が大好きで、今まで行った国について懐かしく読めたし、気になるけど行けてない国についてはガイドブックでは分からない生身の感覚が知れて楽しかった。

    唯一気になった点は、10年前の発行なのでその国や人々の様子も今とはまた変わっていると思うので最新版が読めたら嬉しいなということ。
    コロナ禍のため今は海外はなかなか難しいかもしれないが、国内版でも楽しそう。

    また、本の内容とは全然違うが、コロナ禍前は本当にたくさんの人がいろいろな国に行っていたなとあらためて感じた。私が以前いったあの国やあの国も、日本人観光客が全く来なくなり関わってくれたあの人達は今どうしてるだろうか、とふと感じたりもした。

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著者プロフィール

ちきりん

関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いた後、米国の大学院留学を経て外資系
企業に転職。2005年に書き始めた社会派ブログ「Chikirinの日記」は日本有数の人
気ブログとなり、ツイッターのフォロワーは30万人を数える。2011年からは独立
し、文筆活動に専念。デビュー作となった本書のほか、『自分のアタマで考えよ
う』(ダイヤモンド社)、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう』(大和書房)、
『未来の働き方を考えよう』(文藝春秋)などの著作がある。

ブログ    https://chikirin.hatenablog.com/
ツイッター  https://twitter.com/InsideCHIKIRIN

「2013年 『ゆるく考えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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