しないことリスト

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794776

作品紹介・あらすじ

仕事と家庭を両立して、家も買って、運動もして、流行も追って…それができる人はそうしたらいい。でも、そういうのが「うまくできる人間」ばかりじゃない。本当はしなくてもいいことを手放して、「自分の人生」を取り戻そう。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の作品、ブクログ登録は4冊目になります。
    著者の作品を時々読みたくなるのは、慌ただしい現実生活に疲れを感じるからかなあ。


    著者、phaさん、どのような方かというと、某所に、次のように書かれています。

    ---引用開始

    1978年大阪府生まれ。京都大学総合人間学部を卒業後、国立大学の職員に。数年後に退職してからは「ニート」を自称。2008年にギークハウスプロジェクトを開始後、定職につかずシェアハウスで長年暮らす。2019年にシェアハウスを出て、一人暮らしに。現在は文筆業が収入源。著書に『持たない幸福論』(幻冬舎)、『しないことリスト』(大和書房)などがある。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    仕事と家庭を両立して、家も買って、運動もして、流行も追って…それができる人はそうしたらいい。でも、そういうのが「うまくできる人間」ばかりじゃない。本当はしなくてもいいことを手放して、「自分の人生」を取り戻そう。

    ---引用終了

  • おもしろかったー。
    これはオレにとって「幸せに生きる方法」だ。

    あまりに面白いので、PCで、メモしながら、読んだ。
    以下、自分なりに分かりやすいように言葉を変えたりしてるから、引用ではなく、メモ。

    今の世は「これしなきゃ!」で溢れてる。
    テレビも、ネットも、CMでも、いつも「これしなきゃ」と潜在意識に強迫観念を刷り込んでくる。
    p1p2  (電通的な広告戦略によって無意識のうちに)

    しかし巷にあふれる「これしなきゃ」の99%は、実は、しなくても良い。
    p6

    よく分からないけど「しなきゃいけないからしてる」ことは、もう止めよう。
    (TVでやってるから、しないと時代に取り残されてしまうから、しないと仲間に入れないから・・・・・。)
    自分が「本当にしたいと実感できることだけ」を、しよう。
    p7

    1.世間の目を気にして行動を決めるのではなく、自分なりの価値観に従おう
    2.世間のペースにムリして付いて行くのではなく、自分のペースを掴もう
    p8

    第1章 所有しないリスト
    第2章 努力しないリスト
    第3章 自分のせいにしないリスト
    第4章 期待しないリスト

    何かを得ようとするなら、今持っているものを捨てるといい。
    p21

    鬱病治療の認知療法
    認知療法の基本は自分の気分や考えていることを紙に書きだしてみるだけ。
    p39

    ネガティヴな思考を頭から出して紙に書いてみるだけで、少し客観的に見ることができるようになって、「認知のゆがみ」に気づくことがある。
    p40

    「高校で習う数学や古典なんて、社会に出たら役立たない」という人もいるが、そういうものを勉強する利点は、自分で何かを調べて知識を得る方法を身につけること。
    勉強のやり方さえ身につけておけば、将来何かを覚える必要が出てきた時に困らない。
    p44

    読みたい本は、殆ど図書館で借りる。

    どうしても、手元にもっておきたい本だけ、買う。
    そういう本は100冊に1冊くらいだけど。
    p45

    重要度なし:ブクログに記録だけして忘れる。
    重要度低い:おもしろかった所だけブクログに引用しておく。
    重要度中 :要点を自分なりにまとめておく。
    重要度高い:知らない人にも、良さが分かるように、工夫して説明する。
          人に伝える文章にすることで、自分自身の理解も深まる。
    p48

    単なる情報でしか無いものを、血肉化するためには、他人に読まれることを意識しながら文章化してアウトプットするのが有効。
    p49

    コンコルドの誤謬
    イギリスとフランスの共同開発で莫大な予算をかけて開発された超音速旅客機コンコルドは、完成前にすでに「将来にわたって収益が見込めない」ことが分かっていたのに、それまでに投資した資金や労力を無駄にできないという理由で開発は継続され、結果的に、商業的に失敗に終わった。
    株の投資でも「損切りが一番重要」と言われる。

    間違った方向に進み続けるより、早めに方向転換したほうが傷が浅くてすむ。
    p57

    過去に固執しない。
    人は、たとえ失敗でも、過去に積み重ねてきたものに固執するあまり、捨てることができない。損切りに失敗する投資家のように。
    ましてや、成功した過去なら、余計に捨て去ることが難しい。
    だが、成功であっても、積み上げすぎると息苦しくなる。
    時々は、捨てたり壊したりして、リセットしてみる。
    p63

    昔のドイツの軍人ハンマーシュタインの言葉。

    有能な怠け者は指揮官にせよ。
    有能な働き者は参謀にせよ。
    無能な怠け者にはルーティンワークンをやらせよ。
    無能な働き者には一切責任を与えるな。


    面白いのは、有能な働き者よりも、有能な怠け者を最高責任者に選んでいるところ。

    有能な怠け者は、他人にできることは他人に任せて、些細なことは気にせず、自分がやるべき大きな決断だけをする。だから人の上に立つのに向いている。

    逆に、一番悪いのは、無能な働き者。
    何もせずにじっとしておけば良いのに、やらなくて良いことをやって、事態を悪化させるから。
    p68

    仕事をするために人生があるわけじゃなくて
    人生を充実させるための一つの手段が仕事であるに過ぎない。
    p69


    だるいときは積極的に「だるい」と言う。
    口に出すことで、だるさが、少し和らぐから。

    昔は、炭鉱に入るときにはカナリアを持って行った。
    有毒ガスに触れると、グッタリして鳴き止むから。

    人間社会も同じで、体力や忍耐力がある人間は、会社がおかしくなっても、がんばってしまうが、ストレスに弱い人は、すぐに状況の悪化を素早く察知する。
    p72

    他人に対して、自分を大きく見せようとしない。
    他人から期待されないほうが、自分の好きなように行動しやすいから。
    他人から「こいつはダメだ」と思われてるほうが、楽。
    p78

    特に、ネットでは、自分を大きく見せないこと。
    「オレはダメだ」「何も分からん」と言ってるほうが、炎上を、回避できる。
    p79

    能ある鷹は、
    「海外旅行が楽しい」「こんなに幸せなことがあった」というのを、友人だけが見れるフェイスブックなどクローズドなSNSに書いて
    「仕事が行き詰まった」「財布を落とした」などのつらいこと、イヤなことは、ツイッターやブログなど不特定多数が見れる場所に書く。

    (そのほうが、好感を持たれるし、妬みや恨みをかわなくて済むから。)
    p79

    関西人的なコミュニケーションでは、ネガティヴなことから言って、他者との壁をできるだけ低くする。
    自分のことを「俺ほんまアホやわ」
    身内を紹介するときに「こいつほんまアホやし」
    「最近どう?」「どうもあかんなあ」
    それは、ほんとうにダメなのではなく、自分を低く見せることで、相手をリラックスさせるワザなのだ。
    p80

    自慢しない方が、他人の反感や妬みをかわないので結果的に得する、という計算。
    p80

    他人から見下されることを恐れる必要はない。
    Aさんから見れば、世界の中心はAさんだから、自分と関係ない人の存在など取るに足らないものに見える。
    誰にとっても、世界の中心はその人自身だから、他人の存在は、自分より下に見える。
    だから、自分が、他人の世界の中で、下の存在であっても、取るに足らない存在であっても、気にする必要なんかない。

    他人の評価なんかどうでもいい。
    自分が自分の世界の中で評価できる存在であれば、それで良い。
    p81

    睡眠が大事。
    手塚治虫と石ノ森章太郎がパーティーで話していた。
    「私は徹夜2日めです」
    「僕なんか3日めです」
    その2人に向かって、水木しげるが言った。
    「自分はどんなに忙しくても10時間は寝てます」
    「そりゃあ、うらやましいなあ」
    という2人に対して、水木しげるは
    「睡眠こそが長生きや幸せの全ての源だ」
    と力説するけど、2人はあまり真剣に取り合おうとはしない。

    結局、手塚と石ノ森は60歳で死亡。
    水木は93歳まで生きた。
    p83

    眠りを大事にしよう。

    できるだけ、自分でしないで、他人にやらせる。
    p86

    人は、意外と、何かを頼まれたがっている。
    よっぽど余裕がないとき以外は、誰かに声をかけられたり、頼りにされたがっている。

    頼んだり頼まれたりすることでコミュニケーションが広がる。

    ①低姿勢でお願いする
    「やってくれたら、助かるし、とてもうれしいんだけど」みたいに柔らかく頼む。
    ②やってもらったら、お礼を言う。
    お礼を言うのはタダだから、必ず、丁寧に、お礼しよう。
    ③自分が頼まれた時には、引き受ける。

    直接の見返りがなくても、「なんとなく貸しを作った」というだけで人は満足する。
    p89

    いやなことはしない。
    p94

    土日だけを特別視しない。
    平日に行動すれば、空いてるから、楽。
    旅行だって、オフシーズンで行けば、安くて楽。
    世間の休日とズラして行動するのは快適。

    朝晩の満員電車や正月お盆ゴールデンウィークの渋滞は地獄。
    p99

    1箇所にとどまらない。
    大前研一の言葉

    人間が変わる方法は3つしかない

    ①時間配分を変える
    ②住む場所を変える
    ③つきあう人を変える
    p102

    何かに行き詰まったり、何かを変えたいと思うときは、「キモチを入れ替えて頑張ろう!」と精神論で頑張るより、まわりの環境を変えたほうが良い。
    p103

    家から離れた場所へ行くと、自分の普段の生活について、ちょっと客観的に見れる。
    普段からモヤモヤしてた何かがはっきりと浮かび上がる。

    人は、何かを考えるとき、自分がどこにいるのかという地理的な条件に、結構左右されているものなのだ。
    ひとつの場所に留まらず、ときどき、移動しよう。
    p104

    人の発言はすべて、その人の立ち位置からの意見に過ぎない。
    立場によって、見え方、考え方が異なってくる。
    物事なんて、目線の位置によって、丸にも四角にも三角にも見える。

    それぞれの立ち位置から見た、それぞれに偏った見方を、肯定的に捉える。
    それが他者の存在を肯定することだ。
    p113

    孤立しない。
    phaさんが会社員のときは、会社で仲の良い人がいなかったし、仕事が忙しくて、会社以外の人と合う機会も少なかったので、毎日、孤独を感じていた。

    会社を辞めて、ネットで知り合った人と会い、オフ会にも参加してるうちに、趣味が合うひとをたくさん見つけることができて、会社勤めの時よりも、友達が増えた。
    p122

    ダメなやつでも集まっていれば、少しだけ死ににくくなる。
    p124

    少数派の感覚を持つ人は、自分と話が合う人に出会うためには、ネットなどのツールを利用するのが一番良い。

    社会のシステムやルールの多くは、多数派のために作られている。
    でも、力のない人間でも集まっていれば、互いのダメな部分を補い合える。
    弱い人間や少数派の人間こそ、孤立せずにつながりを作るようにしよう。
    p125

    感情を殺さない。
    すごく気分が落ち込んだとき、「もう何もかもダメだ」「死にたい」という気分になったとき、床に寝転んで手足をバタバタさせたり、髪の毛を両手で掻きむしったりしながら「ウオーゥ、俺はもうダメだー、どうすれば良いんだー」と何回も口に出す。
    泣きわめくことを、時々やったほうが良い。

    ツイッターで、メインのアカウントとは別に、「疲れた」「もうダメだ」とネガティブなことばかり書き込むアカウントを持っている。誰も見てないかもしれないけど、見てるかもしないアカウント。「王様の耳はロバの耳」みたいに。
    p146

    できるだけ正確に現実を認識して、妄想を膨らませすぎないようにしよう。
    ブッダの話。ひとり子を亡くした母親の悲劇の話。
    でも、みんながブッダ並に悟ってしまったら、人類が滅びる気もする。
    ただ、人生の中で、少しだけ諦めを取り入れると、ラクになる、という効果がある。
    p157

    家族とか宗教とか、閉じた人間関係が嫌い。
    閉じた人間関係はおかしくなりやすい。
    閉ざされた空間では、外から見たらおかしな行為が、その中でだけは普通に行われたりする。いじめや、カルト教団や、家庭内暴力や。
    外部の人が、出入りするようになれば、風通しの良い健全なコミュニティになるのに。
    p161

    ただし、「流動性が高い」にも一長一短がある。
    家族は流動性が低いコミュニティであるがゆえに10年も20年も、絆が切れないという効果が期待できる。
    p163


    何かをするときは、「それが何に役立つか」よりも、そのこと自体を楽しむことが健全。
    p165

    タルコット・パーソンズの提案したコンサマトリー。
    目的のために何かを犠牲にしてそれをする、のではなく、それをすること自体を楽しむ。
    p167

    三田紀房『インベスターZ』
    投資部の新入部員が、一人で映画館に入らされる。
    ところが、その映画は、つまらない内容だった。主人公は途中で映画館から出る。
    すると、先輩たちが待っている。
    それは「つまらない映画をいかに早く見限って、出てこれるか」というテストだった。
    投資における「損切り」がいかに早くできるかを試したわけだ。
    失敗した場合、今までにつぎ込んだ時間やお金を惜しんで、惰性でそこに留まってしまってはいけない。できるだけ早く切り上げて、被害を最小限に抑えることが大事。
    p171

    ネットでは「大好きな人と結婚できてうれしいです」と素直な気持ちを書き込んでも「結婚したくてもできない人がそれを読んだらどう思うか考えてみてください」とか「結婚制度で無視されている社会的マイノリティの問題について考えたことがるのでしょうか」とか、妬みや予想外の銃弾が飛んで来ることがある。

    「ファミレスのゴハンがおいしい」と書いたら、「ファミレスしか行けない貧乏人は可哀想」という中傷や「ファミレスに行けるなんて贅沢で、ほんものの貧しさを知らないのだ」という中傷など、両方向から銃弾が飛んできたりする。
    だから、他人の意見は気にしない。
    p177

    モーツァルト36歳

    Phaさんは30歳位から「もうこれからは余生」と思って生きている。
    知人は「義務教育を終えたら、もう余生」と思って生きている。
    「よく、こんな年まで生きたものだ。偉い」というカンジで生きている。
    p189

    「いつ死ぬか分からない」と思えば、意識がクリアーになる。
    「もっと早く死んでたはずだった。今の人生は、オマケのようなものだ」と思えば、どんなに厄介な出来事があっても、心に余裕が出てくる。
    人はどうせ必ず死ぬし、宇宙や地球の何十億年という時間から見れば、長生きしても早死しても、変わらない。
    p190

    突き詰めない。
    妥協とか、仕方ないとか、適当さをある程度導入した方が良い。
    p194


    人間は、出来事に、意味や理由を求めてしまいがちな生物だけど、本当は、出来事に意味などない。他の動物みたいに、なぜだか分からないけど生まれてきて、何かの拍子に死ぬ、という、そうだけだ。
    だとすれば「これしなきゃ」とか「あれしなきゃ」とかコマーシャルやマスメディアから垂れ流される脅迫じみた「しなきゃリスト」に囚われず、自分の正直な気持ちに従って、好きなように生きた方が良い。
    人生の「したいことリスト」は自分で作っていこう。
    p196





    福本伸行p60とか三田紀房p170とか、呼び捨てなのに、大前研一さんp102だけ「さん」づけなのが気になる。マンガ家をナメてる?

  • 私は、全ての人が明るく陽気でアツい必要は無いと思っている。
    それぞれに落ち着く(魅力的にみえる)温度が誰しもあるのではないだろうか。

    タイトルから感じとれるように、
    この本、そして著者には「ガツガツ感」が無い(と私は思う)。
    だからと言って、この本には絶望感や卑屈さ、暗さは無い(と私は思う)。
    なんだか上品ですらあり、満ち足りた印象を受けた。
    それは著者が自分の適温、自分らしい生き方を確立しているからだと思う。
    本の内容よりもそちらの方が私には印象的で新たな気づきだった。

    また、本の中で著者が影響を受けた本がいくつか紹介されていて、
    読書を習慣化したい私にとってありがたかった。
    読みやすい構成のため、読書の入り口としてタイトルにピンと来た人は
    読んで損はないと思う。

  • 《「しなきゃいけないこと」に追いかけられずに心に余裕を持って生きていくには、どうしたらいいのだろうか。
    結局、自分の頭で「それは本当に必要なのか」を一つ一つ考えていくしかない。
    評価基準を自分の外に置いている限り、他人に焦らされるのは避けられないからだ。

    1. 他人や世間で行動を決めるのではなく、自分なりの価値観を持つこと
    2. 他人や世間のペースに無理に付いていこうとせず、自分のペースを把握すること

    この二つのポイントが大切だ。》

    「独占しない」
    《僕が何か新しいことを始めるとき、気をつけていることが二つある。それは「自分のやりたいことを自分のペースでやる」ということと「ゆるく外に開いておく」ということだ。》

    「デジタルにしない」
    《ただ知っているだけじゃなくて、その知識や情報を自分の血肉のようにして、自由自在に使いこなせるようになりたいときは紙の本で読む。何か身につけたいこととか、何か深く考えたいことは、紙とペンを使って書きながら覚えたり考えたりしていく。》

    「人生をラクにする 期待しないリスト」
    《ただ、自分一人の頭の中で理想や思い込みを膨らませすぎると、理想と現実のギャップで苦しくなる。
    だから、できるだけ正確に現実を認識して、妄想を膨らませすぎないようにしよう、ということだ。》

    「何かのためにしない」
    《人生ではときどき「今を犠牲にして先のためにがんばる」というのが必要なときもあるけど、基本はコンサマトリー(何かの目的のためにそれをするのではなくそれ自体を楽しむ)的に生きるのが幸せに生きるコツだ。》

    「最後まで我慢しない」
    《一人でふらふらと会場の周辺を散歩したり、コンビニで雑誌を立ち読みしたり、缶コーヒーを買って公園で一服したりして、またイベントに出る気力が回復したら会場に戻る、という感じだ。
    飲み会を抜け出して繁華街で道端に座って、微妙に酔った頭で通行人を眺め続けるのも妙に楽しい。
    (…)何かをサボって別のことをするのはそれだけで楽しさが増すものだ。
    ちょっと気分転換してからイベントに戻ると、また新鮮な気持ちで人と話せる。》

    《「なんかビミョー」と思ったら、早めに抜け出そう。
    他人のペースに合わせる必要はない。惰性に流されず、自分に必要な部分だけつまみ食いするようにしよう。》

    「突き詰めない」
    《どんな素晴らしい思想でも、原理主義は行き詰まりやすい。》

  • 人生をラクに生きるための考え方を提供してくれる本。
    この社会が生きづらいなーと思ってる人にはぜひ読んでほしい。
    そうじゃなくてもこの本は程よいバランスで世界を眺める感覚を養ってくれるんじゃないかと思う。

    作者は社会に対する適応能力が低いらしく、そうしたマイノリティの視点で世界を捉えている。自分はありがたいことにたまたま割と社会に適応できる人間に育ったので、そうした視点からの意見を改めて知れたことは大きかった。これからは他者にもう少し寛容になれるような気がする。

    また、普段なんとなく感じていることを納得できる形でうまく言語化してくれるところがあり、共感もできた。

  • 仕事や生活に疲れた時に読むと気持ちが軽くなる本。
    自己啓発本は気持ちが高まる一方、さらにしなければいけないことが増えて余裕がなくなるが、この本では自己肯定感を少し高めることができて心の余裕が生まれる。

    ・無理に「〜しなければ」をしなくていい
    ・他人を気にし過ぎない。合わない人の話はよく喋るテレビだなと1割程度聞けばOK。理解ある人のも7割程度で、平均5割くらい聞き流すくらいで良い。

  • 多数派の「こうするのが一人前、幸せだ」という考えに乗れない人が、自分なりに生きるための考え方を載せた本。小さな考えの羅列に過ぎないのだけど、読んでいて頷くこと多数。「あれもこれもしなきゃ」という固定観念を手放して、残った物について考えよう。読了後は、自分が本当にしたいことに集中したくなった。

  • 〇〇しなければ!というのが溢れてる中で
    しないことを教えてくれる本はなかなかないので
    読んでいてすごく楽しかったです。

    私はイヤなこともがんばっちゃうタイプ。
    口癖は「がんばります」
    でも人生ラクして楽しく生きていきたい。
    がんばることをがんばらないって胸に響いた。

  • いろんなことに悩みを抱えている人は、これを読めばすっきりするはずです。
    胸のつかえが降りていくような感じで。
    もっと楽に考えて、きっちりきっちりしなくてもいいのだと思います。
    いくつか、とても共感できるところもあったので、やっていこう(いや、やらないでいこう)かと思っています。

  • 死ぬまでに「すること」「したいこと」の本も沢山出ているけど、「しないこと」も改めて自問しておくと生きやすくなるのかなと思う。する、しないの選択の連続が新たな喜びも悩みも生むのかなー。なるべくなら悩みや不安を少なくしたい。本書の「二択にしない」で他者に対する寛容さが自分自身のラクにつながるというのは腑に落ちた。

  • 疲れた時とか、もう仕事がんばりたくない時に読みたい本。(図書館)

    P150
    人間は気力や体力さえ充分にあれば、じっと何もしていない無為な状態に飽きてきて、自然と何か前向きなことをやろうという気持ちが湧いてくる生き物だ。

    P165
    何かをするときは「それが何の役に立つか」を考えるよりも、そのこと自体を楽しむのが健全だ。

    P156
    小さい子供を病気で亡くした母親が、その死を受け入れなくて、悲しみにかられてブッタのもとにやってきた。

    ブッタ「一度も死人を出したことのない家」からケシの種をもってきたら、なんとかしてあげましょう」

    母親は、色々な家を巡ったが、どこの家も死人を出したことがある家ばかりだった。

    身近な人の死から無縁な人間は存在しない。ことを気づいた母親。

    命あるものは誰でも突然死ぬことがあるし、形あるものはすべて壊れる。一寸先は何が起こるかわからないのが現実世界だ。

    >>>>
    昔、インドのバナラシーで火葬場を見学しにいったことを思い出した。
    当時「インドは生と死が身近なんだな。」と感じた記憶が蘇った。

  • 数年ぶりに再読しました。やはり本棚から消えることはなさそうです。「〜すべき」、「〜する方法」で溢れた世の中にちょっと疲れたとき、心と体を緩ませるために必要な本だと思います。

    タイトル通り様々な『しないこと』が書かれていますがそれらは決して後ろ向きではなく、生きやすくするためのヒントです。個人的には
    ・独占しない→不純な動機
    ・過去に固執しない→コンコルドの誤謬
    ・だるさを無視しない→炭鉱のカナリア
    ・感情を殺さない→「俺はもうダメだ」という儀式
    あたりが好きでした。

    くすっと笑えるような文章もあるので(燃やすなら紙幣にしよう、とか。笑)肩の力を抜いてゆるく読めます。でも恐らく著者の背景は結構ヘビーなんじゃないでしょうか…?本質を突いている部分が多いのはご本人のリアルな体験があったからこそ、なのかもしれません。

  • 「ニートの歩き方」の著者による、ミニマムな生き方の提案。
    残念ながら、phaが深く考えて書いていた前著書にくらべて、他からの借り物の考え方が多くて半分くらいは読み飛ばした。

    一つだけ、なるほどと思ったのは、「面白くない集いからは、いろいろ理由をつけてさっさといなくなろう。無理して最後までいる必要は無い」という考え。
    つい、もったいない気がして最後までいることが多かったけれど、それって、もったいないからって不要な服をいつまでも収納しているのと同じなんだなぁと思った。

  • phaさんは「知の整理術」に続き2冊め。
    世間一般が推す価値観に縛られず、本当に好きな暮らしに近づくための"しない"提案。正しいか正しくないか、ではなく「今見えてる景色は唯一無二じゃないよ〜」てことをゆるく語りかけてくる。
    比較的「しなくちゃ思考」にハマりがちな自分のマインドストレッチのために常備しておきたいフレーズがたくさん。頑張る毎日にちょっと疲れた、なんて方にマッサージがわりにお勧めしたいです。

  • 特に得るものはない。

  • こういうユルさを容認してくれる世界にならないものかしら。怠惰に行こうぜ。

  • 本の内容も良かったけれど、それよりも作者のテンションや姿勢の心地良さの方が印象に残っている。友達でも、「この人と一緒にいる時の自分が好き」という感覚があるように、この本に向かっている時の自分が嫌いじゃないなって思った。

  • 外的要因を物事のモチベーションにするなって言ってる人が「これどう?いいでしょ?」って支離滅裂です。

  • 本屋にふらっと立ち寄ってふらっと手に取ってみた一冊。
    ちょうどネガティヴになってたところに、新しい視点を与えてくれて少し楽になった。
    この本はなによりマイナーな生き方や仕事をやめる著者の独特な生き方によって、人生を自分なりに生きることへ勇気を与えてくれる。
    著者自身の生き方がマイナーであれ、著書から学べることは、具体的にやらないことを明確化することで行動に移しやすいということであった。たとえば掃除をしない、とか。普通はすることばかり書くのだが、それをしていてやる気が失せた自分にとってはしないことをあえて書くのはなかなか気持ちがいいし、やってみよう(ある意味)という気になった。

  • Pha『しないことリスト』(大和書房、2015)

    京大卒、「日本一のニート」こと現代の高等遊民Phaさんの人生論。

    子供の頃からやる気がなく疲れやすい体質だったという著者は、新卒で一旦就職するも、毎日同じ時間に起きて出勤する暮らしに違和感を覚え、28歳のときに退職。無職のまま上京し、プログラミングしたりシェアハウスをやってみたりとゆるく暮らすことに。

    収入は何分の一になったものの、自分の生活スタイルと体質にあった暮らしで人生のクオリティは上がったといいます。

    アウレリウス『自省録』にもあるように、こういう暮らし方もある、と知り自分の「最低ライン」を下げることで、心理的に避難場所を持つことができそうです。

    【本文より】

    ◯今はほとんどの「しなきゃいけないこと」を捨てて、自分のしたいことと生きるのに最低限のことだけをして、「あまり社会と関わらず、のんびりと毎日寝て暮らす」という、自分で考える限りで最高にラクな生活を送っている。

    ◯家が快適かそうでないかという問題よりも、家の維持費にお金を取られて労働しなきゃいけないほうがキツい。

    ◯「がんばるのは無条件でいいことだ」という精神論をまず捨てよう。がんばることもいいけど、それよりも一番いいのは「がんばらないでなんとかする」ということだ。

    ◯人生はそんなマゾゲーじゃない。大体、そういうことを言う人は、その人自身が「つらいことに耐えてがんばる」というのが好きなだけで、単に個人の性癖だ。

    ◯会社を辞めることを決断したのも、「辞めるなら早いほうがいい。この先何十年もこの会社で働き続けるなんて自分には無理だし、そんな先まで生きているかわからない。来月死んだら死ぬ間際に、今仕事をやめなかったことを後悔するだろう」と考えたのが決め手だった。

  • この著者の「持たない幸福論」を読んだことがありますが、それと類似する内容もそれなりにありました。
    タイトルにリストとあるように、中身は「二択にしない」「予定を守らない」など、題とその補足となっていますね。項目ごとに分かれており、読みやすいと感じました。
    中身は今回も期待しないとか無理をしないといった雰囲気。自己責任は50%でいい、というのが私には気が楽になる言葉でした。
    著者の考えた「しなくていいこと」を元に前作をわかりやすくまとめ、それに新しい内容も追加した本という印象でした。

  • 【before】この本を読む前の私は、これらを知りませんでした。
    ・ヨガで息を深く吸い込むコツは、一旦限界まで息を吐ききること。
    ・ラリーウォール(プログラマー)の言葉「怠惰:レイジネス、短気:インペイシャンス、傲慢:キューブリスは、プログラマーにとっての三大美徳である」
    ・ハンマーシュタイン(ドイツ軍人)「有能な怠け者は指揮官に、有能な働き者は参謀に、無能な怠け者にはルーチンワークを。無能な働き者には一切責任を与えるな」
    ・統計的に「特定の環境に置かれた人に現れる高確率の結果」のデータは出ている。
    ・個人の努力ではどうしようもないことが人生には多い。
    ・「努力を出来る能力も、恵まれた環境の産物だ」ジョン・ロールズ(哲学者)
    ・「人間が安定した社会関係を結べる相手は平均150人ほど」ロビン・ダンバー(進化生物学者)根拠は「霊長類の大脳新皮質の厚さと、群れの数が比例している」
    ・ブッダは、子の死亡を受け入れられない母親に「一度も死人を出したことのない家からケシの種をもらってきたら何とかしてあげましょう」と言った。
    ・どこかに行くために歩く→インストゥルメンタル(道具的)
    ・歩くこと自体を楽しむ→コンサマトリー「それ自体を楽しむ」という概念。
    ・成長が頭打ちになると、今を犠牲にして先のために頑張ってもそんなに明るい未来が待っているかは分からない。結果「今の時間自体を楽しむ」にシフトする。
    ・丹田(臍から指3本下)に意識を集中する→「全身から上手く力を抜くため、意識しても力が入らない場所(単に腸が入っている)に意識を集中」

    【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。
    ・注意資源→注意を払うエネルギーで有限。モノが多いほど個々の扱いは疎かに。
    ・「10万円で家を建てて生活する寝太郎のブログ」や書籍、ビーライフ。「いざとなったらそういう生き方もある」と思うだけで心のお守りになる。
    ・情報をオープンにしなければ自分が進む速度以上には進めない。でもインターネットって知能増殖装置のようなところがある。低コストで知識シェアに向いている。
    ・誰だって自身が世界の中心、自分の価値観が絶対的基準なのは当然。逆に自分が他人の世界で取るに足らない存在、他人の価値観でダメ人間でも気にする必要はない。
    ・手伝ってもらうと幅広く色々なことができるし、人間関係や信頼関係も広がる。
    ・長期的に生き残るのは「自分の嫌じゃないことを、無理のないペースでやる人」
    ・ネットや都会ではマイノリティが個々のコミュニティを作って棲み分けている。
    ・少数派は、話が合う人に出会うために色んなツールを使わないと辿り着けない。
    ・弱い人間や少数派の人間こそ、孤立せずにつながりを作るようにするとよい。
    ・「プログラミングができなければ野垂れ死んでいた?」のような、社会性や協調性があまりない変な人もプログラマーには結構いた。
    ・ IT 系のスキル獲得に役立つ職業訓練には、Web デザインのコースもある。
    ・閉じた人間関係はおかしくなりやすい。一番力のある人が主導権を握るから。
    ・集団は閉じないように外部へのチャンネルを常に持つようにする。出入り自由にして人の流動性を保つのが、風通しの良い健全なコミュニティを維持するコツ。
    ・コンサマトリー的に生きるのが、幸せに生きるコツ。
    ・「自分の意見とは少し違うけど、そうかもしれないですね、気持ちはわかりますよ」くらいの立ち位置がいい。

    【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。
    ・「何が欲しいか」要求をはっきりさせる。Yes でも No でも返事がしやすいので、相手にしてもらえる確率が高まる。
    ・自分のやりたいことを無理のないペースで長期間続け、ゆるく外に開いておく。
    ・デジタル:忘れてもいいけど検索すれば出てくるようにしておく。
    ・アナログ:自分の血肉にして自由自在に使いこなせるようになりたい時使う。
    ・後で思い出す時のフックになる引っかかりをたくさん埋め込んでおく。
    ・自分が何か頼まれたら引き受けるようにする。頼み上手や頼まれ上手になる。
    ・また後で続きを再開できるようメモを残す。コツは「未来の自分は他人」
    ・自分の好きなものを淡々と作ってネットにアップする。
    ・「そうかもしれないですね、いいんじゃないですか、私難しいことは分からないです」みたいに、議論を避けるために普段から曖昧な相槌を打つ練習をしておく。
    ・義務教育を終えたら余生。誕生日ごとに山田風太郎・人間臨終図鑑の自分の年齢のページを読み返したい。
    ・ニートの歩き方・技術評論社、持たない幸福論・幻冬舎を読む。

  • あらゆる情報が氾濫する現代社会で、「しない」ことで生きるのをラクにしようと内容の生活テクニック本。

    著者のpha氏の生き方は、一般的なそれとはかけ離れています。
    そのため、参考にならない部分もありますが(ギークハウス絡みの話など)、「図書館を自分の本棚のように扱う」「読んだ本を自分のものにする」「悩んだら紙に書き出したり他人へ相談するなどのアウトプットを行う」といった、生活していく上で自己成長へ繋がったり気持ちがラクになったりすることがたくさん書かれています。

    また、1パートが非常に短く、どこから読んでも大丈夫な構成がとられているので、参考書的な読み方もできます。ふと思い出した時に非常に手に取りやすのが大きいですね。

    読みやすく、参考になる点も多い、非常にためになる本でした。

  • 私も同じような生き方かもしれない

  • 参考にしたお

  • ブクログの紹介

    しなきゃいけないことからの解放

  • 自分とは思考が逆の著者。
    したくないことは、しない。
    したいことだけを生きて行くための道標になる本。

  • こういう考え方の、そのさき、があるように思う。ので、足りない気がした。

  • タイトルに引かれて手に取った。

    こういうゆるい生き方もあるんだなぁ、もっと肩の力を抜いて生きてもいいなぁと思わされた。
    きっちりしてる私には合わない生き方なので、実践はできないけど、知れてよかった。

  • しなくてはいけないことに縛られて、生きづらい方に読んで欲しい。

    「義務教育を終えたら余生」というリストのタイトルに衝撃を受けた。
    そのくらいの気持ちでいたら、今自分がどれだけ出来ていないことが多くてダメなところが多くても、余生だからまぁこんなもんかと思えるかも知れない。

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著者プロフィール

一九七八年大阪府生まれ。作家。著書として『どこでもいいからどこかへ行きたい』『しないことリスト』『夜のこと』『人生の土台となる読書』など多数。大学生のときに京大短歌会に少しだけ参加。第5回笹井宏之賞では最終選考に残る。文学系ロックバンド、エリーツの一員としても活動。東京・高円寺の書店、蟹ブックスでスタッフとして勤務している。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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