自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~

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著者 : 佐々木俊尚
  • 大和書房 (2014年7月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794325

自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~の感想・レビュー・書評

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  • p156
    他人に寛容になり、他人に与える、そういう善い人をを目指すことが、いまや道徳でも宗教でもなく、わたしたちの生存戦略になっているんです。
    p182
    自分がピュアだと信じてしまうと、他人の汚いところを許容できなくなっちゃう。そしてもうひとつ大切なこととして、自分がいつまでもピュアであろうとしていると、自分の汚さを引き受けられない。

  • 強固な「箱」(共同体)が存在した昭和の時代は遠くになりにけり。
    小さな箱の中だけで一生を終えていた、善い人でいればよかった時代は終わり、「ゆるいつながり」の時代へ。

    どんなに過酷でも、後戻りはできない底抜けの時代を生き抜くためには、見知らぬ人を信頼し、弱いつながりを編み目のように作り出すことが処方箋になりうると著者は言う。

    そのためには何かを与えられる人(≠テイカー)、つまり「積極的な善い人」になることが、宗教や道徳といった今までの枠組みを越えて、生存戦略そのものになっていく。

    Facebookの履歴・蓄積こそがその人を表すものになっていると。

    そして、自分の立ち位置の問題にも言及。
    親鸞の例を用いながら、すべての人は偽善者でも偽悪者もなく、宙ぶらりんである(すべての人は悪人である)。 「自分は善い人である、その(被害者とか)人の気持ちがわかる!!」という偽善者になってしまうのではなく、その宙ぶらりんで中途半端な存在であるという自覚こそが、自分と相手が入れ替え可能だということを知り、他人を受け入れる(=信頼する)ことができる。


    それによってできる弱い無数の編目のようなつながりこそがが最強でオンリーワンの生存戦略で、セーフティネットになっていくのであるという内容。


    「絆」や従来の共同体が同調圧力を作って来た側面があるというのはよく語られてきたことでもあるし、実感する部分でもある。

    「絆」ではなく、その時々のひょんなことから生じる「縁」を大切にしていくことがやっぱり大切なことやなと思った。
    それぞれの縁が編目のように広がり、絆のように外と内を分けてしまわずに内も外もなく何重にも重なりながら広がっていくこと、そんな生き方がこれからの人には求められるってこと。


    「生き方そのものが戦略になる時代」の入門書として、気軽によめます。

    お試しあれ!

  • 「今」だからこそ、ゆるいつながりを作り維持していくことが可能であり、裏を返せば、「ゆるいつながり」は時代の要請から生まれたのかもしれない。

  • とりあえずゆるく色んな人とITを駆使してつながっておけ。会社以外の人脈をつくっておけ。そしたら誰かが何かをやって食っているので、自分も会社が駄目になっても、そのコミュニティに頼って生きていける。

    そんな感じ。百の仕事を持つという意味の百姓にも繋がる発想。

  • 弱いつながりが大事。自分も行動しないと。

  • もうちょっと深いこうなるだろうみたいな話も欲しかった。確かに、多くの人と弱いつながりを持つこと、善い人は信頼したくなりますし、信頼されるでしょう。じゃあ、それを得るためにプライバシーを晒したとして…?興味関心を持ってもらいたい気持ちが先行すると過激なことが必要だったりするのでしょう。
    そして、あっという間に炎上、淘汰。
    大事なのは、冒頭で述べられている価値ある情報を与えるということに帰結するのでしょう。

  •  弱(くて広)い紐帯(M. Granovetter)のすすめ。


    【目次】
    はじめに――猛獣になれないわたしたちが生き残るには [003-009]

    1 セーフティネットは自分でつくる時代 一生安泰はもう終わり 019
    まさかのビジネス戦略
    あのころは会社が好きだった
    安心感を生み出すムラ社会
    「会社」がつくった何とも素敵な仕組み
    私服を着こなせなかったサラリーマン
    安定しているのに息苦しい
    「会社の生命は永遠です」と言って自殺する企業戦士
    グローバル保守というパラドクス
    目立たず、失敗せず、狙うは満額定年
    一体、誰が逃げ切れるのか
    戦術と戦略の違い

    2 総透明化社会の時代 自分を丸見えにすることで得られるもの 053
    「リア充自慢」と思われずに「いいね!」してもらう方法
    友達が少ない人はどうすればいい?
    ユーザー数、十億人の理由
    ボタンひとつでささやかな意思疎通
    名刺より信頼できるプロフィールとは
    「肩書き」より「人間力」
    「監視社会」の何が困る?
    個人情報は「足切り」に使われるだけ
    監視社会より冷酷な「黙殺社会」
    総透明社会は「交換しあう」ことで成り立っている
    ネット探偵から逃れることはできるか
    完全なプライバシーはもはやどこにもない
    病気を公開したら、差別どころかみんなが助けてくれる
    泥棒のリスクか美味しい店情報か
    悪意に満ちた発言は、自分の評価を下げる
    悪意も丸見えだけど、善意も丸見えになる

    3 ゆるいつながりの時代 強すぎる「きずな」は「同調圧力」を生み出す 097
    きずなも同調圧力も「強いつながり」がもたらす
    人間関係も鉄道から自転車へ
    コミュニケーションがなければ高速道路は走れない
    正社員切符を手に入れれば、食いっぱぐれなかった時代
    仕事を失った時、助けてくれる意外な人
    人は「人に教えてあげたい」生き物
    共通点が少ないほど、知らない情報を共有できる
    ゆる~くつながる新しい「情の世界」

    4 見知らぬ人を信頼する時代 だからフェイスブックがある 129
    渡る世間に鬼はいるのか?
    日本が安全と言われる本当の理由
    なぜ日本人は「旅の恥はかきすて」ができるのか
    ヒッチハイク文化を崩壊させた猟奇殺人
    再び見知らぬ人を信頼しはじめた
    ネットでは嘘がつけない
    シェアサービスの根底は信頼
    「だからフェイスブックがあるんですよ」
    みんなでちょっとずつ、が新しい情の世界

    5 「善い人」が生き残る時代 嘘がつけないネットでは、善い人も悪い人も丸見え 155
    「善い人」であることが、最強の生存戦略
    善行と現世利益
    善行は堂々と積んだほうがいい
    会社のために黙々と働いても、報われない時代
    肝要であること、そして与えられる人になること

    6 生き方そのものが戦略になる時代 善悪は宗教や道徳を超える 175
    いつまでも若者ではいられない
    成熟するとは、汚れを引き受けること
    ピュアな人ほど、人のあら探しをする
    被害者意識という最強の武器
    今日の勝者は、明日の敗者
    弱者が与えてくれる安心感
    人生はいつでも「入れ替え可能」
    善人と悪人のほんのわずかな違い
    「生き方」は宗教や倫理を超えた、生存戦略

    終わりに――新しいつながり、新しいセーフティネット、新しい日本(佐々木俊尚) [202-205]

  • 「自分で作るセーフティネット」とは、これまでの社会が提供する終身雇用やムラ意識などに対する言葉として提案されている。

    具体的には、SNSで自己発信して、ゆるく幅広いつながりを作り、緊急時にはあまりよく知らない人に助けてもらえる可能性を上げようという話である。

    ポイントはp118の「仕事を失ったとき助けてくれる意外な人」の項目。

    「新しい仕事についての情報は、ゆるいつながりによって流れてくることが多い」

    共通点が少ないほど、自分の知らない情報を持っている可能性は高い。

    だから、業界全体がピンチの時でも外にゆるいつながりがあればそれがセーフティネットとなって救われることもある。

    これまでの社会は一度会社に入れば、同じ電車に乗って目的地(老後)まで行く旅だったが、
    これからは車で地図見ながら目的地まで自分で運転するような社会である。

    だから、同じ社内(車内)の人だけでなく、途中で出会った他の車の人との助け合いをしていくとよいですね。

    そんな感じ。

  • ゆるくつながりたい・・・

  • 理が勝って情がない世界で生き残っていけるのは猛獣だけ。外資系。(え、理性ってそんなにひどいものか?)

    会社というセーフティネットがなくなった。昔は会社が仕事する場所だけじゃなくサークルの部室みたいな感じだった。安心感を生み出す村意識。
    箱の中では本音をぶつけ合い、外には全て建前で対応。江戸時代ぐらいから始まったらしい。
    人間関係でつまづく不安を埋めたの創価学会。共産党。そして会社や組合が色んな不安をすくい上げる仕組みを作った。世界には会社と家庭の二つしかないというライフスタイル。

    安定していたけど息苦しくもあったので脱出に憧れた。

    今は自分を優しく包んでくれる故郷は不在。

    新しい仕事についての情報は弱いつながりを伝って流れてくる。強いつながりからはあまりそういう情報は流れてこない。


    うーん。フェイスブックで他人を簡単に信頼できる人はよくわからないが面白かった。むしろSNSは自分をよく見せるツールとしてプレッシャーを与えて実情はおかしいって人も結構いると思う。だからこそ距離が大事。

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