東大とハーバード 世界を変える「20代」の育て方

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794158

作品紹介・あらすじ

この国には、強いリーダーを生む「システム」が必要だ!ハーバード、東大ともに10年以上。世界のトップスクールで教えた経験から明かす、日本人の才能を最大限に生かすための提言。

感想・レビュー・書評

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  • 興味深い話が多く、読んでいてとても面白かった。

    東京大学、ハーバード大学の両校で教育経験がある著者の抱く、日本の大学制度、ひいては日本社会そのものの改善点、欠点とは何かがわかりやすく述べられていた。

    国際化が進む現代において、日本人があらゆる面で価値観や当たり前だとおもっている常識をより良く変えていく必要があるという点は納得できた。

  • ・東大は日本の多くの進学校の目標とされているが、残念なことに世界大学ランキング14位であり、「東大は日本の最高学府だが、国際社会で伍していける人材を排出できない」と危惧されるのも当然。

    ・東大の学生は①燃えているグループ、②燃え尽きたグループ、③冷めているグループに分けられる。この3グループの中でいちばん伸びていくのは、言うまでもなく①燃えているグループだが、②③のグループのようになった事態は彼らの責任ではありません。私たち大人と、私たち大人がつくってきた日本という社会システムの責任であり、日本人の意識の問題です。

    ・日本は今まさに黄昏の時期に入っていてこの傾向は今後も続くでしょう。「それでもいいじゃないか」という考え方もありますが、回復を考えるなら、必要となる処方箋は「正しいリーダーシップをとれる、本当の意味でのエリート育成」です。

    ・これからの日本は、意思決定における労働生産性を高めなければならないでしょう。一人で決めることが出来る事柄を、二人で決めれば労働生産性は2分の1です。多数が出席する「会議が決めた」という状況から「リーダーが決めた」という状況にシステムを変えていかねばなりません。

    ・グローバル社会を生きるというとき、「日本人は曖昧だし、論理的な思考ができない」という指摘がよくされます。厳密には、日本人は論理的な思考力が弱いのではなく、「論理的に伝える力」が弱いのです。論理的に伝える力を鍛えるためにオススメする方法は①異文化を体験すること。②恋をすること。③目次をつくるトレーニングをすること。

    ・日本の若者は内向き思考だといわれます。引きこもっている場所の居心地が良いのでしょう。しかし引きこもるには保護者が必要です。外の世界と自分をつないでくれる誰かがいなければ、飢え死にしてしまう。永遠に保護者を求める生き方というのは不自由だし、永遠の保護者というのもいません。日本文化の居心地の良さにどっぷりと浸っている人も、国際社会と自分をつないでくれる誰かを常に必要としているという意味で、国際的引きこもりの予備軍です。日本の「以心伝心」と「沈黙は金」という文化は、なれていると非常に快適です。しかし同じ文化と同じ言語をもっている人口は世界人口70億人中わずか1億2000万人。これから差はもっと大きくなります。母国語でない言葉を使い、論理的にきちんと表現することを強いられるというのは、あまり居心地の良い環境ではありません。従って、「世界で生きていかなくてもいい」と思う人がいるかもしれません。しかしこれからの時代は、世界とかかわっていかなければ日本という国家が生き残れません。

    ・負ける経験こそ大切。「早いうちに負けを味わう」とは、自分を知るための最良の道です。

    ・リーダーの仕事には3つのステップがある。
    ①リーダー自身が自信・確信をもって意思決定をすること。②それを的確にメンバーに伝え、グループをその方向でまとめてチームの意思決定とすること。

  • 【推薦文】
    両大学で教えた長年の経験を元に、“18歳時点では極めて優秀な日本の高校生が大学卒業時にはハーバードの大学生にかなわないのはなぜか?”を考えた、日本の大学教育への提案本。

    【配架場所】
    大岡山: B1F-一般図書 370.4/Y

  • 自分自身がまだ20代の僕にとって,20代の“育て方”の本を読むのは一見おかしなことかもしれません.しかし,自分で自分を育てることも或いは可能なのではないかと思い,買って読みました.

    タイトル通り,内容はハーバード大学と東京大学の比較を軸に,著者の意見を展開するものでした.とても面白い内容でした.読んで良かったです.
    “アメリカの真似をすべきだ”とは思いませんが,日本の教育システムなどの欠点が浮き彫りになっていると思います.
    あと,個人的には,一般的な東大生の一人として,著者の東大生批評は耳が痛かったです(笑).

  • 日米文化比較が実体験に基づいて語られていてわかりやすい。
    教育に限らず、米国に住んだ経験があれば、少なからず同様の感覚を持つことになるのではないかと思う。

  • リーダーはまず自分自身をリードすること

    頑張る時、背水の陣を敷いてはいけない

    親許から離れること。進路はトップダウンで考えること。今を基準にするのではなく、10年後の自分を基準にする。

  • CHANGE BEFORE YOU HAVE TO! ―
    http://www.daiwashobo.co.jp/book/b122167.html

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著者プロフィール

柳沢幸雄 工学博士。東京大学名誉教授。元ハーバード大学大学院准教授・併任教授。シックハウス症候群、化学物質過敏症研究の第一人者。現在、開成中学・高等学校校長。

「2019年 『空気の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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