- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480015129
作品紹介・あらすじ
経済学の専門家でない人の経済本がよく読まれることがある。多様な議論があるのはよいが、それがトンデモなく間違っている場合は問題である。インチキな経済解釈がまかり通れば、間違った経済政策が採用され、人々を不幸にしてしまう危険性があるからだ。本書では、経済学が演繹法を用いて思考し、それが生活のさまざまな場面で活用できることを、実例を挙げて解説する。
感想・レビュー・書評
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・帰納法、類推法、アブダクションへの批判
・経済学的嗜好とは演繹法
・辛坊本への批判のための本で、読んでてマイナスの感情に触れざるを得ないのが辛い詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図表があれば理解の助けになると思う。
比較優位の考え方から貿易は貿易する両国が共に利益を得るのでプラスサム。
シロウトが書いた経済学の本に警鐘を鳴らしている。
経済学がどういうものであるか難解であるが再認識出来た。
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経済学は帰納法ではなく演繹法。
データから読み取るだけではなく、推理する。
ということで、素人経済学をするどく批判。
一見、確からしい説も、じっくり考えると違っていたりする。 -
評価の高い啓蒙書を多数ものされている岩田先生の著書。
エセ経済学に陥っている例(辛坊本)をとりあげて反面教師とし、経済学の思考法を説明している。
ただし、推敲が十分でないのか、他の本ほど読みやすくない。生煮えという印象を受けた。たしかに、辛坊さんがテレビで独特な「経済」の講義をしている以上こういう指摘は必要だが。
なお、
『国際金融論を学ぶ』(岩波新書)
『日本経済を学ぶ』(ちくま新書)
『デフレと超円高』(講談社現代新書)
このあたりの新書は文句なくオススメ。 -
既読「福澤諭吉に学ぶ思考の技術」で紹介されており興味を持って購入。前半は素人経済評論家のいわゆるトンデモ経済学を徹底的に批判しその誤りを指摘する形で経済の状況を解説している。例えば国債の増加と消費税や将来世代の負担の関係など。後半は経済学的思考術を用いて社会問題を分析する。例えば女性の晩婚化、自殺率の高止まりなどである。もちろん簡単に解決策がうまれるわけではないが、こういう思考をすることが問題の社会化につながる一つのルートだと感じた。
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読了。旬な著者の一冊。読み始めでは「頭のイイ皮肉屋」的イメージをもったけど、途中から非常に分かりやすい内容でした。演繹法、シグナリングの原理、インセンティブの工夫、逆選択、株式会社の考え方などなど。辛坊本をしつこく批判するがあまりの批判ぷりに興味が出てしまうという逆選択を身をもって体感出来る。
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経済学の基本的な考え方をとても丁寧にわかりやすく説明してくれる良書。経済学を学ぶ前に読むといいかも。
・帰納法ではなく演繹法
・機会費用
・インセンティブ
・市場原理主義と自由放任主義の違い
・比較優位
・非対称情報
・温かい心と冷静な頭脳
著者の岩田規久男教授には辞意を表明した白川日銀総裁の後任で総裁をやってほしいが下馬評的にはちょっとないかな。委員会のメンバーにはなってほしい。 -
経済学初心者の私にもとてもわかりやすい。
かつ読み物として面白い。
個人特定のバッシングはいかがなものかとは思う。 -
偉そうな割には、たいした内容じゃない気が・・・。
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岩田先生はこういう啓発的な基礎テキストを書くのがたいへん上手だと思います。
簡単=いい加減ではなく、本質を捉えて平易に説明するというのは真に理解していないと書けるものではありません。
これは経済学的な考え方の解説ですが、
「世の中の事象の原因は単純なものではなく、表面だけ見て言うとたいてい間違っている」
「専門外のことにやたら意見を言うものではない」と
学問全般の心構えになっているかと。
なお、日本銀行批判もちらりと出てきますが、「日本銀行はあらゆる手段を用いて人々の間にインフレ予想を形成すべき」というのは正論ではあります。日本銀行にはデフレ脱出のインセンティブが無いという指摘は的を得ておりますが、場当たり的な政治家の恣意を許しかねない日銀法改正にはやはり危惧を持つものであります。
この辺りの金融政策にフォーカスした岩田先生の意見を深く聞いてみたいところです。