- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479794202
感想・レビュー・書評
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解説ってこんなんでいいんかい、って思ってしまいますけどでも現代文てのは難解な部分を紐解いてみると意外と容易く、てことはままあったのでこんなものかもしれません。あまりに平たく書いてあるんでなんか納得できないですけど。それにしても「東大とは…」って時に脳科学の人はけちょんけちょんだし、あと他にもそんな感じなのは雁屋哲でしたか?元東大の人が東大をディスったりね…問題になった本を紹介してます、体にとらえるのが程よいと思います。
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【選書者コメント】もし君の中に、東大コンプレックス、なるものが潜んでいるのならこの本を読んでみるんだな。
[請求記号]8100:1227 -
○東進ハイスクールで現代文の講師を務める出口氏の著作。
○東大の現代文の問題をベースに、その出題趣旨や論点、考え方を解説しつつ、なぜ現代文が入試科目なのか、論理とは、日本語とはといった、独自の解説を行ったもの。
○考え方も含め、解説が丁寧で好感が持てる。そして、とても勉強になった。 -
参考書?なのか
本なのか…
出口先生好きなので読んでみました
東大の国語って そんな意図があって
こんな設問があったり 本が選定されてるんだなぁと
東大受ける人は 問題がとけるようにもあるけど 今!大学はこんな学生を求めているという 挑戦状なのかなと
他の本からの引用的な部分も多く
幅広い知識がないと 文章読んだだけじゃ
解答できないんだよなぁ
なんか意地悪な気もした
たまーーに 面白い本も
採択されてるけど
あんまり面白くないなぁ
面白い本が よく選択される
大学ってどこなんですかね?! -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:141.5||D
資料ID:95140283
勉強アレルギーの方は、1つの文章でも読むべし。人生が変わる。内容はものすごく濃い。
(生化学研究室 大塚先生推薦) -
★良文をまとめて読める。問いに答えることで理解が深まる。著者の試みは成功している。
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東大の入試に使われた現代文を解説した本。問題の解き方も書いてあるが、そもそもの著者の主張といくらかの背景について詳しく書かれていて面白い。
東大の入試だというキーワードでくくったのも面白い。 -
入試でこんなに幅のある問題を出すことにびっくり。今思えば現代文の試験問題は普段馴染のないような文章もいろいろつまみ食いできて楽しかったな。
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東大の現代文入試に出題されるだけあって、問題文はさすがに読みごたえがあり、考えさせられる。それぞれの続きや、その著者の他の作品も読みたい気にさせられた。
ただ、解説は、正直あってもなくてもどっちでもよかった。だったら東大の赤本読めばいいじゃんってことになってしまうけど・・・。出題されている問題文が、それだけ深く重厚な文章ばかりなので、その余韻で解説を読んでしまうと、解説がちょっと軽めの文章に感じられてしまうということなのかな・・・。 -
東京大学の入試問題で論理的な考え方を学べるように工夫されている本。一見難解な文章も、丁寧な構成で読みやすく書かれている。なぜその問題を出題するのか、という点についても触れてあり印象的だった。
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既読の作者。本屋で目に留まり点検読み。
興味ある題材選定。問題と解答形式。解答にいたる解説はどこまで論理的か?
この点が気になり、購入。
題材に選ばれた分の内容に刺激を受ける。普段、目にしない対象にも気づきがある事を改めて実感。
解答は、言い換え元を探し、so what とwhy で掘り下げるとたどり着けるかな。 -
何回か読み返さないと理解出来ないような所も一部にはあったが概ね、それ程難解ではなく、少し安心しました。論理的なものの見方を学ぶ良文。長さも適当。
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入試の現代文から思考力が高まるとは。実に内容が濃い。
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普段は読みやすい文章に流れがちだけど、こういう本をガイドにして硬質だけど中身の詰まった文章を読んで考える時間も持って行きたい。
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普段自分が考え、感じている問題や感覚を的確に、巧みに表現した文章が並んでいてゾクゾクした。深く考えること、安易に答えを求めないこと、他人にも自分の思考が伝わるように論理的に説明できるようになることが求められていた。リービ英雄の『星条旗の聞こえない部屋』を読みたい。
じっくり読み込みたくなる文章を解く受験生も、出題する先生も、すごいと思い、うなりました。 -
論理の規則は「イコール関係」「対立関係」「因果関係」の3つ。本は基本的に読みたいジャンルのものしか読まないものだが、こういう問題集形式でまとまってると、多様なジャンルの良文がいろいろ読めるので広がりがあっていい。しかも詳しい解説付きなので、理解のチェックもできる。
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論理力を鍛えるのに適した設問
膨大な情報→大事なことはその真偽を判別し自分にとって必要な情報を生かすことのできる真の教養とそれに基づく本物の思考力
東大現代文が本物の教養を身につけるための示唆を与えてくれる。
福永武彦 「夢のように」1974年
傍線部を説明せよ→どこが分かりにくいのかを分析しなければならない。
傍線部の内容はすべて説明がついたが,何のことか分からない→論理的な飛躍がある箇所の説明
人生は夢のように儚い→(何も恐れるものはない)→出陣の覚悟をした
☆R010908出陣の覚悟に比べれば失恋は…読書よりも何倍も役に立った失恋
木村敏(きむらびん) 「異常の構造」1973年
固定観念にとらわれず、柔軟な思考ができるかどうか→そういった受験生を欲している。
私たちが信仰している科学の正体
対象化→物事を距離を置いて捉えること 自分の頭(主体)は距離がないので見ることができない→鏡を使い距離を置いてみることができる
西洋文明 何でも物事を対象化した 人間は自然の一部→自然を対象化するために距離を置くことはできない
自然の本性は非合理であり、それゆえ、合理性は虚構にすぎない☆30年前に書かれた本・原発事故の教訓は?
○○は何の比喩として使っているか説明せよ→直前の合理性といわれる組織が囚人服なのかを説明→共通点を考える=人間によって無理やり押し付けられた合理性
☆回答するときにも①イコールの関係②対立関係③因果関係を意識すること
小池昌代 「背・背なか・背後」2004年
東大の入試問題 1、4問→現代文(4問は文系用・詩などの文芸論や感覚的な随筆) 2問→古文 3問→漢文
彼岸=川の向こう側の意 此岸(しがん・対議)
比喩 たとえるもの・たとえられるものの共通点を説明
人は他人の背後は見えるが、自分の背後は死角になっている点と、人の死を看取ることはできても、自分の死を見ることができない点で、両者は似通っているということ。
詩の基本はレトリック(修辞法)→普段見慣れた現象でも表現を変えることでそれを別の角度から捉えなおすことになる→凡庸だと思っていた日常が再び瑞々しく蘇ることがある。優れた詩を味わうと世界が変わって見えることがある。
島尾敏雄 戦記もの・病妻もの・夢もの「夢の中での日常」→最初に読んだときには鳥肌が立つほど感銘を受けた。☆R04-02-06理解できず。なぜ鳥肌ものだったのかの説明があれば良い。
大森荘蔵 「流れとよどみ・哲学断章」1981年
論理のたった3つのルール イコールの関係、対立関係、因果関係
知っていても使えない人→目の前の個々の現象にとらわれてしまって、それを論理という言葉の規則に従って理解しようとしないから→あらゆる場面において3つの言葉の規則に従って考える訓練が必要
論理的な文章は、筆者の主張(一般的表現・抽象)は、次に具体例を挙げて繰り返される。
具体例から入った文章は、必ずそのどこかで一般化される。
「それが天才の眼なのである」→それ?天才=凡人との対立関係で説明
宇野邦一 「反歴史論」2003年
歴史とは何か?
歴史とは、無数の他者の行為、力、声、思考、夢想の痕跡にほかならない。それらとともにあることの喜びであり、苦しみであり、重さのなのである。→
喜び=自分が歴史に支えられ、今ここにあること
苦しみ=自分が歴史に規定され、生を決定されること
重さ=自分が歴史の中で育まれ、そして、その自分も次の世界へとつなげていく責任があること
頭を帰納的に動かす 具体A‘→抽象A イコールの関係A’=A
問題や設問は異なるが、その中の共通点を抜き取り、法則化
文章の読み方が変わると同時に、論理的な話し方、考え方、論理的な文章の書き方に変わった。
西谷修 「問われる身体の生命」1992年
向こうから訪れる死をみなしの死と置き換えるということ→人間がコントロールできない自然死を、人間の利益に即して規定する死へと転化させること
加茂直樹 「社会哲学の現代的展開」1999年
公害→ある特定の企業が特定の住民へ 環境問題→加害者・被害者ともに全人類
自然や生態系→人間の生存に必要なものとしなければならない→自覚すれば、利他的に流れがちな環境保護活動が間違った方向に行かなくなる。☆さらに具体的・因果関係を説明すべき!
阪本俊生 「ポストプライバシー」2009年
近代=世界中に西洋的価値観を押し付けようとした時代(民主主義、合理主義…)
近代の終焉をどう乗り越えるか→ポストモダン
裸の写真→ネットで永遠に無限に増殖、彼女たちが自分の家庭を持ったときに予告なしに突然目の前に立ち現われて来るかもしれない→そんな時代にプライバシーはどんな意味があるのか?
近代 プライバシーの意識 対立関係を意識→今までのプライバシーと情報化社会のプライバシーの違いは?
今まで=個人の内面 情報化社会=外部に露呈された履歴
筆者は今日の社会における個人のあり方をどのように考えているか?→今日=今までと異なる点は? データ・ダブル=データが生み出す分身
近代における自我を考えるとき、近代的自我についての最低限の知識が必要
江戸時代→集団と個人が一体化 主君は藩のために切腹・集団に尽くす
明治の知識人→孤独を表現 「行人」「こころ」
リービ英雄 「ぼくの日本語遍歴」2000年
☆考え方・解説が難しい
異文化や異言語にその身を投じたことで生まれた文学→越境文学
堀田善衛 「美しきもの見し人は」1983年
芸術論や身体論→頭でっかちでただ詰め込んだ知識だけで問題を処理する人間では理解できない
理屈では捉えきれない人間の実在を深く見つめた文章こそ、東大現代文が好むところ
日本的なるものと西洋的なものは根本的に異なっている。
西洋 キリスト教→神と人との絶対的な距離 自然科学→自然を対象化する距離
日本 神との距離感なし・自然といかに一体化するかが問題
理解するため勉強が必要・引き替えに自分たちの内なる自然を押し殺さなければならない→自分の中に内なる自然がありそれに従っていきたい
夏目漱石「それから」 代助・親友の妻を奪い取る決意→物語の一番の核心に触れたところで自然という言葉を使っているのがおもしろい。日本の一線級の知識人にとって、自然という概念はそれ以外の言葉では言い表せない重要な意味を担っていた。
鈴木忠志 「内角の和」1973年 俳優訓練法スズキトレーニングメゾット
人を好きになったとき→言葉より行動の方が自分の気持ちを相手に伝えることができる。
難解な文章→手掛かりとなる文章を押さえる
自分の姿を一番理解していないのは自分自身 世阿弥の離見の見
一流の役者は脳裏にある自分のイメージと観客の目に映っている自分の姿とが一致している→絶えず離見の見という意識が働いている→さらに心を後ろに置く→どこから見ても完全な姿で演技可能
誰もが主観というフィルターを通してものを見ている→他者意識を前提として論理を使う。
自分の意識で捉えた主観的な世界は、自分を含めた世界を俯瞰することができない。
竹内俊晴 「思想するからだ」2001年
言葉には願望実現力がある。 戦争も美しい言葉の下で行われる。
身体に根ざしていない言葉は、人をだますことはできても、人の心の奥底に届くことはない。☆R010908告白しようとしてる自分・自分の本心は?
あらゆる知的活動は言語によるものであり、その言語の使い方に一定の規則を意識することで、話し方、考え方、読み方、書き方、記憶の仕方など、すべてが変わる。 -
予備校で現代文を教える著者が、東大現代文を素材にして、「固定観念にとらわれない柔軟な思考力と、それを他者に正確に伝えるための論理的な思考力」(p.251)を解説したもの。
おれは受験現代文の話はよく分からないので、ここに書かれていることが受験界的にどうなのかということはよく分からないが、良質の評論にたくさん触れ合えるのも良いと思ったし、それが著者によって分かりやすく噛み砕かれていく様に快感を覚えた。12本の評論(1981年度の過去問とか、結構古いいものもたくさんある)と、それぞれその趣旨やポイントの解説、そして東大の過去問1つ(「傍線部を説明せよ」とか)を取り上げて解説、最後にそのテーマに関連した他の本の紹介や著者についての話などが「補講」としてまとめられている。
p.5に「キーワードだけを列挙」したものが並んでいるが、現代文頻出テーマとも言うべき、他者、自然、生命倫理、ポストモダン、言語、演技、身体論とか、高校の時に勉強したワードが並び、懐かしい。中でも鈴木忠志の演劇論の評論はすごい難しいと思ったが、逆にもっと読んでみたいと思った。もっと現代文が勉強したくなる1冊だった。(16/10/17) -
面白かった。
鏡で左右反転しているように見えることは、複数の現象とプロセスが関わっていることが説得力満点で語られた。2015/07/17 19:31 -
この本を読んでいると
自分は本を本当に読んでいるのか と言う感じがする、
特にフィクションなどは単にながめているだけかも・・・
色々な分野の方が出題され、ある意味で「やはり東大」。
歴史の科目が単なる暗記でなく、理解であるように、
現代文においても思考力の問題だと思った。
すばらしいい一冊だったと思う。 -
東大入試に出題された「現代文」の文章のアンソロジー。それぞれの文章には出口先生による冒頭の言葉と読後の解説とが付されている。イメージとしては、東大現代文にかこつけて、出口先生が言いたいことを言っているといった感じ。
出口先生の言いたいことを言っているわけだから、その話題は多岐に渡る。文章内容の補説はもちろん、「国語」を学ぶ意義にも話は及び、さらには「論理力」に関するアレコレの話も飛び出すのだ。
ちょっと小難しい頭の体操にも使えそうな一冊であるのだが、正直に言うと僕には少し反感を覚えた本でもあった。「東大現代文」の問題群がどうにも出口先生の「論理」に抱きかかえられてしまったような印象を受けたからだ。無限に広がるはずであった「東大現代文」の提示する要素に対し、出口先生が「勝手に」枠組みを設けてしまった感がある。僕個人としては、別に「東大シンパ」でもないし、東大を神格化したり、その権威を守ったりという思想はないのだが、しかし、どんなことでも「枠組み」の設定には慎重になるべきであろう。その意味で、本書に「慎重さ」は感じられなかった。
そういえば、一応「出口厳選 理解が深まる良問」と称して、各文章に1題だけ実際の入試問題が掲げられており、その解き方が解説されている。とはいえ、入試問題の解説はそもそもの本書の目的としてはズレているため、学習参考書として利用するには微妙。
【目次】
はじめに
序 章 東大が投げかける、受験生へのメッセージ
第1章 常識に縛られない思考を作る4問
Column 私が論理力を手にした日
第2章 現代の問題系を理解する4問
Column 東大入試と京大入試
第3章 芸術と文化の見方を学ぶ3問
Column 東大は「ただ、英語を話せる人」を求めていない
おわりに
《文章の出典》 -
一言に入試現代文と言っても、その大学のポリシーがあるゆえに一筋縄ではいきません。
ザ東大現代文って感じの面倒くさい評論が並んでますね。
一読じゃわからん読みづらい文が所々混ざってます。
でも、内容はおもろい。
私は京大のほうが好きです。 -
意外と解けるわーとかおもった。
文章のチョイスにも意図があるのがおもしろい。
しかし、読みにくい文章が多いこと。ためになったことはあったけど衝撃を受けたり価値観が揺さぶられることはなかった。 -
久々に評論読んだ。やっぱ小説とは使う頭が違うなあ。竹内さんの文もっと読みたい